【電撃清アター】『THE END』の前に 観ておかなくて大丈夫? 『IT/イット』レビュー

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 皆さんこんにちは! 声優の清水彩香です。

 皆さんは〇〇恐怖症と言われたら何を思い浮かべますか? 高所恐怖症、閉所恐怖症、暗所恐怖症、先端恐怖症……どれもがその方にとっては辛く、耐え難いものですよね。

 そんな沢山ある恐怖症の中に“ピエロ恐怖症”というものがあるのをご存じでしょうか? 文字通り、ピエロに恐怖心を抱いてしまう症状です。白く塗った肌に赤い鼻、カラフルな目元と口元から作られるくるくる変わる表情。サーカスや遊園地にいる実物や人形から絵に至るまで、ピエロそのものに恐怖を感じ、最悪気絶してまう場合もあるそう。

  • ▲来るよ来るよ、アイツがくるよ!

 実はそんなピエロ恐怖症には起源となったといわれる映画があるんです。1990年に公開されたその作品はテレビで前後編として放送され、当時世界中の人々を恐怖の渦に陥れました。

 今回は2017年にそんな作品をリメイクしたこちらのタイトルをご紹介! 恐怖もパワーアップされちゃってます! 後編にあたる続編も先日公開されました。

『IT/イット“それ”が見えたら、終わり。』

ホラー映画界歴代興行収入No.1! 最恐ピエロがやってくる!

 1988年メイン州デリー。このアメリカの小さな田舎町では子供たちが行方不明になる事件が頻発していました。そんな中、ビルの弟ジョージまでもが大量の血痕を残し、姿を消してしまいます。それから数カ月後、悲しみに暮れ、自分を責めるビルでしたが、まだジョージの無事をあきらめてはいませんでした。ルーザーズクラブ(いじめられっ子)の仲間たちとともに真相を突き止めようとします。実は彼らにはもうひとつの共通点があったのです。なんと全員が“ペニーワイズ”と名乗るピエロに襲われる怪奇現象を体験していたのでした。

 原作はホラー界の帝王、スティーブン・キング。『キャリー』『スタンド・バイ・ミー』『シャイニング』『ショーシャンクの空に』『グリーンマイル』など彼の小説は誰しもが目にしたことがある名作ばかり! 数えきれないほど多くの作品が映画化されています。そんな帝王が生んだ最恐ピエロ“ペニーワイズ”、恐ろしくないわけがない!

 早速物語冒頭からやってきますよペニーワイズは……! 雨の中、ビルの弟ジョージが手作りの船を雨水に浮かべ遊んでいると、風に煽られて船が排水溝に吸い込まれていきます。追いかけるジョージが排水溝を覗き込んだその瞬間、暗闇の中に光る2つの目……そう、奴がきた! この時の異常なまでの不気味さったら! ペニーワイズの笑顔に背筋がぞっとします。その後の展開はジョージがものすごく愛らしい子なのも相まって、目を背けてしまいたくなること必至です……。

 そんな最恐ピエロを演じるのはビル・スカルスガルド。『シンプル・シモン』や『アトミック・ブロンド』での好演が印象的な若手俳優です。彼が演じるペニーワイズはただひたすらに不気味で怖い! 強烈なパワーで私たちをITの世界へと引きずり込んでくれます。

 びっくりするのはなんといってもペニーワイズに選ばれるべくして選ばれたんだなと思う彼のその能力。ペニーワイズの特徴的なところと言えばその目で、左右それぞれの眼球が違う方向を見ている外斜視が印象的なのですが、実はこれCGではなく、彼自身が目玉をコントロールして自在に操っているんです! なんでも監督は初期段階からペニーワイズの斜視を構想していたそうで、それをCGでやろうと思うんだという話を彼にしたところ、ビルはその場で「それならできるよ!」と披露したそう。ビルすごいな。

 他にも笑顔のとんがり口や奇妙なダンスを披露するその体の動きなども、メイクやCGなどではなく、彼自身の身体能力で表現されています。知れば知るほどこれ以上ペニーワイズにぴったりな役者は他にはいないなと納得です。

ただ怖いだけじゃない、立ち向かう子どもたちにも注目!

