【男性目線の『アイナナ』レポ】帰ってきたモンジェネおじさんが語る『アイドリッシュセブン』の魅力。第13回

原常樹
公開日時

 みなさん、こんにちは! 自称“モンジェネおじさん”ことフリーライターの原 常樹です。
 すっかり『アイドリッシュセブン』にハマってしまったひとりの男性マネージャーが「アイナナはここが素晴らしい!」ととりとめもなく語りつつ、【男性のマネージャー】、また【男性に布教しようとしているマネージャー】を応援するというのがこの連載のコンセプトです。

 本日もおじさんたち(男性マネージャー)のアイナナの日常風景からお届けいたします。
 これまで座談会などで「上映会をやりたい」というお話をしておりましたが、ついに実現することとなりました!

 うちのスタジオの白壁を利用して、いつものおじさんたちを集めてアニメ『アイドリッシュセブンVibrato』のBlu-layを上映パーティーを開くことができたんです。
 大画面で天くんの顔を見るといつも以上にはしゃぎたくなりますし、まだ方言全開の龍くんは大画面で観ると初々しさも倍増。シリーズのラストを飾るIDOLiSH7たちのライブシーンが大スケールで感動もひとしおだったというのは語るまでもありません。ついついこちらも涙ぐんでしまいました。
 そんな感じで上映会はみなさん楽しそうでしたが、実を言うと音周りは配線トラブルの影響で雑音交じりという悲しい状況で……。グレードアップする余地があるので、環境を整えつつ次はメットライフドームの映像をみんなで堪能したいな~などと考えています。ここならばコンサートライトも振り放題ですし!

  • ▲アニメを投影した白壁は、実はとある声優さんの宣材写真の背景にも使われています。なんとも汎用性が高い壁です。

 さて、それでは第3部のストーリーを振り返っていきましょう。Re:valeの回想エピソードが一段落したところで、物語の中心軸は再びIDOLiSH7に戻ります。彼らはあけぼのテレビで行われるチャリティーを目的とした24時間番組『Friends Day』への出演が決まっていました。ほかにもRe:valeやTRIGGERにもオファーが来ているということで、アイドルグループがそろい踏みする形となります。歴史ある番組に出られるということで陸くんや三月くんは喜びますが、一織くんはアイドルグループの共演が続くことで価値が安く消費されてしまうことに懸念を示します。

 これは現実でも“あるある”な話ではないかなと……。やっぱり“旬の役者さん”はみんなが使いたがるものですし、なおかつそこには“使われる理由がある(コストパフォーマンスがよい、世間的にブームになっている等)”から同時期にクライアントから指名が集中するもの。狭い業界の中だと「この人はいい」という評判も広がりやすいので、自然な流れです。一方そのような状況では、事務所のゴリ押しがなくても世間的にはゴリ押しと誤解されてしまったりもする。そういう話を僕も何度も聞いたことがあります。弁明しようにも悪魔の証明になってしまうので、ファンの疑念を払しょくする手段はない気もします。そういう事態を避けたいという一織くんの狙いは的を射ているのかなと。
 彼はTRIGGERの辞退を期待していましたが、当然ながらTRIGGERの方もこのチャンスを断るわけはありません。むしろ、三人ともやる気全開です。そんな中、八乙女社長だけは一織くんと同じくTRIGGERがセット売りされることを危惧しており、本音としては断りたかった様子。

 一方でRe:valeはミスター下岡を始め、ツクモ所属の有名タレントが出演していないことに月雲さんによる陰謀の香りを感じ取っていました。まぁ、月雲さんも千葉サロン絡みの爆弾を爆発させるのに失敗しただけで引き下がるタマじゃないですもんね……。
 『Friends Day』に参加する思惑はグループごとにバラバラ。祭典を前にどうにも不穏な気配が漂っています。


 そして、企画会議。アイドルたちにはさっそく試練が待ち受けています。それは3グループで協力して「テーマソングを24時間で作る」というサプライズ企画でした。
 作詞・作曲はRe:vale、振りつけはTRIGGER、衣装デザインはIDOLiSH7。どう考えても無茶ぶりなわけですが、すでにカメラは回っているため断る余地はなく。12人はそのまま熱海の別荘に移動して体当たりでチャレンジすることに……。こんな状況下でも陸くんは楽しそうな様子ですが、一方で天くんはキャラを維持し続けています。カメラがすでに回っているからとはいえ、この意識はさすがというしかありません。

