『オクトパストラベラー2』は前作を超えた! クリア済みライターを中心にその魅力を語る【ネタバレ注意】
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スクウェア・エニックスより2月24日に『オクトパストラベラー2(以下、オクトラ2)』。本作をいち早く遊んだプレイヤーを中心とした座談会をお届けします。
■座談会参加メンバー
そみん:前作『オクトパストラベラー』をプレイ済み。座談会の進行役
タダツグ:前作、およびアプリ『オクトパストラベラー 大陸の覇者』をプレイ済み。生粋のシリーズファン。
ことめぐ:前作プレイ済みだが、本作は体験版のみをプレイ。
ophion:本作が『オクトパストラベラー』シリーズデビュー。
クリアまでのプレイ時間はどのくらい?
そみん:では、まず『オクトラII』をどのくらいプレイしたかから話を始めましょうか。
タダツグ:僕はいわゆるラスボスを撃破して、エンディングまで到達しております。クリア後もちまちまプレイは続けていて、現在のゲーム内カウンターは63時間くらいですかね。メインストーリーはもちろん、サブストーリーも含めてこの時間。セーブ&ロードを駆使していろんなサブキャラからアイテムを盗んでたから、実質70時間は遊んでいる感じかと。
ophion:自分は約54時間プレイしていて、全キャラクターのメインストーリーはクリア済みです。ただ、おそらくラスボスだろうという敵にはまだ勝てていません。「クリア済みです!」って意気揚々と座談会に参加したかったんですけどね(苦笑)。
ことめぐ:私は体験版で無理なく遊べる範囲の、各キャラクターのストーリーを追った感じですね。オズバルドだけ章の作りが特殊でしたが、だいたい1章相当を遊んだくらいです。各キャラクターのストーリーはどのくらいのボリュームなんですか?
タダツグ:8人の主人公それぞれで構成に違いがあるけど、どのキャラもだいたい5章くらいで決着するイメージかな。個人的には、RPGとしてしっかり満足できるボリューム。各章はスムーズに進めていけば1時間もかからずに終わるから、かなり遊びやすかった。忙しい人でも毎日1章ずつ進める……そんな遊び方を想定して作られている気がして好印象というか。現代のゲーマーは忙しいもんね(笑)。
ophion:1章が1時間程度で終わるというのもそうですが、それぞれの章で提示される“〇〇に会おう”、“〇〇を倒せ”といった小目的をひとつ達成するのにかかるのが短くて10分~20分くらい。全体のボリュームが大きく次の展開が見たいという欲望は常にありますが、ゲーム側に区切りを作ってもらえているという印象です。
タダツグ:ちなみに60時間以上遊んだとはいえ、やり尽くした感じはまだ全然なくて。サブストーリーもずいぶん残してるし、明らかに何かある……そんな怪しい場所も見つけていたりするしで、旅を終えるにはまだまだ先になりそうですな。
ことめぐ:それだけ遊んでいても、まだまだやり込める要素があると?
タダツグ:うん。そもそも“伝承ジョブ”だってようやくそろったばかりだし……これ、総数は伏せておくけど見つけるまでに結構時間かかったからね(笑)。パーティチャットももっと見たいし、まだ手に入れられてない武器や防具も残ってるしで、やりたいことだらけですよ。もちろん記事を書くためのお仕事としてプレイしている側面はあるけど、もう半分以上は趣味として遊んでいる側面はありますね。
会話の豊富さやサブキャラクターの描かれ方で旅感が増した
そみん:ストーリーはどう感じました? 個人的には『オクトラ』にしては、比較的明るめだったかなと思いましたけど。
タダツグ:そみんさんは明るめに感じました? たしかに前作や『大陸の覇者』と比べたら、ある程度ハッピーエンド寄りに落ち着いた気はしつつ。ただ、やっぱり世界観や物語の構成は重めだし、ファンタジーRPGとしては明らかにダークサイドでしょう。ここらへん、シリーズ初プレイのophionはどう感じた?
