サプライズ演目も待っていた! “キングダム ハーツ”吹奏楽コンサート再び

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 「キングダム ハーツ」シリーズの楽曲を吹奏楽アレンジして演奏するブラスコンサート“KINGDOM HEARTS Concert -Second Breath-”(キングダム ハーツ コンサート セカンドブレス)が大阪/東京で開催されました! 本記事ではBunkamuraオーチャードホールで行われた東京公演の様子をレポートしていきます。

公演概要(※公演は終了しました)

大阪公演
フェスティバルホール
2023年2月19日(日)開催

東京公演
Bunkamuraオーチャードホール
2023年3月18日(土)開催
2023年3月19日(日)開催

指揮:和田薫
演奏:Siena Wind Orchestra
ゲスト:下村陽子

懐かしさ、そして新鮮さも魅力の吹奏楽コンサート第一部

 2016年8月に開催された「キングダム ハーツ」シリーズの初オフィシャルコンサート“KINGDOM HEARTS Concert -First Breath-”(キングダム ハーツ コンサート ファーストブレス)に続く“Second Breath”。その間、『キングダム ハーツIII』の発売、シリーズ20周年&『キングダム ハーツIV』発表と、非常に大きなシリーズ展開がありました。“Second Breath”では、そういったものも踏まえた“First Breath”とはまた違った思い出に残るコンサートが待っていました。今回は東京公演3月18日(土)の夜の部にお邪魔させてもらい、そのときの演目や会場の様子などをレポートしていきます。

 最初の演目は“光 -KINGDOM Orchestra Instrumental Version-”。“キングダム ハーツ”といえばやっぱりコレですよね。今回は吹奏楽コンサートということで、ゲームやオーケストラとはまた違った音色が耳に届き、あらためて吹奏楽の演奏を聞きに来たんだなと感じさせられる1曲目となっていました。それでいてコンサートならではの重厚感も……1曲目から一気に“キングダム ハーツ”の世界観に引き込まれていきます。

 2曲目はメドレー“Journey of the World of Tres(Dearly Beloved -KINGDOM HEARTS III Version- ~ Hero's Fanfare ~ Toy Box Jam ~ Swingin' Free ~ Miracle on Ice ~ Flags of Fury ~ Robot Overdrive ~ Monster Smash!)”。“KINGDOM HEARTS III Version”とあるように、『キングダム ハーツIII』のバトル曲が次々と演奏されていきます。疾走感があり、これからの待ち受ける冒険を期待させられる……そんな心の高ぶりを感じさせられながらも、『キングダム ハーツIII』のプレイを思い出させてくれる演目でした。

 2曲目が終わると「キングダム ハーツ」シリーズのコンポーザーである下村陽子さんが登壇! 公式サイトなどにはゲストと表記されていた下村さんでしたが、どうやらMCという立ち位置での参加となるようです。「前回の吹奏楽コンサート“First Breath”にも参加された方はどれくらいいますか?」「今回、コンサートが初めてだという人はいますか?」など来場者の方々に質問を投げかける下村陽子さん。ちなみに、この公演が初のコンサートだという人が意外と多く、「キングダム ハーツ」シリーズの懐の広さを感じさせられました。

 3曲目はキャラクターメドレーとなる“Heroes and Heroines: Characters' Medley -Second Breath Ver.-(Sora ~ Riku ~ Kairi ~ Namine ~ Roxas ~ Musique pour la tristesse de Xion ~ Terra ~ Aqua ~ Ventus ~ Enter the Darkness)”。激しい“Terra”から静かな“Aqua”へと、起伏の激しさもこのメドレーの面白いところ。シリーズをとおして印象に残る“Roxas”などは、あらためて心に響きます。4曲目の“Hollow Bastion”は“Traverse Town”などと並ぶシリーズ初期からのおなじみワールド曲。シリーズの長い歴史を感じさせられる1曲ですね。

 下村陽子さん2度目の登壇では、吹奏楽用にアレンジを担当した、本公演の指揮も務める和田薫さんとの思い出を語ります。前回の吹奏楽コンサート“First Breath”でも指揮とアレンジを担当した和田さん。20年前の出会いの際は、巨匠感があり近寄りづらかったと語る下村さん。本公演で、お二人が紡ぐ楽曲の数々を聞くたび、あらためて「キングダム ハーツ」シリーズにおいて欠かすことができない存在であることを感じさせられます。

 第一部の最後となる5曲目は“Happiest Medley of KINGDOM HEARTS(Destiny Islands ~ Traverse Town ~ Hand in Hand ~ Lazy Afternoon ~ The Escapade ~ Gearing Up ~ Shipmeisters' Shanty ~ Dream Eaters ~ Dearly Beloved)”。始まりの島“Destiny Islands”から“Traverse Town”へ……「キングダム ハーツ」シリーズならではの楽曲のメドレー。“Hand in Hand”も印象深い楽曲の1つですよね。演奏後半では会場全体が一体となって手拍子で演奏を楽しみ、第一部は終了となりました。

激しくも楽しい曲の数々が印象的な第二部

 第二部は激しい曲からスタート! 6曲目となる“Dark Impetus”、そして7曲目の“Rage Awakened”。緊張感あふれる迫力のある演奏が、来場者の方々の心を再びグッとひきつけます。

