百合じゃないけど女の子同士の絆が尊い…!(小杉十郎太ボイスの狼もよき) 鬱ヌキ笑顔マシマシな『トリスティア』でほっこりしませんか?【冬のレビュー祭】

長雨
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 2023年1月19日に、工画堂スタジオの『蒼い海のトリスティア』をリマスターした『トリスティア:レガシー(以下、レガシー)』(Nintendo Switch/Steam/Windows)と、新たなジャンルで遊びやすく再構築した『トリスティア:リストア(以下、リストア)』(Nintendo Switch/Steam/Windows)が発売されます。

 今回は『レガシー』を中心に、『トリスティア』シリーズの世界観やかわいいキャラクターたちの魅力を振り返っていきます。駒都えーじさんがキャラクターデザインを担当した美少女ぞろいです!


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先史超科学技術が眠る海上都市“トリスティア”

 主人公であるナノカ・フランカ(声優:川澄綾子)は、伝説の発明家、都市プランナーとして名高いプロスペロ・フランカの孫娘で、彼が生み出したプロスペロ流工房術の天才的使い手。

 本作の世界には高度な技術を有したパシアテ文明が存在し、その先史超化学技術のことを“Eテクノロジー”と呼ばれているようです。ファンタジー風の舞台設定や街並みと、SF要素満載の世界観のギャップに私のように心惹かれる方も多いはず。

 プロスペロ流工房術とは、プロスペロがパシアテ文明の超技術を解析して体系化した“Eテクノロジー”の特殊運用術のことで、現在最も優れた運用方法として一部では有名になっているそうです。

  • ▲ナノカの持ち物など、よく見れば超文明の気配を感じる小物もちらほら。

 事実ナノカの発想力もありますが、それを再現する工房術の力はものすごく、定番のお土産品から危険な兵器まで、太陽炉と呼ばれる装置で何でも作ってしまうのですからすごいのひとこと。

 祖父の代理として海上都市“トリスティア”を訪れたナノカは、その技術を利用して、街の復興をおこなっていきます。最初は寂れていて、協力者も少ないなか、己の技術と明るさで仕事をこなしていくナノカはとっても応援したくなる主人公です。

 彼女は純粋に街のために能力を使っていますが、物語を進めていくと、さまざまな意図をもって近づいてくる大人たちもいて……。それだけ、プロスペロ流工房術&“Eテクノロジー”がすさまじいものだということでしょう。

 実は“トリスティア”は“Eテクノロジー”の恩恵で海上を走行できる移動都市で、十数年前にドラゴンの襲撃によって衰退するまで海の宝石と呼ばれるほどの繁栄を誇っていました。

 現在もパシアテ文明の遺構が残されているのですが、それを使いこなせる人間はいなかったようで……。街の人たちは最初年若いナノカに懐疑心を抱きますが、彼女こそ街の再建にぴったりな人物だったんですよね。

 島を探索することで、古代文明の形跡に触れることができます。ナノカは、何か身に覚えがある場所もあるようで……。彼女と“Eテクノロジー”にどんな繋がりがあるのか、どんどん物語を進めて真相が知りたくなります。

 ナノカの活動を支えてくれるのが、狼型の人工生物スツーカ(声優:小杉十郎太)と戦闘ゴーレム・テンザン。彼らも、超文明のすごい存在なのです。

 スツーカには、プロスペロが“Eテクノロジー”で生み出した傑作の1つで、戦場での潜入工作用に作られた自立兵器という過去が……。現在はすっかり保護者の顔になってしまっていますが、ひとたび危機が迫ると高い戦闘能力でナノカを守る頼もしい存在です。街の人たちにも賢いわんちゃんと認識されているのも、微笑ましいんですよ。

 大事なことなのでもう一度言いますが、スツーカ役の声優は小杉十郎太さんです。イケボな狼が女性主人公のお父さんというかお兄さん的なポジションでいろいろと気づかってくれるだけでなく、ときには“わんちゃん”的ないじられ方をして困ったりもするわけで……これはよいものです。

