いよいよ9周年。スクエニのスマホ用RPG『スクスト2』がロングヒットゲームになった理由を開発者に聞いてきた!
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スクウェア・エニックスのiOS/Android用アプリ『スクールガールストライカーズ2』が4月10日に9周年を迎えることを記念して、プロデューサーの赤塩裕之さんにインタビューを実施しました。
◆9周年を迎えられた秘訣は…隊長さんと開発陣の熱量!
――『スクスト』がいよいよ9周年という大台に乗りました。おめでとうございます!まずは、率直な感想をお聞かせください。
赤塩裕之さん(以下、赤塩):これまで数々のゲーム開発に携わってきましたが、ここまで長くサービスを続けられたタイトルは初めてなので、新鮮な経験をさせてもらっているなっていう気持ちがあります。
どんなゲームやサービスでも長く続けたいという気持ちはみんなが持っていると思いますが、さまざまな理由でそれが難しく、理想と現実が噛み合わないなかで、隊長さんのおかげでここまで続けさせてもらっていて感謝の気持ちでいっぱいです。ひたすら感謝ですね。
――隊長さんの熱意が本当にすごいですよね。
赤塩:それに尽きますね。サービス開始当初から長い間プレイしていただいている隊長さん、最近スクストを始めてみたという隊長さん含め、多くの隊長さんが応援してくださっていることは、とてもうれしいですね。考えると9年って、サービス開始時に小学校に入学した子どもが中学校を卒業するくらいの長さですから。長いですよね。
――6~8年目のタイミングではコロナ禍とも重なり、これまでと状況が一変しましたが、隊長さんの反応や熱量、開発環境など何かしらの変化はあったりしたのでしょうか。
赤塩:世の中がゲームをしているどころじゃないという雰囲気になりましたし、隊長さんたちに満足いただけるコンテンツを提供し続けることができるかは心配しておりました。開発環境も、そういった状況下で出社できない状態になって、自宅で作業することになりまして……。
開発環境が大きく変わったなかで満足のいくものを提供するためには時間が必要ということで、その際はストレートな名前の“お時間をくださいキャンペーン”を実施させていただきました。
このときに隊長さんからいただいた「いつまでも待つよ」という言葉は、今でも覚えています。ユーザー目線で考えれば、コンテンツが提供できないなら、スクストから離れてしまってもおかしくないと思うのですが、そういう温かい言葉をいただけたのはありがたかったですね。無事に9周年を迎えられたのも、この時に待ってくださった隊長さんたちのおかげだと思っていますし、今でも感謝の気持ちでいっぱいです。
当時は、タイミング的には6周年の準備をしている最中で、サービスの継続が難しくなっていくのではという考えが頭をよぎったのも事実ですね。
そもそも『スクスト2』の開発現場は熱量が高くて、会議で意見を出し合った後に、また別の場所でメンバー同士が自然と集まって会議の続きを行うほどでした。これがコロナ禍の影響でリモートワークになったときに同じようにできるか、これまでのようにいろいろなアイデアを拾いづらくなってしまうのではないかという恐怖感も少しありました。
リモートワークが定着してきて、メンバー間の交流もスムーズになってきましたが、いまでも、そういった考えと戦っていますし、以前のような状況に完全に戻るのは難しいとも思っています。
――6周年の前には、“エテルノベジタブル大作戦!”といったリアルイベントも行われて、今後はこういったイベントが増えていくのではと考えた矢先でしたが影響はあったのでしょうか。
赤塩:『スクスト2』に限らず、コロナ禍でやりたいことの選択肢が狭まったと思います。実際にリアルイベントで隊長さんとの交流を増やしていこうと計画していた最中だったので、夏のリアルイベント含め、すべて白紙に戻すことになりましたね。
ただ、その中でどれだけ工夫してできるかというのが勝負だと思っていて、切り替えは早くできたと思います。
――そんな状況下でもさまざまなイベントが行われていましたよね。“オンラインシール剥がしイベント”、“スクストあるある川柳かるたプロジェクト”や“《スク☆スク☆スクスト》楽曲制作プロジェクト”など、新しい試みもあって、楽しかったです。
赤塩:支持してくれている隊長さんに『スクスト2』が元気であるというメッセージを伝えることが大事だと思っていました。コロナ渦で以前のような大規模なプロモーションができないなかで、これまでより意識的に『スクスト2』が元気だと伝わるようなイベントやキャンペーンを展開しました。
