Switch『デジモンワールド -next 0rder- INTERNATIONAL EDITION』レビュー。今も昔も根底にあるアツさやおもしろさは健在

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 バンダイナムコエンターテインメントから2月22日に発売されたNintendo Switch版『デジモンワールド -next 0rder- INTERNATIONAL EDITION』。そのレビューをお届けします。

 本作は2017年にPS4用ソフトとして発売されたものに新要素として、『デジモンワールド』シリーズ未経験者でも遊びやすい“ビギナーモード”や、フィールド上を通常の約1.4倍の速度で移動できる“走る”を追加したタイトル。

 そんな『デジモン』シリーズらしい育成と冒険、そしてバトルが中心となった本作のレビューをお伝えしていきます。

昔懐かしいプレイ感。育成中心のシンプルなゲーム性

 『デジモン』シリーズ未プレイな方にまず伝えておきたいのは、本作のゲーム内容は初めてプレイする方でも比較的簡単につかめるということ。

 ゲームサイクルの中心となるのは3点。2体のパートナーデジモンを育てていくこと。デジタルワールドを冒険していくこと。そしてさまざまなデジモンたちを手助けして拠点の拡充させていくことです。

 エリア制のフィールドには多種多様なデジモンたちがいますが、拠点である“はじまりの街”フローティアから離れるほど強力なデジモンが姿を現すようになります。そのため2体のパートナーデジモンたちを育て、進化させることで段々と探索できるエリアが広がっていきます。育成を繰り返すことで強くなり、ゲームを楽しめる幅もひろがっていく――まさしく正統派RPGと言っていい構成です。

 デジモンたちの育成は単純なバトルだけではなく、トレーニングがとても大事。HPや力強さ、素早さ、賢さなど、上昇させたいステータスを任意で選んで育成できるため、特徴をプレイヤー自身が決められるのがポイントです。

 好みのステータスを育てたデジモンたちは、その特徴を継いだデジモンへと進化していきます。デジモンの進化先はいつでも確認でき、また進化条件に必要なステータスは徐々に解放されて見られるようになるので、好みのデジモンに進化させるためのトレーニングの方向性を決めやすいのも嬉しい点です。

 トレーニングしすぎると病気になったり、お腹が減ったり、トイレを要求してきたりするので、これらを“おせわ”で解決します。こうしたコミュニケーションが『デジモン』らしさですね。“おせわ”することで絆が深まり、進化先のデジモンに必要な条件が判明されるなどの恩恵もあります。

 ゲーム内は時間が流れており、進化条件に達していると日数経過でデジモンたちは自動的に進化していきます。さまざまな成長を経て寿命が尽きたとき、初期ステータスが強い状態で生まれ変わるため、世代をかけて自分だけの最強のデジモンを育てていく……そんな形の育成RPGとなっております。

バトルはデジモンたちの自主性と声援で進行

 バトルは基本的にオートで進行します。デジモンたちが自分たちで考え、動き、攻撃し、避けます。それらの行動に声援を送ることで蓄積するポイントを消費した直接指示も可能で、必殺技や固有スキルを発動できます。

 この時のデジモンたちの行動は、トレーニングで鍛えた賢さや素早さが影響し、ステータスが低いとあまり攻撃してくれなかったり、逃げ続けたりすることもありました。

 またしつけが行き届いていないと指示を無視されたりもするため、普段のコミュニケーションの大切さをデジモンで知ることになります。そのほか、アイテムを使用して支援することも可能。

 声援でポイントを溜めて必殺技を出すだけではなく、デジモン自身の判断で攻撃技を出しますし複数覚えるので、状況に応じて使い分けてくれる奥深さもあります。

 必殺技はアニメさながらの演出で格好良いですし、非常に強力なので少し格上のデジモンが相手でも「声援を送って必殺技で逆転!」なんてお約束な動きも楽しめます。

 また特定のデジモン同士やパートナーとの絆の強さに応じて、特殊進化をバトル中に限り行えるのも激アツ演出。いわゆるジョグレス進化!

