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『FF16』最速プレイレポート! アクションRPGとしての『FF』最新作の手触りを3つの視点で語る

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 2023年6月22日(木)に発売が予定されている、スクウェア・エニックスの人気RPGシリーズ最新作『ファイナルファンタジーXVI』(以下、『FF16』)。そのメディアツアーが去る1月30日~31日に開催され、メディア向けにはじめて試遊プレイが解禁されました。

 この記事では、その試遊版をプレイした3人のプレイレポートをお届け。なお、今回の試遊バージョンは主に『FF16』のバトルアクションにフォーカスを当てたものになっているため、必然的にアクションに関する言及が多くなっていますが、ぜひそれぞれのプレイインプレッションから『FF16』の“手触り”を感じてください。

 なお、同時に公開している以下の解説記事、インタビュー記事、動画をチェックすると、よりシステムやコンセプトについて理解度がアップするはず。ぜひあわせて一読&視聴を!

■試遊によってわかった『FF16』のゲーム概要解説はこちら
■メディアツアーでの開発者インタビューはこちら
■今回の試遊バージョンのアクション解説動画はこちら
【4K】『ファイナルファンタジーXVI』基本アクション解説【FF16】

■今回の試遊バージョンの音声解説動画はこちら
『ファイナルファンタジーXVI』のアクション、イベントシーンを一挙公開! メディアツアーでプレイした3人が徹底トーク【FF16】

※本記事を読む際の注意点
・今回プレイしたバージョンはメディア体験用の特別版であり、リリース時のものとは異なる場合があります。
・本記事に掲載している画面はメディア体験用の特別版であり、リリース時のものとは異なる場合があります。

【レポート①】予想していた3倍……いや5倍はおもしろい!

■ライター:スズタク

■『FF』シリーズ歴:『FF』シリーズは『FFI』~『FFX』、『FFXIII』系列をクリア済み。一番好きな作品は『FFVI』。近年、『FFXIV(以下、FF14)』への興味がにわかに高まっている。時間が欲しい!

 ついに初の実機プレイを体験できた『FF16』。あの世界的人気作『FF14』の制作チームが手掛けていると聞いて、タイトル発表時から自分のなかで妙な信頼感というか基準が生まれていたんですよね。「『FF16』はきっとこれくらいおもしろいはずだ!」という漠然としたイメージといいますか。

 そんな自分勝手な理想像は、実際にプレイしてみて見事に打ち砕かれました。もちろん、いい意味で! アクションもグラフィックも想像していたクオリティをはるかに飛び越えており、メディアツアー中はずっと興奮しっぱなしだったのを覚えています。

 前置きが長くなりましたが、そんな今回のメディアツアー試遊では、大きく3つのパートをプレイできました。

①チュートリアル:ロザリア公国の訓練場らしき場所で、騎士相手に操作方法をひととおり学べます。チュートリアルだけは少年期のクライヴを操作でき、プレイ中に弟のジョシュア君からエールが飛んでくることも。

②ダンジョン探索、ボス戦:“風の塔”と呼ばれるダンジョンを、シド(シドルファス・テラモーン)とトルガルと一緒に探索するパート。途中にはモンスターのスパルナ&チラーダと対峙する中ボス戦、最後にはベネディクタとのボス戦が待っていました。

③ガルーダ戦、召喚獣合戦:3つ目のパートでは、ガルーダにクライヴで挑むボス戦と、イフリート対ガルーダの召喚獣合戦を体験。バトルだけでなくカットシーンも豊富に見ることができ、目が離せない展開が盛りだくさんでした!