ophion:個人的には、全体的にビターなシナリオだと感じました。例えば盗賊のソローネはとりまく環境がダークそのものですし、神官であるテメノスも序盤から悪いことしか起きないような不穏な予感が漂っていますよね。スタート時点ですでに追い詰められていたり、貶められていたりする印象が強かったです。
タダツグ:僕は今なおそれなりに多くのゲームを遊んでるつもりだけど、久々に「コイツは許せねえなぁ!」って敵に出会えたのが印象的で。オズバルド編のアイツとか、ソローネ編のアイツとかなんだけどね……。
ophion:誰のことを言っているのかわかりますよ(笑)。
ことめぐ:めっちゃ気になる(笑)。
タダツグ:もうね、こんなヤツらがいる時点で間違いなくダーク。一方で『オクトラ』はこうでなくっちゃあいけねえ! って気もしちゃうからアレだけど……。
そみん:ただ、例えばパルテティオの立場を前作で描いたら、1章の時点で親しい人がなくなっててもおかしくないくらいのイメージはありません? そういう意味で、前作よりは明るめといえる気はしますが。
ophion:前作はそこまで暗い物語なんですか?
タダツグ:キャラによるかな。たとえば前作の踊子・プリムロゼなんかは背負っているものが重たすぎて、物語はめちゃくちゃヘビーだし暗いんだよね。目的を成すためならなりふり構わないというか、己の肉体だってさらけ出す覚悟で突き進むというか。その強さに惹かれたプレイヤーも多いわけだけど……。
ことめぐ:まさに! プリムロゼが紆余曲折のすえに辿り着いた“己を信じ貫く”という覚悟には、本当に痺れました。その点『オクトラII』の踊子・アグネアには違った強さというか、可能性を感じているんですけど。
タダツグ:そうだね。プリムロゼは完全に闇寄りだけど、アグネアはスターを目指して光の差す方へ突き進んでいく物語だから、マジで昼と夜くらいの違いがある。彼女の物語は音楽的な演出とかもすごいし、ことめぐさんはきっと楽しめるのではなかろうか。
ことめぐ:楽しみです! 私も早くプレイしたい……。
ophion:アグネアの旅は『オクトラII』のなかでも目立ってポジティブでしたから、プリムロゼとの対比は本当にすごそう。
タダツグ:ちなみに『オクトラII』のメインシナリオを手掛けているのは、今お話にも出た前作のプリムロゼ編を手掛けた普津澤画乃進さんなんだよね。それだけで、少なくとも明るい物語一辺倒になるわけがないってわかるハズ。
ことめぐ:たしかに(笑)。本作でいえばオズバルド編やソローネ編は、冒頭からめちゃくちゃダークですもんね。
そみん:個人的には、オズバルド編なんかはもっと辛い結末に辿り着くと思っていましたけどね。あれはずいぶん救いがあったほうでしょう。前作や『大陸の覇者』を思えば、もっとひどいことになっていてもおかしくはなかった。
ことめぐ:そうなんですか? 本当に気になることだらけなんですけどッ!
タダツグ:救い……まあ、そうね……。ことめぐさんならどう受け止めるかは気になりつつ。ここらへん、早くたくさんのプレイヤーさんの感想を聞きたいところですよね。皆さんが旅の終わりにどんな印象を抱くのか、SNSとか見るのが楽しみ過ぎる。
そみん:旅と言えば、『オクトラII』は前作よりも仲間と交流しながら旅をしている感が強いと思いません?
タダツグ:それはたしかに。パーティチャットがたくさん用意されていたり、バトル中の掛け合いが追加されたりしていて“旅の仲間感”が強調されてました。ヒカリが敵をブレイクするとテメノスが「ブラボー、ヒカリ!」なんて声をかけたりする演出、前作にはありませんでしたもんね。
ophion:あれは本作からの要素なんですね。僕としてもすごくよかったです。誰かのHPが大きく減ったときにも「大丈夫?」って感じで声をかけあったりとか。
タダツグ:そうそう。あの掛け合いではじめて、誰かのHPが減っていることに気づくこともあったりして(笑)。旅感を感じさせると同時にプレイヤーのサポートにもなっている、まさに一石二鳥な仕組みだと思った。
ことめぐ:私はまだ遊べていませんが、新要素の“クロスストーリー”も旅感や特定の仲間との関係性を深堀りするものなんですか?
