『ウイニングポスト10』シンザンの時代までさかのぼる? プロデューサー座談会で飛び出た内容をレポート

電撃オンライン
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 コーエーテクモゲームスは、競馬シミュレーション『Winning Post 10(ウイニングポスト10)』の先行体験会&プロデューサー座談会を、3月12日にコーエーテクモゲームス本社にて開催しました。

 『ウイニングポスト10』は、PS5/PS4/Nintendo Switch/PC(Steam)で3月30日発売予定。先日、先行体験版が3月16日に発売されることも発表されました。

先行体験会&プロデューサー座談会

 会場で目を引いたのは、煌々と輝くトロフィーと、初代『ウイニングポスト』から『10』までのパッケージの展示。

  • ▲歴代シリーズのパッケージ。初代作はなんと30年前、1993年にリリース。以後、『7』までは1作完結、『8』以降は年度版が発売。『3』のパッケージのインパクトがスゴイ。
  • ▲逆方向からの写真。こちらは今年発売の『10』のパッケージが一番手前。見覚えのある馴染みのあるパッケージが続く。
  • ▲99年のスパーキングレディーカップ(ホクトベガメモリアル)にて、シブサワ・コウが共同馬主として所有していた牝馬「ファストフレンド」が勝利したときのトロフィーのよう。なお、ファストフレンドはデビュー戦以外はすべてダートを走ったダート馬。

 先行体験会には、『ウイニングポスト10』を愛してやまないであろう、およそ10人ほどのプレイヤーが参戦。約1時間半ほどの体験プレイを終えた後、山口英久プロデューサーをはじめとした開発スタッフへの質問が行われました。

 この体験プレイでは、『10』の目玉となる要素「ウマーソナリティ」や「史実調教」、新秘書、新しいUIなど、本作の魅力の触り部分に触れることができ、どのようなシステムなのかを体感できました。

 システムの詳細は、3月15日水曜日、正午12時から配信予定の「うどんの野望」にて、先行プレイ配信をするので、そちらをご視聴いただくのがイチバン分かりやすいと思います!

  • ▲参加者からの質問に主に答えた、山口プロデューサー。メディアのインタビューと違い、「こうしたら面白くなるのでは? こういうシステムが欲しい」という要望系の意見も多くあった。

 以下、プロデューサー座談会での質問と回答を抜粋して紹介していきます。

●「ウマーソナリティ」で馬一頭と向き合う時間は増えたと感じますが、放牧中の馬や種牡馬、繁殖牝馬の描写が増えると嬉しいと。レース以外の馬の描写が増えてほしい

「4000件以上あった30周年記念アンケートでもそういう要望は思ってた以上に多かったです。現在、やりたい方向で考えています」

●シナリオの時代が、今どんどんさかのぼっていますが、開発的にはどこまでさかのぼる予定なのでしょうか

 「前作でも76年じゃなくて73年のほうがいいんじゃないかという声は、開発内部でもありました。前作はライバル対決というテーマがあったのでTKGがいいのではということで、76年に。ただ社内では、ハイセイコーからやったほうがいいよと言う声もありまして……ただ70年代はデータがないんです。JRAさんにも意外に資料が残っていなくて、3年さかのぼるだけでもかなり苦労しました。シンザン(1961年生まれ)までと言う声もありますが、もう資料が白黒しか残ってなく色も分からないという状況だったり……。ただチャレンジだけはしていきたいと思っています」

●1年目はチュートリアル的な進行になるのですが、史実期間を何度もプレイするので、2回目以降はチュートリアルをオフにできるようにしてほしいです

 「チュートリアルに関しては、みなさん毎年やるのはメンドクサイと言うことで、ショートカットを入れたりもしています。ただ2回目以降はナシでもいいという意見もあるので、それはフィードバックしていけるようにしたい。早速プログラマーにも相談してみます」

●今作、秘書が2人しか選べなかったのですが、以前の秘書の人たちはどうなりますか

 「次回作以降、秘書は増やしていきたいと思います。30周年アンケートで歴代秘書の人気投票をしたので、その結果を反映したり、新しいデザインの秘書を追加してきたいと考えています」

●2012年シナリオの次が2024年なので、その間を埋めるシナリオがあってもいいのではと思います

 「最近、新しい競馬ファンも増えたので、本格的な競馬ゲームをしたいという新規層も増えています。そういう層には、73年といった古いシナリオよりも、新しい年代のシナリオがあったほうがなじみやすいと思うので、もう1つくらいは考えていきたいです」

