やっぱり神ゲー。『ウィッチャー3』が新世代機向けにアップデートされたので、今からでも遊ぶべき理由を語る【冬のレビュー祭】

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 2015年に発売され、高い評価を得たオープンワールドRPG『ウィッチャー3 ワイルドハント』。開発は『サイバーパンク2077』で知られる、ポーランドのスタジオCD PROJEKT REDです。

 同名の小説を原作としており、怪物狩りを生業とする“ウィッチャー”のゲラルトが、さまざまな怪物や人間同士の戦いに巻き込まれながら、世界を脅かす脅威と対峙する物語が描かれていきます。

 最新のアップデートでは、新世代家庭用ゲーム機や最新鋭のPCの性能に合わせたビジュアルの強化が施され、かつてないほどに美しい『ウィッチャー』の世界観を楽しめるようになりました。

 今回のレポートでは、向上したグラフィックや技術面を確認しつつ、改めて本作の魅力について語っていきます。

 なお、電撃オンラインではこの冬に遊びたい注目作に関する特別企画“電撃冬のレビュー祭”を展開中。発売前の新作タイトルや発売済みの名作タイトルなど、注目作品のレビューなら電撃オンラインにおまかせ!

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世界の過酷さを描き切る、大人向けのファンタジー世界

 本作が秘めた最大の魅力は、なんといっても練り上げられた世界観と、そこで語られる壮大な物語ーー。というのはもちろんですが、個人的にはこの世界ならではの“重さ”と、そこでプレイヤーに突き付けられる苦しい“選択”だと感じています。

 野生の獣と同じように、怪物が人の生活のすぐ側に存在する世界。それが『ウィッチャー』の世界です。そしてそのような怪物を狩ることで報酬を得て、旅をしている怪物専門のハンターこそ、ウィッチャーと呼ばれる戦士たち。プレイヤーは、ウィッチャーの代表格として知られる人物・ゲラルトを操り、この広大な世界を旅していくことになります。

 ウィッチャーの仕事は怪物狩りと言っても、本作の舞台は大国同士の戦争下にあり、人間との戦争も避けては通れません。土地は痩せ、死体が川を汚染し、人々の目からは生気が失われている。描かれるのは、そんな暗黒の時代です。

 怪物や戦争という死が隣り合わせの世界において、人々が何を考えて生き、どんな感情を持っているのか。その描写がとても丁寧で、しがない住民ひとりひとりに濃密な存在感を与えています。

 オープンワールドゲームの多分に漏れず、本作でもさまざまなサイドクエストに触れることができるのですが、彼らは各々の考えのもと、ウィッチャーを頼り、憎み、だまそうとしてきます。

 問題を起こす人のなかには悪党もいますが、誰かが決定的に悪いわけではないこともたくさんあります。復讐のために人を殺した者。不安に煽られ人を迫害した者。彼らと相対したとき、どうすべきなのか。その裁定を下すのは、依頼を受けたプレイヤーの役目です。

 さらに言えば、良かれと思って下した決断が、予想外の結末を引き起こすことすらあります。犯人を見逃した結果、別の誰かが死ぬかもしれない。それが『ウィッチャー』の世界であり、本作ならではの魅力でもあります。

 誰もが幸せになる大団円など夢のまた夢。そんな苦々しい体験がつねだからこそ、ほかでは得難い体験として心に刻まれていく。昨今は重厚なファンタジードラマなども多く制作されていますが、まさにそんな体験を味わえるのが『ウィッチャー3』という作品なのです。

 もちろん大筋のメインストーリーでは、よりヒロイックな戦いも描かれていきます。ゲラルトの前に立ちはだかるのは、幽鬼のような鎧を着た軍団“ワイルドハント”。彼らの目的は、特殊な力を持つ“予言の子”、シリを確保すること。ゲラルトもまた、養女であるシリを保護すべく、彼女を探して旅をしています。

 シリを探す過程で立ち寄るさまざまな地域では、それぞれの政治的な問題を抱えており、ゲラルトも巻き込まれていきます。しかし、そこで築いた縁が最終的に集約されていく王道の展開は、誰もが胸を熱くするでしょう。

 なお、本作には大型DLCが2つ追加されており、どちらもメインストーリーに匹敵するボリュームがあります。すべて遊びきる頃には、きっと『ウィッチャー』独自の世界観のとりこになるはずです。