タダツグ:主人公の人となりや関係性にフィーチャーしたものもあれば、メインストーリーに根深く紐づくものもある感じかな。
ophion:個人的に、ソローネとテメノスのクロスストーリーは「そういうやりとりをする関係になってるんだ」って、少し意外に思いました。メインストーリーでは触れられないようなところがしっかり描写されていますから、各キャラへの理解が深まりますよね。
タダツグ:キャラクター同士の関係性なら、パーティチャットもいろいろ見えてきておもしろいよね。キャスティがみんなのお母さん扱いされていたり、オズバルドが学問以外では意外とポンコツなところがあったりというのは、メインストーリーだけではなかなか見えてこないから。色々なタイミングでパーティ構成を変える楽しみがある。
ことめぐ:あと、『オクトラII』は前作と比べてサブキャラクターがよくしゃべってくれますよね。
ophion:サブキャラクターも個性的ですね。序盤だと、ソローネ編に登場するピルロってキャラの「ここじゃ、命は煙草だ」というセリフがグッときました。
そみん:物語にかかわるサブキャラクターだけでなく、街にいるNPCにもドラマがありますよね。これは前作から引き続きって側面もありますが。
ことめぐ:フィールドコマンドで話を聞いたり、所持品を確認したりするといろいろ見えてきますよね。誰か印象に残っているNPCとかいますか?
ophion:ニューデルスタにある遊技場の支配人とか印象的ですね。この遊技場、いかにも違法なカジノという雰囲気なのでパッと見だと支配人もさぞ悪いヤツだろうと思うんですよ。
ことめぐ:いろいろ話を聞いていくと、黒蛇盗賊団が運営している遊技場っていうのが明らかになりますよね。
ophion:ですが、その支配人は借金のカタに無理やり役目を押し付けられた偽物の責任者。そんなニセ支配人の所持品が“恐怖の治療ハーブ”3つなんです。「きっと、このハーブなしではやっていけないんだろうな」とか思いましたよ。支配人が本物でも偽物でもストーリーにはいっさい影響しないんですが、そこにあえてちょっとした想像の余地が用意されているのがおもしろいですね。
タダツグ:NPCにはいろいろ考えさせられるよね。小さな子どもが明らかに思い出の詰まったぬいぐるみを持っていたりすると、「はたしてこれを盗んでしまっていいものなのか?」って自問自答したり……。
ことめぐ:それで思いとどまったりするってことですね。
タダツグ:いや。思うところはあっても、とどまりはしない。結局は全部盗む(笑)。
ことめぐ:ええ~っ?
タダツグ:お店に売っても二束三文にしかならないアイテムだろうが、思い出が詰まったアイテムだろうが、すべて盗む。それが平等ってものでしょ。罠にかかるほうが……もとい、盗まれるほうが悪い。
ことめぐ:そんなドヤ顔でヒースコートみたいなことを言われても(汗)。
そみん:ホットだ(笑)。
幅広い戦術を許容するバトルシステム
タダツグ:ではここで、みなさんが最初にどの主人公を選んだのか聞いてもいいですか?
ophion:僕はオーシュットですね。
ことめぐ:わかります! オーシュットかわいいですよね。私も製品版ではオーシュットから始めようかなと思ってました。
ophion:最初に選んだだけあって、今では物語なども含めてオーシュットが一番思い入れのあるキャラクターになりましたよ。ただ、選んだ理由自体は別のところにあって。彼女は魔物を捕まえたり、アイテムに加工したりできるって説明を見たからなんですよね。
タダツグ:他のキャラよりアイテム入手の機会が多いところに魅かれたわけね。効率重視というか、いかにもophionっぽい(笑)。
ophion:だって、他のキャラよりアイテムが手に入りやすいなら、シンプルに便利そうじゃないですか(笑)。実際に遊んでみたら──干し肉が手に入るのはたしかに便利ではあるものの──ストーリーが劇的に楽になるってものではありませんでしたけど。
タダツグ:魔物を加工して手に入るアイテムって、基本的にはHPを回復したり物理防御力を上げたりする消耗品だから、ほかの道具やアビリティで代用できるもんね。ただ、トト・ハハ島では通貨の代わりになってたりするから、なんだかんだ干し肉は重要アイテム。
ことめぐ:タダツグさんは誰を選んでプレイを始めたんですか?
タダツグ:PVを見たときからヒカリに決めてましたね。前作はオルベリクから始めたし、『大陸の覇者』も自分のなかでの選ばれし者(=主人公)は剣士のフィオルだったりと、シリーズを通して剣士キャラが好きなんですよ。あとは、僕が某ジブリ作品の主人公が大好きということもあるかな(笑)。
ことめぐ:なるほど。じゃあ、最初はヒカリ編からクリアされた感じです?