 まず全般の感想として、ハイスピードで繰り広げられるアクションと美麗なグラフィックのカットシーンが絶え間なく流れ込んでくる様は、まさにエンターテインメントの洪水。プロデューサーの吉田直樹さんが本作を“ジェットコースターのようなゲーム体験”とプレゼンしていましたが、プレイしてみるとその意味がよくわかりました。

 アクション面だけでなくグラフィックの出来も素晴らしく、自分はチュートリアルに登場した兵士の鎖かたびらの作り込みを目にした時点で引き込まれましたね。この間、プレイを始めてわずか1分です。

 カットシーンで見られるベネディクタの表情の移り変わりもリアルで、彼女の憤怒の感情が画面越しでもよく伝わってきました。キャラクター1人ひとりの造形にもこだわっているのが感じられ、ストーリーへの興味も大いにかき立てられます。

  • ▲今回の試遊で個人的にお気に入りだったシーン。シドとの会話で見せる、ベネディクタの表情の変化が生々しい!

 アクションの魅力については後述しますが、今回の試遊の第一印象としては「こういうのが遊びたかったんだよ!」のひと言に尽きます。プレイ前に予想していた内容の3倍……いや5倍はおもしろく、試遊を終えたときは自分でも気持ちの整理がつかないほどに(笑)。

 なお本作はPS5の性能を最大限生かしたゲームゆえ、プレイする際はモニターも優れたものを用意したいというのが正直なところです。単純に、この規模の作品を小さいモニターに収めて遊ぶのはあまりにもったいない!

爽快感と奥深さを両立した千変万化のアクション

 本格的なアクションバトルで展開していく本作。すごくざっくり説明すると、□ボタンで剣による近距離攻撃、△ボタンで魔法による遠距離攻撃、R1ボタンで回避を使うことができ、通常攻撃としては主にこれらを繰り出しながら戦っていきます。詳しい操作方法やシステムについては、本記事と同時に掲載されているゲーム概要記事をチェックしてください。

 通常攻撃に加えて重要となるのが“召喚獣アビリティ”。R2+□またはR2+△ボタンを押すことで、セットしている召喚獣のアビリティを発動できます。試遊ではフェニックス、ガルーダ、タイタンの3種の召喚獣が使え、L2ボタンで召喚獣のセットを切り替えられました。なお、今回はメディアツアー用の特別版なので、召喚獣の所持状況も本来のシチュエーションとは異なっているとのこと。

 召喚獣アビリティは通常攻撃に比べて強力なのでガンガン使いたいですが、一度使用すると再使用にはアビリティごとにクールタイムが必要になります。これがもどかしく、かつおもしろいところで、どのタイミングで召喚獣アビリティを使い、クールタイムが終わるまではどの攻撃を使うかなどを考え出すと、より奥深い戦闘が味わえました。

 なおそこまで深く考えなくても、“バトルが始まったら各召喚獣のアビリティを2つずつ使っていく”というだけでも、十分派手で爽快なアクションを満喫できます。各召喚獣にセットできるアビリティは2つまでですが、召喚獣アビリティ自体は3つ以上習得できるので、いろいろと付け替えながら試すだけでも楽しめましたね。

 また、各召喚獣には○ボタンによる固有アクション“フィート”もあります。フェニックスなら瞬間移動による接近、ガルーダは敵の引き寄せ、タイタンはガードを繰り出せます。フィートはクールタイムがないので、状況に応じて何度も使用できるのが特徴です。

 召喚獣アビリティとフィートを合わせると、その時点でセットしている召喚獣のアクションだけで9つ使用でき、これに汎用アクションも加わるので技のレパートリーはものすごいことに! もちろん、すべての技を駆使する必要はまったくなく、プレイヤーの選択肢がひたすら豊富に用意されている印象です。最初は多彩なアクションの数に圧倒されて何から使えばいいのかわかりませんでしたが、操作に慣れてくるとコンボを考える楽しみが生まれてきました。

 例えば、フェニックスのフィート“フェニックスシフト”(敵に接近)→ガルーダのアビリティ“ウィケッドホイール”(打ち上げ)→空中で剣攻撃を数発→タイタンのアビリティ“激震”(叩きつけ)でフィニッシュ……といったように、千変万化のアクションのなかから自分でコンボを作っていくのがやみつきになります!

