舞台『リコリス・リコイル』レビュー。「さかな~」「チンアナゴ~」はどう再現されている?

Ak
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 本日1月7日より上演される舞台『リコリス・リコイル』

 そのゲネプロに参加することができたので、レポート記事をお届けします。なお、アニメや舞台に関する軽度のネタバレも含まれるので、アニメ未視聴の方や、これから観劇予定の方はご了承の上お読みください。

※ゲネプロ:ドイツ語で通し稽古を意味する、Generalprobe(ゲネラールプローベ)の略。本番さながらの最終リハーサルのこと。

アニメ7話までの内容を凝縮して舞台向けに再構成

 舞台のストーリーやキャラクターは基本的にアニメに忠実。オリジナル展開やオリジナルキャラクターなどは登場せず、アニメ7話までの内容を一部オミットしながらにはなりますが、ギュッと凝縮し、舞台向けに再構成しています。初見の方でもストーリーはしっかりと理解できる作りになっています。

 アニメを見ている人にとっては、テンポよく名シーンを見られるうえに、舞台ならではの演出を楽しめるのが魅力的ですね。

 たきなの「さかな~」や千束の「もしもしもしもし」など、アニメ視聴者であれば外せない! と思うであろうシーンもしっかりと再現!

 みんな大好き「さかな~」「チンアナゴ~」のシーンでは、照明の演出もリッチで、背後に二人のシルエットが大きく出ていたのがおもしろかったです(笑)。

 さらに追加で二人でふざけてジェスチャーをするシーンが追加していたりして……このシーンに対するこだわりを感じました! けっこう尺も長かったです。

 ほかにも多くの名シーンが、舞台ならではの演出で再現されています。まさか3話の「うれしい、うれしい!」まで再現されているとは! 千束役の河内美里さんが軽々と人を持ち上げていたのがびっくりです。

 ちなみにOPテーマの、たきなの尻キックも再現されています。一瞬なので見逃さないよう注意!

 アニメ7話までということで、ストーリーの結末はけっこう大胆にアレンジされています。とはいえ大きく筋が変わっているわけではなく、舞台向けに調整したという感じ。

 ラストシーンでは、アニメではお馴染みのEDテーマ『花の塔』が流れるわけですが、EDテーマへの導入がしっかりとアニメを再現するもので、ファンが見たいものを、わかってくれている感がすごかったです!

キャストの声質がアニメそっくり! 細かい挙動まで再現度がすごい

 とにかく一番の驚きは、キャストの声の再現度がすごいこと! アニメそっくりの声質や演技で、それを優先してキャストを決めたのではと思うほどです。

 まさかあの超特徴的な声のクルミまで似ているとは……。身長差までアニメに忠実なのがすごい!

 どのキャストも素晴らしい演技&再現度でしたが、とくに印象的だったキャストについて紹介します。

 千束(キャスト:河内美里さん)は、あの特徴的な「フヒヒ」みたいな笑い声やスキンシップの激しさ、「ちょいちょいちょいちょい」までしっかり再現。

 舞台上で別の人物に照明が当たっていて目立たないとき、ほかのキャラクターとふざけていたり、会話の節々では絶対脚本になさそうな小ボケを挟んだりと、細かい動きまでかなり千束らしかったです(笑)。

 ミズキ(キャスト:石井美絵子さん)は、気づいたら何か飲んでいるイメージ(笑)。

 湯のみを片手に千束やたきなに絡んでいく姿は、舞台上だとアニメよりも飲んだくれ感が強かったです。細かいボケも、千束に次いで多かったような印象。

 ある意味、一番似ていたのがロボ太(キャスト:竹内凜太郎さん)!

 被り物の再現度もすごいですが、動きがすごく小物っぽい(笑)。ハイテンションになったときに目や頭のランプが点滅するのもこだわりを感じる……。

激しい銃撃戦なども舞台ならではの演出で再現!

 ステージ上には大きな階段とモニターにもなる背景が設置。

 舞台上のギミックは大きく変化しないにも関わらず、小道具や音、光の演出などでキッチリ場所が変化しているように感じられるのは見事です。

 ちなみに背景には倒れかけの旧電波塔もあります。これだけでも、ここが『リコリス・リコイル』の世界だと感じられますね。

 目まぐるしく動く舞台の変化にも要注目です。作中のシーンを舞台ならではの演出でどう再現するのかが見どころ!

 銃撃戦などのアクションシーンはまるでダンスのようで、迫力とスピード感があります。

 千束のペイント弾は、プロジェクションマッピングで背景にインクを再現。ステージの狭さを感じさせないリッチな演出で、見せ場を盛り上げています。

 銃を横向きに構える千束の銃撃など、各キャラクターのアクションもアニメ通りです。

 アニメのストーリーを凝縮しつつ、名シーンをしっかりと楽しめる舞台『リコリス・リコイル』。

 舞台ならではの演出や工夫が随所にあるので、アニメとの違いを探すのも楽しいです。舞台を見終わったあとは、改めてアニメを見返すのもオススメですね。

チケット情報

【チケット料金】
S席(非売品グッズ付) 12,500円(全席指定・税込)
S席 9,800円(全席指定・税込)
A席 8,500円(全席指定・税込)

【チケット】
■ローソンチケット 一般発売(先着)
発売日時:2022年12月10日(土)10:00~
申し込み
お問合わせ
■銀河劇場 一般発売(先着)
受付期間:2022年12月10日(土)10:00~
申し込み
TEL:03-5769-0011(平日10:00~18:00)

舞台「リコリス・リコイル」概要

【タイトル】舞台「リコリス・リコイル」(読み ブタイ「リコリス・リコイル」)
【原作】Spider Lily
【脚本】ほさかよう
【演出】山崎彬
【出演】
錦木千束:河内美里 井ノ上たきな:本西彩希帆(劇団4ドル50セント)
中原ミズキ:石井美絵子 クルミ:大渕野々花ミカ:北村圭吾 楠木:三枝奈都紀
春川フキ:田上真里奈 乙女サクラ:彩木咲良 蛇ノ目エリカ:井尻晏菜
吉松シンジ:小野健斗 姫蒲:新谷姫加 ロボ太:竹内凜太郎
真島:仲田博喜
【日時/会場】2023年1月7日(土)~1月15日(日)天王洲 銀河劇場


©Spider Lily/アニプレックス・ABCアニメーション・BS11
©舞台「リコリス・リコイル」製作委員会

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