『FF14』パッチ6.3吉田P/Dインタビュー。新アライアンスレイドからマンダヴィルウェポンまで見どころを聞く

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 オンラインRPG『ファイナルファンタジーXIV(以下FFXIV)』の大型アップデート、パッチ6.3“天の祝祭、地の鳴動”が、2023年1月上旬に公開されます。

 パッチ6.3では、第十三世界であるヴォイドにまつわるメインストーリーが引き続き展開。ほかにも、24人向けコンテンツであるアライアンスレイド"ミソロジー・オブ・エオルゼア"の第2弾として"喜びの神域 エウプロシュネ"が登場します。

 そして、パッチ6.3の公開から2週間後には『FFXIV』の最難関コンテンツである"絶"シリーズ第5弾の実装も予定。また、パッチ6.35ではディープダンジョン第3弾となる"オルト・エウレカ"が実装されるなど、膨大なコンテンツが目白押しです。

 今回は、そんな気になるパッチ6.3の情報をプロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏にインタビュー。パッチ6.3で実装予定のコンテンツを中心に注目ポイントをうかがいました。

  • ▲『FFXIV』プロデューサー兼ディレクター 吉田直樹氏

 なお、本インタビューはファミ通ドットコム、電撃オンライン合同で実施。今回の記事で触れられていない内容についてはファミ通ドットコムで掲載されているので、そちらもあわせてチェックしてみてください。

※本インタビューは2022年11月22日にリモートにて実施されたものです。

起承転結の"転" にあたるパッチ6.3のメインストーリー

――パッチ6.3はかなり濃密なアップデートとなりそうですが、まずはメインストーリーに関してうかがいます。従来のX.3のタイミングですと、ちょうど中間地点としてそれまでの物語にひと区切りがつくケースが多かったのですが、今回は"新たなる冒険"ということで、前回から引き続き物語が展開して、6.4、6.5へと続いていくイメージでしょうか?

吉田直樹氏(以下敬称略):6.3で物語の大きな区切りがつくということはないです。むしろ起承転結の"転"に突入するというイメージだと思っていただければよいでしょうか。

――パッチ6.2で光の戦士たち一行はいったん原初世界へ帰還しましたが、今回も第十三世界(ヴォイド)が物語の中心になるということは変わらないのでしょうか?

吉田:パッチ6.3で主軸となるのは、引き続き第十三世界のヴォイドを取り巻く物語です。巻き込まれる形で原初世界に連れてこられたゼロというキャラクターが、エーテルがたくさんある状態の世界や人々に触れて、自身の考えかたに影響を受けていく。

 逆に原初世界側にも、ゼロから気付きを得る人々がいるかもしれません。それとあわせて「第十三世界に消えてしまったアジュダヤを捜索していく」という目的は変わらず、そのために活動するストーリーになっています。

 そして、いよいよゴルベーザと名乗っている人物の目的は何なのか、それに合わせて四天王と呼ばれている者たちとの激闘も続いていきます。さらに注目なのは、『FFXIV』における"NPC側の主人公"とも言える、ルヴェユール兄妹です。

 これまで、アルフィノとアリゼーが2パッチ連続でメインストーリーに登場しないということはありませんでした。そんな彼らがいよいよメインストーリーに復帰するのか、あくまでゲストとして登場するのかという部分にも注目しながら、物語を楽しんでほしいと思います。

 そのうえで新キャラクターであるゼロについても、現在の性格がどのように形成されたのかなど、もう一歩踏み込んで描いていきますので、そのあたりが見どころになるでしょう。


――ゼロというキャラクターは出自やメモリア使いであることなど、いままでとは一線を画している登場人物になっています。吉田さんはプロデューサーレターLIVE(PLL)で「慎重に作ったキャラクター」と語られていましたが、改めてゼロがどのような人物かお聞かせください。

吉田:えーと……(答えかけてから思いとどまって)、いまは答えづらいですね……(苦笑)。

――これから描かれる物語でその答えが出てくる、ということでしょうか?

