レビュー:『タワーオブスカイ』神ゲー宣言。ハードル上げすぎかもだけど、誰でも遊べる積み木+アクションのハラハラ+RPGの奥深さで…神ってる

電撃オンライン
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 MIXIは、『モンスト(モンスターストライク)』シリーズの新作アプリ『タワーオブスカイ(以下、タワスカ)』のメディア向け先行体験会を行いました。

 本作は、『モンスト』シリーズで知られるmixiが制作する、積み上げタワーパズル。ブロックの積み方を判定する独自の“トリック”システムを搭載しており、プレイヤーがブロックをより高く、より多く、よりキレイに積む楽しさを味わえます。

 先行体験会では、『タワスカ』プロデューサーである寺田康太さんが、公開されていたゲーム情報を詳細に解説するとともに、実機プレイを交えて作品を紹介。参加したメディアが、開発中の端末を使用してプレイしました。

 本記事では、先行体験会で実際にプレイした感想を交えたレビューをお届けします。なお、先行体験会の様子やゲームの概要は、別の記事で紹介しています。

 ブロックを積んで塔を作って遊ぶゲーム……単純ですぐに飽きそう。そう思うじゃろ? 実は逆なんです。クセになるんです!

キモはトリック。物理法則を考えた積み方を考える

 さて、タワー積み上げパズルということで、とりあえず適当に積んでみることに。ルールはある意味簡単で、端的に言えば、積み木。『テトリス』や『ぷよぷよ』といった落ちゲーの逆バージョンと言いますか、ブロックを重ねて積み上げていく感じです。

 あれ、そう聞くとむしろ簡単そうじゃね? と、落ちゲーですぐブロックを積み上げてゲームオーバーになったことがある筆者は、謎の自信に満ち溢れることに。

 なんて、しばらく積んでみると……あれ? 普通のパズルのように落としたブロックがピタっと勝手にくっつくわけでなく、わずかな隙間が連続してがたがたになったり、わずかなかたむきでブロックがずれ落ちたり……。ぐ、もどかしい!

 そんなこんなでブロックが足場の外に落ちてしまい、ダメージを受けることに……。

 というわけでファーストインプレッションは「簡単そうなのに意外と難しい」でした。これ、人のプレイを見ていると「オレならもっとうまくできそう! やらせて!」の流れで、実際にやってみると「むむむ」な感覚です。悔しい。でも、頭の中に正解のイメージがあって、「あと1回遊べば、絶対うまくいく」……はい、沼ゲーの典型的な第一歩ですね(苦笑)。

 今回はメディア向け先行体験会ということで電撃オンライン以外にもたくさんのゲームメディアの方々が参加して先行プレイをしていましたが、自分が見た感じ、最初からうまくプレイできる人は約3割くらいで、残る7割は微妙に苦戦していた印象。大きなモニタでプレイしているのを見たり、周りの声を聴いたりした印象ですが。

 でも、面白いことに、最初に苦戦しながら遊んでいる人のほうが夢中にプレイしているように見えましたし、遊べば遊ぶほど上達していくように見えました。おそらく、普段ガチでゲームを遊ばない人ほど、気軽なチャレンジ感覚で本作を遊ぶと、そのルールのシンプルさゆえにハマっちゃうんじゃないでしょうか。

 さておき、大事なポイントなのであらためて言いますが、ブロックの積み上げはシンプルながら、ちょっとクセがあるからこそ、最初はもどかしさを感じると思います。でも、何度か遊ぶと指と頭が慣れてきて、どんどん楽しくなっていきます。

 プレイスキルが大事なゲーム。プレイフィール(手触り)がよくて、似たようなことを繰り返しても商いゲーム。これ、神ゲーの条件の1つだと思いますが、『タワスカ』はかなり高いレベルでその絶妙さを実現できていると感じました。

 こうして基本操作に慣れてくると、多くの人はこう思うでしょう。

 「ん? 冒険せずに安全に安全にブロックを積み上げればいいなんて、つまんなくね?」と。

 これは、半分正解で半分間違い。

 そもそも本作はバトル要素があり、25・50・75・100mと、一定の高さまで塔を建てると敵を攻撃可能。

 逆に、あまり安全に時間をかけてプレイすると敵の攻撃を受けてしまいます。まあ、基本的にターン制=ブロックを落とすと1ターン経過して、3~4ターンごとに敵が攻撃してくるという、『モンスト』でもおなじみの感覚なので、そんなに焦る必要はありませんけど。

 むしろ、焦って適当に塔を積み上げるよりも、じっくりと土台を広げながら塔を積み上げていく堅調なプレイも大事ですし、そうやって遊ぶことも実はかなり楽しいです。
(といいつつ、開発スタッフの方に聞いたところ、現状のトッププレイヤーはハイリスクハイリターンで奇跡的なバランスと驚異的な速度で塔を高くしていくスタイルとのこと。うーん。ちょっと自分がマネをできる気はしませんでしたが。汗)

