『ペルソナ3 ポータブル』リマスター版レビュー。青春の日々をもう一度…高校生たちの光と影と描く学園ジュヴナイルの傑作!

長雨
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 アトラスより2023年1月19日(木)配信予定のPS4、Nintendo Switch、Xbox One、Xbox SeriesX|S(Xbox Game Pass対応)、Steam、Windows向けソフト『ペルソナ3 ポータブル(以下、P3P)』は、2006年にPlayStation 2で発売された『ペルソナ3』に、新要素を加えて2009年にPlayStation Portableで発売されたリマスター作品です。

 『ペルソナ3』はシステムなどを変更し、新たな『ペルソナ』シリーズ像を打ち出した作品だけに印象深いというファンも多いはず。さらに『P3P』では、女性主人公も選べるようになり、PSP版発売時に大きな話題を呼びました。

 今回はいつまでも色あせない名作、今遊んでも楽しい本作の魅力をご紹介していきます。

“影時間”に戦う特別課外活動部の物語

 月光館学園にやってきた転校生の主人公は、寮で謎めいた少年と契約を交わします。ペルソナ能力に目覚めた主人公は、1日と1日の間にある“影時間”や、そこに現れて人々を襲う“シャドウ”の存在を知って、人々を戦うために活動する特別課外活動部に参加することになり……。

 特別課外活動部で一緒に活動するのは、同じ寮で生活する少年少女たち。岳羽ゆかり(声優:豊口めぐみ)や伊織順平(声優:鳥海浩輔)たち月光館学園の学友がメインなのですが、ある事情で出会った対シャドウ用兵器のアイギス(声優:坂本真綾)やアルビノの柴犬コロマル、初等科の天田 乾(声優:緒方恵美)も仲間になるなど、バラエティに富んだメンバーがそろっています。

 主人公をはじめ、登場する仲間たちのペルソナはギリシャ神話がモチーフになったものが多いです。なじみが深く、カッコいいペルソナばかりで、見ていてテンションが上がるんですよね。ちなみに物語も、神話の気配を感じる部分が多々あったりします。

 個性豊かな仲間たちとの学園生活は、季節のイベントも満載で、にぎやかで楽しいです。ただし特別課外活動部は、決して一枚岩ではありません。むしろ、近年まれに見るほどメンバーの関係がギクシャクしています。他者への嫉妬だったり、家族環境による問題だったり……。

 仲間同士でぶつかり合い、時には傷つきながらも、そこから生まれていく絆が本当に尊いのですよ。青春のキラキラした部分だけでなく、ナーバスな部分もしっかり描いた物語が、本作の魅力だなと個人的に思っています。

 メインストーリーでは、“影時間”や満月の夜に現れる大型シャドウの謎を追っていくことになります。さらに特別課外活動部と同じように、“影時間”に活動できる復讐代行集団“ストレガ”も現れて……!?

 個人的に本作の最終戦はバトル音楽も含めてRPG史上でトップクラスの展開だと思いますし、そこからエンディングへの流れは言葉に出来ないほど。主人公たちをどんな運命が待っているのか、ぜひ見届けてください!

 なお、手っ取り早く本作の世界観を体験したいという方には、2013年~2016年に全4部作で公開されたアニメ作品・劇場版『ペルソナ3』(PERSONA3 THE MOVIE)シリーズをチェックするのもオススメです。

 細かい違いはあれど、ゲーム版のメインストーリーをほぼ忠実に描いており、特にペルソナ同士の戦闘描写などのアクションシーンをアニメならではの迫力の映像で楽しむことができます。

 ちょうど2月22日(水)に全4作を収録したBlu-ray BOXが発売されるので、ぜひチェックしてください。
 
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主人公の性別で物語に変化も!

 ゲームの話に戻りますが、主人公の性別は【男/女】から選択可能です。物語の流れは同じですが、さまざまな変化があります。原点である『ペルソナ3』の雰囲気を味わいたい方は男性主人公を、新たな出会いを体験したいという方は女性主人公を選ぶのがオススメです。

 大きな違いは、仲間たちの反応、コミュを築ける相手の変化、そしてベルベットルームに登場するサポートキャラを選べること!

