さよなら……………ルフィナ姉さん……(ケビン)【軌跡シリーズ名言集】

アツゴロウ
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 日本ファルコムの名作ストーリーRPG『軌跡』シリーズの名言集をお届けします。

 今回お届けするのは《七耀教会》の《星杯騎士団》に所属するケビン・グラハムの名言。彼の名言は以前の記事でも紹介しており、今回が2回目となります。

 『空の軌跡 the 3rd』で主人公に抜擢されたケビンが、物語のクライマックスに口にしたセリフとは? 本作で明かされていく彼の過去とともに語っていきましょう。

※本記事内には物語のネタバレを含む表現がありますので、ご注意ください。

さよなら……………ルフィナ姉さん……(ケビン)

●最終話 いつか、辿り着く場所

 《星杯騎士団》を統べる12人の守護騎士の1人にして、第五位《外法狩り》の渾名を持つケビン。彼は軽薄そうな巡回神父という表向きの顔の裏に、教会が“外法”と認定した罪人を容赦なく狩る《外法狩り》としての冷徹な顔を隠していました。

 ケビンは『空の軌跡SC』で描かれた《リベールの異変》の際、主人公のエステルたちに協力しつつ利用し、最悪の破戒僧たる《白面》ワイスマンの消去という目的を達成。『空の軌跡 the 3rd』の冒頭でも古代遺物(アーティファクト)の回収など、守護騎士としての任務に従事していきます。

 そんな日々の最中、リベール王国で回収した古代遺物の《レクルスの方石》が謎の力を発揮。ケビンは再会したばかりの幼なじみ・リースとともに、《影の国》という異空間に閉じ込められてしまうのでした。

 ケビンとリースは、《影の国》から脱出するべく異空間内を奔走。自分たちと同じように、《影の国》にとらわれてしまったエステルたちと協力して、《影の国》の謎に迫っていきます。

 この探索の最中に語られるのが、ケビンの壮絶な過去。彼は母子家庭で育った普通の子どもでしたが、父親に捨てられて心を弱くした母親に、無理心中を迫られてしまいます。まだ幼く、混乱するばかりだったケビンは母親から一目散に逃亡。その後、戻った家で待っていたのは、自ら命を絶った母親の姿でした……。

 母親の死と、「母親を見殺しにしてしまった」という罪悪感を抱えたまま、路地で佇むケビン。ですが、そんな彼の前に、ルフィナとリースの姉妹が現れます。

 ルフィナは自暴自棄になってしまったケビンに、チョコレートを口移しで食べさせるという荒療治を敢行。さすがに衝撃的だったようで、ケビンは正気を取り戻します。これが縁となり、ケビンはルフィナたちが暮らす教会の福音施設《紫苑の家》に引き取られることに。

 ルフィナたちと家族同然に暮らし、健やかに育っていくケビン。のちに《星杯騎士団》入りしたルフィナを追って、ケビンも騎士団の従騎士となります。ですがそんなある日、さらなる悲劇が待っているのでした。

 悲劇の発端は、猟兵団による《紫苑の家》の占拠でした。彼らの目的は、そこに隠されていた《ロアの魔槍》と呼ばれる古代遺物。現場に駆け付け、猟兵たちを首尾よく行動不能にしていくケビンでしたが、《ロアの魔槍》で異形の化物となった最後の1人にたたきのめされてしまいます。

 そのとき、ケビンの身に刻まれた《聖痕》の力が発動。守護騎士となるべき者に顕われるという《聖痕》は異能の力をケビンに与え、化物を滅します。しかし、初めて《聖痕》を発動したことで、ケビンは暴走状態に。そこにルフィナが駆けつけます。

 《星杯騎士団》の正騎士でありながら、優れた状況判断と交渉術で、ときには守護騎士すら上回る成果を残すほど優秀だったルフィナ。そんな彼女の選択は、自らを犠牲にしてケビンの暴走を止めることでした……。

