なんだこれ(困惑)…でも、面白い。『名探偵ブロクと秘密の依頼』は推理+アクション+RPGなワニゲー【電撃インディー#398】

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 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、フランスの開発スタジオCOWCAT Gamesが開発したアクション&アドベンチャー『BROK the InvestiGator 名探偵ブロクと秘密の依頼』を紹介します。

 『BROK the InvestiGator 名探偵ブロクと秘密の依頼』は、PS4/PS5/Nintendo Switch/Xbox One/PC用ダウンロードソフトで、PC版は発売中。コンソール版は、3月1日に発売予定です。本記事は、PS5版を使用してのレビューとなります。

 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

サイバーパンク風味の推理アドベンチャー

 本作は、近未来でサイバーパンク風、そして登場人物はみんな動物をベースにした獣人(?)ばかりという、不思議な世界観のアドベンチャーゲームです。

 基本的に、さまざまな場所を移動し、怪しい場所をポイントしてクリック、情報や手がかりを引き出したり、アイテムを入手したりしながら、物語を進めていくことになります。

 アドベンチャーゲームとしてはとてもオーソドックスで、とくに迷うことはなくプレイすることができるはず。ただし、本作は物語重視の推理アドベンチャーに、アクション要素を融合しており、ときには力づくで解決することもできるのです。

 アクションとアドベンチャー、その両方が絶妙なバランスで成り立っており、ちょっと味のある、新しいプレイ体験が可能となっています。

不思議な世界観は没入感あり!

 本作の舞台となるのは、環境汚染で生きていくには厳しい世界。特権階級の市民はたちはドーム都市で安全に暮らしていますが、そこに住めない人々は危険な環境に苦しめられながら生きています。

 なかなかヘビィな設定に思えますが、グラフィックはカートゥーン風で、人間は動物の擬人化になっているので、そんなに深刻な感じはしません。それこそ、アニメを楽しむかのように、気楽に楽しむことが可能です。

主人公はワニ! とてもダンディーな奴!

 世界観も魅力的ですが、主人公のインパクトもなかなかのもの。物語の主人公となるブロクは、亡くなった妻の連れ子と暮らす、しがない私立探偵。

 元々ボクシング選手で腕っぷしは確かですが、どこか不器用で、義理の息子との関係は、ちょっとギクシャクしています。

 息子の方も若干反抗期的な態度で、2人の微妙な関係がとてもリアル。まるでドラマのようです。そして、ブロクが妻を亡くす原因となった事件がオープニングで少し触れられるのですが、これがいきなり壮絶なのです。

 ポップなグラフィックとは裏腹に、本作の物語が相当シリアスになるであろうと予想できます。

 また、このブロクとグラッフの親子のほか、鳥のマッドサイエンティスト・シェイや、カンガルーの新人警官シンなど、序盤で登場する数々のキャラクターは、いずれも強烈な印象を残してくれます。

 彼らの存在が、この不思議な世界観にとにかくピッタリ合っているのです! このためすんなり世界に入り込めるし、序盤から深い没入感を味わうことができます。

アドベンチャーゲームとしても手応えバッチリ

 本作ではアドベンチャーとして、しっかりした手応えを感じられる内容です。あちこち巡って怪しい場所をクリックしていかなければならないのですが、ときにはパズルをクリアしたり、アイテム同士を合成したり、見つけた手がかりを組み合わせて相手を尋問したりと、さまざまな仕掛けが登場します。

 場合によってはどうしていいか分からなくなる場合もありますが、初心者向けの措置はしっかり用意されているのでご安心を!!

親切なヒント機能がとても優秀!

 その初心者向けの措置とは、ズバリ、ヒント機能。このヒント機能、かなり優秀で、今必要なアドバイスを的確に答えてくれます。しかしそれだけに、無制限に使うことはできません。ヒントを使うには、ゲーム中に集めた広告クーポンと呼ばれるアイテムが必要となるのです。

 とはいえこの広告クーポン、たくさん手に入りますし、エリアごとにいくつあるか、いくつ取ったかが表示されるコレクション要素にもなっています。少なくとも自分がプレイした限りではまったく困ることはなかったので、ガシガシ使っても大丈夫ですよ!

アクションは昔懐かしのベルトスクロール!

 先述したように、本作は推理アドベンチャーにアクションの要素が融合されています。これは、ブロクは腕っぷしの強い探偵ということで、ときには力で相手をねじ伏せることも可能ということなのです。

 アドベンチャーモードとアクションモードはいつでも切り替え可能で、いざアクションモードにすると、まるでベルトスクロールのアクションゲームのように、敵をなぎ倒していくバトルを楽しめるようになります。

 邪魔な人物を倒す場合はもちろん、アクションモードでは障害物をジャンプで飛び越えたり、扉を破壊したりもできるので、探索中も必要とあらば臨機応変に切り替えていく必要があるのです。

 そしてこのアクションモードもまた、かなり本格的な内容となっています。それも、レバーで移動、各種ボタンで攻撃、ジャンプ、ガード、そして落ちているアイテムを取って体力回復などなど、まるで90年代2Dの横スクロールアクション!!

 古くからのゲーマーなら、きっと懐かしさを感じるでしょう。もちろん基本はシンプルですし、難易度の調整もできるので、初心者でも問題ありません!

さらにRPGのように成長もする!

 アクションモードでバトルに勝利すると経験値が入り、ブロクはこれによりレベルアップもします。レベルアップするごとに、体力、攻撃力、必殺技の3つから、どれか1つを強化して強くなれます。

 また、お金を集め、回復アイテムなどを購入できるので、RPGのような楽しみ方も可能なのです。

やり込みもできるし、遊びやすい!

 見た目はポップだけど、奥深い世界観や物語をたっぷり楽しめるアドベンチャーゲームです。メインのストーリーのほか、サブストーリーも複数ありますし、おまけのボーナスポイントを使って、コンセプトアートやファンアートなどを解放するというやり込み要素も存在しています。

 ゲームの進捗や手に入れたヒントの閲覧なども可能ですし、操作もサクサクで、アクションも快適と、とても遊びやすいゲームとなっています

 謎解きも理不尽なことはまったくなく、解決してスッキリできるものばかり。久しぶりにアドベンチャーゲームらしい作品をプレイできた気分です。

 横スクロールのアクションや、カートゥーン風のグラフィックなど、総じて90年代のアクションゲームを彷彿させる内容となっており、どこか懐かしさを感じるのも本作の魅力。アドベンチャー好きはもちろん、古き良き横スクロールアクションが好きな人も、きっと満足できるはずです!


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