戦術+アクション+運要素が神バランスで融合! ローグライト『勇者よ急げ!』の中毒性がヤバい!【電撃インディー#394】

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 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、Astrolabe Gamesによる、数百枚のカードを使いリアルタイムのバトルを勝ち抜いていくPS5/Nintendo Switch/PC用カードゲーム『勇者よ急げ!Brave’s Rage』のレビューをお届けします。なお、本記事はSwitch版でのレビューとなります。

 電撃オンラインでは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

リアルタイムで進行する新機軸カードゲーム!

 本作は、戦略性の高いカードゲームではあるのですが、『FF』シリーズのアクティブタイムバトルのようにリアルタイムでバトルが展開するという、ちょっとしたアクション性を取り入れた作品です。

 また、倒されるごとに最初からやり直しになるローグライトゲームでもあり、事前にデッキを構築するのではなく、ゲーム中にランダムで得られるカードを集め、その場で適切なカードを取捨選択して構築していく必要があります。

 この2つの要素があわさることで、かなり独自性を持ったゲームとなっています。一応チュートリアルはあるのですが、なかなかゲームシステムが難しい……。

 しかし、何度もゲームオーバーを繰り返し、バトルのコツを掴み始めると、一気にハマってしまいました。カードゲーム好き、ローグライト好きなら間違いなくおもしろいゲームだと感じました。

基本的な流れはステージクリア型のローグライトゲーム

 全体的なゲームの流れはセオリー通りで、とても分かりやすいステージクリア型のカードバトルゲームです。

 各ステージごとに、マス目の上を移動していき、止まったマス目に応じて戦闘になったり、イベントが起きたり、買い物ができたりします。基本はこれを繰り返し、マス目の最奥部にいるボスを倒せばクリアです。

 ボスさえ倒せばステージクリアなのですが、最初はカードも揃ってないので、途中でザコと戦って使えるカードを増やし、デッキを強くしていく必要があるわけですね。

 そして本作はローグライトゲームでもあるので、プレイごとにマス目の内容は変化しますし、ボスの種類も変わります。イベントも、良いこともあれば悪いこともあり、バトルで得られるカードもランダムです。運の要素にも左右されるゲームといえるでしょう!

リアルタイムで進むバトルはかなり忙しい!?

 このゲームの最大の特徴は、そのバトルシステム。リアルタイムで時間が過ぎ、敵味方ともに行動可能になったキャラクターからコマンド入力で行動していく、簡単に説明すればいわゆる“アクティブ・タイム・バトル”です。

 ただし、“たたかう”などのコマンドはありません。その代わりに、カードを使うわけですね。カードはデッキからランダムで手札に加わるので、そこから選択していくことになります。

 カードの種類は、攻撃系やシールド系、回復にバフにデバフなどなど、とにかく多種多様に用意されており、その数はなんと総数で数百に及ぶといいます。

 行動のすべてがカードで行われるので、どう行動するかはカードの手札に左右されます。また、戦闘中も時間は経過し、どんどん次のカードがドローされていくので、必要なカードが手札にくるまで、何もしないというのも戦術の1つになるわけです。

重要なのは、そのつどしっかり考えること!

 本作のバトルでは、攻撃系のカードは何ダメージを与えるかカード説明に書いてありますし、敵が次にどんな行動をするのか、そのダメージはいくつなのかも、情報としてつねに見ることができます。

 つまり、戦闘に必要な情報がすべて明示されるので、どうすればどうなるかの計算ができるわけです。攻撃順やダメージをしっかり計算し、次に何をすることが最適か、臨機応変に考えていく必要があるのです。そう、適当にボタンを押しているだけでは勝てないのです!

 アクション性や運もありますが、この明示された情報をもとに、どのカードをどんな順番で使っていくかを考える、その戦術性が一番の醍醐味だと思いました。

 バトルではカードにマイナス効果があるところも面白い。強力なカードを使うと、マイナス効果のカードが手札に加わわることもあります。また、各主人公ごとに特殊な必殺技も使えるので、本当に考えることは多い!

 しかし、戦術がうまくハマれば、強力なボス相手でも勝てるようになります。もちろん運も絡みますが、思い通りにコトが運んだときは、脳汁ドバドバの快感を味うことも可能です!