“怪物狩り”という生業を表現したこだわりのプレイフィール

 もうひとつの魅力が、ウィッチャーという特殊な生業をゲームプレイに落とし込んだ、クエストの展開方法です。

 作中でも称されますが、ウィッチャーとは“怪物の専門家”です。厳しい鍛錬によって常人よりは高い身体能力を持ってはいるものの、決して不死の存在ではありませんし、通常の人間相手でも数で押されればかないません。

 それでも彼らが無数の怪物と渡り合えるのは、代々受け継がれてきた怪物の知識と、経験があるからこそ。そういったウィッチャーの怪物退治のプロセスが、システムとしてしっかりと表現されていることにとても感心しました。

 第一に獲物を知ること。被害者や目撃者から話を聞いたり、出現現場を調べることで情報を集めていきます。この段階では、情報がまだあいまいで、ウィッチャーですらその正体まではおぼろげな状態。研ぎ澄まされた知覚を使い、残された血痕や足跡などから情報を集め、標的を絞り込んでいきます。

 ゲラルトの独白という形で種類を絞っていくのがおもしろく、まるで探偵が犯行現場を検証しているようで、淡々としつつも盛り上がる部分です。

 怪物の正体を絞り込んだら、狩りに適した道具を作ります。ウィッチャーは錬金術にも精通しているため、特定の怪物に効果的な毒や、自らの身体能力を高めたり、特定の攻撃への耐性を高めたりするための霊薬を作り出して戦闘に利用します。

 錬金薬はレシピを入手することで、作成できる種類が増えていき、より幅広い敵へ対応できるようになります。材料は自分で集める必要があるものの、格下の敵と戦うのであれば、必ずしも必要なプロセスではありません。

 しかし同格以上の敵と戦うのであれば、準備は抜かりなくしておいたほうがいいでしょう。この準備を軽視できないバランス感も、怪物の危険さと、ウィッチャーという生業の命がけさを表現している要素だと感じます。

 ちなみにウィッチャーは簡易的な魔法である“印”を扱うことも可能です。印の効果は炎を浴びせたり、自分の周囲に衝撃を防ぐ力場を展開したりとさまざま。敵にはそれぞれ効果的な印も設定されており、事前に有効な印の情報を得ていれば、戦闘での立ち回りがかなりラクになります。

 一度知った情報はメニューの怪物図鑑で見返すことが可能です。プレイヤーが操作に慣れることで、毒や霊薬の準備が必要なくなったり、敵を見て瞬時に効果的なアイテムを判断できるようになったりするでしょう。

 そういったプレイヤー自身の成長も含めて、“知識が力になる”ということを実践しており、最高の“ウィッチャーらしい”体験ができる一因となっています。

最新ゲームに引けを取らないグラフィックが没入感をさらに高める!

 冒頭でも触れましたが、最新のアップデートでグラフィックの改善が行われ、ディティールがさらに美麗に生まれ変わりました。

 画面全体の色彩がより鮮やかになっただけでなく、空に浮かぶ雲がくっきりとかつ自然に描かれ、さらに広く抜けるようになっていたり、水が光や風景を反射してきらめいていたりと、とにかく見渡す限りの景色が美しく(そして場所によってはより不気味なふんいきに)なっています。


 キャラクターのモデルもアップグレードされており、肌や服の質感がとてもリアルに描写されています。とくに会話パートの人の肌は、しみや毛穴などまでバッチリ描かれており、最新ゲームと比べてもそん色ありません。

 さらにフォトモードも追加されたことで、ゲラルトの鋭い剣さばきを美しいスクリーンショットとして保存することもできるように! 本作にはたくさんの美しい景色があるので、ファンタジー世界の旅を楽しむという意味でも、フォトモードの実装は非常に嬉しいですね。


 ほかにも、NETFLIXで放映されたドラマ版『ウィッチャー』のコンテンツが追加されたり、家庭用ゲーム機版ではロード時間が短縮されたりと、細かい追加要素や調整も多々盛り込まれています。

 発売時に購入してプレイしたことがあるというプレイヤーも、最新アップデートを導入した新世代機でプレイすると、また違った気持ちでプレイできますので、ぜひ試してみてください。

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