 自分はもともとアクション好きで、『FF16』はこれまで遊んできたアクションゲームと操作感が近いこともあって、たちまち虜にされました。ジャスト回避やジャストガード要素もあり、コアなアクションゲーマーも夢中になれる内容かと。

 次に本作の目玉のひとつである召喚獣合戦は、クライヴ操作のバトルとはうって変わって超スケールのダイナミックな戦闘に振り切っています。なお、このバトルはストーリー序盤の入門編であり、プレイヤーが操作するイフリートも暴走状態に近いとのこと。ですので、繰り出せるアクションの数も限られており、QTE的な演出も含めてイベントバトルに近い印象の召喚獣戦でしたね。

 ただ、巨大な召喚獣同士がぶつかり合う光景は、見ているだけでもインパクト絶大! BGMによる盛り上がりもあって、クライマックス感がハンパなかったです。ちなみに、試遊できたイフリート対ガルーダの戦い方や雰囲気は、あくまでこのバトル限定のもの。召喚獣合戦のすべてが、同様のノリで進行するわけではないようです。

アクション不慣れでも“サポートアクセサリ”でラクに戦える!!

 アクションRPGである本作には、装備品の付け替えによるカスタマイズ要素もあります。クライヴには武器、防具、アクセサリを装備させることができ、なかでも特別な効果を秘めた“サポートアクセサリ”は注目のアイテムです。

 全5種あるサポートアクセサリはアクションバトルを補助するもので、装備すると回避のタイミングで画面がスローになったり、□ボタン連打だけで勝手にコンボを繰り出して戦ってくれたりします。なかには回避を完全に自動で行うものもあり、アクションが苦手な人でも本作をスムーズに攻略できるでしょう。「『FF』でガチガチのアクションはちょっと……」と気後れしている人でも、まったく問題なく遊べると保証します!

 今回の試遊でも、これらのサポートアクセサリをひととおり試すことができましたが、《オートアタック》の指輪と《オートドッジ》の指輪を両方装備すると格段にバトルの難易度が下がりました。これまでアクションゲームを遊んだことがない人でも、ほぼ□ボタン連打でバトルに勝てるといっても過言ではありません。

 逆にアクションが得意な人にとってサポートアクセサリは不要かもしれませんが、トルガルのアクションを自動で行う《オートトルガル》の指輪は、アクション慣れしている人でもしばらくは装備推奨だと思います。操作をかなり極めないと、トルガルのコマンドまでとても指が回らない……。

 サポートアクセサリは“ストーリーフォーカスモード”を選ぶと最初から装備しているほか、選ばなかった場合でも所持した状態で開始するようです。装着にペナルティなどはないので、アクションが苦手な人も得意な人もまずはサポートアクセサリを試してみて、不要に感じたら外せばOKです。

 おもしろいゲームに出会ったときの時間の流れる早さは毎度驚くもので、数時間におよぶ今回の試遊もあっという間に過ぎてしまいました。まだまだ語りつくせないほど魅力にあふれる『FF16』ですが、少なくともPS5のパワーをいかんなく発揮し、シリーズファンも初心者も満足できるゲームだというのは間違いないです。

 そしてそのように太鼓判を押せる本作が、あと4カ月後には遊べてしまうという事実にも震えます。発売までの4カ月、まだPS5を持っていない人は、ぜひ購入して準備を万全にしてください!

【レポート②】「オレ、かっけえ!!」を感じさせてくれる程よいバランスの難易度がスキッ!

