『バイオハザード RE:4』インタビュー。そのまま表現するべきものは残しつつ、今のゲーム体験に置き換えた
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3月24日発売予定のPS5/PS4/Xbox Series X|S/PC(Steam)用ソフト『バイオハザード RE:4』。発売迫る本作の見どころを平林良章プロデューサーと安保康弘ディレクターに伺いました。
なお、本インタビューは一部YouTube“電撃オンラインch”で公開した動画をもとにしています。こちらの映像では、『バイオハザード RE:4』の魅力や『バイオハザード4』から進化した点や変更点が紹介されているので、あわせてごらんください。
ナイフに耐久値が設けられたぶん、ゲームシーンへの選択肢が広がった
――『バイオハザード4(バイオ4)』をリメイクするにあたり、とくに力を入れた部分は?
安保康弘氏(以下、敬称略):まず一番大事にしたのは、原作でもあったシューティングのアクション部分の気持ちよさ。好評いただいていたので敵を倒したときの気持ちよさだったり達成感は、継続するもしくは原作以上を目指しています。
また、『バイオ4』を遊んだユーザーさんにも『バイオ4』とは違った体験ができるように、いかにアレンジを加えるかにも気を配りましたね。
――逆に『バイオハザード4』から変えてはいけないと意識したのはどういったところでしょう?
安保:ストーリーの根幹には手をいれていません。ですが、そのなかで出てくるキャラクターの描き方やもう一段深い掘り下げなどは強化しています。
──ナイフに関するシステムが大きく変わったことで、どういったプレイ体験の変化がありますか?
安保:『バイオ4』ではナイフが無限に使えたため、便利過ぎた部分がありました。耐久値はその便利さに制限を加えるために設けたものです。その一方でパリィなどのアクションが増えているので、ナイフを使った選択肢が広がったというイメージですね。
平林良章氏(以下、敬称略):探索中にはレオンが携行している修理可能なナイフとは別にナイフを手に入れる機会もあります。ですので、耐久値が加わったとはいっても、ナイフを使う機会をいかに減らすかというプレイではなく、ここぞというときに気持ちよく使えるようなバランスにしています。
――ナイフの強化要素があるとのことですが、具体的な内容を教えてください。
平林:威力の強化と耐久値強化が今お話できるすべてになりますね。ナイフに限らず各種武器にはある程度の強化要素があり、ある程度強化した先になにがあるかについてはプレイしてからのお楽しみということで。
──ナイフは武器商人に修理してもらえるとのことですが、それにともなって武器商人と出会う頻度は増しているのでしょうか?
安保:基本的には『バイオ4』と同程度の頻度ですね。
平林:『バイオ4』でもプレイヤーのみなさんが感じただろう、これから頑張るぞと気合を入れたくなるポイントに武器商人がいます。とはいえ、必ずしも『バイオ4』と同じ場所にいるというわけでもないので、実際にプレイして出会ってもらえればと思います。
安保:あと、本作には“クエスト”というメインストーリーとは別の小目的の達成を目指すコンテンツが追加されています。そのため、まずはメインストーリーのクリアを目指そうとするプレイヤーと、見つけたクエストのクリアを優先するプレイヤーでは武器商人に出会う頻度が変わってきますね。
――アタッシェケースのカスタマイズについても聞かせてください。こちらは最初から好きなようにカスタマイズできるのでしょうか?
安保:まず、アタッシェケースはゲーム中で新しいものを手に入れると切り替えられるようになります。そして、アタッシェケースにはチャームを付けるカスタマイズ要素もあり、こちらもゲーム中でチャームを入手してカスタマイズするものです。
平林:チャームは最大3個まで装着でき、動画ではニワトリのチャームを付けていますね。
──アタッシェケースをカスタマイズするメリットについても聞かせてください。
安保:アタッシェケースとチャームそれぞれに特定のアイテムのドロップなどの効果があり、プレイスタイルや状況によって受ける恩恵を選択することができます。
平林:一部のアタッシュケースやチャームは本作の予約特典に付属しています。昨年の時点では、特殊なアタッシュケースと言ってもユーザーさんにはピンとこないものだったと思いますがようやくユーザーさんにも理解してもらえるものになりましたね。
キャラクターの背景やプレイ体験を今のゲームらしいものに
――アシュリーの衣装がオリジナルから変更されていますが、ジャケットを着せた理由について聞かせてください。
平林:まず、『バイオ4』のアシュリーの衣装が非常に魅力的というのはスタッフの総意です。ただ、ご存じのとおり『バイオ4』は寒い時期が舞台です。そのため、もう少し厚着の方が自然だろうと考えて衣装を変更しました。本作の制作にあたり、こういったキャラクターの背景や時節柄にはナラティブな形で意識を払っています。
安保:衣装を変更したのは寒さもありますが、アシュリーは大統領の娘ですので、より“らしい”服装を選んだのも理由のひとつですね。
──本作の制作にあたって『バイオ4』での描写を改めて考え直したというところでしょうか?
平林:考え直したというよりも、時代的な背景もあって表現の震度や幅が増えてきた。それに伴って、同じコンセプトではあるもののより今の感覚に近いゲームとして再構成しています。
──ほかにどういったところが再構成されているのでしょうか?
平林:大きいところでは、クラウザーとのバトルが『バイオ4』ではムービーのなかでボタンを押すQTEでしたが、パリィなどを駆使したアクションになっています。これはクラウザーとのバトルをゲームのなかでのしっかりした体験にしていこうと考えたものです。ほかにもさまざまなシーンで、今らしいゲーム体験への置き換えを行っています。ただ、なにもかもを置き換えるのではなく、懐かしいものをそのまま表現したほうがよいものはそのままにしていますね。。
──クラウザーとのバトルはかなりアクション性の高いもののように感じました。
平林:クラウザーとのバトルはとくに力を入れた部分で、ここでレオンにパリィを使わせたいからゲームシステムにパリィを組み込んだと言っていいほどです。
――先日、PS VR2向けの無料DLCとして、VRモードの開発が発表されました。こちらについて、語れることがあれば教えてください。
安保:現時点では「開発中です」までがお伝えできる情報ですね。今後の発表を楽しみにしてもらえればと思います。
──では、体験版についてはなにかお聞きできることはありますか?
平林:こちらも詳細は伏せさせてください。ただ、楽しめる体験版になっていると自負しています。
――オリジナル版を未プレイで本作をプレイするユーザーもいると思いますが、そういったプレイヤーにとくにここを見て欲しいという箇所はありますか?
安保:まず、原作未プレイのかたでもいちから楽しんでもらえるように意識して作っています、
また、オリジナル版はプレイしていないけれども『バイオハザードRE:2』をプレイしているという人も多いでしょう。本作のレオンは『RE:2』の延長線上なので、『RE:2』を遊んだかたはレオンの成長を楽しんでもらえると思います。
――最後にユーザーへのメッセージをお願いします。
平林:3月24日の発売まであと少し。みなさんの思い出や作品愛に対して真摯に向き合ってまいりましたので、まずは近日配信の体験版をプレイいただきながら待っていただければと思います。
※記事内の画像は動画をキャプチャーしたものです。
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