『tERRORbane』や『キラキラミラ』などのインディーゲームらしい情熱が詰まった作品に投票【ライターが選ぶ電撃インディー大賞2023_04】
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- まさん
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4月23日(日)23:59まで投票受付中の、みんなが選ぶおすすめインディーゲームを決める“電撃インディー大賞2023”。
本記事では、電撃オンラインのライターによる電撃インディー大賞2023の1~3位と、各部門の投票例を紹介します。どんなタイトルが選ばれているのか参考にしてください。
電撃インディー大賞2023に1位としておすすめするタイトル
●tERRORbane(テラーベイン)
最近遊んだ作品のなかで、自分が一番好きだったものを挙げるならコレ。自分のゲームが最高だと思っている開発者と喧嘩しながらバグだらけのゲームをプレイして、ヘンテコなイベントを見ていくギャグだらけの一発ネタ……と侮ってはいけません。
最近では、第四の壁を越えてくることやメタ表現を使うことが前提となった作品も増えましたが、本作は最初から全開。「もう、これはバグではなく仕様だろ!」とツッコミたくなるような展開もあり、笑える作品ではあるのですが時折ハッとさせられます。
開発者とプレイヤー、ゲームを愛する人に込められた真摯なメッセージ性が好きなんですよ。バカバカしくも最高の展開が待つ最終決戦を見るために、頑張ってバグリストを埋めましょう!
電撃インディー大賞2023に2位としておすすめするタイトル
●キラキラミラ 8人の遺伝子異常者と血の幽霊
1位にするか最後まで悩みました。インディーゲームらしい情熱が詰まった作品です。おそらく、初見で感じられる『ダンガンロンパ』のフォロワーっぽさを覆すくらいに、超能力者同士が争うミステリーを説得力たっぷりに仕上げてあります。
500枚以上のスチル、読みやすい文章、魅力的なキャラクター。すべてが良質。推理ゲームではあるもののゲームオーバーもなく、選ぶべき証拠品もわかりやすいので詰まることもありません。
後半は完全に読み進めていくビジュアルノベル寄りになるのですが、息もつかせぬ怒涛の展開で最後まで魅せてくれます。周囲のライターにもプッシュし続けたのですが、こういう作品が遊べると本当にうれしくなりますね。
電撃インディー大賞2023に3位としておすすめするタイトル
●ふりかけ☆スペイシー
昭和のようで昭和じゃない。現代のようで現代じゃない。不条理だらけのイカレた世界“ネオ昭和”で繰り広げられるブラックユーモ、とギャグ、パロディ、ヤバい用語解説など、ひとことでは表せないアドベンチャーです。
休む間もなく訪れるギリギリの危ないネタと、商業メディアで紹介していいのか不安になる展開から終始目が離せず、気が付くと最後まで遊びきってしまうのが恐ろしい……。元ネタを知っていても突き抜けるような悪ノリの連続に頭がシビれ、ネオ昭和の世界に浸り続けないと物足りなくなってしまうのです。
ただし、おそらく作者は糸井重里さんが嫌いか、逆に好き過ぎるとしか思えないようなエピソードがあるので、普通の糸井重里ファンにはオススメしないほうがいい……かも?
アクションが気持ちよかった作品
●Here Comes Niko!(ニコが来た!)
3Dアクションゲームなのですが、なんと操作はジャンプとダイブだけ。攻撃しません。敵もいません。ボスもなし! え? それがおもしろいのかって? おもしろいのです。
主人公のニコがプロ友達になるため、バレーボールをしたり、何かを集めたり、誰かを助けるために走り回って飛び回ったりする。親切にすれば、親切が返ってくる。優しい世界観が愛おしい。
ニコ自身に悩みがあっても、それを表に出さずに頑張るのも健気です。ニコニコと笑いながら、高い壁も連続でピョンピョンと越え、水を切るようにダイブして。楽しそうに飛び跳ねるアクションは、操作していて気持ちいいですし、優しい世界観も心地いいです。
現実に疲れた人は、このゲームで癒されてください!
