ドゥームフィストがワンパンマンに!? 取材で感じたオーバーウォッチ2×ワンパンマンコラボの熱量の高さが…すごい!

シュー
公開日時
最終更新

 『オーバーウォッチ』開発チームは『オーバーウォッチ 2』で初となるアニメ『ワンパンマン』とのコラボを発表しました。

 初のアニメコラボの詳細をBlizzardを代表して開発スタッフの2人がインタビューに応じてくれました。この記事では、バイスプレジデント兼コマーシャルリーダーのジョン・スペクター氏とアートディレクターを務めるディオン・ロジャー氏のインタビューをお届けします。

  • ▲ジョン・スペクター氏
  • ▲ディオン・ロジャー氏

アートスタッフの熱量の高さに感動した。その熱意がコラボを通して伝わってほしい!

――初のアニメコラボに『ワンパンマン』が選ばれた理由をお聞かせください

ジョン・スペクター氏(以下、敬称略):『オーバーウォッチ』でコラボの話をした際に、ゲーム的に楽しくてワクワクするような要素であり、なおかつプレイヤーの方々にも楽しんでいたただけるようなタイトルを探すことから初めました。その中からアニメタイトルを選んだ理由は、本作のプレイヤーの多くは『オーバーウォッチ』とアニメをほぼ同等に愛する人が占めているからで、そのためどのアニメが一番いいかを模索し始めた感じです。

 その結果、『オーバーウォッチ』と同じくヒーローがグループを組んで活躍するという共通点や魅力的な数々のキャラなど、世界観を当てはめても印象が大きく変わらないということで『ワンパンマン』を選びました。「ワンパンマンとコラボするよ」とスタッフに伝えた瞬間、アートスタッフが落書きをすぐさま開始して発表してくれたので、その熱量の高さに我々も驚かされましたし、とくに監督も『ワンパンマン』のファンなので、正しい選択だったなと感じています。

――コラボが決まった時の『ワンパンマン』側の反応について

ディオン・ロジャー氏(以下、敬称略):アニメの制作陣もかなりワクワクしてくれて、アニメ側も『オーバーウォッチ』側もコラボできることがお互いに嬉しく思いました。製作工程はBlizzardのアートスタッフがアニメのスタッフと一緒に作業しています。そのため、ほぼすべての決定権はお互いに話し合ったことであり、一方的なものはありません。

 Blizzardの納得するもの、アニメ制作陣が納得するものを作りたいと思うものが重要だったので、お互いにこのコラボはとても気持ちの良いものになっていると思います。この工程のおかげで今後のアイデアがどんどん出てくる状態となっており、他の作品とコラボする上で最善の結果を出せたと思いますし、開発陣にとってもクリエイティブな面においても楽しい時間を過ごせました。

――コスチュームのデザインのポイント。またはセリフが変わるなどの特殊な仕様もあるのでしょうか?

ディオン:まず今回のコラボは『ワンパンマン』の世界をそのまま『オーバーウォッチ』に持ってきたのではなく、ドゥームフィストがサイタマのコスプレをしている感覚でいます。デザインの細部を決めるにあたり、キャラのシルエットを変えてはいけないというのをデザイナーと決めていました。

 これは高度な戦術として、キャラの影やシルエットでキャラ読みするプレイヤーが多いので、それはそのままにしたいということでした。そのためサイタマそのままではなく、結果的にコスプレという方向性に落ち着きました。アニメを称えるという意味でも、一番いい選択をしたと思っています。

 セリフに関しては『ワンパンマン』風なセリフを言ったりしますが、サイタマの声色を真似るわけではなく、あくまでドゥームフィストが『ワンパンマン』に触発されたようなセリフを言うことがあります。

――サイタマのスキンは買い物袋を下げているのが印象的ですが、スキンでも買い物袋をもたせようと思ったのはどういう経緯なのでしょうか?

