ガチ人狼プレイヤーがドハマり! 『グノーシア』セツと過ごした日々に涙【東城咲耶子のおすすめインディーゲーム】
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電撃オンラインユーザーのみなさん、こんにちは!
今日も好きなインディーゲームについて、勝手に語らせていただきます。東城咲耶子です。よろしくお願いしまーす!
その前に実はですね!私、アナログゲームも大好きでして!
みなさん『人狼』ってゲームはご存知でしょうか?
やったことはなくても聞いたことはあるかな?
こっそり人間を食べたい狼役と、狼を見つけ出して村を救いたい人間役に分かれて、議論のみで駆け引きをするゲームです。
時に協力したり、信頼したり、味方でさえも裏切ったり。あらゆるトーク力を駆使して敵を出し抜いて、自分の所属する陣営の勝利を狙います。
『人狼』の歴史は古く、派生から生まれたゲームなどもいろいろあるのですが、今回はそんな『人狼』がベースのインディーゲームをご紹介します!
『グノーシア』
グノーシア、昨年実施していた電撃インディー大賞2022でも見事に1位を受賞してましたね~!
おめでとうございます!! 納得の1位!
こちらの作品は、ゲーム制作サークルのプチデポットが作ったSF人狼シミュレーション・ロールプレイング・アドベンチャーゲームです。
ジャンル名、長!
でも、まさに文字通りで、宇宙船という閉鎖環境で人間のフリをして襲ってくるグノーシア(=人狼)を探す議論ゲームをしながら、ループを繰り返してイベントを発生させ、各キャラの秘匿情報を集めて問題の解決を目指すゲームです。
各キャラとのイベント(アドベンチャーパート)も笑える話からストーリーの根幹にかかわる重要な話まで、ありとあらゆる隠された情報がどんどん出てくるので、アナログゲーム好き的にはインセインと人狼の融合みたいだな~と感じました。大好物です。ありがとうプチデポット!
プレイヤーとNPCキャラクターたちとで行う人狼パートですが、私はトータル150回ぐらいループしました。
「150回も人狼したら飽きるんじゃないの?」と思うかもしれませんが、驚くことに飽きないんですよ! お、おそろしい……!
ガチ人狼プレイヤーだから余裕だぜ~と調子こいてたら、私は初手でボコボコにされました。(笑)
人狼ゲームのためではなくキャラたちはあくまでグノーシアを探す目的で集まっているので、人によっては感情優先で悪手を取ったり、めちゃくちゃ嘘が下手だったりで、現実での人狼あるあるパターンが通用しないのです。
なのですが、早い段階で各キャラの面白さに心を持っていかれてガッツリ没入できちゃうので、人狼玄人勢でも大丈夫です! 一瞬で慣れます!!
あくまでこれはSF人狼『グノーシア』なんだな~とスッと受け入れられる、丁寧な作りになっています。
ゲーム作り、上手すぎでは???
と言うのも、キャラごとに細かく得意・不得意のパラメータがあって行動や発言はそれに基づくので、人となりを理解しなきゃ!と対人の人狼とはちょっと違う動きを要求されるのです。
なので逆に、対人の人狼怖くて苦手なんだよな~という人にも安心してお勧め出来ます。
ひたすらループを繰り返してもゲーム的に冷めるようなメタさもなく、キャラクターたちも私もこの世界に生きている気分にさせてくれて、でも“キャラの性格を考えてメタに行動を読む人狼”なところが、「ゲームのバランスいいな~!!」って感動しました。
そして、ベースとなる人狼ゲームの最中にいろんなフラグを立てて、条件が満たされるとそれぞれのパーソナルな話が解放していきます。
各キャラに隠された情報を解放することで物語はゴールに向かっていくのですが、キャラ同士の関係性が上手く絡み合って、段々と全体像が分かってくるのもわくわくします!
例えば、大きなネタバレでないところですと、「住んでる星の外に出るの大変だった~」と軽く話していたキャラがいて、そうなのかーふーんと思っていたら、別タイミングの違うキャラとの会話で「密航だからな。星からバレねーように連れ出すの、大変だったんだぜ?」みたいな。
本人以外からの情報でさらにキャラの深掘りがされたり、キャラ同士の繋がりが増えていったり、「そういうことだったのか!」と判明することがあったり……。
すさまじい数の話が用意されているのですが、ほかにも宇宙人のグレイのような見た目のしげみちが、ステラという女の子に恋をするお話も可愛くて好きです。
「なんでグレイみたいなの?」という、しげみちのバックグラウンド自体も面白いのですが、ラブの模様、手に汗握りながら応援していました。
なぜなら、人狼の結果にラブのゆくえも左右されてしまうから……!
このイベントに限らずですが「おっ、イベントのフラグ!」と思っても、その回の人狼でどちらかが消滅したりコールドスリープされてしまうと、フラグは途中で折れてしまうのです。
「ああ!! 逝かないでー!!」と、何度も叫びました……。(笑)
登場するNPC14人全員がクセ強でして、シロイルカの女の子、全身タトゥー(?)の女の子、ネコ大好きすぎる男の子、生きるためならなんでもしちゃう男の子などなど、宇宙が舞台なのもあってあらゆる謎の出身星やぶっ飛んだ設定が盛りだくさんです。
キャラが薄い人は一人もいません。全員、“おもしろ~!”がみっちり詰まっています。
そして、長い時間を共にしているうちに登場人物みんなに思い入れが増えていって「もっと教えて教えて!」と、段々と友人のような感覚になってきます。
まぁ、すんごい重い設定もガンガン出てくるのですが……。
あと「何ループしてもイベント発生しないー!!」と時にはゲームに詰まることもあるのですが、ちょうどいいタイミングで相棒のセツが「〇〇な条件どう?」と、うながしてくれたり、イベントサーチ機能があったり、この情報はグノーシアを一緒にやると開くよとヒントのアイコンがあったり、いい感じに助けてくれる親切設計なのもありがたいです。
キャラたちの情報がほとんど埋まってきた終盤には「どれだけループしてもみんなとのいろんな思い出、私はぜんぶ覚えてるよ……」と切なくなっちゃって、ずっとめそめそしながらプレイしていました。
最後に、『グノーシア』を語る上で絶対に外せないのが、やっぱり唯一ループの大変さを分かってくれるプレイヤーの相棒・セツです。
これは序盤ですぐに分かることなのですが、セツはこの宇宙に存在する“汎”という性別で、男の子でも女の子でもありません。
そしてプレイヤーとは恋人でもなく家族でもなく、かと言って友情だけとは言えない特別な情があって、なんとも言い表せない絶妙な関係性なのがたまりません。
セツが“汎”だからこそ良い……!
プレイ中、この子が相棒で良かったなぁと何度も何度も思いました。
大好きすぎて、セツと過ごした日々を思い出すだけで泣ける……好きだ~~!!!
本当は全キャラのストーリーを語り倒したいですが、ゲームのボリュームがすごくて一生話し終わらないのと、私なんかのネタバレで知ってしまうには惜しい面白さなので今回はこれで我慢します。(笑)
1回1回の人狼の流れや結果も、情報を知る順番も、見てきたものすべてがプレイヤーごとに全然違うので、この宇宙船で作られるあなただけの物語をぜひ楽しんで欲しいです!
良い宇宙の旅を~!!
それでは、また!
(C)2020 Petit Depotto
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