吉田:今回の物語自体、"ゼロの設定の根幹"を軸にして作っていっているので、それが明かせない状況下で話すのはすごく難しいです。性別ひとつとっても、話しかたひとつとっても、さらに抑揚があまりない演技を声優の方にしていただいている件に関しても、意図的にお願いしている部分だったりします。

 唯一、「なぜゼロが物事に対して諦めの雰囲気を漂わせているのか」の理由の一端は、パッチ6.3で多少は見えてくると思います。言えるのはここまででしょうか。

――それでは具体的な物語には触れずに、どのような開発過程でゼロが生み出されたのか、どのような部分を重視してデザインされたかをお聞かせください。

吉田:僕たちは"ストーリーもプレイヤー体験のひとつ"だと思っていて、それを意識しつつ現在展開されている第十三世界の物語と、その結末を作っているのですが、とくに「そこでどんな感情をプレイヤーの皆さんに抱いていただくか」というところを重視してプロットを組み立てていきます。

 またキャラクターについても「だとしたら、登場するキャラクターはこうあるべきだよね」と、それに合わせて作っていきます。当然その際は、これまでの既存キャラクターとは違った魅力を出していかなくてはいけません。

 その後は、ストーリーでのプレイ体験をある程度決めてから、担当者が物語を書き始め、キャラクターの設定を詰めていきます。そのときに、キャラの第一人称や第三人称もチーム内で確認し合って意見を出しながら決めていく形です。ゼロに限らず、複数のライターで物語を書き上げていくことになるので、こうやってルールを決めておかないと、あとのチェックが大変になってしまいます。

 そしてゼロに関しては、ほかのキャラクターよりも時間をかけて制作しています。さらにアートのイメージ詰めのときにも僕のほうから「"D"を彷彿とさせる黒いコスチュームデザイン、トラベラーズハットで」というオーダーをしました。ちなみにゼロの中性的なイメージには理由があるのですが、そのあたりは物語のひととおりの結末が見えたときに、改めて聞いていただけると話しやすいかなと思います。

――やはりゼロのキャラクターは『吸血鬼ハンター"D"』(※)を意識されていたのですね。

※『吸血鬼(ヴァンパイア)ハンター"D"』は菊地秀行氏による小説シリーズ。天野喜孝氏が挿絵を手掛けている。主人公の"D"はトラベラーズハットや黒ずくめのマントなどがトレードマーク。

吉田:そうですね。僕は天野喜孝先生が『FF』でキャラクターやロゴを作画される前からファンでしたし、いっぽうでこれまで"D"のようなイメージを持つコスチュームは、NPCの装備としては作る機会がありませんでした。

 そこで今回、新たなる物語の中で出てくるキャラクターだからこそ、天野先生を彷彿とさせるデザインを積極的に入れていこうという提案をしたのです。

――ちなみに気になっているのですが、ゼロの声優さんはどなたなのでしょうか?

吉田:それは、いずれスタッフロールが出るタイミングまでお待ちいただければ。契約内容なども確認させていただく必要がありますので、この場ではお答えしにくいです(笑)。いまはいろいろと予想をして楽しんでいただけると幸いです。

――今回のパッチタイトルは"天の祝祭、地の鳴動"ですが、イメージ的にはメインクエストとアライアンスレイドの両方を指しているのかなと想像しています。この名称をつけられた経緯を教えてください。

吉田:先ほどもお話しましたが、今回はパッチ6.Xシリーズの物語における起承転結の"転"にあたる部分で、すごくタイトルを決めづらくて……。いままでのX.3ですと、物語がひと区切りするタイミングでしたので、"クリスタルの残光"などのようなタイトルがつけやすかったのですが、今回は非常に悩みました。

 エオルゼア十二神が突き抜けた明るさを持ったキャラクターたちなので、「天ではお祭りをやっている」ということはすぐ決まったのですが、地はどうしようかと……(苦笑)。ただ今回はメインストーリーだけではなく、ディープダンジョンの最新作もリリースされるので、最終的にはそれらもイメージして名付けました。

――つぎに、6.3のコンテンツの大きな要素からうかがいます。まず新たな討伐・討滅戦については実装まで名称を伏せられるとのことですが、こちらはメインストーリーの中で発生するものなのでしょうか?

吉田:はい。ですので、大方の予想では「どっちなんだ」という感じだと思いますが、だからこそ言わないでおこうかなと。

――あっちなのか、こっちなのか、それとも2体同時にくるのか……。

吉田:それとも、まったく違うひねりかたをしてくるのか……(笑)。ただ、今回のストーリー自体は、出し惜しみをしていく感じのものではありません。結末を引き延ばさずに、怒涛の展開がくり広げられると思ってください。

――バトルコンテンツとしては、前回の"極バルバリシア討滅戦"の戦闘のテンポがよく、プレイヤーの皆さんに好評だったと思いますが、今回の方向性はどのような感じのものになりそうですか?