ディオン:よく気付きましたね(笑)。一番驚いたのが開発陣に『ワンパンマン』のファンが多かったことです。ビジュアル的に面白いことができないかなと話題に出してチームの皆が作品をみていて印象的だったことを伝えてくれたのですが、その中の一つに買い物袋が入っていました。

 今のところ、買い物袋がゲームの中でどういう役割を果たすのかの詳細をお伝えできませんが、皆さんが実際にゲームでドゥームフィストがサイタマにコスプレしている姿を見た時「オーバーウォッチの開発陣は本当にワンパンマンのファンなんだな」と自分たちの愛をイベントにつぎ込んだことが分かってもらえると思います。

サイタマ以外のキャラクターも多数用意! イベントも開催!!

――今回はドゥームフィストがサイタマに扮するスキンが実装されますが、今後別のキャラのスキンも実装予定がありますか?

ジョン:サイタマのドゥームフィストだけでなく、他のキャラもたくさんご用意しているので、コラボイベントの日が近づくにつれて情報を順次公開していこうと考えています。現時点ではサイタマ=ドゥームフィスト以外はお話できません。

ディオン:『ワンパンマン』のキャラの多さからアイデアはとめどなくチームから大量に出てくるのですが、今のところはまだお話できません。

――イベントごとに特殊なゲームルールが追加されますが、今回も作品に関係したルールなどを追加されるのでしょうか?

ディオン:イベント的には特殊チャレンジを用意していますが、まだお話できません。例えば、ドゥームフィストをワンパンマンそのもの(相手を一撃で倒せる)といったアイデアもあるんですが、それは明らかにできないよねって。ルール的なことはまだ模索していますが、チャレンジを複数用意しますし、完了したプレイヤーには新しいレジェンダリースキンを用意しています。

――コスチュームはショップに並ぶものでしょうか? コラボイベントで手に入るコスチュームはありますか?

ジョン:スキンは複数用意していますが、1つは先程申し上げたチャレンジを完了した時のご褒美。その他のスキンはショップにて販売します。

――コラボはシーズン3で来るのでしょうか?

ディオン:シーズン3の中盤のイベントとして来ます。まだシーズンの全貌は明かせませんが、3月頃を予定しています。

日本的なアート作品とのコラボは今後も続けていきたい

――『ワンパンマン』を初めて視聴した時の感想をお聞かせください

ジョン:多くの少年系のアニメや漫画と違い、主人公がパワーアップするだけではない点が気に入っています。他の作品だと主人公たちの強さは足りているのか、勝てるのかという緊張感があって特訓するのが軸にありますが、『ワンパンマン』はその期待を裏返して主人公が世界最強だし、サイタマはあまりにも強すぎるというキャラ設定がおもしろいですね。

 素晴らしいキャラも多く、ストーリーも真面目にイイものを作っているのですが、その中心、軸にすごくアホなことがあるのがとくにお気に入りです。腕立てしたり、走り込んだりすれば超人的な力を身に付けられると、とてつもないトンデモ発想が中心にあることが気に入っています。

ディオン:ほとんどの敵をパンチ一発で倒せる主人公でどう話を持っていくんだと思っていたら、世界の作り込みに驚きました。『オーバーウォッチ』と似たように多くのヒーローがグループを作ったりと共通点もあり、その全体的なストーリーの面白さ、設定に感動したのを覚えています。

――日本のアニメ作品とのコラボとのことで、日本のコミュニティに向けて一言お願いします。

ジョン:『オーバーウォッチ2』がローンチしてから、素晴らしい数の日本プレイヤーが参加し、遊んでくれて、本当に毎日ように感謝しています。ローンチしてから1度だけ日本に行くことがあり、日本のBlizzard社と交流した際に暖かく反応を示してくれた日本のコミュニティにはとても感謝しています。

ディオン:技術的には日本からすごい影響を受けているので、『オーバーウォッチ』が日本でプレイされていることがとても素晴らしく、欧米のゲーム会社として日本的なアート作品とコラボできるのを光栄に思っています。ぜひとも今後も続けていきたいですね。

 開発陣の多くは幼少期に日本産のゲームを遊んだり、アニメを観て育っているので、自分が育ってきたメディアとコラボできるのは素晴らしいと思います。同時に開発陣が感じた影響、及び感謝を感じ取ってくれたら幸いです。

©ONE・村田雄介/集英社・ヒーロー協会本部
©2023 Blizzard Entertainment, Inc.

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

関連する記事一覧はこちら