タダツグ:もちろん。ヒカリの物語から優先して進めてクリアしましたよ。ophionもオーシュットのメインストーリーを優先的に進めた感じ?
ophion:ですね。オーシュット含めて8人が加入したあとはなるべくオーシュットのメインストーリーから進めていきました。いやあ、オーシュット編のボスは強かったですよ。どのキャラクターもおそらく最後に待つボスは同じくらいの強さなんでしょうけれど、危険度に表示されたLvより少し低めで挑んだら、もう2ターンに1回は誰かしら仲間が倒されて。必死に復活させたりしながら戦ってましたから、すこぶる時間がかかっています。
タダツグ:僕もヒカリ編の最後に戦うボスは、倒すまでに2時間くらいかかったからねえ……。
ことめぐ:2時間も!?
タダツグ:もちろん2時間延々と戦っていたわけじゃなくて。負けては編成を練り直して再戦→また負ける……みたいなことを繰り返して、合計で2時間ってところ。ヒカリのボスに最初に挑むとキツい理由、ophionならわかるよね?
ophion:あの連戦、そしてこちらへのバッドステータス付与は脅威でしたね。自分はヒカリのメインストーリーを終えたのが7人目か8人目だったので半分ゴリ押しで倒せましたが、それでも最初に選んだら、もしかするとオーシュット編のラスボス以上に苦戦したんじゃないかと思います。
そみん:キャラクターごとのボスについては、強さの違いは結構ありましたね。自分の場合、最初の主人公はアグネアを選んでプレイしたんですけど、かなりLvを上げてアグネア編のボスに挑んだのに、それでも負けましたから。それで「よし、こいつはあと回しにしよう」と決めて、別のキャラの物語を進めて。結局、アグネア編のボスを倒したのは4番目か5番目だった気が……(笑)。
タダツグ:いやいや、そこはもう少しこだわりましょうよ。せっかく最初に選んだ主人公なんだし(笑)。……とはいえ、自分だけの旅を楽しめるって本作のコンセプトには則ってもいるのか。
ことめぐ:どんな順番で進めるのもプレイヤーの自由。そういう意味でいえば、そみんさんの進め方も全然アリですよね。倒せる敵から順番に倒していくというのも。
タダツグ:僕にはない考え方だからおもしろい。このゲームの懐の深さがよくわかった気がしますね。
ことめぐ:各主人公の前に立ちはだかる敵ってそんなに強いんですか? 私に倒せますかね……。
タダツグ:バフやデバフがすごく重要なバトルという意味では、前作や『大陸の覇者』と方向性は同じですよ。だからどちらもガッツリ遊んでいることめぐさんなら、意外とサクッと倒せたりするかもしれない。
ophion:シリーズ初挑戦の自分からすれば、敵の状態異常などでバトルの流れが崩されることで、パーティが少しずつジリ貧になっていくあの感覚は新鮮でした。
タダツグ:中盤くらいまではパワープレイも比較的通用するけど、終盤は状態異常対策、そしてやっぱりバフ&デバフが重要だからね。ある程度レベルを上げて挑んでも、きっちりボスのギミックに向き合わないと勝ちづらいというのは、本作のバトルの醍醐味といえるのでは。
そみん:それでも僕は、なんだかんだでレベルを上げまくってのゴリ押しでクリアしましたけどね。
タダツグ:完全なる脳筋プレイ宣言(笑)。ある意味スゴいですよそれ。ちなみに、ophionはどのくらいのレベルでラスボスに苦戦している感じ?
ophion:オーシュット、キャスティ、オズバルドの3人がメインストーリーでほぼ固定メンツだったのでLv60を超えていますが、ほかはまだLv40前後なんですよね。これでラスボスを倒すというのはムシがよすぎますか?
