『地球防衛軍4.1 for Nintendo Switch』でいつでもどこでもEDF! ロマンあふれる巨大ロボット戦も【冬のレビュー祭】

まさん
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 ディースリー・パブリッシャーから12月22日に発売されたばかりのNintendo Switch用ソフト『地球防衛軍4.1 for Nintendo Switch』。本作のレビューをお届けします!

 本作は、2013年に発売された『地球防衛軍4』をベースに、大幅な追加要素やゲームバランスやミッションの改良が施された『地球防衛軍4.1 THE SHADOW OF NEW DESPAIR』のNintendo Switch版となります。

 無印の『地球防衛軍4』よりも味方との共闘感が増していたり、巨大ロボット戦なども導入された決定版とも言える内容となっており、無印の経験者はもちろん、新規で『地球防衛軍』シリーズに入る人も本作ならではの物量を覆す爽快感を味わえます。

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あれはなんだ……TPSか……? サ、サ、最高にゴギケンな『地球防衛軍4.1』だあぁぁ!!

 アリやクモのような巨大生物や巨大怪獣相手にライフルやロケットランチャーで立ち向かう! 生身で無茶をする特撮映画のようなシビれるシチュエーションと、ビルでも民家でもガンガン破壊して戦う爽快感が同居した『地球防衛軍』シリーズ。

 最新作の『地球防衛軍6』も評価が高く、1作でも遊んでみれば、そのおもしろさと気持ちよさがわかる納得のシリーズなんですよ。自分も初代や『地球防衛軍2』などにハマって延々と遊んでいたのを思い出します。

 難易度調整もできますし、巨大な生物を吹っ飛ばすのがとにかく爽快! TPSなのですが、難しさよりも爽快感を味わえるのもいいところですね。

 もちろん、キリキリするような強敵やシールドのギミックを持った敵が出現するような悩ましいステージもあり、低難易度でも「戦って生き延びた!」という感覚を味わえるのがいいところ。絶望的なシチュエーションのなかで、巨大生物をミサイル1つで吹き飛ばすのがたまりません。

 群がる敵を一気に撃ちまくる。吹き飛ばす。味方のNPCと一緒にテンションMAXで進軍! EDF! EDF! EDF! EDF!

 ついテンションを上げてしまいましたが、今回発売されたのはNintendo Switchへの初移植となる『地球防衛軍4.1』。ナンバリングとしては2つ前ですが今でもプレイできる完成度を誇る作品。

 移植元が『4』の発展版ということで全体的にバランスが取れたゲーム性になっているので、ここから『地球防衛軍』に入る初心者にもピッタリです。何より、ボリュームも異常と言えるくらいの物量。

 本作はミッションを選んで出撃していくステージクリア型のアクションですが、選べるミッション数は協力プレイ専用のものを含めて90以上と豊富。PS4からの移植ですが、大量の巨大生物が出てくるステージでもほぼ処理落ちすることなく、ローディングも気になりません。

 これだけの物量が出てくるゲームを、携帯モードで快適に遊べるので移植度としても満足。何より、いつでもどこでも『地球防衛軍』を遊べるのがうれしい! 

  • 巨大な敵が一気に群がってくる光景は、ものすごいインパクト! 仲間たちの通信や悲鳴を聞きながら必死に銃を乱射するのは映画の『スターシップ・トゥルーパーズ』的で最高です。

 ストーリーとしては一応ナンバリングの『3』から繋がってはいるのですが、過去に倒した巨大生物がさらにパワーアップして帰ってきたくらいの感覚でOKです。

 ゲーム中の仲間たちや司令との通信を聞いているうちに状況も把握できると思うので、初心者でも問題なく遊べると思います。EDF特戦歩兵部隊・特殊遊撃チーム“ストーム”の一員となって、巨大生物を返り討ちにしちゃいましょう!

 自分も、今回の移植で久々に『地球防衛軍』シリーズを遊びましたが、すごく気持ちよかった……。というわけで、本作ならではの魅力についてもっと語っていきましょう。

  • ▲ステージクリア後にどんな武器が手にはいったのかを確認する。この瞬間も楽しい本作。敵が落とした武器は自分で拾わないといけないので、拾うタイミングも悩ましい!