●史実期間中は、史実馬がやはり強いですが、架空馬がもう少し活躍するようなモードもあってもいいのではないでしょうか

 「機能的にはできなくはないのですが、史実期間中はこうであってほしいという意見もあれば、架空馬が活躍してもいいという意見もある。アンケートを吟味しつつ、開発でも考えていきたいです。ただ現在7本のシナリオがあって、さらにON/OFF機能を付けると、14パターンのバランス調整が必要になり、かなり大変だったりします。たからといってやりませんというわけでなく、うまい方法がないか模索はします」

●実際と同じファンファーレの実装はいかがでしょうか

 「この声が多いのは分かっているのですが、いろいろな事情がありまして、入れられますとはなかなか言えないです……」

●ほかのユーザーがプレイしたデータをライバル馬主としてゲームに取り込むことはできないでしょうか

 「これも機能的には可能なのですが、ユーザーの馬主が出てきた時に、どうしたらゲームが面白くなるのかを考えなくてはいけません。現状、プライオリティがそこまで高くないですが、どうしたら最適に入れ込めるかは考えていきたいと思います」

●今作は『10』の無印(ナンバリングの1作目)になります。無印にアレルギーを持つ人もいるので、無印を購入した人は年度版の割引とか、インセンティブがあったほうがいいのでは

 「何ができるかは分かりませんが、何かしらは考えたいと思います。次は年度版が出るとはまだ言えないのですが、毎回買っていただいているのは本当にありがたいので、何かしらの嬉しいことを入れられるようにしたいです。中途半端な回答で申し訳ありません」

●オンライン対戦する場合、10分の待機時間がありますがなんとかならないでしょうか

 「10分を待つというのは確かにしんどいですし、プログラムを見直しつつ、テンポアップは検討します」

●馬券王モードはすごく面白いのですが、マイナス収支になったらゲームオーバーになるのですが、12レースしてどれだけ勝った負けたの楽しみ方もしたいです

 「確かに馬券王自体はすぐに結果がでるのがヨシということで、この設定にしてあるのですが、もう少しリアル馬券の楽しさを1日楽しむというのもありだと思います。モード自体はかなり好評で可能性も感じているので、何かしらやっていきたいです」

●海外展開は考えていらっしゃいますか

 「今、私(プロデューサー)の中ではあまり考えていないです。ニーズがあまりないのです。ジョッキーゲームのほうが可能性はありそうです。中国とかでもそのうち競馬が始まると思うので、チャンスがあったら考えたいです」

●もっとふざけた意味でのハッチャけたDLCは出ないのでしょうか

 「DLCって賛否あるので、どこまでやっていいのかという葛藤はあります。基本的には無くても遊べるというのが大前提です。強さじゃなく、ふざけた感じのDLCはアリだと思います。リアルリアルと言っていますが、ゲームなので面白くなるならそういうのもありです。検討させていただきます」

●障害レースの実装はないのか

「一時期障害レースが人気だったこともありますが、実際に障害レースを実装したとしてそれがどれだけシリーズファンに響くのかが重要です。そういう声が多くなってきたら検討したいと思います」

●『ウイニングポスト』シリーズの男女比を教えてください

 「圧倒的にほぼ男性です。95%以上は男。秘書に男性を入れたほうがいいという話は出るが、プライオリティ的にどうしても後回しになってしまいます。女性ユーザーからの意見のほとんどは男性秘書がほしいですね。女性ユーザーももちろん大切にしていきたいです」

●実在騎手との結婚はできないのでしょうか

 「おそらく実名騎手ご本人は気にしない方も多くいらっしゃると思いますが、いろいろな事情があり実現は難しいかなと思います」

●ユーザーの意見を拾っていただけるようになっていますが、これは『10』でも継続していくのでしょうか

 「もちろんです。ゲームのコンセプトから外れていなければ、ユーザーの意見には耳を傾けるようにしています。ずっと作っていると「ウイニングポストはこうだ」と頭でっかちになっていきます。そことユーザーの感覚とズレがでないようにしていきたいです。なので、参考にさせていただくので意見はどしどし発信ください」

 こうして45分ほどのプロデューサー座談会は、さまざまな質問、意見が出て幕を閉じました。


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