iPhoneで撮影!? 自主制作特撮映画『オーク』レビュー。スマホとは思えない映像とストーリーの面白さで作品に引き込まれる!

電撃オンライン
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 誰もがスマートフォンで高画質な写真や映像が撮影できる時代ですが、スマホで撮った映画というのはまだまだ珍しいのではないでしょうか。

 この記事では、iPhoneで撮影され、YouTubeにて公開されている自主制作映画『オーク』のレビューをお届けします。

iPhoneで撮影された自主制作特撮映画! スマホとは思えないほどのクオリティに脱帽!

 『オーク』は、iPhoneで撮影した映像で作られた自主制作特撮映画です。それだけを聞くと、普段よく見るYouTube動画と同じものを想像してしまうかもしれませんが、この作品は間違いなく“映画”と言って良いクオリティを実現しています。

 まず驚かされるのは、アクションシーンの質の高さ。特撮映画ですから、もちろん変身した主人公たちは激しく動き回り、戦いを繰り広げます。その動きは素早く、かつ華麗で、いっさいの不安定さやブレなどを感じさせません。

 このアクションが見られただけでも、じゅうぶん満足と思ってしまうほど、バトル中のやり取り、キャラクター同士の攻防の構成がよく練られています。動きに無駄がありません。

 さらに、外せないのがカメラワークの巧みさ。前述した素早いアクションシーンの良さを損なうことなく、そして魅力を余すことなく伝えてくれる、画面構成の上手さが見る者をグッと引き込んでくれます。

 特に、終盤の戦いにおける映像の緩急の付け方、エフェクトの入るタイミングなどは、ただでさえ熱い戦いをさらに熱く盛り上げてくれます。

 そして、ストーリー構成の上手さも特筆すべき点です。本作は、動画時間にして約46分の作品。映画としては少し短く感じるかもしれませんが、そのぶん中身がギュッと凝縮されており、飽きる瞬間がまったくありません。

 ストーリーラインに無駄がなく、ところどころで指し示されるヒントが、一つの答えに繋がっていく様子を見るのは、とても気持ちが良いです。ただの大学デビューだと思っていたヒロインのイメチェン設定が、まさかあんな意味を持っていたとは……!

 筆者は一度見始めたら続きが気になって仕方がなく、最後まで一気に楽しんでしまいました。エンディングもしっかりすべてに目を通し、余韻に浸る時間が最高でした。エンディングテーマもまた良い曲なので、ぜひ最後までご鑑賞くださいね。

特撮の王道をこれでもかと散りばめた、愛を感じる作品! スーツのデザインも最高!

 なんとなく人と距離を置きがちだった主人公が、大切な友達を助けるために必死になり、初めて変身をするという展開からはじまる本作。さらに、一度はぶつかりあった相手と協力し、強大な敵に立ち向かう……と、本作のストーリーを貫いているのは、まさに王道というべき流れです。

 王道には王道の良さがあり、子供でも大人でも分かりやすく、誰でも素直に盛り上がって応援できる、という特撮ヒーロー作品の長所がばっちりハマった作品であると言えます。

 要所要所に伏線を散りばめつつ、それを上手く回収しながら、分かりやすいストーリーで見る者によけいな疑問を抱かせない。そのおかげで、作品の世界にすんなり入り込むことができ、また没頭することができる。

 そして、先述したカメラワークの巧みさやアクションの上手さを発揮して、盛り上がるところはしっかり盛り上げてくれる。主人公と同じ気持ちになって、熱くなったり、悲しんだりできる。筆者は子供の頃の気持ちを思い出して、ちょっと懐かしくなりました。

 特に終盤の展開は、感情移入しすぎて目頭がちょっと熱くなることもありました。ラストバトルでボーカル入りの戦闘曲が流れる、これも特撮の王道で、熱い演出ですよね。

 変身スーツのデザインも、黄と黒、赤と黒といった二色のシンプルなカラーかつ、スタリッシュなデザインでとてもカッコいいです。細かい部分までしっかりと作られている印象で、安っぽさなどはありません。

  • ▲土門先生のファンになった方も多いのでは?

 たとえ一時間に満たない時間だったとしても、その間の出来事は濃厚で、登場人物のことが大好きになる作品です。YouTubeで誰でも観られる作品となっていますので、ぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。

※画像は公式Twitterのものです。

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