 テンザンもまた、“Eテクノロジー”で生み出された存在です。スツーカと同じく世界最強レベルの兵器なのですが、現在はナノカのお付き。

 超文明のとんでもない存在と家族のように暮らしているナノカはいろいろな意味で大物ですし、かわいい孫娘とは最強兵器をお目付け役にする祖父もすごいですよね。

愛と期待と友情と!? 主人公ナノカのまわりの人間関係が濃い

 ナノカの味方は、スツーカたちだけではありません。彼女は、“トリスティア”で協力者や友だちと呼べるステキな女性たちに出会うことに……。彼女たちとの関係性がかなり濃く、女性同士の強い絆が好きな人にはかなり刺さるエピソードがいっぱい用意されています。

ネネ・ハンプデン(声優:野川さくら)

 世界でも有数の資産家一族の娘で、礼儀正しく人当たりもいいですが、敵には意外に容赦ないタイプ。ナノカを追って“トリスティア”にやってくるほど、彼女のことが大好きなんですよ。

 その感情は、ときに友情の枠を飛び越えてるんじゃないか何と思うほど強く深いです。そんなネネのアプローチに、気がつかない(動じない)ナノカとの絶妙な距離感が楽しいんですよね。

 “トリスティア”で高級レストランを開店し、街を盛り上げる手助けをしてくれるほか、いろいろサポートしてくれます。ただ、本音はほかのところにあるようで……。

フォーリィ・キャラット(声優:大野まりな)

 海洋都市トリスティアの問屋・キャラット商会の若き会長。気が強くやや意地っ張りですが、根は人情家でカラッとした性格の持ち主です。

 ナノカが街に来て以来、いろいろなトラブルに巻き込まれる苦労人でもあります。ナノカに憎まれ口をたたいたり、無理難題を押し付けたりすることもありますが、放っておけず心配してしまういい子なんですよね。そんな彼女をナノカも慕っていて、いい友人関係を築けている(?)のがステキです。

レイグレット・クタニエ(声優:幡宮かのこ)

 トリスティアにある神殿の司祭長で、ナノカの才能を見出し、活動拠点の工房を与えてくれた人物です。固定概念に問わられることなく活動しており、神殿のためにナノカに協力を依頼してきます。

 歴史のある神殿は修復費がかかるため、お金に対してはかなりシビア。また彼女の話を盗み聞きすることもでき、そこで大人たちの思惑を知ることも……。

ラファルー(声優:友永朱音)

 海から引き上げられた箱の中で眠っていた少女で、その容姿からも“トリスティア”の住人たちとは異なる存在であることがうかがえます。ゆえあって、ナノカの工房の手伝いをしてくれるように。

 物静かで、感情表現も控えめ。社会勉強として、ゆったり小説を読むことを好んでいます。

 『レガシー』では会うまでに少々時間がかかることもありますが、『リストア』では最初から登場し、スツーカたちと楽しい掛け合いを見せてくれますよ。

 世界にも登場人物たちにも、さまざまなドラマが用意されている『トリスティア』。原点を美しくリマスターした『レガシー』、遊びやすく再構築した『リストア』、ぜひ両方でその奥深い物語に触れてみてください。

 百合というほど恋愛要素はありませんが(一部キャラの熱量が高いことはありますけど。笑)、お風呂やお泊りなど、パジャマパーティー的な“いちゃいちゃ&わちゃわちゃ”は、見ていて微笑ましくなります。女の子同士の強い絆……尊い! ライバルと書いて“親友”と読むような、少年漫画的な熱い展開も素敵です。

 そして、多少のシリアスはあるものの全般的にはコメディ色が強く、遊んでいて元気がもらえるシナリオになっています。本当に前向きな女の子だらけなので、ちょっと現実で疲れたときのオアシス的な楽しみ方もありだと思いますよ!

■『トリスティア:レガシー』(Switch)

■『トリスティア:リストア』(Switch)

©KOGADO STUDIO,INC.

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