タダツグ:そうだねえ。まあ、装備とかを突き詰めればやれなくはないかもだけど、単純にレベリングが足りてない気はする(苦笑)。僕がラスボスを倒したときは、平均70くらいだったからね。苦戦はしたけどラスボスは初見撃破だったし、こちらは逆に少しLvが上がり過ぎていたかもしれない。サブストーリーとかやってたらこれくらい上がっちゃったんだよね。
ことめぐ:ラスボス、初見撃破なんですか? それはすごい。私としては、きっと前作のラスボスみたいな特殊なギミックがあると期待しているんですが……。
タダツグ:そこはまあ、お楽しみにということで(笑)。
そみん:ちなみにこちらは平均Lv80くらいでラスボスを倒しましたが、それでもめちゃくちゃ苦戦しましたけど。何度か諦めてやり直しましたからね。
タダツグ:マジですか。やっぱりプレイヤーの編成や戦略しだいで、難易度の受け取り方はそうとう変わってきそうですね。
そみん:ちなみに物理属性、魔法属性問わず、アタッカーを3人編成してのゴリ押しで挑みました。
タダツグ:ラスボスまでパワープレイで倒したと? それはもうそみんさんがスゴいですって。いや、レベルを上げることでそんな倒し方すら許容してしまう『オクトラII』がすごいともいえるのか……。参考までに、レベル上げのコツとかあれば教えてもらえません?
そみん:盗賊のサポートアビリティ“闇に生きる(夜の戦闘で得られるEXPとJPが増加)”やアクセサリーの“EXPブースター(装備効果でEXP獲得量が増加)”をとにかく活用する感じですね。あとは踊子の“摩訶不思議の踊り”でも、まれに経験値が増える効果が得られるので、余裕があればボス戦でアグネアが踊ってました。
ophion:聞いてて思ったのですが、オーシュットをメインに使うといろいろな魔物を捕獲したいから昼夜問わず戦いたくなるんですよ。しかも、そのフィールドにほかの敵がいるかもしれないので経験値を考えずに同じフィールドをしばらくうろうろすることもあって。そういった遊び方をしたので、僕はプレイ時間のわりにレベルが上がっていないのかもしれません。
タダツグ:夜のほうがエンカウント率も高いし、経験値効率は結構違ってくるからね。ちなみに、メンバー的にメインアタッカーはオーシュット?
ophion:そうですね。オーシュットは強い敵を捕獲できると、“けしかける”でその時点では破格のダメージを与えられるんですよ。だからストーリーを進める間はメインアタッカーとして使っていたのですが……。ラスボスまで来ちゃうとそういったレベルを無視できるアドバンテージが消えてるなと今思いました(笑)。
タダツグ:“けしかける”は便利だけど、MPを消費しないこともあって、ダメージソースとしてはあまり考えてなかったなあ。個人的にはヒカリの“覚えた技”や、商人のバトルアビリティ“傭兵よび”のほうに軍配が上がる気がする。
そみん:まあ、リーフがかかる“傭兵よび”はさておき。“覚えた技”で消費するMPはアイテムでわりと気軽に回復できますからね。
タダツグ:ちなみに僕のパーティでは、アタッカーはほぼヒカリ1人で担っていて。ほかのメンバーは彼の活躍をお膳立てするサポートに徹していましたね。盗賊が物理防御を下げる“フクロウ”を敵にかけて、踊子は“獅子の舞”でヒカリの物理攻撃力を増加させる。そうしてお膳立てしたところで敵をブレイクし、ヒカリは底力や剣士の奥義である“雷剣将ブランドの剛剣”で大ダメージを与える感じです。商人が“BPパサー”でヒカリのBPを回復させれば、1ブレイクでブランドの剛剣を2発ぶち込んで10万ダメージ、うまくいけば14万ダメージくらい出せますよ。
ことめぐ:参考にさせていただきます。
そみん:うちはオズバルドがメインアタッカーですが、先ほども言ったとおり、実質アタッカーが3人いるくらいのゴリ押し編成が中心でした。ヒカリは底力がたまったら奥義でダメージを与えつつ、その他のときは回復役として立ち回っていましたね。
タダツグ:ヒカリが回復? ああ、アイテムを使って回復ってことですか。
そみん:いえ。うちのヒカリは神官ですから。
タダツグ:え!? ヒカリが神官? そんなまさか……いや、マジで言ってます!?
