『ファイアーエムブレム エンゲージ』レビュー《戦闘パート》編。エンゲージやブレイクなどの新要素で戦略性が増した魅力的なバトル
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- タダツグ
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1月20日(金)にリリースされるNintendo Switch用ソフト『Fire Emblem Engage(ファイアーエムブレム エンゲージ)』。いよいよ発売間近ということで、期待に胸を膨らませているファンの方も多いと思います。
今回は任天堂さんのご厚意で、リリースに先駆けて先行プレイをさせていただくことができました。この記事ではシリーズファンでもあるわたくし、ライターのタダツグが、実際に遊んでわかったプレイの感触をお伝えしたいと思います。
ボリュームの都合で記事は2回に分けてお届け。こちらの記事では“エンゲージ”や“ブレイク”といった新要素の導入で大幅な進化を遂げたバトルシステムについて語っていきます。ストーリーの核心に迫る過度なネタバレはほぼありませんが、気になるという方はご注意ください。
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ゲームの基礎知識:物語はバトルと拠点、2つのパートを繰り返すことで進行
まずはあれこれ語る前の基礎情報として、ゲームの基本システムをおさらいしておきましょう。
本作の物語は、戦闘マップでユニットを操作して勝利条件の達成を目指すバトルパートと、仲間たちとの交流や鍛錬といった自軍の強化を行う拠点パートの2つを繰り返すことで進行していきます。過去シリーズをご存知のファンの方には『ファイアーエムブレム 風花雪月』の正統進化系と書けばわかりやすいでしょうか。
記事執筆のためのプレイにあたり、難易度は“ノーマル”“ハード”“ルナティック”の3段階のうち、一番遊びやすいノーマルを選択。モードは仲間が倒されても次のマップで復活する“カジュアル”を選びました(仲間が復活しない“クラシック”ももちろん健在)。
現在の自分のプレイ時間はゲーム内のカウントで42時間ほど。物語はすでに大詰めを迎えており、残すはラスボスと決着をつけるのみとなっています。結末は大いに気になるものの、終わらせてしまうのが妙に寂しく、またもったいない気もしており、大筋には関係ない“外伝ミッション”を残さずプレイしたりしていました(笑)。そのうえでの42時間です。
戦闘はもちろん、拠点パートも思いのほか楽しかったため、ついついのめり込み過ぎた感は否めません。おそらく物語の大筋だけに集中して進めれば、初見でも25~30時間ほどで結末へたどり着くプレイヤーさんはいるかも。
とはいえ(個人的には)拠点パートでのキャラクターとの交流やアクティビティのプレイも本作の醍醐味だと思うので、あまり急いたプレイはもったいない気もしちゃいます。
前置きが長くなりましてごめんなさい。拠点パートにかんしてはもう1本の記事で触れるということで、ここからは満を持してバトルシステムの紹介と、遊んでみての感想を書き記していきます!
難易度:最初から選べる難易度は3段階! 途中で下げることも可能
先にも書いた難易度ですが、初期ではノーマルの上にハード、その上にルナティックが用意されており、合計3つの難易度がチョイスできるようになっています。こちらは拠点パートで難易度を下げることは可能なので、途中で詰まってしまっても安心。手ごたえを求める方は、最初からハードやルナティックで挑むのもアリかと思います。
戦闘は見下ろし型のマップにキャラクターをユニットとして出撃させ、敵軍と戦うタクティカルシミュレーション。基礎はいい意味でいつもの『ファイアーエムブレム』で、出撃したら地形効果や相手の移動距離、武器相性などを考慮しつつ自軍ユニットを運用し、勝利条件の達成を目指すことになります。
過去シリーズをひと通りプレイしている自分としては、難易度ノーマルは適度に“俺TUEEEE”ができる印象。レベルキャップなども存在しないので、外伝マップなどをクリアして自軍のレベルが上がっていたのも大きいかもしれません。
とはいえ、頭を使わずにゴリ押しできるかといえばそんなことはなく。むしろ、さまざまな新システムが実装されたことでバトルの戦略性はより深まったと考えています。詳しく説明していきましょう。
ブレイク・スマッシュ:相手を次の戦闘まで行動不能にする要素の導入で武器相性の重要性が増加!