遊びごたえのある4つの兵科に選べる難易度。強い武器を求めて周回するハクスラTPS

 普通にステージをクリアしていくだけでも、90近くのミッションがあるのでだいぶ満足してしまうくらいボリュームがある本作。『地球防衛軍』シリーズは高難易度ステージになるほど強力な武器が手に入るので、クリアしたミッションの高難易度に挑んで武器を集めて……と繰り返し遊んでいくと膨大な時間を奪われていきます。

 もちろん、そこまでガッツリ遊ばずにひと通りストーリーをクリアするだけでも楽しめるでしょう。難易度もゲーム中の推奨がNORMALですが、EASYでとりあえずクリアして全部のミッションを出してしまうのもアリです。

 TPSが苦手や初心者でNORMALでも手強いという人は、EASYで巨大生物に対して弾を打ち込みまくる爽快さと、何でも破壊できる豪快さを味わう方向に振り切ってもいいと思います。俺ツエーの気持ちよさをたっぷり味わっていただき、そこから苦戦するシチュエーションの楽しさに目覚めてもらいたい!

 強い武器を手に入れて高難易度に挑み、敵が落としたより強い武器を集めていく周回とハクスラも醍醐味ですからね。

 とはいえ、強い武器だけではなくARMOR(体力)もないと耐えられません。最初は低難易度で敵が落としたARMORを回収し、体力の上限を上げてからHARD以上の難易度に挑んで強武器を確保。これが、シリーズにおける基本的なサイクルになっています。

 ストーリークリアまでとは異なり、苦戦からの強装備で反撃していく別ゲーのような周回の楽しさが出るのも『地球防衛軍』シリーズのおもしろいところ。この楽しさにハマると、延々と遊んでしまいます。

  • ▲とにかくミッションの数が多いうえに、選べる兵科ごとの遊びごたえも全然違います。ゲームとしてのコスパも優秀。

 選べる兵科(操作キャラクター)は、全部で4種類。基礎的な能力のレンジャー、体力が低いが空を飛べるウイングダイバー、空爆やビークルで支援するエアレイダー、移動は遅いけど左右の武器で戦えるフェンサーと、選んだ兵科によってゲームとしての遊び心地はまったく異なります。どれも楽しいのですが、最初は素直にレンジャーで遊ぶのがオススメ。

 レンジャーは2種類の武器を装備して戦えるのですが、どの武器も使い勝手が高く、対応力もある基本的な兵科です。最近のシリーズ作品で実装されているダッシュはないのですが、ジャンプボタンとアナログスティックの左右を同時に入力すると出るローリング回避を繰り返すと素早く移動できます。回避の入力は斜め前に入れても出るので、斜め前方に回避しながら移動することで遅さも気にならないはず。

 射程が長い武器なら空中の敵や遠距離にいる敵も視界に見えるくらいの位置から攻撃が届き、威力が高く射程が短めな武器とセットで運用するとほぼすべてのシチュエーションに対応できます。

  • ▲『地球防衛軍』の基本となるレンジャー。どんなシチュエーションでも強力な武器で戦っていける基本的なキャラクター。

 レンジャーで巨大生物に鉛弾をぶち込むと、本作の楽しさがもっともわかりやすいはず。そして、レンジャーの次にプレイしたいのがウイングダイバー。こちらは空を飛べるのが特徴でビルの上でもスイスイと登っちゃいます。一度クリアしたステージがまったく違う光景に見えるので、2周目で遊ぶのにも最適。体力が低くて撃たれ弱いのですが、移動の気持ちよさはNo.1!

  • ▲空から狙撃する感覚が唯一無二のウイングダイバー。ビュンビュン飛び回って空から戦う楽しさはほかの兵科には気持ちよさがあります。

 残りの2つはゲーム慣れしてから遊ぶ中級者以上の兵科。エアレイダーは戦車などのビークルを呼び出して操縦したり、航空支援を要請したりと破壊力がある攻撃が魅力的ですが、1つ1つのリロード時間や支援を呼び出すまでの時間がネック。協力プレイ向きなのでソロで戦うと大変かも。

  • ▲戦車に乗ってバッカンバッカン撃つと脳汁が出るエアレイダー。呼び出せるまで時間がかかるので、ステージ開始時に即呼んじゃうのが基本。

 上級者向けのフェンサーは、テクニックがいるものの左右の武器を使ってコンボを決めるように戦えます。武器セットの切り替えもできるので、ブーストで近づいて巨大な近接武器とシールドで戦うことも、強力な火器を遠距離から乱射することも自由。歩くだけでちょっとしたフェンスや障害物を破壊しながら進めるので頼もしく、操作に慣れれば華麗に戦えるかもしれません。

  • ▲見た目からして重装甲で強そうですし、火力も高くて頼りになるフェンサー。フェンサーの大部隊で出撃するミッションで、ノッシノシ進む絵面も素敵。

 やはり、初めて遊ぶ方は1周目をクリアするまでレンジャーがオススメです。『地球防衛軍』とはどういうものなのかがよくわかりますし、暗い洞窟などでも立ち回りやすいですからね。地上を歩きながらビルを壊し、巨大生物を倒し、UFOに立ち向かっていると、本作の特撮チックなワクワク感がだんだんクセになってくると思います。

宇宙船を迎撃、巨大ロボットでサポート、地球防衛軍はシチュエーションが魅力!