そみん:マジで言ってますね。
タダツグ:やっぱりこのゲームはおもしろいな! たった数人しかいないこの座談会でも戦略論がここまで違う!! ちょっと興奮してきちゃいましたよ(笑)。
ことめぐ:それだけ戦い方に幅があるってことですから、やっぱり『オクトラII』はすごいなと思いました。
タダツグ:ophionの戦い方も聞いてみたい。
ophion:先ほどチラリと話しましたが、ボス戦だと2~3ターンに一度誰かが倒れるので、HPを増やしたキャスティが“治癒術”などでフォローに回っています。戦略としては基本は耐久ですね。じっくり時間をかけてシールドポイントを削りますし、ブレイクしたターンも誰かが倒れていることがままあるので、オーシュット以外は攻め手に回らないくらいのイメージで。
タダツグ:ブレイクは大ダメージを与えるチャンスであり、パーティを立て直す機会でもあるから、その考え方は正しい。僕がアタッカーを一人に絞っているのも、そこらへんに理由があるんだよね。ヒカリ以外は回復や次のブレイクに向けての準備を整えるターンって考え方。
ことめぐ:その点、そみんさんはトリプルアタッカーでフルブースト攻撃を仕掛けたりするんですか?
そみん:そうですね。ディフェンスのことはほぼ考えず、オフェンス一辺倒です。
ことめぐ:ゴリゴリですね(笑)。
タダツグ:いやあ、戦い方ひとつとっても全然違いますね。ophionは常にジリ貧で戦ってるって言うけど、それでもラスボスまでたどり着けているんだからスゴい。改めて『オクトラII』の戦い方の幅の広さを感じたなあ……。そういえば、『オクトラII』はボスの弱点がロックされることと、ターンが経過するとボスの取り巻きが復活することが多かったのは印象的。
ことめぐ:そんなバランスなんですか? 前作に弱点をロックするボスはいましたが、数えるほどでしたよね。
ophion:あのギミックは前作ではそんなにメジャーじゃなかったんですね。前作未経験なので「『オクトラ』シリーズのボスは弱点をロックするもの」って思ってました。
タダツグ:『大陸の覇者』でも弱点ロックはわりと見かけるけど、今回で『オクトラ』シリーズのスタンダードになったイメージはあるかも。あえてシリーズ初体験のophionに聞きたいんだけど、バトルの難易度はどう感じてる?
ophion:BPのやりくりが悩ましかったですね。攻撃の手数を増やせばブレイクするためのリソースにもなり、ブレイク時に使えば強力なダメージソースにもなる。そして、どちらに使ったかによってその後の数ターンどころかバトルの勝敗にも影響しますよね。そこにゴリ押しの効かないシステムが加わって、難易度の低いゲームではないという印象です。手ごたえありますよ。
タダツグ:なるほど。手ごたえがあるというのは僕も同意。ただ、前作や『大陸の覇者』を遊んでいる身としては、ラスボス自体の難易度はそこまで高くない気もしてて。というのも、ラスボスを初見プレイで倒せるとは思ってなかったんだよね。前作最強の隠しラスボスは何度も全滅しては、また中ボスたちとの連戦からやり直すって流れを繰り返したりしたもんで……。
ことめぐ:前作は下地がなかったぶんゲーム性そのものが手探りでしたし、そういう意味で高難易度に感じた部分もあるのでは?
タダツグ:それは間違いなくありますね。そういう意味では、ベースとなるバトルシステムは前作も『大陸の覇者』も同じといえるから、この『オクトラII』でシリーズデビューした人はこの2作品も遊んでほしいなあ。どっちも間違いなく名作だもんね。
ことめぐ:そうですね。あと『オクトラII』は“底力”の追加も難易度に大きく影響していると思いました。前作は状況を一気に変える手段がBPだけでしたけれど、底力とBPのどちらを使うかやどちらも使うといった選択肢が増えているので、遊びやすくなっていると感じます。
タダツグ:底力がかなりの高頻度で使えるのがありがたいよね。ただ、遊びやすくなったとはいってもラスボスとのバトルにはめちゃくちゃ時間がかかったりしたし。なんなら、もっと強い敵だっているかもしれない。まだ、世界のすべての謎を解いた感覚はないからね……。
ことめぐ:エンディングを見た後もプレイを続けているとおっしゃっていたのは、そういう理由が?
タダツグ:うん。まだまだしゃぶりつくせてないのは間違いない。
ophion:ゴリ押しがきかないゲームなので、戦闘での体験が濃くて意外と時間たってますよね。
そみん:ボスにもいくつかの状態異常が効く点も、戦術の幅を広げていますね。
タダツグ:“ボスだから状態異常は効きません”みたいにプレイヤーの選択肢を狭めていないのは『オクトラ』シリーズのいいところですよね。ちなみに僕は攻撃時に暗闇や毒を付与する武器を多用していた時期があるんですが。ボスが威勢のいいセリフを言うとき、なまじ暗闇状態だから目元がずっともくもくしていたりして、ちょっとおもしろかったんですよね(笑)。「偉そうなこと言ってるけどお前、こっち見えてないじゃん?」って。
一同:(笑)
『オクトラII』は前作を遊んでいなくても楽しめる?
