グランドアワードは『原神』『ELDEN RING』! 「PlayStation Partner Awards 2022」受賞者たちの声をお届け

カワチ
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 SIEは12月2日に2021年10月から2022年9月の間にヒットしたPS5およびPS4のタイトルを表彰する“PlayStation Partner Awards 2022 Japan Asia”の表彰式を東京都内で開催しました。

 記事ではグランドアワードやパートナーアワード、ユーザーズチョイスアワードを受賞した各タイトルの担当者インタビューの様子をお届けします。

グランドアワードは『原神』と『ELDEN RING』!

 総ゲームプレイ時間の上位30タイトルのうち、日本およびアジア地域のユーザー投票によって選ばれた上位5作を表彰するユーザーズチョイスアワードは、『ELDEN RING』、『地球防衛軍6』、『Stray』、『STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN』、『Ghostwire: Tokyo』が受賞しました。

 スペシャルアワードは、日本・アジア以外の地域で開発されたソフトウェアメーカーのタイトルにおける日本・アジア地域売上最上位作として『Apex Legends』、SIEワールドワイド・スタジオと共同開発されたタイトルでの全世界売上最上位作として『グランツーリスモ7』が受賞。

 全世界売上上位にランクインし、とくに注目すべき活動成果を残したタイトルを表彰するパートナーアワードは、『鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚』、『遊戯王 マスターデュエル』、『ファイナルファンタジーXIV』、『機動戦士ガンダム バトルオペレーション2』、『バイオハザード ヴィレッジ』の5タイトルが受賞しました。

 そして、日本・アジア地域で開発されたソフトウェアメーカーのタイトルで同期間内の全世界売上上位を表彰するグランドアワードを受賞したのは『原神』と『ELDEN RING』でした。

インタビュー

 表彰式の会場では、GRAND AWARDとPARTNER AWARDを受賞したタイトルの開発スタッフに対するメディアインタビューが行われました。なお、『原神」でGRAND AWARDを受賞したHoYoverseは、インタビューを辞退しています。

『ELDEN RING』/宮崎英高氏(ディレクター)

──GRAND AWARDとUSERS' CHOICE AWARDのダブル受賞について一言お願いいたします。

宮崎氏:大変、光栄なことだと思っております。とくにUSERS' CHOICE AWARDについては、プレイしていただいた皆さんに直接選んでいただける賞なので、開発チーム一同非常に嬉しく思っていますし、励みになっています。

──振り返ってみて、『ELDEN RING』がここまで高い人気を獲得した理由をどのようにお考えでしょうか。

宮崎氏:正直、あまり分析できていません。今までより売上が高いのは確かですが、それがどのような理由によるものなのかは、まだ分かりません。そのため、理由を聞かれても困ってしまうのですが、感覚としては、今までどおりの作り方を変えるつもりはないです。

 そこに固執して次もまた同じ成功を求めるようなことをやると、邪念になりそうなのであまり考えないようにしています。ただ,すごくありがたいことで、光栄なことだと受け止めています。

──グローバルの売上が1,000万本を超え、世界的デペロッパーになったフロム・ソフトウェアですが、次の目標は何でしょうか。

宮崎氏:自分達が世界的な存在になったという実感は、あまりありません。今までどおり、我々らしいものを作ってきた結果がこの結果だと捉えています。

 繰り返しですが、これからも同じように続けて、より面白いもの、より我々らしいものを作っていきたいです。1,000万本という売上や皆さんからの評価は、そうした我々のやり方をものをバックアップする環境につながっていくと考えています。

──リリース後、世界中のプレイヤーから多くの声が届いたと思いますが、とくに印象に残っているユーザーの声を教えてください。

宮崎氏:僕自身は、皆さんの声を直接見ないよう注意しています。と言うのも、すべての声を聞くことはできませんし、たまたま聞いた声が強く残ってしまって、調整や方針に影響を与えてしまうのが怖いからです。

 ただ、反応を見ると、初めてフロム・ソフトウェアのアクションRPGを遊んでくださった方が多いという印象を受けました。阿鼻叫喚が多いですが、そういった声が『Demon's Souls』のときのようで懐かしかったですね。初見のプレイだと刺激的だと思うのですが、みなさんがその刺激を新鮮に楽しんでくださっているところを見て、うれしかったです。

『鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚』/『鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚』製作委員会 一同

──アニメ『鬼滅の刃』のゲーム版を手掛けるにあたって、原作やアニメの存在を考えれば相当なプレッシャーもあったのではと思います。本作の開発で、特に大切にした要素についてお聞かせください。

