電撃オンライン

わが道に敵なし! ゲームとアニメが融合した演出に魂が震えた『天外魔境II 卍MARU』【メモリの無駄づかい】

タダツグ
公開日時
最終更新

 三つ子の魂百までと言われますが、幼少期に限らず、ゲームを遊んだ思い出は脳に深く刻まれるもの。

 何年、何十年たっても、「なんでオレ、こんなこと覚えてるんだろ…」と愕然とするような記憶が残りがちでして。

 そんな脳のメモリ(記憶・容量)を無駄づかいしている例を語ります! 今回は、PCエンジン SUPER CD-ROM2(スーパーシーディーロムロム)で発売された不朽の名作『天外魔境II 卍MARU』について語らせていただきます。

『天外魔境II 卍MARU』とは

 ジパングと呼ばれる架空世界を舞台に、主人公たちの大冒険が描かれていくRPG『天外魔境』シリーズ。シリーズのなかにはロンドンやらアメリカやらを舞台にした作品もあるのですが、自分としては舞台がジパング……とりわけ西方の大和地方での戦いが描かれる『II』が大好きだったりします。なんといっても、僕はこの『天外魔境II』のためにPCエンジンを購入したくらいなので、思い入れが違うんですよね。

  • ▲……などと偉そうなことを言っておきながら、実家に帰省して自室のゲーム棚を漁ったところ、なぜか本作を見つけ出せず(汗)。前作『天外魔境 ZIRIA』やサントラは残っているのに、一体どこいった? 捨てたり売ったりするハズはないので、どこかで眠っているのは間違いないのですが……。

 ストーリーラインとしては、前作から引き続き“火の一族”と“根の一族”の抗争を描写。ある日、ジパングの要所に出現した7本の“暗黒ラン”。この巨大な花を放っておくと、根の一族が崇める悪神ヨミが復活してしまう……ということで、これらをすべて斬り捨ててヨミ復活を阻止すべく、主人公の卍丸をはじめとする火の一族の戦士たちが立ち上がる……。おおまかに言うとこんな感じで、わりと勧善懲悪に近い構成になっています。わかりやすくてヨシ!

物語の要所で挿入されるアニメーション……そしてキャラがしゃべる! その衝撃

 さて、ここからがようやく僕と『天外魔境II』の想い出になるのですが。本作が発売された1992年当時、まだ思春期真っ只中の中学生だった僕は、夏休みに泊まりに行った親戚の家ではじめてSUPER CD-ROM2で『天外魔境II』に触れ、大きな衝撃を受けることになりました。

「ゲーム中にアニメが流れてる! そしてキャラがセリフをしゃべってる!!」

 この衝撃。今となっては当たり前すぎてあくびがでるかもしれませんが、当時の僕のゲーム知識はスーパーファミコンとゲームボーイがメイン。SUPER CD-ROM2の大容量(あくまで当時の話ね)が実現可能とした“ゲーム中のアニメ演出”に大きな衝撃を受けたのは、ある意味で必然でした。

 主人公の卍丸が最初の暗黒ランを断ち切る際に挿入された「わが道に敵なし!」のムービーには、心の底から興奮したものです。たぶんファーストキスのときの興奮にも勝る……というのはさすがに誇張しすぎだけど。


  • ▲僕がはじめて買ったゲームのサントラ、もしかすると『天外魔境II』なんじゃないか説が急浮上中。久石譲氏が手掛けたBGMは秀逸で、フィールドの音楽が大好きでした。

 取っ掛かりこそアニメ演出だったわけですが、本作の吸引力はそればかりではありません。千年にも及ぶ火の一族と根の一族の因縁。町を覆い尽くすほどの巨大な花・暗黒ラン。そしてそれを斬るために必要な7本の聖剣。火の勇者としての使命と父から受け継いだ形見の刀と陣羽織。ヒロインである絹が抱える葛藤。百地三太夫の秘めたる想いと待ち受ける悲劇……などなど、僕のなかにあった、いわゆる“中二心”をくすぐる要素が満載でした(笑)。

 おかげさまで僕は親戚の家から帰宅した直後、なけなしのお年玉貯金をすべて投入してPCエンジンDUOとこの『天外魔境II』を購入。夜を徹してプレイして、ますます深みにハマっていくことになります。

 順番は逆ですが『天外魔境 ZIRIA』もすぐ購入しましたし、小説も買って読みました。『II』の続編かつ外伝的な位置づけとなる『風雲カブキ伝』は予約までしてゲットしたことを覚えています。

 スーパーファミコンで発売された『ZERO』やセガサターンの『第四の黙示録』、そして満を持してPlayStation2で発売されたナンバリング作品『天外魔境III NAMIDA』らも、もちろんプレイしています。格闘ゲームの『天外魔境 真伝』も大好きでしたね(持ちキャラは当然卍丸!)。


  • ▲あまり深くは語りませんが、“アーケードカードDUO”もしっかり購入しておりましたよ。使った記憶はほとんどありませんけど(笑)。

 正直なところ、あの夏に『天外魔境II』がもたらした強烈なインパクトがなければ、僕はゲームライターになっていなかった可能性もありそう。数ある人生の分岐点のうち、かなり大きな部類に入る出来事でした。

 ちなみに僕を深みにハメたこの親戚のおじさんは、同様に『ファイアーエムブレム 紋章の謎』でシミュレーションRPGの面白さを教えてくれた人物でもあり、感謝してもしきれません……って、それはまた別のお話か(笑)。

 なお、『天外魔境II』は後年PlayStation2、ニンテンドーゲームキューブ、ニンテンドーDSでリメイクされ、2008年にPSPで発売された『PC Engine Best Collection 天外魔境コレクション』や、2020年に発売されたPCエンジンminiにも収録されています。令和というこの時代で、一番気軽に遊べるのはPCエンジンminiになるのかな。まだプレイしたことがないという方は、これを機にぜひ触れてみていただければうれしいです。

 それでは、今回はこのへんで!

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

関連する記事一覧はこちら