■ライター:Deep

■『FF』シリーズ歴:小学生のころに『FFV』に出会い、そこから『ファイナルファンタジー』シリーズをガッツリと遊び続けるライター。今では現役『FF14』プレイヤー。

 「『FF16』を試遊できるんですか!? ぜひ連れってください! OK? やったー!」と食い気味に飛びついて、やってきました『FFXVI』メディアツアー。我々はツアー初日の参加だったので、本当の意味で“世界で初めて『FF16』に触れた外部の人間”ということになります。そんな幸福感を噛み締めつつ、『FF16』を触ってきたのですが……いやー、スゴイ! 何がスゴイって全部スゴイ! と語彙力が失われてしまうレベルで楽しすぎたので、いくつかのポイントに分けて(自分のためにも)整理したいと思います。

攻撃がビシバシ決まって気持ちィ~~~!

 アクションゲームにおいて、“プレイヤーをいかに気持ちよくさせるか”というのは非常に大事なポイントです。やっぱり気持ちよくないと遊ぶ気にならないですよね。その点、『FF16』はスバラシイ! 遊んでいて超気持ちいいんですよ。まず、そもそもとしてクライヴと召喚獣アビリティが強い。そこらへんの一般兵なんか屁でもないぐらいに圧倒的な力を持っているので、召喚獣アビリティで敵をバカスカ吹き飛ばしていけるのはとても爽快感があります。やっぱ召喚獣って最強だわ。

 もちろん、少し手強い中ボス的な相手はカンタンにいきませんが、そちらはそちらで“俺が考えた最強コンボ”の練習相手になるのがGood。個人的に“飛び上がり→落とす”系のコンボにエクスタシーを感じるので、ガルーダの“ウィケッドホイール”で飛び上がり、タイタンの“激震”で撃ち落とすのが最高に気持ちよかったです。

 加えて、いわゆるジャスト回避やジャストガードの判定がけっこう“ゆるめ”なのも好感触。熟練者が使う一手ではなく、自分のような普通の腕の人が狙ってポンポンと出せるレベルに調整されているので、カンタンに気持ちよくなれます。かくいう自分も“オレ、かっけえ!!”とテンションバク上がり! とくにタイタンのフィート“タイタンブロック”はガードからカウンターまでセットで出せるので、「近接攻撃主体の相手だったら、コレで完封できるのでは……?」と感じるほどでした。

アクセサリによる充実のサポート!

 『FF16』を推していくうえで欠かせない要素として、装備するだけでクライヴ(プレイヤー)が超人になる“サポートアクセサリ”があります。過去記事でも紹介していますし、ほかの人も触れていると思うので詳細は省略しますが、オートアタック(自動コンボ)とオートドッジ(自動回避)を付けたときの超人感は、ちょっとクセになりました(笑)。ただ、やはり“自分の手で遊んでいる感覚”は薄くなったので、アクションが苦手だという人でもまずはオートドッジではなくオートスロー(敵の攻撃が当たりそうなタイミングで画面がスローになる)ぐらいで試すといいかもしれません。

 なお、自分は装備しなくてもプレイできていたので「まぁ装備しないでいいかな」ぐらいの心持ちでいたのですが、せっかくの試遊なので一回試してみたんです。そうすると、自分で操作するよりも圧倒的な超人っぷりにビックリしちゃいました(笑)。とくにこれは便利だなと思ったのが、《オートアタック》の指輪を装備していると、自分では知らないコンボを使ってくれるという点。おそらく記事を読んでいる人のなかには、アクション得意だからオート系のサポートアクセサリは装備しないでいいやと考える人も少なくないと思います。ですが、そういった人も、一度は《オートアタック》の指輪を装備するのがオススメ。きっと、何かしらの新しい発見があるはずです。

細かなシーンにまで挿入されているテキストに注目!