製作委員会:非常に多くの方が、アニメや原作のコミックのファンになってくださっていましたので、そうしたファンの皆さんにしっかり楽しんでいただけることを意識しました。

 その一方で、ゲームだからこそ実現できる要素、とくにプレイヤー自身が主人公の炭治郎になってストーリーを体験できたり、好きなキャラクターを操作できたりという点については、初めてゲームに触れる方も多いことを想定して、簡単な操作でストレスなく派手なアクションや演出を楽しめるプレイ感を目指して、細かな調整を重ねました。

──アニメ『鬼滅の刃』としては初のコンシューマゲームタイトルでしたが、手応えはいかがでしょうか。

製作委員会:コンシューマ初のゲーム化ということで、発売するまで期待と同時に不安もありました。結果として、国内のみならず海外の皆さんにも楽しんでいただけるタイトルとなったと考えています。ご協力いただいた関係各社やプレイいただいた皆さんに、感謝の言葉を伝えたいです。

──キャラクターそれぞれの紹介映像が非常に好評でしたが、『鬼滅の刃』らしさを出すために、どのような点に力を入れたのでしょうか。

製作委員会:アニメで描かれるキャラクターたちのアクションをゲームで表現するとどうなるかというところをしっかり伝えようと考えました。

 そのため、アニメと同じカメラワークだけではなく、ゲームならではで表現できるカメラワークのほか、『鬼滅の刃』の世界を自由に移動できるという部分や、アクションの気持ちよさを伝えることを意識しました。

『遊戯王 マスターデュエル』/米山実氏(プロデューサー)、吉川貴彦氏(ディレクター)

──リリース当初から多くのユーザーがプレイしていますが、この反響は予想していましたか?

米山氏:本作は対戦者も観客も楽しめるオンラインの『遊戯王』を目指して開発しました。その甲斐もあって、大変多くの『遊戯王』ファンを中心に反響をいただけました。その熱量を持った口コミがSNSなどで拡散され、普段『遊戯王』をプレイしてない方々にまで広がっていったことは大変うれしかったです。

──マルチプラットフォームを実現するための苦労や開発の裏話があればお聞かせください。

吉川氏:プラットフォームによって、コントローラ操作やタッチパネル操作など、UIが異なっていても気持ちよく遊べるように試行錯誤を繰り返しました。

 またPS5などのハイスペックなプラットフォームでは、4Kグラフィックスで迫力のある映像や演出にこだわりつつ、一方でモバイル端末では手軽に遊べるようスペックに合わせて作り込んでいきました。そういった苦労によって、気持ちよく遊んでいただける環境をお届けできたかと思います。

──今後『遊戯王 マスターデュエル』は、『遊戯王』のデジタルコンテンツとしてどのような立ち位置になるのでしょうか。

吉川氏:本作はもともと『遊戯王』ファンの皆さんに向けて開発したものなので、『遊戯王』が好きな方に向けて届けていきたいですし、カードゲームとしての競技性にもフォーカスしていきたいです。

 弊社では『遊戯王 デュエルリンクス』もリリースしていますが、こちらは『遊戯王』の世界観が好きな方に向けたタイトルです。それぞれの強みや特徴をしっかりと活かして、『遊戯王』の素晴らしさを世界中に届けていきたいです。

『ファイナルファンタジーXIV』/松澤祥一氏(リードプロジェクトマネージャー)、小野塚由紀氏(リードマーケティングプランナー)

──『ファイナルファンタジーXIV』は、2023年に『新生エオルゼア』から10周年を迎えますが,所感を教えてください。

小野塚氏:私自身、『新生』の直前から本作に携わっていまして、気づけばあっという間の10年だったと思っています。本作のチームは停滞することを知らず、日々チャレンジをしており、何かを達成したら次のゴールに全力で向かっていくということを繰り返しています。これから先の10年を目標として掲げていますが、それもまたあっという間に過ぎて、20年を迎えるんじゃないかと思っています。

松澤氏:オンラインゲームということで、プレイヤーの皆さんと歩んできた10年かなと思います。これだけ長くアップデートを繰り返して、さまざまな挑戦ができたでのは、やはりプレイしてくださる皆さんがいらっしゃるからだなと感じています。この先の10年もプレイヤーの皆さんと一緒に歩んでいきたいです。

