個性的なキャラと鳥肌が立つ物語が魅力の『ゴースト トリック』を紹介しますとも【綾那のゲームに夢中】
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- 綾那
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さまざまなゲームを遊び、愛するゲーマー女優である綾那さんのゲームコラム“綾那のゲームに夢中”の連載第27回をお届けします。
皆さん、ゲームしていますか? どうもこんにちは、綾那です!
コラムを書くにあたり、昔のゲームだともう一度プレイし直してから、よみがえった記憶とプレイして思ったことなどを書いているのですが、携帯ゲームだとニンテンドーDSのソフトが多いんですよね。持っているソフトをざっと見ても、続編を希望するような名作ばかり。
そんな中から、今回はあの『逆転裁判』シリーズの生みの親である巧 舟(たくみ しゅう)さんがディレクターである『ゴースト トリック』を書いていきたいと思います。
なお、ネタバレはしないように、キーとなりそうなキャラは割愛しています。
“トリツク”と“アヤツル”を使った謎解き
本作の主人公は死者のシセル。死にたてホヤホヤでございます。生前の記憶を忘れ、自分が誰でどうして死んだのかも分からない……真っ赤なジャケットと黒いサングラスがトレードマークな男です。
謎の電気スタンドのクネリからチュートリアルを受けるも、話の最後に「夜が明けて、明日の朝日がさすとき。…アナタ様は“消滅”いたします」と告げられてしまいます。
これは、夜明けまでというタイムリミットの中“自分が誰なのか”、“どうして殺されたのか”という真実を知るために、“死者のチカラ”を使ってシセルが奔走する物語なのです。
その中でトラブルメーカーの女刑事リンネに出会い、彼女の命を助けながら壮大な事件の真相へと挑むことになるのですが。
シセルが使う“死者のチカラ”とは、“トリツク”と“アヤツル”。“トリツク”ことで物のコアを移動し、時にはその物体を“アヤツル”ことで道を切り開いていくことができます。
そしてシセルの持つ“死者のチカラ”は、死者が死ぬ4分前に戻ることができるので、タイムスリップし、この“トリツク”と“アヤツル”の能力を使って死者を死なせないように運命を更新していくわけです。“リアルタイムなピタ●ラスイッチ”みたいなイメージですかね。
この“死者が死ぬ4分前に戻って運命を更新する”というのがとてもイイ!
コアが見えている物に限り、トリツクことができるので、完璧に死んでいないと4分前に戻ることはできないんです。4分前っていうのがまたいいですよね。“死”と“4”をかけているのかな?
この設定で、まさか最終的にあんな風になるなんて……『ゴースト トリック』すごいぜ!
他にも、電話線を伝って他の場所に移動することが可能。かかってきた所の電話線にしか移動できなかったり、タイムスリップ中は自由に電話線を行き来することはできなかったり制限はありますが、そこからさまざまな場所へと飛び、人間ドラマを見ていくことに。
途中途中にヒントはあるので、行き詰ったらシセルたちの言葉に耳を傾けるといいでしょう。
最初こそ簡単ですが、後半に進むに連れて難易度が一気に上がっていくんですよ。タイミングがそこそこシビアな場面などもあり、やりごたえはかなりあります!
進んでいくにつれて「なるほど、ココとココが繋がるのか!!」と目からウロコがボロボロ落ちてくる作りは、さすが巧 舟さんです!
「これぞまさにタクシュー節!」と手を叩きたくなるユーモア溢れる台詞は相変わらずで、シリアスな場面の時でもクスっときてしまうものがあります。
物から物へと繋がり、電話線で繋がり、その先にいる人たちと繋がっていく……このゲームは“繋がる”がテーマなのでしょうかね。
何よりも、グチャグチャだった線が最後に一本の線に繋がって真実が分かった時には感動しました。
個性的すぎるキャラと予想ができない物語が秀逸
『ゴースト トリック』に出てくるキャラクターは、全員クセが強くて個性的。脇役でもキャラが立っているのは、巧 舟さんならではですね。
そんな中でも私が一番好きなキャラはミサイル! ミサイルが出てくると「うわああぁぁぁミサイルーー!!」と、彼と同じような大文字で叫ぶくらい好きです。
ミサイルはとっても主人想いなプリティポメラニアンくんで、主人であるカノンのためならばその身を投げ出してでも守ろうとするナイト犬です。まぁその……番犬には不向きなのですが。
テーマソングもポップでカワイく癒しキャラ! 彼を好きにならない理由はないってくらい、いいポメラニアンだと思います。
人間だと、カバネラ警部ですかね。リンネの上司なのですが、動きがコミカル! 服も特徴的! 強い出世欲と真っ白な経歴がポリシーな彼の真っ白なコートは“シミ1つない真っ白な経歴”を意味しています。
キャラ設定も飛びぬけてエキセントリックで好きですね!
「コンビで好き!」というキャラもいます。
刑務所勤務の先輩と後輩の2人なんですが、これがまたいい感じの緩さで最高なんですよ!
マジメな先輩と不遜な態度の後輩なのですが、先輩の方が挙動が特徴的でおもしろい! それに対して口悪く茶々を入れてくる後輩くん。あれだけオーバーに反応してくれるのを見ていると、構いたくなる気持ちもわかりますね。先輩のテンテコの舞いは必見の踊りです。
シセルという主人公が、死んでしまったところで記憶喪失になり、自分が誰なのか最後の方までよく分からないっていうのもおもしろいところですね。
プレイヤーキャラなので、こちらもシセルの正体を考えるわけです。ところが、事件を解決していくと、だんだんきな臭い話になっていくわけですよ。
すると次第に「私は私じゃないの? え ? 私って誰なの? ただの思い込み? いやでも私は私……私って私だよね? あれ ……私って誰?」みたいな感じで“私”がゲシュタルト崩壊をおこしてくるんですよね(苦笑)。
ちなみに私が考えていた結末と、実際の結末はまったく異なり、めちゃくちゃ見当はずれでした。
というか想像できるわけもない超展開でございました。
もしあのエンディングを中盤辺りで予想できた人がいたら、相当にすごいです……。
「いい話だった……」と物思いにふけっていると、最後の最後でまた鳥肌がブワっとたつ展開だったので、いい意味で気を抜けないゲームでした。
私がプレイしたのはDS版ですが、今はiOS用アプリでも配信されているそうです。
しかも2話までなら無料でプレイ可能! できることならば記憶をすべて消して、真っ新な気持ちでもう一度遊びたいくらい素晴らしいゲームなので、ぜひとも自分の手で運命を更新し、その真実を見てください。
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ゴースト トリック
- メーカー: カプコン
- 対応機種: DS
- ジャンル: ミステリー
- 発売日: 2010年6月19日
- 希望小売価格: 5,040円(税込)
『ゴースト トリック』
- メーカー:カプコン
- 対応端末:iPhone/iPod touch(ダウンロード専用)
- ジャンル:ETC
- 配信日:2010年12月16日
- 価格:第1章・第2章 無料、第3章~第7章 860円、第8章~第13章 860円、第14章~最終章860円、第3章~最終章 2,080円(すべて税込)