レビュー:Switch版『重装機兵ヴァルケン』はSFC時代からのファンも納得の完成度&充実度(しかも安い)。ロボットアニメ好きにもおすすめ!
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Rainmaker Productionsから、3月30日に配信予定のNintendo Switch用シューティングアクション『重装機兵ヴァルケン DECLASSIFIED』。そのレビューをお届けします。
本作は1992年にスーパーファミコンで発売されたシューティングアクション『重装機兵ヴァルケン』の完全ノーカット移植作品。どこでもセーブ&ロードができて遊びやすくなっているほか、プレミアの付いている当時の公式ガイドも再現しているなど、資料的な価値も高いのが特徴です。
ドットで作り込まれたアクションは、リアルなロボットの動きを追及
今から31年前に発売された『重装機兵ヴァルケン』は、有人ロボット兵器“アサルトスーツ”のヴァルケンを操作して進む、ステージクリア型の横スクロールシューティングアクション。
本作の特徴としてあげられるのが、ドットで作り込まれたロボット“アサルトスーツ”の精密な動きです。歩行時や着地時の重厚感のある動き、ローラーダッシュ時の慣性、宇宙空間で落下せずに漂う薬莢など、リアルなロボットの動きが再現されています。
武装は基本4種類で、初期武装は連射性能が高く使いやすいバルカンと、パワーを溜めて力強い一撃が放てるパンチ。途中のステージで、追尾性能が高いミサイル、貫通性能があるレーザーが入手できます。
また、スーパーファミコン版では特定の条件を満たすと入手できた隠し武装のナパームも健在。本作ではPAUSE MENUのガン設定で、ナパーム追加装着を選ぶと使用可能になります。
もともと隠し武装だったナパームは、数発でボスを倒せるほどの威力です。歯ごたえのあるアクションを楽しみたい場合は、あえて使わないのがオススメですが、この破壊力は一度使うとやみつきになってしまいます。
なお、本作の各ステージでは、慎重に前に進んでいくのが攻略の基本です。しかし、自機の操作が上達して各武装を使いこなせるようになると、ローラーダッシュを駆使した高速機動による立ち回りが可能。まるで違ったゲームを遊んでいるかのようなプレイ体験を味わえます。
何回もやれば、そりゃゲームは上手になる。それは当然なのですが、『ヴァルケン』のようなロボットゲームの場合、ゲームが上達としたというよりも機体の扱いが上達して、パイロットとしての腕が上がった感覚になれるのが楽しいんですよね
戦争の虚しさを知ることができる壮大なスペースオペラ
『ヴァルケン』といえば、アクションとしての完成度の高さ以外に、極上のスペースオペラを体験できるストーリーも魅力の1つ。
本作は近未来の世界を舞台に、環太平洋合衆国と欧州アジア連邦の戦いが描かれており、主人公のジェイク・ブラインはひとりの兵士として、その戦いに身を投じていきます。
ゲーム内で表示されるテキスト量はそこまで多くないのですが、要所で挿入される登場キャラクターのやり取り、ステージ開始前の作戦概要で、キャラクターの心情や戦況が伝わってきます。
とくに最終ステージのワンシーンは、今でもゲーム史で語り継がれるほど。あまりの衝撃シーンで海外版ではカットされていました。ドットによる小さな人物描写と、戦争の愚かさと無意味さを感じさせる名場面になっています。
あとは、ロボットもののお約束ともいえる展開ですが、ライバルのベルダークとの戦いが熱いです。同じ戦場に立つ兵士でありながら立場や考えの違い、そのすべてがぶつかり合います。
各種ビジュアルや公式ガイドが閲覧できて、資料的価値も高い
前述のロボットの作り込み、ストーリーの奥深さは、いずれも『ヴァルケン』の細部に至るまでこだわって作られた設定回りが大きく関係しています。それは、このままアニメの1本が作れそうなほどです。
その設定は、ゲーム本編をプレイしているだけだと、一部分しかわかりません。本作には1993年に発売された“重装機兵ヴァルケン 公式ガイドブック”が再現されて収録してあるので、練り込まれた設定や当時のインタビューなどを読み込むことが可能です。
また『ヴァルケン』といえば、うるし原智志氏が手掛けたイラストも人気です。当時のイラストはもちろん、本作のために描き下ろされた新たなイラストも収録しているのがすごく嬉しいです。
他にも、当時のゲーム内のデザインとグラフィック全般を担当した仲井さとし氏へのインタビュー、オリジナル音源とリアレンジ音源の両方を全曲再生できるミュージックプレイヤーも収録しています。
発売から31年が経っても色褪せない名作
『重装機兵ヴァルケン DECLASSIFIED』をプレイして一番感じたのは、31年経った現在でもおもしろいと思ってもらえるゲームということでした。
アクションとしてシンプルな部分は、深く考えずに誰でも楽しめる作りです。また、3D作品と違い、ドット絵の作品はあまり古い感じを受けることもありませんでした。
そして設定画や公式ガイドも収録しているので、ファンなら間違いなく買い! と言いたいところですが、2,500円(税込)という価格を考えるとファンじゃない人にも買ってほしい!
リアルロボット、スペースオペラ、ドット絵の横スクロールアクション、それらがひとつでも好きな人なら、令和の時代に復活した『ヴァルケン』を楽しんでもらえること間違いありません。
(C)Rainmaker Productions
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