シール剥がしイベントのようにリアル開催からオンライン開催に移行したものもありますが、試行錯誤をしながら、ゲームの中だけでなく、外での動きも意識したつもりです。
――9年は本当に長い時間ですが、あらためて振り返ってみて、印象に残っている出来事はどんなことでしょうか。
赤塩:数えだしたらきりがないのですが、2017年に行ったTVアニメ化はとても印象的な出来事でした。誰にでもわかりやすい形で自分たちのサービスの世界が広がったという感覚が持てたので、新鮮でしたし、同時にアニメ作りの大変さも勉強しました(笑)。
あと2019年の“エテルノベジタブル大作戦!”も印象深いですね。『スクスト』で大事にしているキーワードとして、斜め上のインパクトというものがあり、いちばん斜め上だったのが、“エテルノベジタブル大作戦!”ではないかと。
ゲーム内で女の子が野菜の栽培を始めて、実際にリアルに野菜を栽培し、最後には隊長さんといっしょにその野菜を使ってカレーを食べるという……口にするとなかなかカオスな状況なのですが、『スクスト』らしいと思っていただけたら嬉しいですね。
――“エテルノベジタブル大作戦!”を取材した際、イベント終了後に隊長さんたちが開発スタッフのみなさんのところへ挨拶に行き、名刺交換やランチョンマットへのサインなどのコミュニケーションをとって談笑しているのを見た時はビックリしました。
赤塩:お名前を見かける隊長さんと実際にお会いできて、我々も楽しかったです。Twitterなどで応援をいただくことも嬉しいのですが、リアルに対面でお声がけをいただけることは、本当に開発のモチベーションが上がりました。
また、こういったリアルの場だけではなく、Twitter等にお寄せいただくご意見にも開発一同とても励みになっています。
ほかにも、9年もサービスを続けていると、何度も回数を重ねた定番イベントも多いのですが、やっぱり第1回目のシール剥がしイベントが印象に残っていますね。初めてシール剝がしイベントを行ったときは、1人2枚という枚数制限もなかったので開始して5分くらいでなくなってしまって、多くの隊長さんにご迷惑をお掛けしてしまいました。
次回開催する際は、枚数制限をした方がいいという学びも得られ、回を重ねるごとにイベントの完成度は上がっていったと思います。
『スクスト』で大事にしている“斜め上のインパクト”ですが、外しすぎると何をやっているのかわからないということになるので、そうならないようにしながら“エテルノベジタブル大作戦!”を超える斜め上のインパクトを与えられるようなことをこれからもやっていきたいですね。
――隊長さんと共に歩んだ9年間だったと思いますが、長く続けられている秘訣はなんだと思いますか。
赤塩:9年間続いたタイトルということで、何年も隊長さんと関わってきた結果、運営と隊長さんとの距離が非常に近く感じています。もちろん、距離が近いのはいいことなのですが、その距離感に甘えてしまってはいけないとも考えていて、そのバランスがうまくいっていることが、『スクスト』が長く続いている秘訣の1つなのかもしれません。
運営が長くなってくると「前と同じでいいや」と、悪い意味での妥協やマンネリにもなりがちで、隊長さんなら大丈夫と、距離感に甘えてしまい妥協しないようにと注意しています。好評だったイベントの枠組みを無理に崩す必要はありませんが、「以前より、もっと面白くすることはできないか」ということは常にチーム内で議論して、よりよいものをお届けしようと意識しています。
また、日々の現場で困難と向き合っているときに、わかりやすくスタッフの『スクスト』への愛や熱量が感じられますし、スタッフ一同、日々のSNSや年末のモシュネへの質問などはすべて読ませてもらって、隊長さんは何を楽しみにしているのか、何に不満をもっているのかのアンテナを常に張っていますね。
隊長さん、開発陣ともに熱量が高いからこそ長く続けることができているんだと思います。
――確かに人気投票やシール剥がしイベントは、毎回趣向がこらされていますね。2022年のオンラインシール剥がしイベントは東軍と西軍の対戦形式になっていて新鮮でした。
赤塩:人気投票については毎回同じことを聞くのではなく趣向を変えた質問を考えていますし、オンラインで行ったシール剥がしイベントも1回目と2回目でルールを調整しました。好評だったイベントの枠組みを無理に崩す必要はありませんが、「以前より、もっと面白くすることはできないか」ということはつねにチーム内で議論して、よりよいものをお届けしようと意識しています。
◆2023年はあのイベントのリアル開催も!?
――2022年には、楽曲制作プロジェクトや生歌唱ありの生放送、年末恒例となっているモシュネへの質問など、隊長さんとのコミュニケーションも頻繁に行われました。反響はいかがだったでしょうか?