 慣れないうちこそ自分で操作できないもどかしさはありますが、だったらもっと賢くしよう。HPを上げて打たれ強くしようと、デジモンたちの個性を引き伸ばすことで愛着がどんどん湧いてくる感覚が味わえますよ。

バトルと冒険を通してテイマーも強くなる

 テイマーとは主人公のことで、彼らも経験値を経て特別なスキルを習得できるシステムが用意されています。これは主に育成や冒険に役立つものばかりで、例えばトレーニングのステータス上昇量アップや疲れにくくなる、アイテム所持数を増やすといったものがあります。

 スキルの習得を進めていくことで、より高性能な段階のスキルを習得可能になります。一足飛びでパワーアップというわけにはいきませんが、どのスキルがあるのかも最初からすべて把握できますし、最終的にはすべてのスキルを習得できるとの説明も。ここは優しくわかりやすいなと感じました。

 テイマー自身が強力なバトルスキルを持つわけではなく、あくまで強力なデジモンを育てるために従事している点も重要ですね。テイマーのレベルアップは戦闘後の経験値のほか、フィールドを歩いた数が経験値に換算されるようで、遠出して帰ってくると3レベル上がってたなんてこともあったりします。

 あくまでデジモンの成長がメインでありながら「一通り探索終えて帰ってきたらテイマーのレベルも上がってたラッキー!」な感覚。なので、“強く成長したデジモンたちに頼りっきりでテイマーたちは成長していない”という後ろめたさのようなものを感じずにすむのも好感触でした。

逆転のときは主題歌も流れるアニメ的演出!

 ゲームを開始してすぐ、デジモンの初代アニメでも活躍したウォーグレイモンとメタルガルルモンでバトルのチュートリアルが始まります。突然のことに驚く主人公でしたが、それよりも思い入れのある2体に興奮している自分もいたり。

 ひと通りバトルのチュートリアルを教えてもらい、ムゲンドラモンを攻撃するも返り討ちにあう2体。もう戦えるデジモンもおらず絶体絶命のピンチに。しかし、諦めない心が奇跡を起こす……!

 という流れからゲーム主題歌が流れ始め、超究極体であり初代劇場版アニメでも活躍したオメガモンにゲーム開始5分ほどで会うことができるアツい演出に! 実際にこの逆転劇をゲームでも体感でき、パートナーたちが倒れても深い絆があれば、超究極体で反撃できるシステムもあります。

 全体的にアニメの影響力が強く、進化のときに回ったり、必殺技を使用したときにカットインが入ったりなどお約束の演出も多く、各所で盛り上げてくれます。育成と冒険とバトルがゲームの軸になっており、難しい操作ナシに気軽に楽しめるのがとくにいい点だなと思いました。

 パートナーたちは近くに敵がいると教えてくれたり、バトル後に褒めてもらいに近寄ってきたりと可愛らしいのもグッド! どれだけ強い見た目になっても褒めてもらいに来たり、トイレの要求が起こるので、すごく愛着が湧いてきますし、だからこそ強くしてあげたいって思いも絆も強くなりますね。

 上で“アニメの影響が……”と書いてはいますが、もちろんそうした前知識がなくても育成RPGのおもしろさは十分に堪能できます。逆に本作で『デジモン』を知ってからアニメなどを見ることで「あの元ネタはこれだったのか」と逆算的に楽しむことも可能。これは、歴史を積み重ねてきたシリーズだからこそですよね。

 本作はプレイするハードルも決して高いわけではありません。アツさやおもしろさをしっかりと受け継ぎつつも、“ビギナーモード”などを搭載したことでプレイしやすい作品になっていると思います。

 実際に遊んでみるとわかりますが、目に見えて強くなっていくデジモンたちに反し、可愛らしいコミュニケーションを要求するギャップもたまりません。超究極のデジモンを目指しつつ、デジタルワールドの謎に迫ってみてはいかがでしょうか?

“電撃ゲームライブ”のアーカイブで鈴木絵理さんのプレイをチェック!

 ゲームの電撃が送る、ゲーム情報&実況番組“電撃ゲームライブ”。2月23日の配信では、鈴木絵理さんが本作をプレイしました。プレイしている様子を実際に確認できるチャンスですので、ぜひこちらもアーカイブからご覧ください!


※本ソフトには、インターネットに接続できる環境が必要なモードや機能があります。
※Nintendo SwitchおよびNintendo Switchのロゴは任天堂の商標です。
※画面は開発中のものです。
©本郷あきよし・東映アニメーション
©Bandai Namco Entertainment Inc.

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デジモンワールド ‐next 0rder‐ INTERNATIONAL EDITION

  • メーカー:バンダイナムコエンターテインメント
  • 対応機種:Switch
  • ジャンル:育成RPG
  • 発売日:2023年2月22日
  • 価格:5,980円+税

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