 今回の試遊のメインシチュエーションについては、“ベネディクタ一派が占拠しているノルヴァーン砦をシドとともに踏破する”という内容。もちろん、我々は侵入者側なので敵に見つかると戦闘になってしまうので、コソコソと隠れながら進んでいました。すると、通路の先から声がするじゃありませんか。敵だって常に気を張っているわけではなく、クライヴたちに気づいてなかったら雑談ぐらい交わすわけですね。せっかくなので、聞き耳を立ててみると「雷神シドが~」なんて言っているんですよ。

 雷神シドといえば、『ファイナルファンタジー タクティクス』に登場したシド……シドルファス・オルランドゥの二つ名です。『FF16』のシドの姓はオルランドゥではなくテラモーンなので、言ってしまえばファンサービスのようなものなのでしょう。しかし、これを聞いた瞬間、思わず口元がニヤけてしまったのを覚えています。だってねぇ、ラムウのドミナントであるシドが“雷神”なんて呼ばれているんですよ。『ファイナルファンタジー』ファンとしては、興奮するしかないじゃないですか!!

 もちろん、この会話はカットシーンではないので、敵に発見されると終了してしまいます。周囲を気にせず突っ走っていると気づくことなく終わってしまう、本当にちょっとした小話でしかないんですね。なのに、このファンの魂をくすぐるいじらしい心遣い……たまりませんね! 「本作には、こういった細かいけれど楽しめる小話が散りばめられているんだな」と感じさせるワンシーンでした。製品版をプレイするときは、こういった小話も聞き逃さないようにプレイしたいですね。

 ちなみに、本作は日本語音声だけでなく英語音声に切り替えることもできます。“日本語音声+日本語字幕”や“英語音声+日本語字幕”といった設定も自由にできるので、自分好みにカスタマイズするといいかもしれません。音声によってキャラクターの印象もけっこう変わりますよ。ちなみに、自分は英語音声版クライヴが使うタイタンのアビリティ“ワインダップ”の渾身の声が大好きでした。かっこよかった……。

 面白いゲームに出会うと時間の流れなんて一瞬に縮まってしまうもので、お昼ごろに始まった試遊も気づけば夜に。寂しいですが、とりあえずいったんお預け。次は、発売直前に配信予定の体験版でのプレイになるでしょうか。くそー、もっと遊び……じゃない仕事したかった!

 『ファイナルファンタジー』シリーズ初のアクションゲームということで、ちょっと不安を抱えている人も少なからずいると思います。ですが、たった数時間のプレイながらしっかりと『ファイナルファンタジー』魂を感じさせるストーリーを味わえましたし、バトルに関しても操作性・難易度・気持ちよさ、どれを取っても120点の出来栄えでした。アクションが苦手な人へのサポートも充実していますし、ゲームユーザーの注目に応えられるだけの奥深さを感じられる試遊体験……。

 2023年6月22日まで、あとほんの数カ月! みなさんも、今全世界同時公開されているメディアツアーレポートを読んでワクワクしながら、さらなる情報公開を期待して待機していきましょう!!

【レポート③】 アクションのカスタマイズ性が素晴らしい!

■ライター:おしょう

■『FF』シリーズ歴:最初にプレイした『FFIII』を皮切りに、ナンバリング全作品(MMORPGである『FFXI』と『FFXIV』を含む)をプレイ済み。ある意味2周目として『FFI』~『FFVI』のピクセルリマスター版もプレイ中。やっぱり「悠久の風」と「仲間を求めて」は名曲だ!

 歴代『FF』シリーズのファンとして、タイトル発表時から『FF16』の情報を追い続けてきた自分ですが、今回のメディアツアーで最も楽しみだったのが、「詳細が不明だったアクション部分がついに明らかになる!」ことでした。なんといっても、今回の『FF16』の重要要素のひとつと言えるのが、“本格的なアクションRPGである”ということ。果たしてどのような操作性のアクションなのか……どのような手触りなのか……そのへんを確かめるべく、いざメディアツアーへ!

 ……と、試遊の模様を語る前に、自分のアクションゲームに関する腕前について説明しますと、「アクションRPGやアクションアドベンチャーに好きな作品は多いけれど、反射神経はイマイチでアクション自体はどちらかというと不得手」といったところ。『FF』シリーズのファンの中には「最新作がアクションRPGになって、自分がプレイできるのか気になる……」という方も一定数いると思いますが、比較的そういった人に近い視点で、今回の試遊バージョンをチェックしていきたいと思います。

じつは特撮ファン大注目の『FF16』!?

