『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』完成披露上映会をレポート。石川界人さん「何度でも見てほしい作品です」
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5月25日に新宿バルト9にて、6月15日に劇場公開される『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』の完成披露上映会が開催されました。ここでは上映後に行われた、キャスト&スタッフによる舞台あいさつの模様をお届けします。
鴨志田一先生と溝口ケージ先生による電撃文庫の人気ライトノベル『青春ブタ野郎』シリーズは、空と海が輝く町・藤沢を舞台に描かれる、切なくも瑞々しい思春期ファンタジー。
原作シリーズの第6弾と第7弾にあたるエピソードを映像化した『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』は、2018年10月より放送されたTVアニメ『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』に続く、完全新作となる劇場アニメです。
この劇場版ではTVシリーズに引き続き、監督を増井壮一さん、構成・脚本を横谷昌宏さんが担当し、“CloverWorks”が映像化を手掛けています。
公開されている予告では、重い病気を抱える中学生の翔子と同一人物だと語る大人の翔子、これまで謎のままだった胸の傷が開く咲太、咲太との未来を願う麻衣の姿が。また、さまざまな思いを抱えながら決断を迫られる咲太の姿が描かれています。
石川界人さん、瀬戸麻沙美さんに加えて、翔子役の水瀬いのりさんもサプライズで登場!
上映後の舞台あいさつでは、梓川咲太役の石川界人さん、桜島麻衣役の瀬戸麻沙美さん、増井壮一監督の3名が登壇。MCは天津 向さんが務めました。
この日が世界最速での上映ということで、石川さんが客席に「どうでしたか?」と問いかけると、観客のみなさんは大きな拍手で返答。瀬戸さんも「私たちの話よりむしろ、みなさんの感想を聞きたいという気持ちでいっぱいです」と、客席の反応が気になる様子でした。
登場のあいさつが終わったところで、「本作に欠かせない人」として、牧之原翔子役の水瀬いのりさんがサプライズで登場。これには客席から、驚きの歓声が上がっていました。
本作がついに完成してお披露目の日を迎えたことについて聞かれた石川さんは、「本当に感無量ですね」と回答。「ただ、本当に『青ブタ』が終わっちゃうんだなぁと、嬉しいんですけどさびしいという複雑な気持ちですね」と、今の心境を明かしていました。
瀬戸さんは、ご自身も完成した本作を見たのはつい先日とのことで、「みなさんも私と同じ気持ちなら、6月15日の公開で2回目を見るのが待ち遠しいんじゃないかと思います」と、つい先ほど本作を見終わった観客のみなさんに向けて語っていました。
水瀬さんは、この劇場版で物語の中心となる牧之原翔子を演じています。「TVシリーズではすごく謎の多い人物だったので、それを踏まえて劇場版として、すごくプレッシャーがありました」とのこと。
先ほどの瀬戸さんと同じく、水瀬さんも見た人の反応が気になるようで「泣いてもらえたらという気持ちもあったので、そのへんがどうだったのかなと、まだドキドキしています」と語っていました。
TVシリーズから携わっている増井監督は「『青ブタ』という作品を、キャストのみなさんもスタッフのみなさんも大切に、思いを込めて作ってくれていました」と、これまでを振り返ってコメント。
「この劇場版も、なんとかもうちょっとよくしたいと、最後のギリギリまで粘ってがんばってもらっていました。今日に間に合って、ひと安心というところです」とのことでした。
物語に翔子の夢が詰まっていて、見れば見るほど泣ける作品になっています
続いては、これまで咲太と麻衣を演じてきた2人に、TVシリーズと今回の劇場版との違いを聞くことに。「TVシリーズの最後のほうでも咲太は感情的になっていたんですけど、今回の映画は、その感情の質がかなり違うと思います」と石川さん。
「咲太って優しくなるために生きているので、今回はその優しさが他人を傷つけたり、何かを犠牲にしなきゃいけないといった、苦しみという感情が強かったと思います」とのこと。それだけに「演じていても本当につらかったですね」と、感慨深げに語っていました。
「TVシリーズの時は、アフレコがある期間はずっと麻衣さんでいられたんですけど、劇場版は1日で収録する形になるので、集中力が必要だなと思いました」と瀬戸さん。続けて、「今回の映画は心地よいテンポで描かれているんですけど、それでも映画って、自分たちが生きている時間よりも早いじゃないですか。それをいかに早いと感じさせずに、みんなの生きている物語が見えるようになれば」と意識していたことを話してくれました。
