『ライザのアトリエ3』先行レビュー。幅を広げる新要素“鍵”によってバトル、調合、探索の全てが圧巻のボリュームに
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- 電撃オンライン
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PS5/PS4/Nintendo Switch/PC(Steam)用ソフト『ライザのアトリエ3 ~終わりの錬金術士と秘密の鍵~』が、3月23日(Steam版は3月24日)に発売されます。
今回は本作の先行プレイレビューをお届けします。
少年少女と錬金術の物語は完結へ
本作は『ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~』『ライザのアトリエ2 ~失われた伝承と秘密の妖精~』に続く「秘密」シリーズ3作目。今回で長く描かれ続けてきたライザたちの冒険は完結を迎えます。そういった意味でも本作を語る上でストーリーは欠かせない要素です。
『ライザのアトリエ』は“少年と少女のひと夏の冒険”を描いており、少しずつライザとその仲間たちの成長が描かれてきました。本作ではライザたちの物語が完結を迎えるので、各々のキャラクターの未来への道がはっきりと描かれる成長物語の集大成の内容となっています。
ライザは相変わらずのお調子者な感じが抜けていないのですが、決断が必要な場面では強い意志で進む道を決める大人な様子を見せることもありました。他のキャラクターも、昔と比べると素直になったり、落ち着いていたり、どこか大人に近づいている印象です。
特に、これまで些細な行き違いでライザたちと対立していたボオスにその変化が大きく見られます。本作でついにライザたちの仲間となった彼ですが、真面目で頼れる大人の男性へと成長しました。
今回のストーリーは、キャラクターたちの成長だけでなく“錬金術の根源”に迫る物語でもあります。錬金術を大きく増幅する“鍵”や、謎の声が示す“万象の大典”の正体など、錬金術士としてのライザの物語にも注目です。
広大なフィールドを冒険
最初はライザの故郷であるクーケン島周辺でストーリーが展開されますが、物語を進めるとクーケン島周辺を含めた4つの地方に行けるようになります。
各地方にはそれぞれ特色があり、序盤に訪れることになるクレリア地方では、魔石とガラスによる工芸が盛んです。ライザは錬金術のために2つの工芸を学ぼうとします。
工芸が盛んな影響でクーケン島よりも街中にはショップの数が多かったり、発展している影響か街も大きかったりと、地方が変わることで冒険にも大きな変化があります。
地方が変わるとフィールドや街並みの雰囲気がガラリと変わるので、プレイをしている最中はまるで初めての地に旅行に行ったかのようなワクワクを感じながら移動を楽しめました。ゲーム中は朝昼夜の概念があり、経過時間によって夕焼けや夜景に景色が変わることもあります。
各地方は複数のマップがシームレスにつながったフィールドになっており、広大な土地をロードを挟まずに動き回ることが可能です。
フィールドは細かい部分まで作り込まれており、寄り道的な要素も満載。ストーリーを進めるために先に進み続けるのも良いですが、くまなく探索をして調合用の素材を集めたり、ランダムに発生するクエストに挑戦したりする楽しみ方もあります。
“鍵”を使用することで開けられる特殊な宝箱もあり、一度探索をし終えた場所でも再度訪れることで新たな発見をすることもあります。訪れたタイミングによって違った景色が味わえる、遊び応え十分なフィールドが広がっています。
一周回って広すぎるとも言えるフィールドですが、各地には発見することでファストトラベルを行えるようになるランドマークが多く点在しており、一度訪れた場所であれば簡単に移動が可能です。
他にも、移動がスムーズに行えるジップラインもあるほか、敵との戦闘はシンボルエンカウントで回避して進めるので、移動時にストレスを感じることは全くありませんでした。
“鍵”がゲームの幅をさらに広げる
本作では“鍵”という新要素が多くの場面に影響を与えます。主に使用できるのは、バトル、調合、フィールドの3つの場面です。
バトルでは特殊なバフをキャラクターに与えて、通常時の5連続攻撃という通常攻撃の制限を無視した連続攻撃や、他にもステータスアップなどのバフを獲得できます。
そしてバトル中には敵から新しい“鍵”を生成可能。生成できる“鍵”の種類は戦闘中の相手によって異なり、レアリティとモチーフで分類されています。”鍵”生成はライザだけでなく全てのキャラクターが可能で、生成した“鍵”は、鍵束にセットしておけばキャラクター全員が使用できます。
調合での“鍵”は、作成したアイテムの性能をさらに高める効果を発揮します。フィールドでは通常では開けられない宝箱からアイテムを獲得できたり、素道を阻んでいる結界を解放できたりします。バトル、調合、探索はゲームを構成する大きな要素。これらが“鍵”の登場でより奥深くなり、プレイヤーの選択肢とゲーム性がさらに広がった印象です。