  • ▲プロとして感情を制御する天くんですが、このときすでに、桜春樹が亡くなったという情報を九条さんから聞かされていました。ナギには言い出せませんでしたが……。

 合宿所に着くやいなや酒盛りを始める成人組。アイドルたちの表に出せないようなトークの連続にマネージャー陣は真っ青になります。 我々からしたら普段から見ている彼らの姿そのものなので何の違和感もありませんが、まぁ、それが当たり前ですよね。
 とはいえ、ここのやりとりはおもしろい。サブタイトルにも「特別な時間」とありますが、カメラが回っているとはいえ(アルコールも入って)盛り上がっているアイドルたちの姿は仲睦まじくて尊いもの。本人たちも言っていますが、修学旅行の1シーンを切り取ったような感じです。


  • ▲あまりに持っているせいでただ買い出しに行っただけで心霊現象に悩まされるアイドルたち(ただし、怖がっているのは主に環くん)。そして、天くんによるガチの除霊。わかるよ……僕も「はしゃぎすぎ」の浄化能力で昇天しかけたことがあるから……。

 そして、交流が一段落したところでそれぞれが企画に真剣に取り組み始めます。なんだかんだでしっかり連携が取れているあたりもさすがアイドルたちといったところでしょうか。


 このシーンでは、さらっと環くんの心境の変化も描かれます。ファンに応えることに対する意識の芽生え、それと同時にファンの要望に応えられるアイドルになりたいという想い。環くんはここまで来て、三月くんのすごさを肌で感じ取っているようです。
 連載でもこれまで書いてきましたが、やっぱりうれしいですよね……こう、三月くんのがんばりが評価されるのって……。IDOLiSH7は上げてから落とすコンテンツですが、必ずそのあとにも上がるターンが待っているわけです。ハードな筋トレ後の筋繊維の超回復のように、耐え忍んだ先にあるのは一段とたくましくなったアイドルたちの姿。環くんを相手に誇らしげな三月くんの姿を見ているとなんだか自然と笑顔になってしまいますよね。
 そして、壮五くんは千さんに楽曲を作るように勧められます。音楽のセンスがないからと固辞する壮五くんに対して「好きが一番大切な才能」という千さん。好きこそ物の上手なれという言葉もあるとおり、内側に情熱があればそれがプラスに働くこともあると。「好き」という感情がマイナスに働くということにしっかり触れつつ、それ以上の素晴らしさがあると雄弁に語るところは物事の本質を的確に捉えている千さんだからこそだなぁと思えてしまいます。壮五くんの可能性がここでひとつ大きく開けました。

 さらに大和さんとナギのやりとりが続きます。何気ないやりとりに見えつつ、こちらも大きな伏線なんですよね……。
 24時間という限られた時間の中でさまざまな化学反応を起こしながら、アイドルたちは見事に試練を乗り越えます。セット売りされることは各グループにとってはビジネス的にはマイナスであっても、アイドルたちの中にはそれ以上にえられるものがあったともいえるでしょう。

 でも。でも、ですよ。
 忘れた頃にやってくる。
 そう、上げたら落とすのがアイナナ。

 社長に就任した最悪のサイコパス……もとい月雲社長が本格的に動き始めます。彼のもとには今まで物語の陰で暗躍していた、亥清悠、狗丸トウマ、棗巳波、御堂虎於の4人が集まっていました。彼らは『Friends Day』に出場するアイドルグループの中から見せしめを選ぶ……ということで、TRIGGERをターゲットに定めます。ついにここから第3部の中でもっとも胃が痛くなる展開(※おじさんの感想です)が始まるわけですね……。