 まず、おそらく製品版でもゲームの最初に挿入されるであろう基本アクションのチュートリアル(若きクライヴが騎士から戦闘の基礎を学ぶシチュエーション)を体験したあとは、いよいよ試遊バージョン本編をプレイ。なお、今回のバージョンはオープニングからのプレイではなく、「主人公クライヴがバディである狼のトルガル、そして“シド”ことシドルファス・テラモーンとともに、砦に潜入。そこで召喚獣ガルーダのドミナントであるベネディクタと対峙する」というシチュエーションをプレイする形になります。

 おそらく比較的ストーリー序盤のエピソードだと思われますが、セット可能な召喚獣アビリティとしては、クライヴが最初から習得している“フェニックス”のほかにも、特別仕様として“ガルーダ”と“タイタン”のアビリティが使用可能になっていました(その後のイベントを見ると、本来はフェニックスのアビリティのみで戦う場所なのかもしれません)。

 そしていよいよ本格的にプレイする前に、本作の重要な要素となる“アクセサリ”をチェック。本作にはいわゆる“EASY”や“NORMAL”といった難易度選択は存在しません。かわりに“ストーリーフォーカスモード”と“アクションフォーカスモード”の2種のモードが切り替え可能で、両者の最大の違いは“アクションの難易度に大きく影響するサポートアクセサリを、最初から装備しているか否か”になります(そのほかにも敵の強さや、クライヴの打たれ強さに若干違いがあるとのこと)。

 サポートアクセサリは5種類ありますが、最大のサポートを受けたいなら、□ボタン連打で召喚獣アクションがくり出せるオートアタック(トルガルへの指示を自動化するオートトルガルの効果もあり)、自動で回避してくれるオートドッジ、自動で回復してくれるオートポーションの3つの効果のある指輪を装備することになります。

 ということで、取材に同行したスズタク&Deepは(アクションの腕前的に)まずこれらを装備せずにプレイするだろうと考えて、自分は初見から3つ装備した状態でプレイ! すると……すげえ! まるで自分が超人プレイヤーみたい! セットしてある召喚獣アクションを次から次へとド派手に使い、敵の素早い攻撃を華麗にかわす様子は、もうとにかくカッコイイ。

 そして何より、ホントに□ボタンを連打しているだけで勝てる。おそらく「アクションは少しだけ苦手」程度の人なら、物足りなくなるくらいの難度になるかと思います。「アクションが本当に本当に本当~~~に苦手」という人にとって、ちょうどよいくらいではないでしょうか。

 ちなみにこれらのサポートアクセサリを装備した状態だと、アクションが苦手でもバトル中の演出やイベントに集中できるのがポイント。まさに“ストーリーフォーカス”状態です。とくにボス戦はシーンが目まぐるしく動くので目が離せません。

 ……と、ここでいったんアクションの話題からは逸れてしまうのですが、今回の試遊でベネディクタ戦、ガルーダ戦、そしてイフリート対ガルーダ戦といったボス戦を体験して個人的に感じたことがあります。それは「特撮ファン的にムチャクチャ刺さる!」ということ。

 例えばベネディクタ戦では、召喚獣ガルーダの力の一部として翼や爪を顕現させた状態のベネディクタと戦うことになるのですが、それはまさに変身ヒーローもので言うところの“怪人”との戦い。対するクライヴは“多数の秘密兵器やガジェット(=召喚獣アクション)を駆使して戦うヒーロー”といった印象です。その戦いについて誤解を恐れずにたとえるなら、“超超超スゴイ特撮ヒーローバトル”といった感じでしょうか。

 さらにイフリート対ガルーダ戦は、そのまんま“怪獣対怪獣の大決戦”です。これはゴジラ、ガメラ、ウルトラシリーズ好きの自分として燃えないわけがない。これまで『FF16』に対してノーマークだった特撮ファンの皆さん、これらのバトルを体験するためだけでもプレイする価値がありますよ!

