第二次世界大戦後の都市を復興する『WW2 Rebuilder』をレビュー。廃墟を平和な街に作り替えるだいご味がたまらない!【電撃インディー#391】
- 文
- 柏又
- 公開日時
電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、PlayWay S.A.より発売中のPC(Steam)用ソフト『WW2 Rebuilder』のレビューをお届けします。
なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!
ゲームのテーマは戦後復興。戦争で破壊された都市を作り直すというコンセプトが興味深い
上の写真やトレイラーを見たのであればわかると思いますが、タイトルのWW2とはもちろん第二次世界大戦のこと。戦後のイギリスとドイツ、フランスの各国で破壊された都市を建て直すことが本作の目的です。
ゲームではこれに加えてポーランドを選択できますが、これはほかのマップで獲得したものを使って自由に街を飾りつけできるサンドボックス専用のものとなっています。
復旧作業を行う国ごとに主人公とストーリーが用意されていて、マップ開始前に彼らのモノローグが語られるあたり、そこまで詳しくない人にも歴史的背景や復興する目的がしっかり理解できるタイミングがあるところがいい感じですね。
ちなみに、イギリスではパイロットだった兄を戦争で失った男性、ドイツではハンブルク空襲で行方不明になった夫をもつ夫人、フランスでは元レジスタンスの男性が主人公として登場。街の復興を手伝いながら国内をめぐるストーリーが描かれます。
廃墟を片付けて新しく建て直す。操作は簡単ながら復興させていくだいご味は充分!
ゲームの基本は廃墟となった建物やオブジェクトを片付けて、更地になった上から新しく作り直すこと。各マップは、画面上に表示される“メインタスク”に示された目標を達成するとクリアとなります。
拾った残骸はすべて復興のために材料に! 集める作業もスコップでまとめてできる
まずはマップのあちこちに散らばった残骸をかき集めるところから始まります。マップ上の残骸は、それぞれ木材、金属、がれき、レンガの4タイプに分類されていて、拾い集めると復興のための材料としてリサイクルできます。
持って歩ける量に限りがあるので、ある程度たまったら集積場所に持って行き、復興で必要になったらそこから持ち出して使用します。
残骸集めはシャベルを使えば散らばっていてもサクサク集めることが可能。この手のゲームは、細かいアイテムをひとつずつ拾ったり、指定された場所にはめ込むような操作を要求されたりすることがあるのですが、本作はそのあたり結構優しい。というか、かなりゆるめに作られている印象です。
細かく砕けた残骸はそのまま拾えばいいのですが、原型をとどめた大きなものは細かく砕かないと回収できません。ハンマーや切断トーチで砕いたり切断すると拾えるようになります。
ベンチやバリケードといったものから、大きいものだと飛行機や列車も解体できるところはかなり楽しいですね。
また、廃墟のなかで不発弾を処理したり、電源を復旧させたりといった作業をミニゲーム形式で行えて、ゲームプレイを単調にさせないように作られていると感じました。
マップによってはクレーンなどの重機で豪快な解体ができる!
マップによってはブルドーザーやクレーンといった重機が配置されているところもあります。
ブルドーザーは半壊した建物など大きな廃墟を解体したり、押して穴を埋めたりする際に便利な乗り物。
クレーンは重い残骸を釣り上げたり引っ張って動かしたりする際に重宝しますが、巨大な鋼球を釣り下げて振り回し、廃墟にぶつけて解体することもできます。乗ったまま突っ込むと廃墟がバラバラに砕けるところはちょっと快感かも……!
このほかにも、トレーラーや残骸をけん引できるジープや手押し車、自転車等の乗り物も使用可能。また特定マップのみですが大砲で残骸を吹っ飛ばすなど変わった使い方の乗り物があるところもいいですね。
復興のしかたはプレイヤーに選択の幅がある!
残骸を解体、資材として回収したら、次はキレイに片付いた上から新しく街を建て直していきます。街を建て直す手段にはいくつか方法があり、たとえば階段や壁、レールなどのオブジェクトは指定された資材を必要数投入すれば、細かい操作はほとんどなく施設が復旧します。
更地になった場所に新しく建築する場合は、建物の種類を選び、表示されたシルエットに必要な資材を投入すればOK。マップによってはもとが軍事施設な場合もありますが、その場合でも建て直すのは民間の建物なところが、戦後復興している感じがしていていいですね!
また、残骸を片付けて街を復興させたあと、指定されたタイプの装飾アイテムを作って街を飾り付けられるところもプレイヤーのセンスが試されます。街角の街灯や電話ボックス、ボラード(車止め)を設置したり、街路樹で飾りを付けたりすることで、より活気のある街の風景を取り戻すことができるでしょう。
復旧が完了した後は、マップを復興前とその後でビフォアフター的に見せてくれるところもいい感じですね。
ポスターなど当時の出来事を思い出させるような演出も!
本作は街を作り直すことが目的のゲームなのですが、マップのなかには過去に何があって、舞台となる街がなぜ破壊されたのか、という過去をフラッシュバックするような映像が流れるポイントが用意されています。
このゲームはFPSのように主観でプレイするので、スクリーン越しではなくプレイヤーの視点で破壊の様子が描かれるところはインパクトがありますね。
また、コレクタブル要素として当時のポスターやチラシ、手紙などを集める要素もあり、マップごとに実績も用意されているのでやり応えもそれなりにあります。
スクラップ&ビルドが好きな人にオススメ!
ここまで紹介してきた『WW2 Rebuilder』。ボロボロになった建物や施設をリフォームするゲームは過去にもいくつかあったと思いますが、第二次世界大戦の戦災で破壊された都市を復興するものは珍しいのでは、と感じました。
破壊はともかく、復興部分はかなり簡略化されていて物足りなさを感じなくもないのですが、ブロックを1つずつ積み上げて家を建てるゲームを半日かけてやった筆者としてはこのくらいがちょうどいいとも思いました。
家を建てるというより、細かい装飾品でプレイヤーの理想の光景を作るゲームになっていると思います。
スクラップ&ビルドなゲームが好きな人ならストライクですし、第二次世界大戦で破壊された都市を復興するというコンセプトに琴線を引かれた人なら購入しても損はないでしょう。
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