マルチプレイが面白いと思った作品
●ぽうこFIGHTERS2
マルチプレイと聞くと複数で遊ぶ協力プレイを思い浮かべるかもしれませんが、語源的には対戦も含めていいはず。オンラインに対応していなくてもマルチプレイ。オフライン対戦ができます。
というわけで変則的ですが、自分は推したいゲームとして、オフラインでの対戦が可能な格闘ゲーム『ぽうこFIGHTERS2』を挙げたいと思います。製作者は、ゲーム系ものまねでおなじみのお笑い芸人・NOモーションの矢野ともゆき氏。
格闘ゲーム好きが高じてゲームものまね芸人となった矢野氏が『2D格闘ゲームツクール2nd』で作った本作は、格ゲー好きならニヤリとくる動きや、ものまねで培ったクオリティの高いボイスが特徴。独自のシステムで楽しく対戦できます。
もっと広まって欲しい! お笑い芸人が作るゲームは『野田ゲー』だけじゃないんですよ!
バッドエンドを堪能できた作品
●思い出して/思い出せなくて 罪
クリアまで1時間ほどの短編ですが、とても光るセンスが感じられました。高次脳機能障害で記憶喪失となった主人公が、見知らぬ女性から“人殺し”と罵られたことで、身に覚えのない罪の真実を知ろうと行動する。
その過程で出会う人々から得られる情報は、何が本当なのか。果たして主人公は善人だったのか。漠然とした不安に包まれた物語に引き込まれます。
大きく分けて2つのエンディング(選択肢ミスが多いとエピローグが途中で終わるノーマルエンドも)があるのですが、遊んだ人はどちらがグッドエンドと言えるのか。もしくは、どちらもバッドエンドなのかと考えてしまうでしょう。“罪”が明かされる終盤から
エンディングに至る演出も秀逸。作者の次回作も楽しみです。
コスパがよかった作品
●霜夜ゆく
SF小説『冷たい方程式』から始まる“方程式もの”と呼ばれるジャンルを題材としたローグライクです。
宇宙船に密航した少女を救うため、船体を解体しながら少女と同じだけの重量を捨てて航路を確保する前半。惑星に到着してから少女と冒険する後半。2つのパートをどうやって後略するのか試行錯誤するのが楽しいんですよ。
前半で何を捨てるのかが重要だったり、後半パートでも運が悪いと悲惨な目にあったり……。多彩なエンディングのパターンを探すのにハマりました。
これがたったの160円で遊べてしまう! スマートフォンはどうしても基本無料のゲームが優勢ですが、こうした素晴らしい買い切りゲームもたくさん売れて欲しいです。
記憶を消してもう一度遊びたい作品
●A Space For The Unbound 心に咲く花
インディーにはプレイするとグッとくるゲームが多くて、とても決められないのですが、最近遊んだなかでは一番心に残ったのが本作。インドネシアのゲームスタジオが作っており、舞台もインドネシアなのですが日本の風景とよく似ていて、どこかノスタルジック
な気持ちに浸れます。
人の心を救うことの難しさ。インドネシア特有の死生観。青春の終わりと世界の終わり。悲しくも美しい少年少女の冒険の結末を見届けたとき、本当に良いゲームだったな……と素直に思えました。
パズル要素やQTEも多いのですが、難易度はそこまで高くないので安心です。翻訳もバッチリで、クリアすると誰かにオススメしたり、記憶を消してもう1周したくなります。
まさん:電撃インディーが、まだ雑誌・電撃playstationの1コーナーだった頃から記事を担当し続けたライター。情熱を感じられるゲームが大好きです。
“電撃インディー大賞2023”概要
投票期間:2023年4月23日(日)23:59まで
対象タイトル:投票者の方がこの1年間でプレイしたインディータイトル
応募資格:日本国内に在住の方
投票方法:“電撃インディー大賞2023”投票フォームより応募してください。1人1回の投票のみ有効となります(2回目以降は無効)。詳細は投票フォームをご参照ください
プレゼント:投票した方の中から抽選で3名様にAmazonギフト券3,000円分をプレゼント
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