 仲間の反応は細かな部分ですが、キャラクターの印象がかなり変わります。信頼を築く前は男性主人公にツンツンしていたゆかりも、女性主人公にはわりと序盤から心を開いてくれて……そのギャップに、最初かなりの衝撃を受けました(ツンツンしたゆかりもかわいくて好きですけどね)。

 “コミュ”とは、主人公が仲間や登場人物たちと築ける絆のこと。ちなみに数多く用意されているコミュは、タロットカードのアルカナ(絵柄)と対応しています。

 アルカナ・魔術師は男性主人公の場合は友近健二ですが、女性主人公の場合は順平になったりと、性別によってコミュの相手が変化します。コミュの相手とは一部恋人関係になることもでき、男女それぞれで普段とは違った仲間たちの一面を見ることができるのも注目ポイントです。

 ちなみに女性主人公は、あるコミュで『ペルソナ4』の舞台である八十神高等学校に行くことも! そこで、中学生時代の天城雪子(『ペルソナ4』の仲間キャラクターの1人)に会えます。彼女のファンは必見!

 女性主人公の場合は、ペルソナを生み出すベルベットルームの住人をエリザベス(声優:沢城みゆき)とテオドア(声優:諏訪部順一)から選択することが可能。ちなみに男性主人公の場合は、エリザベス固定です。

 本作ではエリザベスまたはテオドアから依頼を受けることができ、彼らとベルベットルームの外に出かけることも……。無邪気だったり、浮世離れしていたり、リアクションがとっても微笑ましく、どちらを選ぶかかなり悩みます。

 基本的な物語の展開は変わらないと言っても、システム画面のカラーリングやBGMも専用のものがあって、遊んでいるときに受ける印象はやっぱり違うんですよね。ぜひ、男女両方の物語を遊んでほしいです。

自由な高校生活を謳歌しよう

 本作はカレンダー方式で、4月から過ごしていくことになります。ストーリー進行によって一部行動制限がある場合もありますが、基本的には何をするのも自由!

 昼はマップにある施設でアルバイトをしたり、仲間や住人たちと交流してコミュを上げたり、学生生活を謳歌することができます。

 主人公には学力、魅力、勇気という専用のパラメータがあり、施設を利用したり、自室の机で勉強したりすることで成長させることが可能です。パラメータは試験の成績などに関わるので、上げておいて損はなし!

 また、コミュによってはパラメータが一定以上ないと進められないものも! なかでも特別課外活動部メンバーと恋人になれるコミュは、開始条件がかなりシビア。みんなハイスペックなメンバーが多いぶん、お近づきになるには自分磨きが大事なんですね。そのぶん、仲よくなれたときの喜びも大きいのですけど。

 夜も昼間と同じように、自由に活動することができます。ただし夜にしか出来ない行動として、ダンジョン“タルタロス”があるのがポイントです。

 “タルタロス”は、入るたびにマップが変化する自動生成ダンジョン。主人公は最大4人のメンバーでパーティを組み、敵である“シャドウ”を倒しながら“タルタロス”を探索していくことになります。

 バトルはシンボルエンカウント方式で、背後から攻撃すれば確実に先制攻撃可能、逆に背後を取られると相手からバックアタックになるので注意してください。

 戦闘が始まったら物理攻撃、ペルソナのスキル、アイテムなどを駆使して、“シャドウ”の殲滅を目指しましょう。相手の弱点を突いた攻撃をすると再度攻撃できる“ワンモア”や敵全体をダウンさせるとできる総攻撃など、初心者にも遊びやすいバトルが楽しめます。

 本作では物語が進むごとに特別課外活動部のコミュが上がっていき、合体攻撃やかばうなど、仲間と一緒に戦っている気分がより味わえる演出も! 以降のシリーズでもおなじみの要素だけに、「ここから始まったんだよな」と感慨深い気持ちになりました。

 バトル難易度は“BEGINNER”から、最高難易度の“MANIACS”まで用意されていて、自分のレベルに合わせて遊べるのも嬉しいところです。

 さらにどの難易度でも、ゲームオーバー時に即時復活できるように設定することができるので、RPGに慣れていない方はもちろん、ストーリーや学園生活を中心にサクサク遊びたいという人にもオススメです。

 私はプレイ感覚を思い出すのに、まず“BEGINNER”にしました。2周目から、本気だします(予定)。

 今回紹介した要素以外にも語り切れないほど、やり込み要素もストーリーも充実した本作。それが1,980円(税込)で、複数の機種で遊べるようになったというのですから、いい時代になったな……なんてシミジミ思ってしまいました。

 ちなみに今回のレビューはSwitch版でのプレイで、携帯モードでもロード時間などは感じられず快適に遊ぶことができました。PC版を含め、どの環境でも同じように楽しめるため、お手持ちのハードやプレイ環境に合わせて購入して問題ないと思います。

 もと月光館学園の生徒だったみなさんも、まだ転校したことがないという方も、ぜひぜひ遊んで見てください。


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