どこかのだれかの笑顔のために、戦って死ね。 絶望的な世界観に没入した『ガンパレ(高機動幻想ガンパレード・マーチ)』【メモリの無駄づかい】
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三つ子の魂百までと言われますが、幼少期に限らず、ゲームを遊んだ思い出は脳に深く刻まれるもの。
何年、何十年たっても、「なんでオレ、こんなこと覚えてるんだろ…」と愕然とするような記憶が残りがちでして。
そんな脳のメモリ(記憶・容量)を無駄づかいしている例を語ります! 今回は、『ガンパレ(ガンパレード・マーチ)』シリーズの原点、PS版『高機動幻想ガンパレード・マーチ』について紹介します!!
『高機動幻想ガンパレード・マーチ』とは
本作は、2000年にPSで発売されたシミュレーションRPGで、芝村裕吏さんが携わったもの。学園を舞台にしたアドベンチャーと、戦術SLGで展開するバトルで構成される作品ですが、そのどちらもが当時としては尖りまくっていた作品で、さまざまな面で衝撃を与えました。
システム的に語りたいことはたくさんありますが、やはり個人的に一番思い出に残っているのは、その世界観でしょうか。
フィクションなのに現実感の高い世界観
突然出現した“幻獣”と呼ばれる異世界からの侵略者により、人類はまさに存亡の危機を迎えた架空の1990年代。“幻獣”の九州上陸を許した日本は、本州防衛のため、強制召集した学生たちの急造部隊を熊本に配置。
物語は、この部隊に配属された1人の学徒兵として、訓練校で己を磨きながら、戦いに身を投じていく姿が描かれます。
この世界観の構築がとにかく緻密で、完璧な設定に裏打ちされたフィクションとしてのリアリティは、かつて経験したことのないほどの没入感を持っていました。
訓練校を舞台にした生徒たちの日常的な青春群像劇と、戦争という状況下で仲間が当たり前に戦死していく非日常的な絶望感。この2つを同時に楽しめる世界での生活は、まさにゲームの中で生きているという実感を感じました。
とくに、もう後がないという戦況はまさに息苦しいまでの閉塞感で、戦いに出向くのが怖かったくらいです。いつも同じ場所にいて、何気ない会話をしていた学生が、ある日突然戦死していなくなっているのには衝撃を受けました。
ゲームとしての自由度の高さ
世界観の完成度の高さはもちろん、ゲームとして、その世界で“自由に生きる”ことができる点が、思い出に残り続ける大きな要因でした。
本作では行動の自由度が高く、この状況をどう過ごすかはプレイヤーの自由。パイロットとして戦果をあげるもよし、司令官になって戦いを指揮するもよし、ひたすら女の子を追いかけまわすもよし。
戦いに勝つという目的だけでなく、特定の人と仲良くなったり、世界の謎を追ったり、自分を鍛えたりと、自分なりの目標を見つけることができるので、楽しみ方はまさに人それぞれでした。
驚くほど“何でもできる”ので、何度も繰り返しプレイすることが苦にならず、気が付くと何周も何周も遊ぶことになっていたのです。
今回は世界観のみに言及しましたが、学校生活でのNPCとの交流や、歯応え満点のバトル、登場キャラクターの濃厚すぎる裏設定など、とにかく魅力は一杯に詰まっており、思い出の内容も人によって違うと思います。プレイすれば、必ず自分にあったプレイが見つかるはず!
とはいえ最近はプレイのハードルも高くなってきているので、ゲームクラシックでの登場に期待したいところですね。
なお、電撃オンラインchではクリアまで生放送(全15日)も配信中です。興味を持ったら、こちらも参考にしてみて下さい!
『ガンパレード・マーチ』クリアまで生放送(1日目)
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