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夫の行方不明から始まる妻の陰謀。サイコスリラー『Loretta』のストーリーが衝撃的すぎた!【電撃インディー#397】

Ak
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 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、冷めきった夫婦関係から始まるサイコスリラーADV『Loretta』のレビューを掲載します。

 電撃オンラインでは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

夫の行方不明は序章です。陰謀渦巻くストーリーから目が離せない!

 本作は、1940年代のアメリカを舞台に、冷めきった夫婦関係を持つ主婦・ロレッタを主人公に語られるサイコスリラー。

 夫の不倫、夫に掛けられた多額の保険金、そして消息不明になった夫と、ストーリー冒頭から非常に不穏な雰囲気が漂います。

 まあ、これだけ不穏な要素がそろえば、予測できる展開はひとつですよね。ぶっちゃけ、予想通りの展開になります(笑)。

 最序盤ですでに夫は消息不明になっており、その原因もすぐに分かります。

 ただし、本作のストーリーはそこからが本番!

 経済的に困窮していたロレッタが、夫の消息不明をきっかけに、自分の人生を取り戻すため陰謀を企てます。

 ストーリーはひと昔前の海外ドラマのようなノリで、登場人物みんな、どこかロクデナシ。

 情欲にまみれたストーリーが描かれ、ショッキングな展開もあります。直接的なグロテスク描写は少ないものの、サスペンス展開が苦手な人は要注意です。

 ストーリーは基本的に主人公であるロレッタの視点で進行。

 プレイヤーは彼女の“共犯者”として、物語を進めていきます。ロレッタはロレッタでロクでもない部分もありますが、心理描写がていねいで行動に納得できるので、思わず感情移入してしまいます。

 行動そのものは反社会的でも、虐げられた立場から自分の尊厳を取り戻そうとするその行動力には、普遍的な力強さを感じます。

 序盤のストーリー展開は、描写がていねいで惹きこまれるものの、予想から大きく外れることはありません。

 ただし、中盤以降の展開は非常に劇的! ネタバレになるので詳細は言えませんが、正直夫の消息不明がオマケに思えてくるくらいの衝撃展開が続くので必見です。

バッドエンドを避けながら結末を目指す正統派アドベンチャーゲーム

 本作のストーリーは基本的に一本道。バッドエンドへの分岐はありますが、複雑な分岐やマルチエンディングなどはありません。

 バッドエンドを避けながら、エンディングへの到達を目指していくことになります。クリアまでの全体的なボリュームは2~3時間程度と、ちょうど映画一本分を見ているような感覚で楽しめました。

 選択肢を選ぶシーンでは、ミスると一発でバッドエンドに分岐することも……!

 基本的には短絡的な行動をとるとすぐにバッドエンドになるので、分岐は分かりやすいです。

 主人公はあくまで非力な主婦なので、暴力に訴えるのは最終手段ということですね。

 一部にはパズル要素も存在。ノーヒントで解かないといけないこともあるので理不尽感はありますが、難易度自体は低めなので詰まることはないかと思います。

 シュール感のあるパズルは、主人公の不安定な心情を描写している感じで、演出的には素晴らしいですね。

 ヒューズを集めて電源を入れたり、隠された鍵を探したりとアドベンチャーゲームでお馴染みの謎解き要素も。

 こちらも、基本的には探索さえちゃんと行えば迷うバランスではないかと思います。

 全体的に難易度は低めで、バッドエンドになってもリトライが容易なので遊びやすいのがうれしいですね。

雰囲気重視なら白黒画面も選択できる!

 本作はコントローラー(ゲームパッド)操作とキーボード操作、どちらでも遊べます。

 移動や探索をするシーンが多いので、個人的にはスティックで移動できるコントローラー操作が快適でした。

 ただしアクション要素は少ないので、好みの操作方法で問題ないと思います。

 ゲーム開始時には、カラーモードかノワールモードが選択できます。

 1940年代が舞台とあって、雰囲気重視なら白黒画面になるノワールモードを選ぶのもアリ! ただし一部のヒントが把握しにくくなるので、2週目にこのモードでプレイするのがいいでしょう。

 中盤以降の衝撃展開と、主人公のていねいな心理描写で、思わず惹きこまれるストーリーが魅力的な本作。

 とくに海外ドラマや映画好きにはハマる要素が満載なので、ぜひ触ってみてほしいタイトルです。


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