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私はそもそも急いでいませんっ!兄様が意識してくれただけでも……!(エリゼ)【軌跡シリーズ名言集】

Zenon
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 日本ファルコムの名作ストーリーRPG『軌跡』シリーズの名言集をお届けします。

 本記事で紹介するのは、『閃の軌跡IV』に登場するキャラクター、エリゼのセリフ。本作の主人公・リィンの義理の妹である彼女が長年秘めてきた想いを振り返りつつ、その名言を紹介していきましょう。

※本記事内には物語のネタバレを含む表現がありますので、ご注意ください。

私はそもそも急いでいませんっ!兄様が意識してくれただけでも……!(エリゼ)

●前日譚 せめてこの夜に誓って(英雄伝説 閃の軌跡IV -THE END OF SAGA-)

 シュバルツァー男爵家という貴族の家に生まれ、人格者の父と母に淑女として育てられたエリゼ。義理の兄・リィンに異性としての恋愛感情を持ちつつも、長年それを表に出すことのないよう振る舞ってきました(本人以外の周囲にはバレバレでしたが)。

 出会いは彼女が3歳のとき(『閃IV』時点から14年前)。幼いころは実の兄と思って慕っていたようです。リィンはとある事情でじつの父親からシュバルツァー家へ預けられた経緯があるのですが、今回は割愛。

 7歳のころ、雪山で大型魔獣に襲われた際、リィンが“鬼の力”を発現させて彼女を守りました。以降、エリゼはリィンにとって最優先で守るべき存在となります。

 12歳で聖アストライア女学院へ入学する前、リィンが義理の兄であると知ってからは、彼によそよそしい態度を取るように。自分の気持ちを御しきれず、「取り返しが付かないことを口走りそうになるので距離を取っていた」とのこと。

 彼女が15歳のころ、トールズ士官学院へ入学した兄の姿を見て喜んでいたといいます。7歳の事件を経て常にエリゼのために行動してきたリィンが、“自分のための道”を歩んでいることが嬉しかったというのです。(エリゼの親友・アルフィン皇女より)

  • ▲その割には、自分に会いに来てくれない兄の元へ押しかけるなど、ブラコンっぷりを発揮していましたが……。(『英雄伝説 閃の軌跡I:改 -Thors Military Academy 1204-』より)

 その後、キャンプファイアーでほかの女生徒の元へ向かう兄を寂しそうに見送ったり、内戦の終盤ではリィンの制止を振り切ってカレイジャスに乗り込み兄の無事を祈るなど、基本的には一線を引いた立ち位置かつ、一番近いポジションからリィンのことを想う“健気な妹”として振る舞ってきました。自分の気持ちに気付いてくれないリィンに「……兄様のバカ」とつぶやきつつ。

 そんな彼女も、『閃IV』でリィンが“贄”に選ばれ、明日をも知れぬ命となったことで、ついに想いを告げる覚悟を決めます。

 リィンの“呪い”が暴走し、ボロボロになった教官服はエリゼが修繕していました。彼女の愛情と魔女の魔力がこもった特殊な糸で繕い直したため、黒衣と同じく“呪い”に耐えられるようになったとのこと。

 ボロボロの教官服。

 “呪い”に耐えられるよう編まれた黒衣。


 変化した髪色とあいまって“狙いすぎ”と評判の黒衣に対し、素直に“凄くいい”と評するエリゼ。リィンは若干、妹の美的センスが心配になります。

 エリゼは、この縫い直した教官服を渡せたら、自身の想いをリィンに告げようと決めていました。過去のよそよそしかった時期の理由も説明し、いくら鈍感で朴念仁のリィンでもわかるように、ハッキリと告げます。

  • ▲「言ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」と、プレイしていた当時は盛り上がったものです。

 エリゼの気持ちとしては、返事が欲しくて告げたわけではありませんでした。リィンがすでに自分の命を諦めているように見えたから、エリゼを含めた“大切な人の想い”はちゃんと受け止めてあげてほしい、と語ります。少しでも後悔のないようにってことですね。