『ファイアーエムブレム』シリーズ特有の“武器相性のすくみ”は、本作でももちろん健在。剣は斧に、斧は槍に、槍は剣に対して有利となり、攻撃の命中率が変化するほか、新要素である“ブレイク”の発生にも影響を及ぼします。
“ブレイク”は先制時かつ武器の相性が有利な場合、攻撃命中後に発生する特殊効果のこと。ブレイクされたユニットはその次の戦いまで反撃が不可能になります。
相手が装備している武器はアイコンで表示されるので、相性が有利な武器を所持したユニットで攻撃をしかけるのがセオリー。なお、体術は弓や短剣、魔道書を装備した敵をブレイクすることが可能です。
ブレイクは基本的にボスキャラクター相手にも通用しますので、積極的に狙っていきましょう。逆を返すと、相手からブレイクされたら一気にピンチになるのでご注意。僕は武器相性を常に意識しながらプレイしていました。
相手を1マス後ろに弾き飛ばす“スマッシュ”も新要素として登場。スマッシュを繰り出せるのはてつの大剣やてつの大槍といった大振りな武器のみで、こちらから攻撃を仕掛けた場合でも必ず後攻になるというリスクと引き換えに、攻撃命中後に敵を後ろに吹き飛ばす特殊効果が発動します。
スマッシュで後退させた先に他のユニットがいたり、壁などの障害物があった場合はブレイクが発生するのも大きなウマ味。正直、自分はあまり多用しませんでしたが(敵に先制されるのが嫌だったので)、うまく使いこなせればかなり強力だと思います。
竜の時水晶:戦闘中に時間を巻き戻してピンチを脱出!
物語を進めていくと“竜の時水晶”と呼ばれる不思議なアイテムが手に入ります。その名のとおり時に影響を及ぼすこの水晶、使うと時間を巻き戻して仲間や敵の行動をなかったことにできるという反則めいたシロモノです。わかりやすくいえば将棋の“待った”、すなわち“アンドゥ機能”ですね。
この便利なアイテムは何度でも使えるうえにデメリットもなし。使用することでお金が減るといった要素もありません。ボスの強力な一撃に屈してしまったときや、敵の思わぬ増援で窮地に陥ったときなどに使うと便利です。
自分は今回“カジュアル”でプレイしているものの、仲間が倒れたときはついこの竜の時水晶で時間を戻し、誰も倒れないようにしながら進めていました。
腕に自信がある人は、時水晶を使わずにクリアを目指すのも面白そうです。自分もゲーム発売後に再プレイする際は、こやつを未使用でクリアしたいなあと意気込んでいたりします。
エンゲージ:紋章士との共闘でバトルは何倍も戦略的になる!
さて、ここからは本作最大のウリである“紋章士(もんしょうし)”との“エンゲージ”に触れていきましょう。本作には仲間となる人間ユニットのほか、彼らが装備できる“紋章士の指輪”に宿った紋章士と共闘することができます。
指輪に宿る紋章士はマルスやシグルドといった過去シリーズの物語を盛り上げた主人公たち。そう、本作は過去作の主人公たちが一堂に介するお祭り作品でもあるのです!