 再び登壇した下村陽子さんは、前回も演奏を務めたSiena Wind Orchestraのみなさんについて語ります。会場で販売されていたオフィシャルパンフレットでは対談が掲載されているほか、YouTubeの“《Siena Tube》シエナ・ウインド・オーケストラChannel【公式】”3月20日のライブ配信には、下村陽子さんが出演。本コンサートについても語っていますので、気になる方はチェックしてみてください。

 8曲目は“Distant from You...”。うって変わってやすらぎの演奏が会場を包みます。9曲目は“Scala ad Caelum ~ Edge of Existence”。悲しげでありながらドラムの音が印象的な“Scala ad Caelum”から、ピアノの弾き語りともいえるような“Edge of Existence”へと流れていく楽曲は、これまでとはまた違った演奏が心に残ります。

 “Edge of Existence”で指がもつれそうなほどのピアノ演奏を見せてくれたのはピアニストの森下唯さん。原曲も担当している森下唯さんだからこその圧巻の演奏に、称賛を送る下村陽子さん。また本公演には楽曲のアレンジを担当した亀岡夏海さん、鹿野草平さんらも会場に足を運んでいたようです。

 10曲目は緩急のある演奏が印象的な“Hearts as One”、続く11曲目“Forza Finale”と、“キングダム ハーツ”のバトルを体現したかのような緊張感とスピード感のある楽曲が、会場をさらに盛り上げてくれます。

 いろいろな要素が詰まった2つのバトル曲を終え、いよいよフィナーレへ。下村陽子さんがピアノで参加しての“March Caprice for "Melody of Memory"”が、12曲目……本公演を締めくくる最後の曲となります。楽しいアレンジとなっており、演奏者の方々が次々と立ち上がりながら演奏していきます。まさにエンディングのような演奏に、大きな拍手が響き渡ります。


最新作から驚きの吹奏楽アレンジ! アンコールも注目楽曲を演奏

 来場者の多くの拍手によりアンコールへ。アンコールはあまり聞き覚えのない曲から始まります。この13曲目は“Reality in the Dark”……なんとシリーズ20周年となる昨年、衝撃の発表となった『キングダム ハーツIV』の楽曲です! KINGDOM HEARTS 20th 発表トレーラーの『キングダム ハーツIV』なかで流れていた曲……もちろん、これが初めての演奏です。『キングダム ハーツIV』発表時も驚きましたが、今回の演奏も驚きの展開! まさにサプライズとなる演出でした。

 本公演にて、たびたびMCとして登壇した下村陽子さん。昨年2022年に20周年を迎え、2回目となる吹奏楽コンサートが実施できたことに、ファンの方々へ感謝の言葉を語りながら、本当の最後の演目へ。

 14曲目は『キングダム ハーツIII』エンディングテーマ“誓い”の吹奏楽アレンジ“誓い -KINGDOM Orchestra Instrumental Version-”。静かな立ち上がりから、徐々に演奏は盛り上がっていきます。今回の吹奏楽コンサートでは『キングダム ハーツIII』の楽曲を中心に構成されていましたが、この楽曲はまさに本公演を締めくくるにふさわしい演目ですね。1作目『キングダム ハーツ』から続いた“ダークシーカー編”の最後を飾る『キングダム ハーツIII』。そのエンディングテーマとなる“誓い”の吹奏楽アレンジは、『キングダム ハーツIII』はもちろん、20周年を迎えたこれまでの物語を思い返させる……そんな楽曲と言えるのではないでしょうか。

 吹奏楽ならではの音の響きが余韻の残るなか、今後のシリーズの展開はもちろん、次の“キングダム ハーツ”コンサートにも期待が高まる最高の吹奏楽コンサートでした。

 またこのタイミングで“キングダム ハーツ”20周年記念アナログレコードBOX『KINGDOM HEARTS 20TH ANNIVERSARY VINYL LP BOX』が発売! 本公演のサプライズ演出だったともいえる『キングダム ハーツIV』からの楽曲“Reality in the Dark”も収録されたレコード3枚組(合計36曲)です。東京公演では先行販売されていたレコードBOXなので、“キングダム ハーツ”ファンの方々はぜひチェックしてみてはいかがでしょうか? 

関係者からのメッセージが到着

和田薫(指揮者・アレンジャ-)

 指揮とアレンジを担当させていただきました和田薫です。大阪1公演、東京4公演の全5公演が無事に終わることができました。お客様皆様に喜んでいただけたかと思います。本当にありがとうございました。

下村陽子(コンポーザー)

 大阪から全5公演、駆け抜けました! つたないMCとかもありましたが、皆様のやさしさに支えられて、そして演奏者様の素晴らしい演奏に支えられて、最高に幸せな5日間を過ごさせていただきました。こんな幸せな時間が自分自身持てるよう、また皆様にもお届けできるようこれからも頑張っていきたいと思いますので、引き続き「キングダム ハーツ」を応援よろしくお願いいたします。皆様、本当にありがとうございました!

西理江(『キングダム ハーツIV』プロデューサー)

 「KINGDOM HEARTS Concert - Second Breath -」にお越しいただいた皆様、ありがとうございました。関係者の皆様のご尽力により無事完走いたしました。これまで、コンサートの時はいつも舞台袖にいたので本番を会場で聴いたのは、今回が初めてでした。音圧を体感できて心地良かったです。また、ファンの皆様の反応を近くで感じられこともとても嬉しく思っています。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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日本語表記:関口佳代

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