 なので、地味で堅実なプレイも超大事なんですね。でも、その一方で大事になってくるのが、トリッキーなスーパープレイを目指すほうがダメージ効率が上がること。

 ここ、大事です。堅実なプレイか、リスキーだけどハイリターンなプレイか、大きな選択が用意されており、毎回のプレイごとに状況が変わることもあるし、人それぞれのプレイスタイルに影響していくことにもなるわけですね。

 もうちょっと具体的に説明をすると、特殊な条件(トリック)を満たすとトリックポイントがたまっていきます。このトリックポイントは25・50・75・100mなどで通常攻撃を行う際に、追加ダメージとして反映されます。

 あえて極論ですが、例えば100m到達時に通常ダメージ100+追加のトリックポイントダメージが0の場合もあれば、通常ダメージ100+追加のトリックポイントダメージが1000なんてこともありうるわけですね。

 普通に考えると、トリックポイントをためたほうがよいに決まってますよね? でも……そこが罠でもあり、かけひきでもあるわけです。

 主なトリックはこんな感じ。

・ローリング:落としたブロックが90度とか180度とか360度とか回転すると獲得。例えば、長い棒をタテに落とすとゆらっと倒れていくので角度が付く感覚。

・フィット:ブロックとブロックがぴったりとかさなると獲得。簡単そうに見えて、ブロックを水平に置くこと自体がかなり難しいので、なかなか大変。

・ロー:あえて土台の下のほうにブロックを置くと獲得。簡単そうだが、このゲームのブロックは一度置いても固定化されないので、ヘタに下のほうにブロックを置くと、その影響で上に積み上げた数十メートルぶんのブロックが崩れ落ちてしまうことも。……まあ、上のほうに置いたブロックが崩れて、下のほうまで巻き込んで塔が大崩壊して呆然することもありますが!

 ちなみに100mごとに足場が固定化され、少し安全になるほか、ゲージがたまるとサポートとして、「絶対に崩れない足場になる紫色のブロック」を使えるのもポイント。

 サポートの紫ブロックは本当に便利で、周りのブロックが無情に崩れていっても、サポートブロックは空中に残り続けるほど頼りになります。絵的にシュールだけどw
※それだけ便利な分、間違って下に落としてしまったときの精神的ダメージもでかいです。単純にプレイミスのこともありますが、強風などのギミックもあるので、それらの影響で失敗することもあるんですよね……。

 また、もうひとつプレイというか主にバトル時に大事になってくるのが、キャラクターの能力やスキルです。“スキル”は、キャラクターごとに設定された、任意で発動できる能力。敵に直接攻撃できるもの、敵からの被ダメージを抑えるものなど、こちらもさまざまです。

 トリックをこなしてトリックポイントをため、ラインを超えてタワーを積み上げて攻撃。チャンスがあればスキルを発動。敵によっては、こちらのブロックをずらしてくる敵もいて、なかなか一筋縄ではいきません。

 数回チャレンジして積み上げに慣れていくうちに、“ローリング”のコツをつかみ、ブロックを落とすのが楽しくなってきます。

 足場を横に広げて、積み上げられるスペースを広げて、“ローリング”の自由度を上げる。タワーが高くなってきたら、“ロー”をしてトリックポイントを貯めるなど、数回遊ぶだけでも次々と遊びが増えていくのが心地いい。パズルゲームと言えども、単純な作業にならずに遊べる作品だと感じました。

 ボス戦は特に顕著ですが、このゲームは積み木的なパズルゲームでありながら、どこにブロックを落とすかを指先で調整するアクションゲームでもあるんですよね。そして、スキルやパーティ属性を考えるRPGとしての楽しみもちゃんとある。

 単なる積み木ゲームかと思いきや、アクションやRPGの楽しさも絶妙に盛り込まれています。

 神ゲーという言葉を使うのはハードルを上げてしまうかもしれませんが、でも、あえて使います。『タワスカ』は神ゲーだと。

 もちろん、人によって感じ方はさまざまでしょうが、とにかくブロックを積んでいくという、いい意味でのルーチン的なプレイが本当に気持ちよい、アクションパズルとしてよくできているゲームであることは間違いありません。

 筆者自身もそうでしたが、「ブロックを積むだけなんて、つまんないんじゃない?」とネガティブなイメージから遊び始めても、「あれ? これって、思ったより楽しいんじゃ?」と感じたら、素直にその直感に従ってプレイを重ねてみてほしいです。
 単純ですぐに飽きそう。そう思うかもしれませんが、逆なんです。単純だからこそ、いつまでも延々と遊び続けてしまう沼ゲーなんです。
(もちろん、単にシンプルなだけでなく、操作性やギミック、バランスが絶妙だからこそ実現できていることですが)

サポートの使い方が重要か

 先ほど軽く触れましたが、物理法則を無視してタワーを積み上げられる“サポート”システム。ブロックを紫色に変化させ、転がっていかないブロックを作れる要素です。このサポートの使い道が、すごく重要になってきます。

  • ▲画像は発表会のもの。

 タワーを積んでいくと、サポートゲージが溜まっていきます。サポートゲージを使えば、操作するブロックが紫色になり、タワーにくっついて転がっていかないブロックを生み出せます。