吉田:まだノーマルしか実際にテストプレイを行っていないため、「極コンテンツの感触はこれで決まり!」とは言いにくいのですが……8人全員が個々のダンスを踊るようなイメージの "極バルバリシア討滅戦"とはちょっと違って、脳トレ要素あり、個人ギミックあり、各種タイプのギミックが入り乱れる、わりと正統派のバトルになるかと思います。

 もちろん、テンポのよさも前回の"(極)バルバリシア討滅戦の"評判の要因だったと把握していますので、そのあたりは担当者も気を付けて調整しています。ですので、急にスローテンポのバトルが展開するということはないのでご安心ください。

 ただ、"バルバリシア討滅戦"ほど"矢継ぎ早に攻撃をかわして戦う"ものではありません。もちろんこれから"極"のチェックで調整をしていくので、実装されたものを見たら「ハチャメチャなバトル」となっている可能性もありますが……(笑)。

――1戦あたりのトーテム数は、ここのところ2個のケースが多かったですが、こちらはいかがでしょうか?

吉田:現段階ではまだ決定していません。難易度とクリアまでの時間バランスしだいでは1個になる可能性もありますし、歯応えや演出も含めて時間がかかるなら2個にしますし、そこは調整を見ながら決めていきます。今後もこれは同じで、今後も常に2個になる、ということはなく、コンテンツの仕上がりや、周回しやすさなど、毎回それらを見極めて報酬数を決めていくつもりです。

"喜びの神域 エウプロシュネ"でも神々ごとにバラエティ豊かな戦いに

――つぎに"ミソロジー・オブ・エオルゼア"の新たなアライアンスレイドについておうかがいしていきます。前回の"輝ける神域 アグライア"は、これまでとはまた違った新たな雰囲気で好評だったかと思いますが、第2弾となる"喜びの神域 エウプロシュネ"はどのような方向性になるのでしょうか?

吉田:前回の"輝ける神域 アグライア"については、僕たちが思っていた以上に好評の声をいただいており、とくにキャラクター人気の部分が強くて、すごく多くのファンアートも作成していただきました。神々どうしの掛け合いを4コマ風に書いてもらったりして、僕ら自身も楽しませていただきました。

 エオルゼア十二神というのは「エオルゼアに住まう人々のことが大好きでしかたがない」という存在なので、そのテンションは今回も維持しています。ただ、彼らが楽しくなるにつれて攻撃が激しくなるのが困りものですね……(笑)。

 ですから今回も前回と同様に、"お祭り騒ぎ"という感じでしょうか。その神々の中には"美しい、かわいいキャラクター"もいれば、"カッコイイけれど攻撃が苛烈なキャラクター"もいます。それぞれの戦う相手ごとにコンセプトを明確に分けていますので、バラエティに富んだ戦いが楽しめるかと思います。

 また、それらの神々が、なぜそういった性格やスタイルになっていったのかなど、ストーリー面でもお楽しみいただけると思います。

――前回は十二神が何を目的にして戦いを挑んでくるのかが謎のままでしたが、そのあたりは今回、多少なりとも見えてくるのでしょうか?

吉田:メインストーリーと同じく、起承転結の"転"にあたる部分ではあるので、多少は見え隠れしてくるのではと思います。もちろん全容がわかるというわけではありませんが、プレイした方々のあいだで「こういうことなのかな?」とお話できるぐらいの情報量にはなるかと思います。

――"ミソロジー・オブ・エオルゼア"の第1弾が"アグライア"で、第2弾が"エウプロシュネ"と、いずれもギリシア神話の女神の名前(※)がモチーフになっています。この名前にした理由もプレイしていくうえで見えてきたりするのでしょうか?

※タレイアと呼ばれるギリシア神話の女神たちのこと。アグライア(輝く女)、エウプロシュネ(喜び)、タレイア(繁栄)の3人の女神を指す。

吉田:現時点ではあくまでエッセンスとしてとらえてください。第3弾までプレイしてすべてを理解した後で、勘のいい人や設定好きの方々が「だからこういう名前になっているのか」と想像していただければと思います。

――1回目のテストプレイをされたということですが、バトルコンテンツとしての感触はいかがでしたか?