 月雲社長は手始めに八乙女社長のもとを訪れ、TRIGGERを買い取るという到底飲めない条件を突きつけてきます。力関係でいえば、当然ながら八乙女プロはツクモプロにはかないません。それでも権力に屈しない八乙女社長でしたが、もちろん月雲社長はそれすらも織り込み済み。これまで周到に仕掛けていた罠で一気にTRIGGERを追い込んでいきます。

 その手段はずばり“スキャンダル”。まずは楽くんと紡ちゃんの噂を流させます。楽くんはここで筋を通してマネージャーに謝罪し、さらにはしばらく連絡を取らないと切り出します。そして、それをマネージャーも承諾。この辺りはオトナですね……。個人的にはこのふたりの関係性が気に入っているのでかなりつらいものがありました。
 痛手を払いつつもどうにか難局を乗り切ったようですが、これは月雲社長のトラップの一の矢にすぎないというのが恐ろしいところ。

 TRIGGERにとって致命的な打撃となったのは、虎於を使って篭絡した人気歌手・花巻すみれの移籍騒動でした。
 これは事務所の待遇に不満を持った(フリの)花巻すみれが龍くんを頼ることで、お人好しの彼がツクモプロに文句を言う状況を仕立てる作戦。電話越しに龍くんがツクモプロにクレームを入れたことで、なし崩し的に「八乙女プロが花巻すみれを強引にツクモプロから引き抜こうとした」という状況を仕立て上げてしまいます。そして、手引きをした龍くんは花巻すみれと恋仲という噂をでっち上げられてしまいます。
 ハニートラップ……いや、そもそも色恋沙汰ではないので、当たり屋の手口といった方が近いのかもしれませんが、いずれにしても龍くんは月雲社長の罠にまんまとハマってしまったわけです。さらに抜け目のない月雲社長はマスコミに攻撃的な記事を書かせることで世論を誘導。悪い噂に尾ひれがついて加速度的に龍くんの株は落ちていきます……。大衆がアイドルに対して必ずしも好意的ではないところもリアルな『アイドリッシュセブン』においてこれは避けられない流れでした。
 火のないところに煙が立てば、火元がどこにあるのかは関係なくひたすら燃え広がっていく。事情を知っている我々からしたらたまったものではありませんが、現実とはそういうものなのかもしれません。詳細な状況を知らずに左から右に噂を流してしまう──ほとんどの人間はそういう経験があるものでしょうから。

  • ▲トラブルと並行して、ステレオタイプのオタクファッションをした謎の外国人・ソルヴァルドも登場します。ナギをノースメイアに連れて帰りたいと言い出すなど怪しい雰囲気。寮を嵐のような騒動に巻き込んだあと、この場は撤退しますが……。

 IDOLiSH7、TRIGGER、Re:valeのメンバーたちは情報を共有しつつ打開策を探ります。当事者である花巻すみれ、そして月雲社長と話し合いにいくアイドルたちでしたが、まったくもって話になりません。完全に八乙女プロは悪者になってしまいます。
 しかし、これだけでは終わりません。『アイドリッシュセブン』の第3部にはストップ安という概念がありません。落ちるところまで落ちて地面に埋まったアイドルに上から土砂をかぶせるのが月雲社長のやり方。彼は満を持して新たなアイドルグループ・ŹOOĻをデビューさせました。そのメンバーは、亥清悠、狗丸トウマ、棗巳波、御堂虎於。言わずと知れたあの4人。
 彼らは街頭パフォーマンスを皮切りに、観衆を熱狂させるパフォーマンスでその実力を見せつけます。彼らの煽情的なステージを目の当たりにした群衆は熱を帯び、ヒールに転じたTRIGGERに寒々しい眼差しを向けるようになりました……。

 振り返るだけでも地獄のような展開ですが、まだまだTRIGGERの受難は続きます。とはいえ、筆者のメンタルもしんどくなってきたので今回の連載はここまでとさせてください。また次回の連載でお会いしましょう……。

(C)アイドリッシュセブン

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アイドリッシュセブン

  • メーカー: バンダイナムコオンライン
  • 対応端末: iOS
  • ジャンル: アクションADV
  • 配信日: 2015年8月20日
  • 価格: 基本無料/アイテム課金

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  • 対応端末: Android
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  • 配信日: 2015年8月20日
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