エンゲージによる紋章士との共闘は本作ならでは要素なので、かみ砕いて説明しましょう。
まず大前提として、本作のキャラクターは1人につき1本だけ指輪を装備することが可能です。指輪は紋章士の指輪と絆の指輪(※後述)という2種類が存在。このとき、紋章士の指輪を装備したキャラクターは戦場で“シンクロ状態”となり、“シンクロスキル”と呼ばれる特殊効果が発動するほか、1ターン経過ごとに“エンゲージカウント”が上昇していきます。
そしてこのカウントがMAXまで溜まったら、指輪に宿る紋章士とエンゲージすることが可能に。エンゲージ中は紋章士の力を最大限まで引き出し、彼らが所持する強力な“エンゲージ武器”を振るうことができるようになります。
エンゲージ中は超強力な性能を秘める“エンゲージ技”も使用可能。1度の戦闘で一回しか使用できないこの技は、一気呵成に連撃を繰り出す技や遠く離れた場所から攻撃を仕掛ける技など、紋章士それぞれで内容が変化します。言うまでもなく強力なので使いどころはしっかり考えたいところ。
エンゲージは一定ターン経過で強制解除されますが、エンゲージカウントを溜め直せば再発動することも可能。マップ開始時はエンゲージカウントがMAXになっていますので、いきなりエンゲージすることもできちゃいます。
ザコを一掃するときに使うのか? ボスと戦うときまで温存するか? 発動タイミングをズラして誰かが常にエンゲージしている状況にするのか? それとも一気に全員で発動して猛攻を仕掛けるのか?
ここらへん、プレイヤーの好む戦略によって使い方は変わってきそうですね。
なお、各キャラクターと紋章士には“絆レベル”が存在。絆レベルの上昇によってシンクロ状態の能力アップにボーナスが付与されるほか、使える能力や武器も新たに解放されていきます。
絆レベルの上昇で解放される能力や武器はとにかく強力なので、場合によっては戦況を左右しかねません。各キャラにさまざまな指輪を持たせるのもひとつの戦略ですが、自分は1人のキャラクターに1つの指輪をずっと装備させ、絆レベルをどんどん上げていくスタイルでした。
キャラクターの長所をさらに伸ばすのか、それとも弱点を補うのか。誰になんの指輪を装備させるかはプレイヤーごとに好みが出てきそうです。人によっては性能すら度外視してキャラクターのカップリングで装備させる指輪を決める……なんてこともありえるでしょう。発売後、SNSなどでここらへんの論議が交わされるのを眺めるのが個人的に今から楽しみで仕方ありません(笑)。
紋章士の指輪はゲーム開始時点で世界に12個存在し、物語を進めることで少しずつ主人公の手元に集まってきます。
自分としては「早くアイクの指輪を手に入れたい!」「今日はリンの指輪を手に入れるまでプレイする!」といった目標が、プレイの大きなモチベーションになりました。
あまり多くは語りませんが、紋章士の指輪は敵が所持している局面も存在します。その敵と戦う際は言うまでもなく苦戦するわけですが、ここらへんの難易度バランスが激アツなんですよね。ストーリー的にも盛り上げてくれるので、どうぞお楽しみに!
なお、物語についてもあえて多くは語りませんが、ファンタジーの王道をいくストーリーにはミステリアスな要素もスパイスとして盛り込まれており、目が離せない内容でした。
大きな絶望に打ちひしがれつつ、それでも前を向き、未来を信じて歩み続ける主人公たちの姿には感じ入るものがありましたね。
本作には拠点での“鍛錬”やワールドマップにランダムで出現する敵シンボルとの“遭遇戦”など、レベリング要素も豊富。シミュレーションゲームが苦手という人でも、これらを利用して自軍を強化すれば必ず勝機が見出せるはずです。
前述のとおり、本作は『ファイアーエムブレム』のお祭りゲーであり、ひとつの集大成ともなっているので、少しでも多くの人にプレイしてみてほしいなあと思います。
ということで、今回はこのへんで。キャラクターの育成や拠点で出来ることについては別記事にてまとめる予定なので、よければそちらも参考にしてみてくださいね!
Fire Emblem Engage(ファイアーエムブレム エンゲージ)概要
メーカー名:任天堂
対応ハード:Nintendo Switch
発売日:2023年1月20日(金)
希望小売価格:
パッケージ版:7,678円(税込)
ダウンロード版:7,600円(税込)
特別セット『エレオス コレクション』:10,978円(税込)
■ファイアーエムブレム エンゲージ ストーリートレーラー
※画像は開発中のものです。
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