声優が朗読でガチバトルする『READING×READING』東京公演決定! で、朗読バトルって何?

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 昨今、声優さんの朗読劇が各所で開催されています。朗読にも様々なパターンがありますが、音楽や映像を最小限に、声優さんの演技・演出力で観客に新しい世界を見せてくれる、非常に魅力的なイベントです。

 そんな朗読イベントに一石を投じるのが、昨年マチアソビで開催された、星海社主催の『READING × READING マチ★アソビ朗読決戦』です。朗読決戦という言葉通り、声優さんが1対1で朗読を披露し、その場でどちらの朗読が良かったか、勝敗を下していくというもの。

 昨年10月にマチアソビで第1回目の『READING × READING』が行われましたが、さらにパワーアップして、2月11日(火)に渋谷で開催することが決定しました。チケットが好評発売中です。

 ここでは2月のイベントの予習として、前回の『READING × READING 』の模様をレポート。どのような楽しみ方ができるのか、お伝えできればと思います。

4人の声優による朗読ガチバトル

 10月27日にマチアソビで開催された『READING × READING』には、4人の声優さんが出演。マウスプロモーションからは市来光弘さん(『刀剣乱舞』大和守安定役など)と中村桜さん(『ハイスクール・フリート』万里小路楓役など)、EARLY WINGの井澤詩織さん(『メイドインアビス』ナナチ役など)、そしてAIR AGENCYの清水彩香さん(『戦×恋(ヴァルラヴ)』早乙女三沙役など。電撃オンラインで連載コラム『電撃清アター』を連載中)。

 勝敗は、様々な作品で音響監督を務めているスタジオマウスの納谷僚介氏と、AIR AGENCYで声優のマネージャーを担当している渡部栄一氏の2名が判定。意見が分かれた場合は会場に集まった視聴者により裁定となります。ただ、納谷氏曰く「声のプロなので、意見が割れることはないハズ」とのことでした。

 そもそも朗読は、作品の解釈や演出の付け方など、個人個人で違いがあり、そこに正解はありません。しかし、そこをあえて“対決”とすることで、演者に新たな緊張感と真剣味を与えることになります。

 これは視聴者にとっても同様で、声優さんの演技を真剣に聞くのはもちろん、「何が判定の基準となるのか?」「自分はどこが“良い”を考えるか」など、今までとは違う姿勢で“聴く”ことが要求されます。

 マチアソビはほとんどが緩やかなイベントですが、少しばかり背筋がピンとなる感じがしました。

 朗読には渡辺浩弐さんの『ゲーム・キッズ』シリーズから4本と、このイベントのために書き下ろされた2本、計6本の短編を使用。渡辺浩弐さんの短編はVRやタイムパラドックスなど、ゲームファンなら気になる近未来的なギミックを取り入れた作品が多く、読みやすいのでオススメです。

 声優さんたちには事前に脚本が渡されますが、自分が何番目にどの作品を読むことになるかは、当日のくじ引きしだい。

 最初の対決は市来さんVS井澤さん。市来さんが読み上げた作品は、とある男性が幼い頃の母との思い出を振り返るため、VR空間で追体験を……という内容の『大切な時間』。井澤さんは妻子ある男性と不倫相手との”約束”にまつわる不思議なエピソード『にせものの月』。

 市来さんは舞台演劇の経験があり、舞台ならではのストレートな表現を披露。一方の井澤さんは、アニメ作品で鍛えたメリハリのある演技で、観客が脳内に映像を思い浮かべやすい表現方法でした。

 第一回戦の勝敗は、判定の納谷・渡部ともに後攻の札を挙げ、井澤さんの勝利。

 「井澤さんの最初の一言で一気に引き込まれました」と、インパクトのある演技に軍配が上がりました。

 続いての対決は、中村桜さん『自分カウンセラー』VS清水彩香さん『別れる方法』。プライベートでも仲のいい2人の直接対決に戸惑いつつも、そこはプロの声優さん。声によどみはありません。

 中村桜さんが読んだ『自分カウンセラー』は、演劇の道に進もうとする大学生が、未来予測シミュレーションで生み出された10年後、20年後、30年後の自分と対話することになるが……という作品。過去に映像化されたこともあるので、記憶に残っている人もいるだろう。中村さんは年代別の一人の男性を見事な表現力で演じ分けていた。

 対する清水さんが読み上げたのは、別れたカップルが付き合っていたときの記憶を消してもらうため、記憶消去屋に訪れるが……というもの。男性のとまどいや、ラストへの流れなどの演出がお見事でした。

 判定は、かなり悩みつつも清水さんの勝利に。決勝は井澤さん、清水さんでの戦いとなりました。

決勝のストーリーは白と黒?

 決勝で読まれるエピソードは、このイベントのために書き下ろされた2篇。司会を務めた星海社の太田さんは「渡辺浩弐さんの作品には白と黒、2つの側面があるんですが、今回の2篇はまさに両極端なものになりました」と
語った。

 先行は清水さんで、読み上げるのは近未来の肉グルメな男性が主人公の『美味しいクリーム』という作品。これがかなり黒いエピソードで、後半にかけて”狂気”へと流れていく演技には背筋がゾッとしました。

 井澤さんが担当した作品は『謎と旅する男』。VRMMOで出会った男女が織りなす”つながり”の物語。不思議な情景を思い浮かべながら、キャラクターが交差していく様に引き込まれました。

 ここでなんと、プロの裁定が分かれることに! ジャッジは来場した観客に委ねられることになりました。

 ここで観客側も難しい判断に迫られます。「何をもって”勝ち”とするのか?」「良い朗読とは何なのか?」「印象深いものがいいのか、聞きやすいのがいいのか」などなど、みなさんの心を悩ませたことだろうと思います。

 結果としては、僅差で清水彩香さんが優勝に! 清水さんの札を上げていた納谷さんは最後のコメントとして「自分が音響監督だったら、清水さんがやった演技とは全く逆の演出をしたと思う。そこが新鮮だったし、朗読の面白さでもあった」と語ってくれた。

 2時間にも渡るイベントでしたが、あまりに引き込まれてしまったので、いつのまにか終わっていた、という印象です。

 アニメや演劇に興味がある方なら、一歩踏み込んだ朗読の面白さを体験できるイベントであることは間違いありません。

READING × READING LOFT9 Shibuya ルーキー声優対決の陣

 そんな朗読決戦が、東京で見られます! 今回読まれるエピソードは、渡辺浩弐氏だけでなく、乙一氏、斜線堂有紀氏も交えた書き下ろし。4つの声優事務所から新進気鋭の声優さんが集結し、普段は見ることができない納谷僚介氏による演技指導なども!

 声優・アニメファンは必見です。ぜひチェックしてみてください。

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