赤塩:年末には、隊長さんから募集していた掛け声を使用した「スク☆スク☆スクスト」の生歌唱も行った生放送をやらせていただきましたが、隊長さんから面白かったという言葉を多くいただき、やってよかったと思いました。
ティエラ先生役の浅川悠さんの司会がすごくて、何もやることがなくて楽をさせてもらいました(笑)。フェイ役の小岩井ことりさんは、事前収録ではなく、生放送中にリアルタイムで歌唱するという失敗できないプレッシャーからかなり緊張されており、それを見た自分も一緒に緊張してしまったことは覚えていますね。本番では、熱唱していただいて放送も盛り上がり、大成功でした!
――定期的に生放送を行う作品もありますが、『スクスト2』についてはいかがでしょう? 来年の10周年に向けて、今後は生放送が増える可能性もあるのでしょうか?
赤塩:生放送の回数を増やすことが有効なタイトルや運営方針もあると思いますが、『スクスト2』はそこまで回数や頻度を重視していません。毎回しっかりしたものを届けて楽しんでもらいたいので、そのためには、生放送を行う必要がないときはやらなくていいと思っています。
――たしかに『スクスト2』の生放送は大きなイベントにあわせて行うことが多いです。
赤塩:回数というよりは、1回のクオリティを重視していて、量より質というスタンスですね。
生放送には隊長さんとの交流という側面もあると思いますが、『スクスト2』においては年末恒例となったモシュネへの質問コーナーなどもありますし、生放送以外でのコミュニケーションをはかっています。
お寄せいただいたすべての意見に目を通しておりますし、読んでいて面白いなと感じることもあります。そのなかで、隊長さんが知りたい質問については、できるだけ答えられるように頑張っています。
生放送同様、モシュネへの質問もいつでもやっているレギュラー企画というわけではありませんが、いまの隊長さんとの関係性を考えると、要所要所でやるのがちょうどいいのではないかなと思っています。
ただ、最近はコロナ禍の状況がだんだん変わってきているので、生放送に限らず、2023年はそろそろ何かしらの催し物などの頻度を増やしていこうと計画はしています。
――それは楽しみです! イベントだと毎年行われていたシール剝がしイベントなどオンラインに形を変えて開催されましたものもありましたね。
赤塩:オンラインでのシール剝がしイベントは2021年と2022年の2回開催しましたね。オンラインでの開催に当たって、システムをゼロから組むところから始まり、実際に開催してもイベントとして成立するのかという不安がありました。
――シール剝がしだと、開催される場所に行かないといけないので、オンラインで初めて参加できたという方も多かったと思います。
赤塩:そもそもが東京の新宿と池袋、大阪、名古屋、福岡、仙台、札幌という6都市での開催で、ある程度大規模なものもありましたが、それでも住んでいる場所や時間などの負担を考えて参加が難しかった隊長さんもいたと思いますから。
リアルだとイベントが行なわれる会場に足を運んでいただかないと参加できないので、参加したくてもできないということがありましたが、オンラインではどこからでも参加できるので、イベントに参加するハードルは低くなったと思います。実際に初めてシール剝がしイベントに参加したというお声もいただきました。
なので、イベントを開催したことでひとつの知見は得られたと思っています。とはいえ、そろそろ隊長さんと汗まみれでセロハンテープ剥がし(※)をやりたいという気持ちもあります(笑)。
※リアルでの開催時にポスターにシールを張り付けているセロハンテープを剥がして、きれいな状態のポスターにすること。イベント終了後のおなじみの光景。
――リアルだと剥がしたシールの交換といった隊長さん同士のコミュニケーションにもなっていましたね。オンラインでシール剝がしに初めて参加した隊長さんが、リアルでの開催に初めて参加する日も近そうです。
赤塩:待ちに待ったリアルでのシール剝がしイベントが開催されたときには、参加してもらえたらうれしいです。
――コミュニケーションの手段としては、ファンミーティングも考えられますが、リアルでの開催も考えられていたりするのでしょうか。
赤塩:ファンミーティングを始め、オンラインで開催されたものもありますが、リアルとオンラインをバランスよくうまく使い分けていきたいと思います。オンラインでは一斉に参加できたり、イベント感があるのはリアルの方だったり、それぞれ持ち味があるので、そこは我々が工夫していければと思っています。
●インタビュー後編は4月中に公開予定
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スクールガールストライカーズ2
- メーカー: スクウェア・エニックス
- 対応端末: iOS
- ジャンル: RPG
- 配信日: 2014年4月10日
- 価格: 基本無料/アイテム課金
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スクールガールストライカーズ2
- メーカー: スクウェア・エニックス
- 対応端末: Android
- ジャンル: RPG
- 配信日: 2014年5月8日
- 価格: 基本無料/アイテム課金