 さて、ここまでペニーワイズのことばかり語ってしまいましたが、もちろんこの映画の見所はそれだけではありません。この作品のもうひとつの大きな魅力、それは奴に立ち向かう子どもたちの絆です。陰湿ないじめや暴力、友達がいない孤独、無理解な親、成長する自身の体への戸惑い、人種差別……様々なものに悩み、苦しみ、もがきながらも立ち向かっていくその姿に胸が熱くなります。

 そんなルーザーズクラブの7人の子どもたちを演じるのは『ヴィンセントが教えてくれたこと』のジェイデン・リーバハー、『ストレンジャー・シングス』のフィン・ウルフハード、『シャザム!』のジャック・ディラン・クレイザー、その他ワイアット・オレフ、ソフィア・リリス、チョーズン・ジェイコブズ、ジェレミー・レイ・テイラーら有望な子役たち。彼らは現実世界でもとても仲がいいそうで、なんと悪ふざけをするシーンの多くが彼らのアドリブで作られたとか! 彼らのやりとりも可愛くて面白いので必見ですよ!

 そして友情だけではなく、恋も見どころの一つ。ソフィア・リリス演じる紅一点のベバリーをめぐる少年2人のピュアで甘酸っぱい恋模様にキュンキュンしちゃいます! 初恋の歯がゆくてもどかしくて、そして尊いあの感じ! 恋愛映画として見ちゃえるくらいときめくんですよね。

 ホラー映画としても、そしてティーンの友情・恋・苦悩を描くジュブナイル映画としても楽しめる今作、ぜひご覧になってはいかがでしょうか?

 しかもこの作品、後編にあたる続編『IT/イットTHE END“それ”が見えたら、終わり。』が絶賛公開中です! 見るならいまですよ!

今回の清アター推しアクター

 今回の推しアクターはこの方!

【ビル・スカルスガルド】

 1990年にスウェーデンで生まれた彼。父は『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズの名優ステラン・スカルスガルド、兄は『ターザン:REBORN』のアレクサンダー・スカルスガルド、その他の兄弟たちも役者やモデルをしている芸能一家で育ちます。

 10歳の時に兄アレクサンダーと共演した『ホワイト・ウォーター・フューリー』で長編映画デビュー。その後着実にキャリアを重ね、2010年公開『シンプル・シモン』ではアスペルガー症候群を抱える主人公シモンを好演。20歳のビルの繊細さとチャーミングさを堪能できますよ! 今作は評価され、いくつかの賞にもノミネートされました。

 ハリウッドデビューは2016年公開『ダイバージェントFINAL』。妖しい存在感を放つマシューを演じました。その魅力はペニーワイズ役でも遺憾無く発揮されています!

 清水的ビルおすすめ映画は2017年公開『アトミック・ブロンド』。主人公の協力者を演じているのですが、変幻自在な変装姿なども見ることができますよ! ペニーワイズだけ見てるとわからないけど、本当はびっくりするくらいの美青年のビルを堪能したいならぜひおすすめしたい。色気が、ヤバい。

 ペニーワイズからイケメンまで、様々な役で私達を楽しませてくれるビルから目が離せません!

 今回の電撃清アターはここまで。次回は11月19日(火)公開予定です。お楽しみに!

電撃清アター in マチアソビ レポート

 10月26~27日に、徳島で開催されたマチアソビ Vol.23 クライマックスランに電撃清アターも参加! Webを飛び出して、映画好きの皆さんと一緒にトークを楽しみました。

  • ▲3つのテーマで、清水さんが生トーク。映画館に足繁く通う清水さんは、予告編で気になる映画をチェックするそうです。

 会場はあわぎんホールの2階特別展示室。Webコラムではなかなか語りきれない映画へのアレコレを遠慮なく話すトークステージとなりました。

  • ▲イベントならではの催しとして、清水さんが5分間で映画レビューをする“生”清アターを披露。
  • ▲真剣に映画の魅力を語る清水さんでしたが、お客さんを「観に行きたい!」という気持ちにできた……のか?

 来場の皆さんとともに、映画愛を語るだけのマチアソビらしいイベントだったかな、と思います。みなさんのご要望があれば、いろんなところでやりたいですねー。


 
 なお、ハッシュタグ #電撃清アター にて、このコーナーへのご意見・ご感想、そして皆さんが観た映画の感想なんかも募集しています。ぜひ、ご参加くださいませ!

 清水彩香
 AIR AGENCY所属の女性声優。
 好きなものは猫。趣味は映画鑑賞、麻雀。
 代表作は『スカーレッドライダーゼクス』麻黄アキラ、『ハイスクール・フリート』若狭麗緒、『Tokyo 7th シスターズ』臼田スミレなど。

【告知】
 早乙女三沙役で出演中のTVアニメ『戦×恋(ヴァルラヴ)』が好評放送中! 「戦×恋」上映会 in AKIHABARAが、AKIHABARAゲーマーズ本店にて隔週で開催中。詳しくは『戦×恋(ヴァルラヴ)』公式サイトをチェック!

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