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大河ドラマ『どうする家康』11話感想。田鶴、頼むから降伏してくれ…彼女が貫き通した信念にグッとくる

キジカク
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 毎週日曜20時からNHKで放送の大河ドラマ『どうする家康』。第11回“信玄との密約”のレビューをお届けします。

 三河国の主となって、姓も“徳川”に改めた家康。ある日、織田信長に呼び出され、「武田信玄が駿河・遠江を狙っている」と聞かされます。

 駿河国には家康の生まれ故郷である“駿府”も含まれているだけでなく、信玄の勢力拡大にも繋がってしまうため、何としてでも信玄の侵攻を食い止めたいところ。そこで家康は信玄に直談判を申し出るのですが――。

ちょっとみじめで可哀想…! 家康が精一杯の意地を張る

 交渉当日、信玄を待っている家康のもとに“信玄本人は来ない”という情報が入ります。実際に来るのは信玄の家臣であることを知り、家康も自身の家臣たちに「格を釣り合わさなければいけないから、信玄が来ないならお前達が対応しろ」と命じるのでした。

 すると家臣の一人・石川数正から「むしろ格を合わせたからこそ信玄ではなく山県(信玄の家臣)たちなのでは」との意見が出て、他の者からも「武田信玄と殿とでは、とても格が同じとは…」という発言が。終いには「山県たちですら家康より格が上」だと言われてしまいます。

 結局家康は「わしは出ぬ!」と言って別の場所で身を隠すことに。単に意地っ張りな感じもしますが、面目丸潰れで“自分の立場の低さ”を認めたくない気持ちもわかる気がします。信玄がいかに偉大な人物であったとしても、“三河国の主”としてのプライドを守りたかったのでしょう。

やっちまったな……家康が盛大にやらかして超気まずい!?

 同話ではヒヤッとするシーンも。それは家康たちが信玄をバカにしている時のことでした。交渉の場に参加しなかった家康・本多忠勝・榊原康政の3人は、“信玄の正体はもしかすると猫のような貧相な小男かもしれない”と妄想を膨らませ、猫の鳴き声で信玄のモノマネを始めます。

 するとそこに現れたのは信玄本人。最初は何者なのか分からなかった家康たちも、正体が分かった瞬間、血の気が引いた表情に…。もちろん信玄をバカにした発言もがっつり聞かれていたため、家康は固まってしまいます。

 悪口を張本人に聞かれてしまった時の気まずさたるや…。いち視聴者である筆者も「やっちまったな…」という感じで、場の空気が凍りついている様子が伝わってきました。

 その後、信玄は家康に対して、「双方が今川領を攻めて、切り取り次第で己の領地にするのはどうか」という提案をしてきます。結局家康はひと言も発することなく、半ば一方的に密約が交わされることに。気まずい空気が流れた後でなかなか強気に出づらいというのも当然ありますが、家康が何も言えなかったのは“信玄の迫力や圧”に押されてしまったのもあるかもしれません。

田鶴の揺るぎない決意と覚悟……討たれるシーンに胸が締めつけられる

 信玄が駿河・遠江を攻め落とす前に、早急に侵攻へと踏み出さなければいけなくなった家康。さっそく遠江の引間城へと兵を進めますが、ここでも1つ問題が発生します。それは引間城主が瀬名の親友である田鶴だったのです。

 家康も田鶴とは顔馴染みであるため、田鶴を討ち取るのではなく“降伏”させようと試みますが、最期まで今川に尽くすことを決心した田鶴の覚悟は揺るぎません。というのも、田鶴は今川への恩を大事にしているため、“今川を裏切った家康”の下につくのはどうしても許せなかったのでした。

 結局、田鶴は勝てもしない家康勢に真っ向から立ち向かい、討たれてしまいます。親友である瀬名との関係に葛藤しながらも、自らの信念を貫き通した田鶴。彼女の並々ならぬ思いにも共感できるため、銃弾を受けて倒れるシーンは非常に切なく、いたたまれない気持ちにもなりました。

 胸が締め付けられるシーンで幕を閉じた第11話。次回は家康が世話になってきた今川氏真とぶつかり合うことになりそうなので、今後の展開にもぜひ注目していきたいですね。

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