アニメ『ナルト』が海外のラーメンブームに起因!? “食×アニメコンテンツ”の海外における調査結果報告会レポート

電撃オンライン
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 海外に向けて“日本の食文化”の情報発信をおこなっている日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)による“食×アニメコンテンツ”海外における調査結果報告会が、3月1日に東京で開かれました。

 今回はJFOODO執行役の北川浩伸氏によるレポートの説明に加えて、一般社団法人アニメジャパン 副理事長の夏目公一朗氏をゲストに招いたトークセッションも行われた報告会の様子をレポートします。

  • ▲左から北川浩伸氏、夏目公一朗氏

“日本のアニメコンテンツ”と“日本の食”の組み合わせが生む可能性

 JFOODOは海外消費者に向けたプロモーションに加えて、現地ニーズの市場調査・分析をおこなっています。そのなかで“日本のアニメコンテンツ”と“日本の食”の組み合わせによる輸出促進の可能性を調査する初の取り組みが、アメリカのロサンゼルスとフランスのパリで実施。

 報告会では北川氏が登壇して、海外調査レポートの説明が行われました。今回の調査対象となったロサンゼルスとパリは、どちらも“日本のアニメコンテンツ”の認知度と人気が高い地域。調査では現地のアニメコンテンツや関係事業に精通した専門家に定性調査を実施し、事業者の目線から“食とアニメコンテンツ”事業展開の可能性を確認したそうです。

 その結果、食文化の違いや市場によってアプローチの仕方を変える必要があることが明らかに! ロサンゼルスは知名度のあるメジャー作品、逆にパリでは新しいコンテンツへの関心が高いそうです。また日本食マーケットの多いロサンゼルスでは実食する機会や若年層への認知度拡大、パリではPRと同時に商品が手に取れる流通面の事業推進も必要だという声が届いたといいます。

 北川氏は一過性のものにすることなく、日本食材・食への海外からのアクセス整備を進めていくための調査を行っていくとのことです。“日本のアニメコンテンツ”と“日本の食”の組み合わせが、どのように海外に広がっていくのか、今後の展開に期待が高まります。

“日本のアニメコンテンツ”は海外でメインカルチャーに!?

 報告会の中盤には、北川氏と夏目氏による「日本のアニメコンテンツは日本の食のグローバル化にどう貢献するか~コラボレーションはシナジー効果を発揮するのか」をテーマにしたトークセッションが行われました。

 海外での活動も多い夏目氏は、もともと“日本のアニメコンテンツ”はニッチなものだったが、世界的なヒット作の登場によりサブカルチャーと呼ばれるようになったと話します。

 さらに2010年代からの配信プラットフォームの普及によって、日本アニメが海外でもタイムラグなく配信されるようになり、ファン層が拡大してメインカルチャーの一角になりつつあるという興味深いお話も。それに対して北川氏も、日本人が通っていた海外の日本レストランが、現地の人に好まれていく食の流通と似た部分があると興味深げな様子でした。

 また“日本のアニメコンテンツ”と“日本の食”の可能性について聞かれた夏目氏は、海外のラーメンブームにはアニメ『NARUTO -ナルト-』の影響があったのではないかと話します。日本人でも読んでいるとラーメンが食べたくなる作品だけに、なじみのない海外の方も興味を持ったり、食べたいと思う方は多そうだなと納得してしまいました。

 夏目氏いわく、ほかにも海外人気の高い料理アニメ・漫画があり、その作品に着想を得たレストランもあるそうです。また食材だけでなく日本の調理器具に興味を持つ方も多く、インバウンドでのお土産人気も高いとのこと。

 アニメから日本に興味を持って旅行に来てくれる方が多いと夏目氏が言うと、北川氏も海外輸出しにくい生鮮品を楽しんでもらったり、郷土料理にアクセスしてもらいたいと話しました。

 今後の展開について、「深く海外の方に興味を持ってもらえるように戦略的に行く必要がある」と語る夏目氏。いいコンテンツがあっても出版社や放送局など複数あるため、海外からのライセンスに関する窓口がわかりにくい問題にも触れ、PRの仕組みづくりをしていく必要があると話していました。

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