『真・FF16』をプレイして感じた、アクションとカスタマイズの魅力

 ……さて、話を元に戻します。そうしてひととおりのプレイを終えたあと、今度は先ほどのサポートアクセサリを外した状態で2回目のプレイをスタートしてみました(さらに言語も日本語→英語に変更)。

 すると、最初は召喚獣アビリティのクールタイムに悩まされることが多かったのですが(「ここでこの技を使いたいのに、まだ再使用時間が足りずに使えなかった!」など)、慣れてくると気づいてきました。「あ、こっちが『真・FF16』だ……」と。

「こいつは飛び道具を撃ってくるから、ヒートウェイヴで無効化しつつ攻撃しよう」

「あの敵はフェニックスシフトで急接近してライジングフレイムで打ち上げようかな」

「攻撃が激しいからタイタンでガードして反撃!」

 ……などなど、とにかく“敵に合わせて戦い方を組み立てる”こと自体が楽しく、さらにその戦法がバッチリ成功したときの気持ちよさがたまらない! もちろんアクションが苦手な人はオートアタックでもまったく問題ないのですが、慣れてきたら少しずつサポートアクセサリを外して“マニュアル化”してみると、この楽しさがわかってくるはずです(自分がまさにそうでした)。

 なお、個人的なオススメは、《オートスロー》の指輪と《オートトルガル》の指輪の2つを装備して、もう1枠のアクセサリを自由に付け替えるやり方。敵の攻撃が当たる直前に時の流れが遅くなり、その間にR1で回避できるオートスローは、プレイするとわかりますが単純に“気持ちいい”です。またオートトルガルは、召喚獣アクションを完全に把握するまでトルガルに気をまわしにくいと思うので、非常にありがたい機能。

 といったように、『FF16』のバトルは“装備する召喚獣アビリティの選択”や、“自由なアクションの組み立て”が可能なほか、各種アクセサリなどの選択によって“自分にとって気持ちいいアクションのための難易度調整・カスタマイズ”が可能なわけです。これこそ、今回の試遊で感じることのできた『FF16』のアクションの大きな魅力のひとつと言えるでしょう。加えて、そのバトルをさらに盛り上げる祖堅正慶氏の楽曲も最高!

 なお最後にストーリーやグラフィック面についても少し。今回の試遊ではかなりのイベントシーンを体験できましたが(気になる方は公開中の動画をチェック!)、まだまだストーリーについては謎に包まれているといった印象。少年期のクライヴに起きた悲劇の詳細とは? 火のドミナントとされるあのフードの男は? イフリート対ガルーダ戦のその後は? ……どうやらその真実を知るには製品版の発売を待つしかなさそうです。

 そしてグラフィックについては、その迫力や演出に大満足なものの、今回試遊したステージ&シチュエーションがいずれも暗めだったのがちょっとだけ残念!(それについては、ネタバレなどの点から、この部分しか試遊可能にできなかったと吉田さんの説明がありました) これについては今後明らかになるであろうフィールドの存在を含め、ほかにもどのような場所でのバトルが待ち受けているか、引き続き期待しましょう。

 ちなみに、別途公開しているインタビューを読むと、今回のメディアツアーでわかった要素は、まだ『FF16』の魅力の一部であることがわかります。バハムートやオーディンの召喚獣アクションは? クライヴたちの拠点ってどんなところ? などなど、『FF16』の全貌が明らかになるのはさらにこれから。ひとりの『FF』ファンとして、それらのすべてを体験できる6月22日が楽しみです! あと4カ月!!

・今回プレイしたバージョンはメディア体験用の特別版であり、リリース時のものとは異なる場合があります。
・本記事に掲載している画面はメディア体験用の特別版であり、リリース時のものとは異なる場合があります。
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