吉田:初見24人でテストプレイをしたのですが、事前イメージより全滅回数が少なかったです。この難易度調整は難しいところでして……参加した開発チームのメンバーは、意図的に比較的カジュアルなプレイヤーを多くしたとはいえ、すごく気合いが入った状態でテストプレイに挑むわけです。それを基準としていいのかが悩ましくて……。

 最終的な調整の落としどころは、「実装初週にわちゃわちゃとしたプレイが楽しめて、だんだん慣れていくと落ち着いてまわりも見えてくる」というところです。今回もテスト回数を繰り返しながら、初見スタッフがいなくなる前に、うまく着地させたいと思います。

――アライアンスレイドは、とくに初回挑戦時に阿鼻叫喚になるのが楽しみだったりします。

吉田:とはいえ、それを狙いすぎると今度は難しくなってしまいがちなので、従来のアライアンスレイドのような調整になるように気を配っています。前回の"輝ける神域 アグライア"はギミックの驚き、キャラクター性、マップの美麗さも含めて評判がよかったので、そこに近づけるようにうまく調整していきたいです。

ラハブレアというキャラクターに一本の筋を通すために

――新たなインスタンスダンジョン「雪山冥洞(せつざんめいどう) ラピス・マナリス」は、スクリーンショットから「ガレマルドで青燐水に絡んだエリアを訪れるのでは?」と予想しているのですが、ダンジョンのコンセプトやギミックの見どころなどをお聞かせください。

吉田:道中にはプレイヤーを困らすような仕掛けは用意していません。ただ、単なる雪山ではないということはお伝えしておきます。とくに最初のボス戦にはけっこう変わったギミックが用意されていて、ひとつだけ言うとしたら「地鳴りのような音がしたら気をつけてください」でしょうか。

 あともうひとつ、ヒーラーの方は普段使っていなかったアクションをしっかりとセットしておいたほうがいいと思います。

――ヒーラーの腕が問われる形になるのでしょうか?

吉田:いえ、そういうわけではないですが、「このアクション、セットしていなかった!」ということがないようにだけご注意ください……(笑)。どのボスもギミックが凝っていておもしろいので、ダンジョンとしては非常によくできているかと思います。ぜひ楽しみにしておいてください。


――コンテンツサポーターにも対応されますか?

吉田:対応しています。メインストーリーに絡んでくるキャラクターとともに攻略できますので、そちらもご期待いただければ。ストーリーに即した対応をしていますので、「へー、キチンとやるんだなあ」と思っていただけるよう、チームががんばってくれました。

――コンテンツサポーターと言えば、パッチ6.3では『蒼天のイシュガルド』の後半~パッチ3.5のストーリーで訪れるIDがコンテンツサポーター対応となり、フリートライアル範囲をカバーする形となります。なかでも"蒼天聖戦 魔科学研究所"の最終ボスは大きくリニューアルされそうですが、調整や変更の狙いなどを教えてください。

吉田:コンテンツサポーターに追加対応したダンジョンの最終チェックがこれからなので、難易度的についてはお答えできないのですが、最大のポイントは長すぎた、ということとラハブレアというキャラクターです。

 まず"魔科学研究所"は、『蒼天のイシュガルド』のラストダンジョンである、ということもあり、登場キャラクターも多かったことから、かなり戦いが長くなりました。また、ギミックも攻めたものになった結果、初見の方には相当わかりづらいものでした。

 それに加え、『暁月のフィナーレ』に至るまでの物語でアシエンという存在を描いてきて、"万魔殿パンデモニウム"でも改めてラハブレアという人物を描いたこともあり、そこから遡って『新生エオルゼア』のアルテマウェポン戦のあたりにも手を入れてきました。

 そんな中、今回の"魔科学研究所"だけが以前のまま残っていて……。作りがちょっとギクシャクしているので、そのあたりを綺麗に作り直しさせていただきました。

――たしかに当時はレベルキャップもあって強敵でしたが、いろいろとストーリーを体験したいま改めて見ると、もとのバトルはラハブレアとの戦いとしては少し地味に感じられるかもしれません。

吉田:ですので、改めて"ラハブレアというキャラクターに一本の筋を通す"ためにも、「コンテンツサポーター対応のために修正するタイミングがあるなら、ここでボスをリニューアルしておきたい」という現場の提案があったので、今回大幅に修正することになりました。どのような戦いになるかは、ぜひ楽しみにしていてください。

友好部族クエストはレポリット族のかわいらしさが存分に堪能できる!?