タダツグ:実は『オクトラII』を遊ぶ前は、どれだけおもしろくても思い出補正の入った前作を超えることはないかもな……って気持ちはあったんですよ。思い出は美化されるものですからね。
ことめぐ:ただ、実際に遊んでみたら……?
タダツグ:思っていた以上におもしろくて、個人的には前作の衝撃を超えている気がしますね。予想がいい意味で裏切られたことに、正直驚きました。
ことめぐ:シリーズファンは間違いなく買いですよね。ソシャゲでガチャを20回ほど我慢すれば手に入っちゃいますし(笑)。
ophion:『II』ってタイトルに付いていると、どうしても「前作を遊ばずに楽しめるのか?」って不安に思う人が出てくる気がしますので、そこをどう払拭していけるかは大事かもしれませんね。
タダツグ:前作を遊ばずに『オクトラII』からデビューした張本人がいうと説得力あるな……。で、実際遊んでみてどう思った?
ophion:『オクトラII』単体で、文句なしにおもしろいと思います。8人ぶんのストーリーであったり、手ごたえのあるバトルであったりと、いろいろな要素はありますが、どれも前作プレイヤーに向けたゲームという印象はありませんね。
タダツグ:前作未プレイのophionがしっかりハマっているのは、話しているだけで伝わってくるよ。なんかこっちまでうれしくなるね(笑)。
ophion:ここでみなさんのお話を聞いていると、前作も気になってきてますね。本作単体で100%楽しめるけれども、前作の8人と比較したり世界観を考察したりするといった+αも含めた120%を楽しめるのは前作プレイヤーだけの特権だと思います。
タダツグ:前作を遊んだほうがより楽しめる要素があるのは確か。でも、本作スタートでも問題ないよね。逆に引っ掛かるところはある?
ophion:長所であり特徴でもある部分なんですけど、バトルの1戦で考えることが多かったり、ミニマップがあえて不親切になっていたりして、遊びの密度が濃いところですね。ライトなゲームに慣れていると少し面食らうかもしれません。
タダツグ:正直共感できちゃうね。密度が濃いってゲーマーからすると喜ばしいところだけど、時間がないときは手を付けづらくなっちゃう諸刃の剣だとも思ってるから。町のなかだけでも詳細なミニマップが欲しいなとか、僕ですら思うことはあるもんね。
ことめぐ:私やタダツグさんの場合は『大陸の覇者』のUIに慣れているから、そう感じてしまう側面はあるかも……。
タダツグ:たしかに。『大陸の覇者』では、町中で目的の施設をタップすると自動でその施設に向かってくれるから、そういった便利さに慣れてしまっている側面はありますね。コンシューマとスマホアプリでは、そりゃUIが違うのは当たり前なのにね。
そみん:ただ、本当に遊び続けたいと思える感覚とそれにこたえてくれるボリュームはすごいと思いますよ。ミニマップはアイコンを見ると、そのマップにどんな施設があるかがわかるので、それを参考に進むのが大事ですね。あと、世界地図で道が途切れていたら、そこにダンジョンがあるなど、あえて伏せている部分はありつつもヒントはちりばめられています。
ophion:個人的な感想ですが、逆に『ロマンシング・サガ』や『ライブアライブ』といったRPGを楽しんだ人に、とくに刺さるタイトルだと思います。
タダツグ:BGMも粒ぞろいできっと聞けばお気に入りになる曲もあるはず。敵の強さによって音楽が変わるとか、BGMがキャラクターや物語の飾りにとどまっていないのは個人的にいいなって思うんだよね。
そみん:気の早い話ですが、エンディングを見たらもう一度オープニングやタイトル画面をじっくり見てほしいですね。プレイを始める前は“これから旅をする場所”だった光景が“思い出が詰まった旅路”に映るというのは、なかなかに素晴らしい体験でした。
タダツグ:個人的には、早くも今年一番好きなゲームができたかもしれないといえるタイトル。ぜひ、1人でも多くの人に遊んでほしいです。
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