一方、水瀬さんの演じる翔子は、映画のなかに中学生の翔子や大人の翔子が登場する、複雑な役柄になっています。それだけに「台本をもらう前から覚悟をしていたんですけど、台本を開くと“翔子”という文字が多すぎて、思わず閉じてしまいました」とのこと。
シナリオにある中学生翔子や大人翔子のセリフを、カラーペンでひとつひとつ色を変えてチェックしていたそうですが、「途中から“翔子”という文字がゲシュタルト崩壊して、“咲太”という文字にまでチェックを入れていました」と語って、会場の笑いを誘っていました。
今回は上映後のトークということで、もう一回見るにあたってぜひここに注目してもらいたいシーンは? という話題に。
翔子の「生きたいんです!」というセリフを挙げた石川さん。このセリフを聞いた時に「水瀬いのりってスゴイなと、改めて思った」と感動したのだそうです。
瀬戸さんは、本作の中盤にやってくるクライマックスの衝撃が強すぎて、「後半は放心状態になっていた」とのこと。そのため、「2回目以降は展開が分かっているので、後半もぜひ集中して見てほしいです」と語っていました。
劇中で登場する翔子のウェディングドレス姿を「何度でも見てほしい」という水瀬さん。「物語を通して翔子の夢が詰まっているので、結末を知った上でもう一度見てもらえると、些細なシーンも翔子の夢のひとつだと分かって、見れば見れるほど泣けると思います」とのことでした。
増井監督は、劇中での説明を担っている双葉理央のシーンをピックアップ。「理央は頭がいいので、いろんなことをいっぺんにしゃべるんですけど、1度だけでなく、何度か見て理解していただけると、この作品がもっとふくらんで見えると思います」とアピールしていました。
6月15日の公開初日に、今回登壇したキャストも参加する舞台あいさつが決定!
ここで、本作の一般公開初日となる6月15日に、初日舞台あいさつが行われることが発表されました。この日登壇した石川界人さん、瀬戸麻沙美さん、水瀬いのりさんの3名も、舞台あいさつへの参加が決定しているそうです。
この告知を終えたところで、ステージもいよいよ終了の時間に。石川さんたち4人から最後のあいさつが述べられました。
石川さんは「本当にまだまだ語り尽くせないほど、さまざまな人の気持ちが詰まっている作品です。何度でも見ていただきたいですし、もう一度見ると最初から泣ける、そういう作品になっていると思います」とコメント。
「私も理央の話って1回じゃ分からないよね、と思っていたので、監督と同じ気持ちで嬉しかったです(笑)」と瀬戸さん。「いろんな方に“6月15日の公開が楽しみだね”と言ってもらえたら嬉しいです」とのことでした。
「TVシリーズから好きになってくれた方、原作から読んでいた方など、いろいろな『青ブタ』とのつながりがあると思うんですけど、そんな方々にこの劇場版がどんなふうに届いて、どんなふうに映るのかなと、今はソワソワしています」と水瀬さん。「今日見てくれた方が抱えた思いを、いろんな人に話していただいて、6月15日にまた大勢の人と感動を共有できればいいなと思います」と語っていました。
最後に増井監督が「TVシリーズ、そして劇場版と、『青ブタ』のアニメ作品はここでひとまず終わりになるんですけど、原作のほうはまだ続いておりますので、ぜひ楽しんでください」と、舞台あいさつを締めくくりました。
大きな拍手が送られて4人が降壇する際、石川さんが「手を振りながら退場もいいですね」と語ったことから、観客のみなさんが全員で一斉に手を振りながら見送るというユニークな光景で、今回のステージは終了となりました。
『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』作品概要
公開日
6月15日
スタッフ(敬称略)
原作:鴨志田一
原作イラスト:溝口ケージ
監督:増井壮一
脚本:横谷昌宏
キャラクターデザイン・作画総監督:田村里美
音楽:fox capture plan
制作:CloverWorks
製作:青ブタ Project
配給:アニプレックス
キャスト(敬称略)
梓川咲太:石川界人
桜島麻衣:瀬戸麻沙美
牧之原翔子:水瀬いのり
古賀朋絵:東山奈央
双葉理央:種﨑敦美
豊浜のどか:内田真礼
梓川花楓:久保ユリカ
(C)2018 鴨志田 一/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/青ブタ
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