──今年の2月には次の10年に向けての施策が発表されました。あらためて意気込みを教えてください。

小野塚氏:より多くの皆さんに一層楽しんでいただくために、開発も運営も日々努力を続けています。最近では、1人でもメインストーリーが進められるシステムを実装しました。そのような展開を今後も続けていきたいです。

松澤氏:グラフィックに関してもPS5に対応するなど大きなアップデートをしました。これから先も、つねに攻め続けることが大事だと捉えています。シナリオは一区切りを迎えましたが、また新しい展開をプレイヤーの皆さんと作っていきたいと考えていますので、ぜひ期待してください。

──『暁月のフィナーレ』で物語が一区切りを迎えたなか、ユーザーのさらなる期待に応えるためには様々なハードルがあると思います。開発や運営のハードルを乗り越えるために必要不可欠な要素を教えてください。

松澤氏:必要不可欠な要素は……我々が教えてほしいぐらいです(笑)。繰り返しですが新しいことにチャレンジしていくことが大事だと考えているので、そこをプレイヤーの皆さんと一緒に楽しんでいけるかどうかが、大事だと考えています。

『機動戦士ガンダム バトルオペレーション2』倉知洋輝氏(プロデューサー)

──これまでも『機動戦士ガンダム』のデジタルゲームは数多くリリースされてきましたが、『機動戦士ガンダム バトルオペレーション2』のユーザー層はいかがですか?

倉知氏:本作はグラフィックの重厚な操作感、モビルスーツのパイロットとして操作できる面白さが特徴です。そのため、モビルスーツを操作したいと思うユーザーが多いと捉えています。

 また、多人数のオンラインチームバトルも特徴なので対戦が好きな方も多いですね。SNSでも反響が大きく、コミュニケーションが活発だというイメージがあります。

──PS5版の開発にあたり,PS5だから実現できたことや苦労したことを教えてください。

倉知氏:新しいプラットフォームでしたし、手探りで開発を進行しつつ、並行して運営をしなけなればならないところが大変でした。

 その甲斐あって、ロード時間の短縮やフレームレートの向上といった没入感を阻害する要素を取り払うことができたかなと思います。またDualSenseのアダプティブトリガー機能により、銃を撃ったりする没入感を高めることができました。

──運営タイトルとして、プレイを継続してもらうために意識していることを教えてください。

倉知氏:継続してプレイしていただくためには飽きが来ないことが重要です。そのため、週1で機体を追加したり、月1で調整を加えたりして、みなさんのパイロット体験の向上を意識した運営に努めてきました。

 そうやって4周年を迎えた結果、機体は340機ほどになって調整に苦戦はしていますが、今後も引き続き体験向上のために頑張っていきます。

『バイオハザード ヴィレッジ』神田剛氏(プロデューサー)

──先日、最新DLC『ウィンターズ エクスパンション』がリリースされましたが、反響を教えてください。

神田氏:新シナリオの『シャドウズ オブ ローズ』に関して,「泣けた」という感想が多くて印象に残りました。『バイオハザード ヴィレッジ』の本編はウィンターズ家のストーリーを完結させるべく作りましたが、『シャドウズ オブ ローズ』はそれを追体験する形で作りました。

 成長したローズのなかにある忌まわしき思いを打ち砕くため、彼女自身が勇気を振り絞って戦いに挑んでいくというところが、家族愛につながる部分も含めて感動していただけたようです。「こんなふうに『バイオハザード』で泣くとは思わなかった」というコメントがすごく印象的でしたね。

──開発進行中のPS VR2版の注目ポイントを教えてください。

神田氏:圧倒的な新世代のVR体験と言っても過言ではありません。この没入感は本当に体験していただきたいです。PS VR2 Senseコントローラーを介して、プレイヤーの実際の動きが主人公のイーサンの動きとなり,『バイオハザード ヴィレッジ』の世界を体験できます。

 マガジンを挿入したりコッキングしたりといった銃のアクションも追加されています。2丁拳銃的なアクションもできたりと、没入感のある体験ができるので力強くお勧めします。

──『バイオハザード ヴィレッジ』が多くの人にプレイされたポイントはどこにあると考えでしょうか。

神田氏:『バイオハザード7』以降、REエンジンをベースにシリーズを開発しています。原点回帰してホラーを追求してきたなか、『バイオハザード7』と『バイオハザード ヴィレッジ』の間に「バイオハザード RE:2」をリリースするなど、コンスタントにシリーズを手に取っていただける機会を作ってきました。そうやってブランド価値を高められたことが理由の1つだと捉えています。

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