 本作の魅力は何といってもロマンをくすぐるシチュエーション。冒頭のビルに群がるアリのような敵の大群から、人々を捉える巨大なクモの巣。空を覆いつくすUFO。おなじみの日本家屋や蕎麦屋などの店舗がある風景に、見慣れた生物が巨大な姿で襲ってくるステージの構成がとてもいいのです。

 最初は巨大さに恐怖を感じるかもしれませんが、やってみると大きいので「へへっ、いい的だぜ!」と雑に撃っても当てやすい。銃が当たれば簡単に吹き飛ぶので、だんだんと気持ちよくなってきます。

 巨大生物が攻めてきた地上で戦うのは、自分1人じゃありません。NPCの隊員たちは、みんな仲間です。EDFの歌をうたいながら陽気に立ち向かい、自分と一緒に通信しながら戦ってくれるので共闘感もバッチリ。1人プレイでも、心強いんですよね。

 こういうゲームだと味方が役に立たないイメージはありますが、結構しっかり敵を倒してくれるので頼りになります。レンジャーなら自分が回復アイテムを取るだけで指揮下の仲間たちも回復する仕様もあり、意識して回復していればステージクリアまでついてきてくれるので心強いです。

  • ▲仲間たちがいるから、どんなに心折れる光景でも戦えるのです。味方の数自体も多いですし、単なる的ではありません。

 地上はもちろん、地下も胸躍るシチュエーションです。銃を撃ったときのヘッドライトを頼りに暗い地下を探索し、敵の巣を探していくうちに巨大生物の大群に遭遇!

 普通ならホラー映画な展開ですが、そこは我らがEDF。ライフルを連射して掃討し、勇敢に立ち向かう。1つ1つのステージ構成が使い回した適当なものではなく、ストーリーも含めて考えられています。

 初代の『THE 地球防衛軍』からどんどん足し続けられた美学の集大成。次回作の『地球防衛軍5』では世界観が一新されることもあり、それまでの積み重ねの集大成といった内容なのも豪華です。

  • ▲暗いトンネルの先には巨大生物がひしめき、天井を見上げると大量の敵たちが待ち構えている! なんという絶望感。

 そして何より、本作ではついに巨大ロボット戦が実現しました!

 そもそも『地球防衛軍』シリーズの開発を手がけているサンドロットさんは、巨大ロボットをのっしのっしと歩かせて戦うケレン味あふれた作品がデビュー作。人間サイズのキャラクターを操作する作品もいいのですが、サンドロット作品でしか体験できない大きくて動きがもどかしいけど強いロボット戦は好きな人も多いのです。もちろん、私も大好き。

 本作では巨大怪獣エルギヌスに対抗するために、こちらも人型の歩行要塞バラムで出撃します。巨大な質量に巨大な質量をぶつけて怪獣を撃滅する……要は、拳で殴り合いをするという巨大ロボットvs巨大怪獣の一大決戦です。これは本当によい! この展開でテンションが上がらない人いないでしょ!?

  • ▲ゆったりとした動きで殴り合っているだけで、どうしてこんなにワクワクするんでしょうね。巨大ロボットへの憧れが詰まっているから?

 操作自体はシンプルですが、旋回や立て直しをするときの「重いっ!」という感覚が、もうサンドロットのロボとしか言いようがない。この重さこそがロマンの塊。

 バラムが出てくるまでの巨大生物に対する絶望感も、バラムで戦う巨大感も、子どものころに見たロボットアニメのようなカッコよさ。ほかにも、数々の魂が震える名場面としかい言えないステージが多く、最後まで楽しく走り抜けられると思います。

 各兵科や難易度ごとにある要素をすべてコンプリートすると、軽く100時間は超える大ボリューム。ですが、そこまでしなくても特撮的なワクワクするTPSとしてシンプルに楽しめます。年末年始はSwitchを持ってこたつに潜り、気軽に地球を防衛しに行くのも楽しいですよ!

🄫2022 SANDLOT 🄫2022 D3PUBLISHER

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