 転がっていかないということは、例えばブロックの端っこをバランスの悪いタワーの部分にくっつければ、強固な足場になってくれます。また、高くなったタワーの先端にくっつければ、タワーを安全に高くさせられます。

 ちなみに、100mまで積み重ねると、積まれたタワーがすべて紫色になり、すべてサポートを使ったブロックのようになります。100m手前で“ロー”を駆使して、タワーの足場を作ってから100mを突破するといったように、プレイヤーの工夫を楽しめました。

 サポートの使い方は、1人用のタワーはもちろん、オンライン対戦でも重要なポイントです。遊んだプレイヤーが、どんな使い方をするのか興味深いですね。

キャラクターの編成にワクワクが止まらない

 ゲームプレイ中、キャラクターの編成画面もチェックしました。

 キャラクターごとに設定されたスキル・アビリティは、どれも気になるものばかり。“黄属性の攻撃力アップ”というシンプルなものから、“タワーの高さが○○以上で攻撃力アップ”という強力だが条件付きなものなど、アビリティを見ているだけでもどんどん時間が過ぎていくのを感じました。

 最大6体まで編成できるため、全員が属性を合わせる統一パーティのような編成すれば、条件にかかわらず高い火力を期待できます。また、タワーの高さが条件となるパーティを組めば、序盤こそ非力なものの、タワーを高くした後に一気に強くなる、上級者向けの遊び方も可能になります。

 キャラクターを眺めるだけでも、さまざまな戦略を考えられるのが、本作の奥深さを垣間見れます。

 キャラクターの育成には、スキルツリーや装備の要素も存在。ステージに挑戦して素材を集めればスキルツリーを解放でき、ステージクリア時には装備を入手できます。装備を集める、いわゆるハクスラ要素も、飽きない設計となっています。

 ちなみに開発スタッフの方に聞いたところ、属性の概念はかなり大事で、相性がわるい高レアキャラを使うより、相性がよい低レアキャラのほうが活躍できるくらいのバランスとのこと。属性相性は与ダメージだけでなく被ダメージにも影響するので、強敵攻略の際は属性選びが大事になるわけですね。

実際に対戦もしてみた!

 本作には、オンライン対戦も実装されており、本体験会で実際に遊ぶことができました。

 電撃オンライン編集部同士で対戦しましたが、一番盛り上がったのは、お互いに妨害を出した時。1人プレイの時は、“○○mを超えると攻撃”というラインがありましたが、それに対し、オンライン対戦では、“○○mを超えると攻撃&相手に妨害”になります。

 妨害とは、1人プレイで言うところのギミックのこと。例えば横から風が吹き、ブロックの落下位置がずれてしまう“強風”であったり、タワーが見えなくなってしまう“霧”であったりとさまざまです。

 対戦相手に効果的な妨害ができた時は気持ちがいいですが、逆に相手から妨害された時は困惑を隠せません。これが、バトルが白熱する大きな理由です。

 加えて、タワーが崩れてブロックを落としてしまうと、自分にダメージが入ってしまいます。対戦中は対戦相手のタワーも見られるのですが、お互いに妨害に困ってミスし続けるのを見ていて、つい笑ってしまいました。ぶっちゃけ、後半戦は自爆で決着がつくこと(苦笑)。
(後半は塔が高くなる分、大崩壊するリスクもあるんですよ……。そこもまた、かけひき!)

 1人プレイはギミックの突破に頭を抱え、オンライン対戦では妨害に悩ませられる。単純なパズルではなく、ドキドキ感を楽しめる、本当にいいゲームだと感じました。

 配信されたら、個人的にプレイしたいところ。気になっているプレイヤーも、ぜひ遊んで『タワスカ』の世界を体験してみてください。まだゲームの基本フレームを遊んだだけではありますが、それでもベースとなる仕組みだけでも神ゲー・沼ゲーとしておすすめできるクオリティとなっていました。

 ぶっちゃけ、『モンスト』シリーズではありますが、『モンスト』とは別のゲーム性(人と一緒に遊ぶ楽しさは共通してますが)ですし、『モンスト』を知らなくても楽しめます。

 『モンスト』でおなじみのモンスターが登場したり、そういったモンスターが活躍するイベントも展開したりするので、そういう意味では『モンスト』シリーズファンはニヤリとできる部分はありますけど、マストではありません。

 むしろ、世界観やストーリー、登場人物は『タワスカ』オリジナルであり、新作ゲームとして楽しめるものになっているので、1人用ゲームとしても楽しめそうです。このあたりは先行体験会では確認できませんが、かわいい女の子キャラが多く、イベントスチルも用意されているので、正式版で遊べる2月25日が待ち遠しいです!

 ちょっとホメすぎかもしれませんが、ありそうでなかった新しいゲームシステムとなっており、電撃オンライン的にはそのチャレンジ精神も含めてホレました。ちょっとひいき目が入ってしまっているかもしれませんが、神ゲーという言葉にウソはないと自信をもっておすすめするので、配信されたらぜひ一度、気軽な感覚で遊んでみてください!

©MIXI

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