――新たに実装されるふたつのシリーズクエストについてもおうかがいします。まず "タタルの大繁盛商店"については前回、空賊レオファードが中心となるストーリーが展開しました。次回については気になるふたり(着物姿のタタルとハンコック)が映ったスクリーンショットも公開されましたが、どのような物語が展開されるのでしょうか?

吉田:今回は紅玉海を中心に物語が進むことになります。改めてPLLでもお伝えしますが、クロニクルクエストの"四聖獣奇譚"が前提となりますので、ぜひ後日談としてお楽しみください。まだプレイされていない方は、年末年始にプレイを進めておいていただければと。

――もうひとつのシリーズクエストである"新たなる冒険 番外編"は、特定のボスキャラクターの背景を語るクエストとして非常に興味深い内容ですが、今回もいずれかのキャラクターの背景が語られると考えてよろしいでしょうか?

吉田:それを明言すると「ということは、誰かを倒すんだよね」となってしまうので、お答えしづらいですが……(苦笑)。少なくともあのシリーズの続編になることは間違いありません。

 メインクエストに入れるには冗長すぎるということであのような形をとっているのですが、幸いにも好評の声をいただいているので、次回のクエストでも世界設定やキャラクターの深堀りなどをしっかりとお伝えしていければと思っております。

――新たなクラフター向けの友好部族クエストとしては、レポリット族が登場します。前回のオミクロン族は『暁月のフィナーレ』の"さらなるフィナーレ"のような印象で、とても感動しました。一転して、今回のレポリット族はどういったところが注目ポイントとなるでしょうか?

吉田:オミクロン族に関しては、「ウルティマ・トゥーレという"すべてが絶望から始まっている場所"に対して、みんなで希望の芽を植えていこう」というコンセプトでストーリーを作っていきました。いっぽうで次回のレポリット族は、改めて友好部族クエストの本題である種族、部族にフォーカスしたものになっています。

 レポリットは、ヴェーネス(ハイデリン)の人への愛や想いというものから作られた創造生物として、みんなが幸せになれるようにと準備を進めてきました。しかし"終焉を謳うもの"が倒されたいま、急に目標を失ってしまった形となります。

 そこで自分たちの新たな活力、前に進んでいくための目標を、光の戦士といっしょになって考えていく、といった物語になるとイメージしていただければ。あとは、ひたすらかわいく、ひたすら愛らしいお話でもあります。

――それはすごく楽しみです。

吉田:ただ、前回の"帰ってきたヒルディブランド"のクエストで、「レポリットの愛らしさの最高峰をやってしまった」と思っているので、あそこまでかわいく描けるかどうかはわかりません(笑)。

 ですが、なんというか、オミクロン族にもものすごく感慨深さがあるのですが、レポリットたちのお話には、もっと小さいスケールの、でも日々生きていく上で、すぐに忘れがちになってしまうような、純粋なとある気持ちを詰め込めたような気がしています。

 プレイして僕自身が、ふっと肩の力が抜けたというか……最初は深さを感じないかもしれませんが、ぜひ最後までゆっくりプレイしてくださるとうれしいです。僕はパッチ6.3の中で一番好きなお話になりました。

――ちなみに、オミクロン族の場合は"電脳夢想 スティグマ・フォー"が前提となっていましたが、レポリット族の前提クエストはありますか?

吉田:はい、詳細は次回PLLでもお伝えさせていただきますが、ベストウェイ・バローにある一連のストーリーサブクエストのクリアが条件になっています。ドリーミングウェイが登場するサブクエストですね。未クリアの方は、ぜひこちらのクエストをプレイしておいてください。

――ギャザラー・クラフター関連では道具強化コンテンツも追加されますが、5.Xシリーズのスカイスチールツールのような強化方法になるのでしょうか。

吉田:同じような形だと思っていただいて大丈夫です。当然、新しいストーリーもしっかりと展開していきます。PLLで公開したスクリーンショットでは、髪の毛が豊かなゲロルトのようなキャラクター(グレノルト)がいたと思うのですが、「海の中でずっといじけていた、あの伝説の職人が帰ってくる」というストーリーになります。