豊富なキャラクターたちによる爽快バトル
本作のプレイアブルキャラクターは全部で11人。戦闘に参加するのは前衛3人と後衛の2人なので、この中から好きな5人を選ぶことになります。基本的には前衛の3人が戦い、交代する際に後衛の2名が戦場に登場する形です。
それぞれに物理や魔法攻撃といった得意分野や、ステータスの差による得意な戦法があるため、シチュエーションに応じてパーティ編成を切り替えることで戦闘を優位に運べます。
戦闘中は美麗なアクション演出が満載なので、筆者は戦略性を度外視で「このキャラクターの姿を見たい!」と自分の好み優先で選んでしまいました。
戦闘システムはじっくりというよりは、直感的に操作を連続して行うスピード重視のリアルタイムタクティクスバトル。立て続けに攻撃してコンボを繋げる瞬間は爽快感抜群です。
気持ち良さに拍車をかけているのは、共に戦う仲間との連携です。仲間からのオーダーに応えて特定の攻撃をすると仲間が追撃してくれたり、控えの仲間とスイッチして連撃を仕掛けたり、連携することでスピード感とカッコよさをさらに堪能できます。
戦闘の難度はそこまで高くは設定されておらず、錬金術で統合した最低限の装備とアイテムの用意、最低限のレベルアップを行っておけば、ストーリーの途中で躓くことはありません。“鍵”による強力なバフの影響も大きく、プレイした範囲では途中でかなり苦戦するという展開にはなりにくい印象でした。
前述の戦いやすさや爽快感の影響で、道中の敵と戦う際は面倒な気持ちよりも「また気持ち良さを味わえるぞ」という期待感の方が強く感じられました。むしろ、自分から積極的に戦闘をしていたくらいで、バトルそのものに爽快感を与えることで探索中に行うバトルを楽しみの1つとして昇華させています。
調合はわかりやすさと奥深さを両立
調合システムは従来のシステムを踏襲しつつ、アイテムの性能を高められる“鍵”とリンクコール、超特性という新要素が登場しています。
“鍵”は一定回数使用するとなくなる使い切りアイテムですがその効果は絶大なので、装備品や戦闘アイテムなど性能を重視したいアイテムで積極的に使用したいです。
リンクコールは、調合時に使う材料が条件を満たすことで、今までなかったアイテムの効果の変更ができるようになります。また、鍵を使用すると調合アイテムのレピシレベルを上げられることがあり、品質上昇や生成個数の増加など、さ、あざ、あま恩恵を受けられます。超特性は、1度だけではあるものの、材料から引き継ぐことでアイテムを大幅に強化してくれます。
調合はお馴染みの簡単にできるおまかせ材料投入から、自分で1つ1つ投入する材料を決める手動の調合があります。
とにかく量を作りたいときはおまかせ材料投入がオススメですが、おまかせでも品質の高低は指定できるので「量産したいけど品質もある程度欲しい」という場合も対応できるのが嬉しいところです。
筆者は『アトリエシリーズ』に最近入った新参者ですが、おまかせ材料投入やUIの見やすさなどで本作の調合はよりわかりやすく作られている印象です。同じように調合に慣れていない方でも悩まずに活用できます。
同時に材料を吟味したり、“鍵”や超特性を駆使してより良いアイテムを作成したり、プレイヤーの手によって成果がかわる奥深さもしっかりと感じました。新規プレイヤー、既存ファンの両方が楽しめる調合システムでしょう。
集大成に相応しいボリュームと内容
先行プレイで触れたのは本作の前半部分ですが、それでも圧倒的なゲームボリュームを本作から感じました。その要因は、パーティメンバーの増加や“鍵”システムの導入など、コンテンツ1つ1つが集大成に相応しい作り込みになっているからでしょう。バトル、調合、探索のどこを触れても「こんな機能まであるのか!」と感じました。
ボリュームはありつつも、本筋のメインストーリーから枝分かれする形でいろいろなコンテンツが用意されているので、プレイスタイルによっては先にストーリーを優先して進めることも可能。フィールド移動やエンカウントシステムなどプレイしやすさも重視されており、ボリュームを増やしただけではない部分も好感が持てます。
気になるストーリーの展開について先行レビューでは深くは触れられませんが、ライザと錬金術の物語を主軸にキャラクターたちの成長を描いており、2つのテーマを1つの物語に上手くまとめています。バラバラの物語が複数あるのではなく、ライザと仲間たち、そして錬金術全てがストーリーに絡んでおり、先行プレイ段階でのストーリーの読み応えは十分すぎるほどでした。
まだまだ筆者も全てプレイしきれているわけではないので、もっとじっくりとプレイできる発売日が待ち遠しい限りです。間違いなくみなさんの期待に応える作品となっていると思いますので、ぜひご期待ください。
※掲載している画面写真は一部開発中のものも含んでいます。
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