『エヴァンゲリオン』初号機は作中で何度暴走した? 暴走の理由と合わせて調べてみた

キジカク
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 1995年10月よりTVアニメとして放送され、社会現象を巻き起こした『新世紀エヴァンゲリオン』。2021年3月8日には新劇場版最終作が公開となり、約26年の時を経て遂に完結に至りました。

 本作の印象深いシーンとして、パイロット・碇シンジの意思とは関係なくエヴァンゲリオン初号機が動き出す“暴走”の場面を挙げる方も多いはず。

 しかし作品内で初号機が何回暴走しているかまでご存じの方は少ないのではないでしょうか? そこで今回は、TVアニメ版で初号機が暴走した回数を調べてみました!

なぜ初号機は暴走するの?

 人類の敵として襲来する“使徒”と戦うため、エヴァンゲリオンに搭乗するシンジ。そんな使徒との戦いの最中に、シンジの身に危険が迫った局面で初号機の“暴走”は発生します。

 これは初号機の中にシンジの母親である碇ユイの魂が宿っていて、彼女が息子を守ろうとするから。暴走した初号機は大きな咆哮を上げ、圧倒的な力を振るうのです。

最初の暴走は第3使徒サキエル戦

 最初に初号機が暴走するのは、第弐話“見知らぬ、天井”。シンジの初陣である第3使徒サキエル戦です。

 初めてNERVを訪れた日、シンジは突如襲来した使徒を相手に、ぶっつけ本番で初号機に乗って戦うことになります。

 しかし彼は経験不足のために上手くエヴァを操縦することができません。使徒に一方的な攻撃を許し頭部が破損。活動停止に追い込まれてしまいます。

 この絶体絶命の状況にユイの魂がシンジを守るべく反応し、初号機は暴走。圧倒的な戦闘力を発揮して使徒を殲滅し、初陣を勝利で飾ります。

続く暴走は第12使徒レリエル戦

 初号機が次に暴走するのは、第拾六話“死に至る病、そして”。球体のようなフォルムで空中をゆっくり移動する第12使徒レリエルとの戦いでした。

 シンジは敵が何も攻撃を仕掛けてこない様子にしびれを切らして接近するも、レリエルに初号機ごと虚数空間に取り込まれてしまいます。

 実は目に見えているレリエルの姿は影で、直下に佇む影に見えるものこそがレリエルの本体。虚数空間に囚われた初号機を救助する手立てを誰も見つけられないまま、時間だけが過ぎて行きます。

 やがて初号機のエネルギーが限界を迎え、生命維持機能が失われかけたことで初号機が暴走。これまで触れることもできなかったレリエルを内側から破壊し、シンジの危機を救いました。

“覚醒”と紙一重な暴走

 初号機がTVアニメの中で最後に暴走するのは、第拾九話“男の戰い”での第14使徒ゼルエル戦。ゼルエルは、これまでの使徒と比べてもずば抜けた攻撃力を持つ別格の存在でした。

 アスカもレイも一方的にやられてしまい、なんとか駆けつけた初号機も善戦むなしくエネルギー切れ。コアが剥き出しになるまで攻撃に晒され続けるなか、シンジの「動け動け動いてよ!」という声が響き続けます。

 その願いに応えるように動き出す初号機。野性の獣のような動きでゼルエルを圧倒し、最後はその身体を食らうという衝撃の結末を迎えました。

暴走状態に匹敵するパワーを発揮する“覚醒”

 無敵ともいえる暴走状態に注目が集まりがちですが、初号機が驚異的な戦闘力を発揮する状態はほかにもあります。それが“覚醒”状態。新劇場版で見せた覚醒シーンを振り返り、“暴走”との違いを検証しましょう。

 初号機が新劇場版内で覚醒するのは第10の使徒、TVアニメ版ではゼルエルと呼称されていた存在との戦いです。

 新劇場版はTVアニメ版と構成が変わっており、使徒の順番が入れ替わっていたり、初めて姿を見せる使徒が出てきたりします。

 第10の使徒が登場したのは全4部作である新劇場版の第2弾『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』で、TVアニメ版と比べるとかなり早めの登場でした。

 ただ新劇場版でもTVアニメ版と変わらず、無類の強さを見せる第10の使徒。レイが零号機ごと捕食されるという新展開もあって、絶望感が増しています。

 しかし初号機が覚醒に至ったのは、捕食されたレイを助けるため。結果的に、覚醒を促してしまった形ですね。

 覚醒状態の初号機は、“暴走”と違ってシンジの思い通りに動く様子が見て取れます。戦闘の結末も獣のように敵を食らうのではなく、コアに取り込まれたレイを初号機の力で引きずり出すというもの。

 完全にコントロールしている様子から、新劇場版での同シーンは“暴走”ではなく“覚醒”とカウントするのが正しそうです。

母の大きな愛と子どもの自立

 初号機が暴走するのは、TVアニメ版では3回のみ。かなりインパクトの強いシーンだけに、意外に少ないと感じた人も多いのでは?

 ただ、その少なさは、ユイが力を貸さずとも、シンジが自分で成長していった証ともいえるのかもしれません。

 大きな母の愛に包まれ、もがきながらも自立したシンジ。彼の奮闘を振り返ってみると、大人になったからこそわかる新しい発見があるかもしれませんよ。

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※画像はAmazon商品ページより。
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