 第一世界のほかのキャラクターも絡みますので、第一世界が好きだったという人はリダ・ラーンで展開されていくお得意様取引とあわせて、ぜひ楽しんでいただきたいですね。強化に必要な時間の感覚は人によっても異なると思いますが、スカイスチールツール以上に大変になることはないと思っていただいて大丈夫かと思います。

――その新たなお得意様取引ですが、まさかの"草人"ということで驚きました。このキャラクターを選んだ理由やストーリー的な見どころを教えてください。

吉田:そもそも、お得意様取引のキャラクター選定は、まずバトル以外のコンテンツを作っているノンコンバットチームから出された提案が、シナリオチームに投げられるところから始まります。

 そこからシナリオチームのほうで、「設定やキャラクターの深掘りでこういうところをやるとプレイヤーの皆さんが喜んでくれるんじゃないか」というフィードバックを返して、その2セクションが協議したものが僕のところにあがってきます。

 今回はその協議の末に何人かの候補がいましたが、開発チームの「やるならいましかない!」という推しの強さで、草人を選びました。道具強化コンテンツの舞台も第一世界ということで、地域をそろえるという意味でもやりやすいタイミングですし、話題性もあるキャラクターですしね。草人になってしまった人たちはどういう気持ちだったのか、それも含めて触れていければなと。

――ミラージュプリズムによる衣装替えはできないとは思いますが、剪定して形を変えられたりするのでしょうか?

吉田:いや、剪定はさすがにないですね(笑)。いい加減、人間に戻してあげたいというのがありますから、もしそうなればそうなったで……これ以上はナイショです。

――ピクシー族の友好部族クエストで、モサモサした草人を整えるというクエストもあったので「もしや」と思ったのですが(笑)。

吉田:そのあたりがどうなるかは、ぜひ楽しみにしていてください。

――ほかにも非戦闘系コンテンツとして、無人島開拓についても多岐にわたるアップデート項目が発表されています。現状では拡張方面のアップデートが多くなりそうです。スプリントや収穫まわりの仕様の調整なども行われるのでしょうか?

吉田:スプリントに関しては、当初の企画のときから僕らのあいだでも議題になっていましたが、いまある手法だと実現が難しく、実現方法がまだ策定できていないのです。

 よく「ウルヴズジェイル係船場に永続のスプリントがあるから、それと同じものをやってほしい」と言われるのですが、あれはパブリックフィールドだからできており、無人島開拓はインスタンスコンテンツ内なので、まったく別の仕組みが必要になります。

 だから流用すらできないという状態で、移動まわりのシステムの根本に手を入れないと実現できなさそうだ、と。もちろん、タスクには入れているのですが、すぐに対応できるようなものではなく……。申しわけありませんが、今後の課題とさせてください。

 もともと無人島開拓に関しては、毎パッチ何かしらアップデートを入れる予定ですが、大きなアップデートは2パッチに1回という計画をしていました。今回は細かいアップデートが主体ですが、熱心なフィードバックをたくさんいただいたので、UIの拡張や調整について予定よりも多くの項目を追加しています。さらに開拓エリアが広がる、建物が増えるという大きなアップデートは、次のパッチ6.4をお待ちいただければと思います。


"マンダヴィルウェポン"はいろいろなコンテンツで自然と進められる形に

――パッチ6.35では"帰ってきたヒルディブランド"クエストと、"マンダヴィルウェポン"クエストが実装されます。前回は物語的に連動していましたが、今回はそれぞれ独立した進行になるのでしょうか?

吉田:いえ、今回もマンダヴィルウェポンを更に進行させるには、前提としてパッチ6.35のヒルディブランドクエストも進める必要があります。こちらは、ネタバレになるためあまり言えないのですが、登場人物の一部が絡んでおり……。ただ、サクッと楽しめる物語ですし、今回のヒルディは一段と無茶をやりましたので、ぜひご期待ください。

――前回はアラガントームストーン:天文のみで最初のマンダヴィルウェポンが作成できました。いよいよ今回からが武器強化の本番になると思いますが、どのように強化していくイメージでしょうか?