  • ▲リィンもエリゼの告白に戸惑いは隠せない様子ですが、その言葉と想いだけは胸に刻むと約束しました。

 そして決戦前夜、一行はテーマパーク・ミシュラムワンダーランドを借り切って壮行会を開いていました。エリゼはリィンに誘われて鏡の城で占ってもらったあと、別れ際に「兄と妹でよかった」と互いに言います。


 占いの館では彼女の親友たるアルフィン皇女が、今後も多くの苦難が待っていると聞き、改めて今後も支え続けると誓っていました。

 両親に感謝しつつ兄妹としての抱擁を交わします。複雑な想いはあれど、2人が固い兄妹の絆で結ばれているのは間違いないのですから。

 エリゼは「もし誰とも約束をせず、私と過ごして頂けるなら」という条件付きで、このあと時間をもらえるかと尋ねます。それは、明日が今生の別れかもしれないという特別な夜に、よければ返事を聞かせてもらいたい、という最後の誘いでした。

  • ▲なお、うっかり同様の誘いをエリゼ含めて計11件も受けてしまうモテリィン君。「我ながら最低なことをしてしまったけど……」と、さすがに罪悪感がある様子。

 覚悟を決めてエリゼと待ち合わせをしたリィン。彼女の兄として過ごしてきた14年間を振り返り、「お前は妹だよ。そこだけは変わらないと思う」と、素直な気持ちを打ち明けます。




 “兄妹”として。その言葉が、果てしなく高い壁としてエリゼの前にそびえ立ちます。

 しかし、エリゼから気持ちを聞かされた際には間違いなく、嬉しい気持ちもあったと告げるリィン。「エリゼを本当に幸せにできる男にしかやるつもりはない」といつものシスコンっぷりを語りつつ、自分はその眼鏡にかなう男だろうかと考えると「未熟」だと判断せざるをえなくて、自分自身に腹が立ち、そもそもそんな思考に陥っている自分に愕然としてしまって……と、非常に困惑している想いを語ります。





 要するに、今まで考えたこともなかった“自分がエリゼの相手に相応しいのか”という思考が、彼のなかに初めて生まれたということ。それはエリゼを妹としてではなく、異性として意識した証拠でした。

 リィンの戸惑いを聞いたエリゼは、彼の胸へと勢いよく飛び込みました。そしていよいよ、今回の名言となります。




「私はそもそも急いでいませんっ! 兄様が意識してくれただけでも……!」

 決して、恋人になれる、という意味で想いが成就したわけではありません。妹としての感情は最高ランクに振り切れているリィンの好意度ランキングも、恋愛対象としてはようやく、スタートラインに乗ったというところでしょうから。

 しかしそれこそが、エリゼの本当に望んでいたことでした。女学院行きを決めた4年前、あるいは初めて会った14年前から、彼女は“妹”ではなく異性としての好意をリィンに向けていたのに、肝心のリィン側は“恋愛対象外”。妹として大事にされるのは、心地よくも非常に歯がゆかっただろうと想像に難くありません。

 それがついに、恋愛対象として意識してくれた。それこそ奇跡が起きたかのように、彼女の想いとしては報われたことでしょう。「急いでいない」とは、そういうことだと思います。14年間の歯がゆさに比べれば、いますぐ恋人になれないくらい、どうってことはないと。

 なお、続編である『創の軌跡』ではこの告白イベントを“それぞれが経た”というif的な感じで、各ヒロインとリィンが遭遇した時にひそやかな会話が行なわれるのですが、エリゼについては“恋人”という雰囲気の会話ではありませんでした。


  • ▲「私にも頼ってくださいね」「あぁ、頼りにしている」くらいの会話。しかし、兄妹の絆という面では十分に繋がりを感じられる雰囲気でした。

 はい、というわけで今回はエリゼの名言をお届けしました。エリゼが絡むと暴走しがちなリィンの珍言もおもしろいので、過去に書いた名言記事「分かった。――万死に値するな」などもあわせて読んでいただければ幸いです。

 シリアスなものからコメディ的なものまで、軌跡シリーズにはほかにも数々の名言が存在します。今後もそれらを不定期にピックアップしてお届けしていく予定なので、お楽しみに!

※画面はPS4『英雄伝説 閃の軌跡IV -THE END OF SAGA-』と『英雄伝説 閃の軌跡I:改 -Thors Military Academy 1204-』のものです。
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