『どうする家康』10話感想。側室に認められたお葉のまさかの告白に驚愕…

キジカク
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 毎週日曜20時からNHKで放送の大河ドラマ『どうする家康』。第10回“側室をどうする!”のレビューをお届けします。

現代では想像できない“側室”という制度に驚き…

 前話で、一向宗徒による三河一向一揆を終結させた家康。大きな争いを解消したことにより、三河国内の支配を一気に強めて、さらには今川方への調略もジワジワと進めていました。

 そんな中、岡崎城下の築山に、民の声を聞くための庵(いおり)を開いた瀬名。ここは“誰でも気軽に立ち寄れる”という住居ですが、早々にやってきたのは家康の母である於大の方でした。そして瀬名に対して、単刀直入に家康の子どもが少ないことを指摘します。

 その言葉がとても辛辣で、次の子どもが授からない瀬名に対して「おなごとしてしまいじゃ」「子を産まなくなったら、ご用済みなのです」と発言。さすがに瀬名もショックを受けて怒りすら覚える様子でしたが、そこで於大の方は“側室”を迎えるよう提案します。

 側室とは本妻と別に男女の関係を持続していく女性のことを意味しますが、当時では普通に受け入れられていた日本の文化。“子孫繁栄”という正当な理由があっても、やはり現代の観点からいくと、妻とは違う女性と関係を結ぶ行為は理解しがたいですね……。

 家康も母の提案を断って帰るよう促しますが、於大の方の言い分を理解した瀬名は「側室選びは、この瀬名にもやらせてくださいませ」と発言。自分以外の女性と家康が関係を結ぶことは決して良い気持ちがしないはずなのに、三河のために側室を承認した“器の大きさ”に感服しました。

お葉の“夜の立ち振る舞い”が下手なうえに怖すぎる

 於大の方の提案によって始まった家康の側室選び。いわゆるオーディションのような形で、次々と側室希望者の女性がやってきますが、見た目が明らかに子ども、もしくは高齢、途中で“やっぱり嫌”と断るなど側室に相応しい女性が一向に現れません。お殿様の側室になれば生活も裕福なるので、年齢や気持ちを偽ってまでやってくるのは納得できますよね。

 しかし側室は意外なキッカケから見つかります。それは家康が食料として捕らえた猪の解体を周囲に募ったときのこと。「お下がりください」というひと言とともに現れたのが侍女のお葉でした。突進してくる猪をナタの一振りで絶命させ、さらには迅速に捌いていくという華麗な身のこなし。その器量の良さに惚れ込んだ瀬名は、お葉を側室の最有力候補として於大の方に勧めます。

 そして“今川家臣である鵜殿家の血筋の娘”という事実がありながらも、お葉は覚悟を決めて於大の方たちの依頼を引き受けることに。その後は瀬名や三河家臣・酒井忠次の妻である登与の助言を受けて初夜を迎えますが、気立ての良さが好評だったお葉は大失態を繰り広げます。

 女性陣からアドバイスされたのは、“袖を顏で隠してそーっと上目遣いで恥ずかしそうに見るともなく見る”、“耳を触ってあげて甘えてきた時にお腹を撫でる”の2つでした。しかしいざ実践すると、お葉は鋭い目つきで家康を睨みつけていたため、家康はお葉の鬼気迫る表情に「なんじゃ、なんなんじゃ…」と後ずさり。最後には強引に家康を倒して後ろから抱え、「よーしよしよしよし!」と言いながら荒々しく腹を撫でまわします。いわゆる濡れ場になってもおかしくない場面なのですが、むしろホラーのような恐怖を感じさせる展開で、ついお葉に「下手すぎるだろ!」とツッコミを入れたくなりました。

冒頭シーンが今回のオチの伏線だった!?

 お葉の不器用さが露呈したものの、気が利く行動のおかげで家康との距離が縮まっていきます。そして10カ月後には、無事お葉と家康の子どもが誕生。さらに子どもを作っていこうと意気込んでいた家康でしたが、お葉から側室の役目を辞退したい旨を告げられます。

 理由は“お葉と同じ性別で城勤めの美代を好きになってしまったから”というもので、まさかのお葉は同性愛者だったという驚きの展開。しかし「時代が違うだけであって、そういった人たちがいてもおかしくはない」と思う筆者としては、腑に落ちる結末でした。10話の冒頭には美代が渡辺守綱にナンパされていたところをお葉が助けたシーンがあり、それはこのオチの伏線だったのかもしれません。

 そして家康は特に彼女たちを咎めず、側室の役目を解除することに。自由を得た2人は家康との子どもの面倒を見ながら城勤めをしており、とても幸せそうな様子を見れて何だかひと安心。当時は理解しがたい同性愛を悪とせず、2人の存在を認めた家康の善意を称えたくなりました。

 10話を振り返ってみると、“側室”や“同性愛”などセンシティブな要素が多い内容で、これまでの『どうする家康』にはない面白さがあった印象。しかし、それだけでなく10話の最後には新たな動きを見せ始めた織田信長や武田信玄、今川氏真の様子が。次回は信玄と家康が談判するようなので、2人がどのような話し合いを繰り広げていくのか見逃せないですね。

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