吉田:今回のコンセプトとしては、特定のコンテンツに紐づけて何かをするというよりも、「いろいろなコンテンツをやっていけば自然と貯めていける、交換できるもの」と考えているので、あまり警戒されなくても大丈夫かなと思います。

 前回からそうなのですが、いろいろなジョブをプレイしてくださるのが現在の『FFXIV』の主流プレイスタイルとなってきているので、今回も複数ジョブでマンダヴィルウェポンの完成までがんばれるようなバランスになる予定です。ですからある程度気楽に挑んでいただいても大丈夫ではないかと思います。

――6.Xシリーズ全般で強化していくことや、最終的に到達するアイテムレベルのイメージも、いままでと同様でしょうか。

吉田:はい。ビジュアルエフェクトの付きかたや、どのタイミングでどう強化していくかなどは、従来の武器強化コンテンツの流れを踏襲しています。

――並行して、"帰ってきたヒルディブランド"クエストも6.Xシリーズ全般で引き続き語られていく形でしょうか?

吉田:はい。"完"と出るまでは続いていきます。少なくとも6.3ではまだ終わりません。むしろ、もっとたいへんなことになっていって、出てほしかったヤツや、出てほしくなかったヤツまで入り乱れてくると思います(笑)。

――PLLでもおっしゃっていましたが、前回のクエストで登場したコヨコヨの再現度はびっくりしました。

吉田:あれは哲さん(野村哲也氏。コヨコヨが初登場した『FFVIII』ではキャラクターデザインを担当)が本当に丁寧にチェックをして指示も出していただきました。絶妙なアンバランスさは、もともと『FFVIII』のときに哲さんがこだわっていらっしゃったので、『FFXIV』のポリゴン数でも持ち味を消さずに作ることができたと思います。

もし"ブリッツボール"を実装するとしたら……?

――横軸の広がりとして、ゴールドソーサーにもアップデートが入るのですが、今回の新たなアトラクションの見どころをお聞かせください。

吉田:ジャンピングアスレチックに関しては、せっかくシステムがあるので、「早くつぎのものを作ろう」とお願いしていたものです。新ステージは黒衣森の東部森林にあった"シルフの仮宿"のようなイメージで、あのような雰囲気で幻想的な場所をジャンプしていくという遊びになっています。

 前回のPLLではBGスタッフが足場を作ってチェックをしている最中だったので、まだお見せすることはできませんでしたが、次回のPLLではお披露目できそうです。

――かなり幻想的なアトラクションになりそうで、楽しみにしています。ちなみに、ゴールドソーサーは今後どのようにアップデートされていくのでしょうか?

吉田:ジャンピングアスレチックのほかにも、ふたつほど大きなコンテンツを作ってはいますが、具体的に発表できるタイミングは未定になります。6.X中には、もうひとつ大きな遊びが入ると思います。

――それはプレイヤー間で期待されている……?

吉田:いえ、よく言われる"ブリッツボール"や"スノーボード"ではありません(苦笑)。

――遊び自体は比較的大きめのものでしょうか?

吉田:そうですね。ドマ式麻雀とはまったくの別種ですが、今回も「『FFXIV』は何をやっているんだ」と思ってもらえるようなものになると良いなあ、と。

――それに近いぐらいの衝撃はあるかもしれないということですね。

吉田:どうでしょう……ドマ式麻雀の衝撃を超えるものは、そうそうなさそうではありますね(笑)。ちなみにリクエストの多い"ブリッツボール"は、MMORPGの中に実装するということを考えたときに、原作の『FFX』のゲームをそのまま入れても、1~2回プレイしたらもうやらなくなると思うのです。

 では対戦版を作るかとなると、1試合あたりの時間が20分ほどになって気軽にプレイできなくなり、リワードを用意したとしてもマッチングが機能しないようなゲームになる可能性もあります。

 またそれらとは違う方向性としては、いわゆるチームシミュレーションのようなシステムにして、「アーテリスの中から選手をスカウトしてきて、パラメータを鍛え、自分が冒険に出ている間に試合をしてもらう」という案もあります。

――それはすごくおもしろそうですね。

吉田:僕としてもすごくおもしろそうだなと思いますし、その案だったらいますぐ実装企画をスタートしようかと思うのですが、そういったゲームを実装してもおそらく「こんなのブリッツボールじゃない」と言われてしまうのです……。

 そこが僕の中でゲームデザイナーとして解決できない部分でして。僕はチーム対戦シミュレーションというジャンルが大好きなので、全然ありだと思うのですが、やはり「それは違う」と言われたらへこんでしまいますし、それを作るなら競技名は"ブリッツボール"じゃなくても良いしなあ、と。

