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大河ドラマ『どうする家康』13話感想。都で“コンフェイト”をゲット…義昭に搾取されるかわいそうな家康

キジカク
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 毎週日曜20時からNHKで放送の大河ドラマ『どうする家康』。第13回“家康、都へゆく”のレビューをお届けします。

ただの砂糖菓子なのに高価な“コンフェイト”…そんなに欲しい!?

 宿敵・今川氏真との戦いが終わり、“氏真を生かす”という選択肢を選んだ家康。思わぬ約定破りに武田信玄は怒りを露わにし、さらなる波乱の気配が帯びてきましたが、家康は家臣に詫びるよう伝えています。そして信玄とのやり合いは一旦終わり、13話では家康一行が“上洛”する様子が明らかになりました。

 そもそも上洛とは“京都に行くこと”という意味の言葉です。家康は織田信長の後ろ盾で将軍になった足利義昭の命令で京都に向かうことになり、家臣たちは家康の出世っぷりに「くるとこまできましたな」「あのちっぽけで泣き虫だった殿が」と泣きながら歓喜。やはり家康は信長のようなカリスマ性がある人ではなく、“どこか頼りないけど、人間味にあふれた男”という面が魅力なのだと改めて感じました。

 浮足立つ家康でしたが、息子の信康とその妻であり、信長の娘である五徳が喧嘩をしていることが発覚。とはいっても夫婦の2人は、まだ幼い子どもであり、喧嘩の理由は“まんじゅうの取り合い”でした。

 家康が仲裁に入ったものの五徳は納得がいかない様子だったので、家康は“上洛した際にお菓子を買ってくる”と約束。そして五徳が依頼したお菓子が“コンフェイト”という南蛮人が持ってきたとされるものでした。恐らく砂糖菓子“金平糖”のことを“コンフェイト”と言っているのだと察知しましたが、ポルトガル語に馴染みのない当時の人々が発音に困っている様子がリアル。結局、家康が“コンフェイト”を買ってくるという話になり、2人は仲直りしてくれました。

 上洛してからはいろいろな出来事が重なったものの、京で出会った三河商人である茶屋四郎次郎のおかげで見事に“コンフェイト”を手に入れた家康。じつは茶屋によると、“コンフェイト”はかなり貴重なもので、お菓子なのにも関わらず、かなり高価な代物だそう。“お菓子でさえも世に出回っていないからこそ高価になる”という事実に意外性を感じましたが、現代も枚数限定のトレーディングカードにプレミア価格がつくことを考えれば、どの時代もモノの価値の捉え方は同じなのかもしれませんね。

浅井長政が爽やかイケメンすぎる

 上洛後には“家康の家臣と北近江の戦国大名・浅井長政の家臣が喧嘩をしてしまう”というトラブルが発生し、家康は上洛していた信長に“罰せられるのでは”と不安におののきます。というのも長政は信長が心を許すほどの親密な関係であり、長政が告げ口をすれば、痛い目を見るのは間違いありません。

 しかしフタを開けてみれば長政の気遣いによって“喧嘩ではなく戦い方を指南してくれた”という話で落ち着き、家康は信長の制裁を受けずに済みます。その後も家康に対して「私は三河の国を守り抜いてこられた徳川殿のご苦労を思い、我が身の糧としてまいりました」と発言。家康を敬い、それを態度で示す姿が印象的で、“無骨な信長のクールさ”も良いですが、いわゆる“爽やかイケメン”のような魅力を感じました。「どちらが良いか?」と問われても、甲乙つけがたい魅力がそれぞれにあります。

「ふざけんな!」将軍・義昭の横柄な態度に怒りが…

 無事に最悪な事態を回避した家康は、ついに将軍の義昭と対面します。信長も認める将軍というのだからさぞかし立派な人が出てくるのかと思いきや、足元が覚束ないままにやってきてはたどたどしく話したり、途中で居眠りをするといった数々の愚行が…。

 さらに義昭は家康に貢ぎ物として“コンフェイト”を要求。実は家康が義昭と対面する前、長政の妻であるお市と再会し、“コンフェイト”の一部を譲っており、その様子を信長の配下にいる明智光秀が見ていました。それを義昭に告げ口していたようです。そして泣く泣く義昭に献上すると、義昭は一瞬にして“コンフェイト”を完食。絵に描いたような“ろくでもない奴”で、なぜ信長が認めたのか理解できませんでした。

 信長は上洛後に家康と長政と集った際、「武家がこの世を収める、その武家を束ねるのが将軍様」「それこそが、この日ノ本のあるべき姿、有姿(ありすがた)じゃ」「この乱れた世を本来の有姿に戻す」と発言。信長としては“将軍をトップにする”という体裁さえ整えばいいと考えていて、将軍の人間性は見ていないのかもしれません。それにしても義昭のダメっぷりは目に余るので、周りから不満が続出するのは時間の問題な気がしました。

 モヤモヤが募る義昭との対面でしたが、家康は休む暇もありません。信長に呼ばれた家康は“将軍に従わず上洛を断った大名を攻める”ことを知らされ、再び戦が始まることに。さらに裏で長政は信長を裏切ることを決意。天下統一が本格始動する気配が強くなり、さらなる混沌とした展開が予想できます。信長を裏切った人物として有名な光秀や家康と対立している信玄も、今後どのような動きを見せるのか見逃せないですね。

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