 こうして恩人を失ったケビンですが、《聖痕》が顕現したことで従騎士から守護騎士に昇格。以降はルフィナを死なせた償いをするかのように、どんな汚れ仕事も進んで請け負う《外法狩り》としての道を歩んでいくのでした。

 なぜケビンの過去が暴かれたかというと、それは《影の国》が、ケビンの《聖痕》の力をコピーすることで生まれた世界だったからです。《影の国》はケビンのトラウマを刺激することでその心をさらに深い闇へ落とし、オリジナルの《聖痕》の力を奪って完全な存在になることを目論んでいました。

 そのために、ルフィナの姿をコピーした《影の王》としてケビンの前に度々出現。ルフィナへの償いのためでも、罪悪感を消すためでもなく、ただただ「罰を受けたがっている」ケビンの願いどおり、罰を与えると甘言を弄します。

 しかし、《影の王》の甘言をリースがすぐさま否定。「本物の姉様なら、そんな風にケビンを甘やかしたりしない」。それは、この世に絶望して消えそうになっていたケビンをそのままにせず、ひとかけらのチョコレートで現実に引き戻したルフィナを知る、リースだからこそ言える言葉でした。

 そんなリースの言葉をきっかけに、ケビンは自分のトラウマと向き合うことを決意。これまで使えなかった《聖痕》の光の側面を引き出すなど、精神的にも成長していきます。

 どんな苦境にあっても諦めず、努力を惜しまず、より良い結果を求め続けたルフィナ。そんな彼女が立っていた場所を目指す、という決意を固めたケビンは、最終決戦で《影の王》の正体である、ルフィナの概念をまとった《聖痕》のコピーと対峙し、見事に打ち破ります。

 戦いのあと、ケビンとリースは《聖痕》のコピーから解放されたルフィナと本当の意味での再会を果たします。しかし、ルフィナのなかにはまだ《聖痕》のコピーの力が残っており、完全に消し去るにはルフィナごと消滅させる必要があるのでした。

 「私を滅ぼして」というルフィナの覚悟を受け、再び彼女にボウガンを向けるケビン。そのとき、リースも一緒にボウガンを撃つと言い出します。これまでルフィナとケビンに置いて行かれるばかりだったリースの、「今度は私も一緒に罪を背負う」という決意を受け入れたケビンは、2人でボウガンを構えます。

 ケビンとリースの成長を見届けたルフィナは、「私が立っていた場所ではなく、夢見て辿り着けなかった、そんな場所を目指して欲しい」と言い残します。

 そして最後の語らいのあと、ボウガンの矢が放たれ、ルフィナは消滅するのでした。

 前置きがかなり長くなってしまいましたが、今回の名言はこの最後の語らいからチョイスしたものです。

 ルフィナとの別れは悲しむべきことですが、これはケビンとリースが、ルフィナの夢見た場所を目指す決意を固める、通過儀礼とも言えるシーン。すごく印象深くて、自分の中の『軌跡』名シーンのトップ5に入るくらい好きなんですよね。

 のちに《影の国事件》と称されるこの出来事をきっかけに、ケビンは《外法狩り》の渾名を変えるわけですから、本当に彼の人生のターニングポイントと言えます。なお改名後の渾名は《千の護手》。ルフィナの渾名《千の腕》にちなんで名づけられているのが最高にエモいんですよ!

 ケビンとリースの活躍は、このあと『碧の軌跡』でもありますが、本格参戦は未だなし。個人的に大好きなコンビなので、今後の『軌跡』シリーズにもぜひ出てきてほしいところです(できればプレイアブルで!)。そのときは、彼らの新たな名言にも期待したいですね!

 ちなみに、ケビンの紹介動画が日本ファルコムのYouTube公式チャンネルで配信中です。この記事で彼に興味がわいたら、そちらもぜひご覧ください!

※画面はPS Vita『英雄伝説 空の軌跡 the 3rd Evolution』のものです。
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