位置やカードによる移動もしっかり把握!

 本作ではただ考えるだけでなく、アクション性もしっかりあります。まず1つがジャストガード。カードゲームでジャストガードって何じゃいと思うでしょうが、これが重要!

 リアルタイムで進行するので、敵に攻撃される瞬間にシールド系のカードを使えば、ジャストガードが発動して有利になります。

 また、自分の攻撃のときも、攻撃の瞬間にタイミングよくボタンを押せば、連続攻撃のチャンスを得られます。

 それだけではなく、キャラクターの位置も重要です! 例えば、敵が放物線を描く遠距離攻撃をしてきたとき、その攻撃にあわせ、自分が前に移動して攻撃するタイプのカードを使えば、互いが交差する形で、相手の攻撃をすり抜けられるのです!

 こうした位置をしっかり管理することも、バトルに勝つ秘訣の1つ。実際、自分もこのテクニックを覚えてから、バトルの勝率がグッと上がりました!

仲間ができるとさらに忙しい!

 ゲームで使うカードは初期状態のデッキから始まり、ゲーム中にランダムで手に入っていきます。このため、どんな構成になるかは、プレイごとに異なります。

 もちろん数が増えすぎると、目当てのカードが手札にドローしにくくなります。ゲーム中のイベントなどでカードを取り除くこともできるので、数を調整することも重要です。

 また、使えるカードの種類は、選んだ主人公によって違います。基本的に選んだ主人公が扱えるカードしか手に入りませんが、ゲーム中、ほかの主人公を仲間にするイベントが発生することも!

 仲間が増えると、その仲間の扱えるカードも出るようになり、使えるカードの種類も増えます。こうなると戦略の幅も大きくアップしますが、考えることも多くなり、忙しさも2倍になります。

 バトルをしっかり理解できるまでは、1人で試行錯誤を繰り返した方がいいかもですね。

忙しいけどじっくり考える余裕はあるのです

 と、ここまでの話を聞くと、時間に追われるバトルに思えるかもしれませんが、安心してください! いつでもどこでもBボタン(Switch版の場合)でポーズができるので、時間を止めて考えればいいのです。

 さらに、ゲーム全体のスピードをスローにする機能が備わっています。ZRボタン(Switch版の場合)を押している間だけスローになるので、何もないときは通常(速くすることもできます)、敵や自分が行動する局面でスローにすれば、ジャストカードやタイミングが必要なアクションも簡単にこなせるのです!

 これは本当に有難い機能で、たっぷり考える時間がとれ、序盤のうちはポーズやスローを活用していくことをオススメします。

 自分の場合、仲間や敵の数が多いと、忙しすぎてパニックになるので、スローなしでは攻略は無理だったかもしれません。

やられても、何度も挑めばいつかは必ず……!?

 本作は、一言でいうとかなり難易度が高いゲームだと感じました。自分も最初は序盤の敵にも勝てなくて呆然としました。

 しかし、ゲームオーバーになっても、使った主人公に経験値が入り、レベルアップしていきます。レベルアップすることで使えるカードがアンロックされていき、強力なカードがゲームで出現するようになります。

 このレベルアップは恒久的なものなので、何度もプレイしてレベルを上げることで、よりプレイしやすくなっていくわけです。

 どんな形でゲームオーバーになっても経験値はもらえるので、すべてのゲームオーバーは無駄にはなりません。気にせずガンガン倒されてゲームオーバーになることも攻略方法の1つです!

やり込みもバッチリで、長時間遊べる!

 選べる主人公は最初は1人ですが、条件を満たすことでさまざまな勇者がアンロックされていきます。

 また、一度ゲームに出現したカードは“ギャラリー”から閲覧できるので、これを埋めていくことも1つのやり込み要素。総合的に、たっぷりやり込めるボリュームとなっています。

 これまでにない新感覚のバトルなので先述したように難易度は高め。しかし、戦術性、アクション性、そして運要素が絶妙なバランスで融合しており、まさにローグライトゲームの面白さを濃縮したような作品です!

 バトルを理解するまでが大変かもしれませんが、難しそうだからと手を出さないのはもったいない! ぜひ一度挑戦してみてほしいタイトルです。


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