――より多くの方々の要望に応えようとするのは難しいですね……。

吉田:スノーボードに関しても、もし実装するなら『FFXIV』にはギャザラー、クラフターがいるので、板の素材から採ってきて、自分たちでクラフトして、エッジの角度、ソウルの材料、トップに貼るイラストなど、自分だけの1枚の板を作るところからやりたいなと。

 そちらはすぐにでも着手できそうなのですが、サーバークライアント型のゲームの場合、物理シミュレーションが使いづらいため、ミニゲームライクな操作感覚のものしか作れないのです。つまり「実際に雪面をスノーボードで滑るゲーム体験」をどのレベルにするか、それはおもしろくなるのか、繰り返し遊んでもらえるのか、が非常に難しいのです。

 じつはすでに検証や調査は何度か行っていて、ほかのゲームを遊んでみたうえで、「『FFXIV』に実装するならどうするか」ということを話し合っていたりします。

――なんと、すでにそこまで検討されていたのですね。

吉田:これは、「テーブルゲームを『FFXIV』に増やすとしたらどれだろう」という話になったときにも、いろいろな遊びやゲームを、いまお話したぐらいの精度までは検討・調査します。

 その結果、実装が見込めるものは数年越しでじわじわと動かしていく場合もありますし、難しそうならいったん棚上げして別の案を考える、という場合もあります。そういった俎上にあがった企画は、これまでに10個以上あると思います。

――その中から何が実現されるのかが非常に楽しみです。

吉田:現在作っているふたつの遊びに関しては、いまのヒントでは、まったくかすりもしないのですが……(笑)。ぜひ発表されるまで楽しみにお待ちください。

やりたいことを思い切り詰め込んだパッチ6.3

――さて、いよいよ来年は"新生"から10周年という節目であり、さらにファンフェスも開催されていきます。現在計画していることやその進捗について、お話できる範囲でお聞かせください。

吉田:やはり、いちばん大きいものとしては、ファンフェスティバルになります。ファンフェスティバルは4年ぶりにリアル&グローバルで開催します。プレイヤーの皆さんに直接お会いしたり、顔を見ながらお話をしたり盛り上がったりという機会は、僕らもすごく楽しみにしています。ご自宅で視聴されるという楽しみかたも含めて、ぜひ期待してもらいたいです。

 ほかにもまだ具体的なことはお話できませんが、いろいろな企業さんとの取り組みや、「ひとつのゲームでそんなことまでやるんだ!」というものなど、ゲーム内外に驚きと楽しさを振りまくことを仕込んでいます。そのあたりは年が明ければ順次見えてくると思いますので、ぜひ楽しみにしてください。

 またチケット争奪戦にはなってしまいましたが、12月のオーケストラコンサートから、THE PRIMALSのライブと合わせ、本格的にリアルイベントが再開する形になります。オーケストラコンサートは、『暁月のフィナーレ』までの総まとめというところもあって、そちらも10周年のコンテンツのひとつとして楽しんでもらえるように、フルスロットルでクオリティー高いものをお届けしようと思っています。そういった施策で皆さんと盛り上がりたいと思っていますので、ぜひ10周年の節目を楽しんでもらえたらなと思います。

――最後に、パッチ6.3をどのように楽しんでもらいたいか、光の戦士たちへメッセージをお願いします。

吉田:今回のパッチ6.3では、ひさびさに「完全新機軸」というコンテンツはありませんが、全体のコンテンツボリュームとしては相当なものになっています。さらに内容的にはカジュアルにも、そして深くにも楽しめるアップデートになり、ディープダンジョンにソロで挑むという遊びも含めて、ありとあらゆるフィードバックに応えながら、僕らもやりたいことを思いっきり詰め込めたパッチだと思います。

 いままでのアップデート間隔より約2週間、3.5ヵ月のところを4ヵ月にさせていただいたからこそのボリュームを実現しつつ、不具合もできるだけなくし、しっかりと運営品質を保っていきたいと思っています。ですから一度に全部の要素をやろうとせず、まずは好きなコンテンツだけをプレイする形でもいいかもしれません。

 年末年始はほかのゲームを遊びながらお待ちいただいて、パッチ6.3がリリースされたらご自身のペースでどっぷり『FFXIV』をプレイしてもらえるとうれしいです。これから半月ぐらいで全部のチェックを終えられるように僕もがんばりますので、ぜひ楽しみにしていてください!


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