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『Bright Memory』日本語版レビュー。たった1人で開発されたソウルライクFPSは爽快感抜群!

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 中国の個人クリエイター・FYQD-Studioが独学で開発し、日本国内における展開をPLAYISMがサポートしているアクションFPS『Bright Memory アーリーアクセス版』。現在Steamにてアーリーアクセス中の本作だが、2019年11月21日に日本語版追加を含む大型アップデートを実施! 

 『Bright Memory アーリーアクセス版』は、15歳から独学でUnreal Engine 4を学んだ中国の開発者が独力で作り上げたハイクオリティなFPS。アーリーアクセス版は完成版の体験版のような位置づけとなっており、そのプレイ感を体験することができます。

 今回行われた大型アップデートでは、主人公のシア役に声優の石川由依さんを起用した日本語ボイスの新規追加をはじめ、ゲームのクオリティを向上させるさまざまな改良が施されました。今回は、日本語化された本作のプレイレビューをお届けします。

1人で作ったと言われても信じられないくらいスゴイ!

 まず最初に言っておきたいのが、ゲームを遊んですぐに「なんじゃこりゃ!?」と声をあげてしまったことですね。ウワサには聞いていましたが、実際に遊んでみると予想以上にFPSとしての完成度が高い! 最近は個人でインディゲームを作ることもめずらしくない時代ですが、個人で作ったという部分を差し引いても、単純にゲームとしての仕上がりがメジャー級です。

 Unreal Engine 4を完璧に使いこなしている自然な演出や美しいグラフィックは、「どうやってこれを個人で作ったの?」と聞いてみたくなるほどのレベル。操作性に関しても文句ナシで、何より動かしていて爽快なんですよ。軽快にキビキビ動けますし、銃のリロードやスキルの使用時間を待つクールダウンも短め。攻撃をローテーションしやすく、常に攻め続けられる感覚があります。

  • ▲イベントムービーのクオリティもAAA級! 本当に1人で作ったんですか!? ウソでしょ!?

 物語自体も、想像していたものとは全然違いました。"死んだ生物を再生できるという遺物"をめぐって、謎の組織との攻防から始まるプロローグはよくあるSF物……だと思いきや、浮遊大陸に飛ばされて怪物と戦ったり、崩れる遺跡から脱出したりと、アーリーアクセス版の短い範囲にかかわらず「これでもか!」とイベントが盛りだくさん! FPSが得意な人なら1時間もかからずにクリアできるくらいのボリュームですが、中身がぎゅうぎゅうに詰まっています。

  • ▲PLAYISMがサポートしているだけあって、日本語の翻訳も自然。主人公シアを演じる石川由依さんの演技も言うことナシです!

電磁パルスで浮かせて斬りまくる格闘中心のバトル!

 FPSというと銃を撃つイメージが強いですが、本作は銃よりも“光刃”による格闘攻撃のほうが強いバランス。格闘攻撃の範囲は非常に広く、視界に入るすべてを切りつけるくらいの攻撃範囲があるので、振り回しているだけでバッタバッタと敵を切り裂けます。

  • ▲画面中央の青いゲージがなくなるまで使用可能。敵を視界にとらえて連打しまくり!

 ただし、強力ではあるもののメリットばかりではない部分も。近接攻撃はゲージ制になっており、ゲージがなくなると次に使用できるまでクールダウンの時間が発生します。待ち時間は短いものの、ボーっとしていると敵の猛攻を受けて、たちまちゲームオーバーに。そうならないように銃を撃ちながら距離を取ったり、無敵時間のある回避で敵の背後に瞬間移動したりと、格闘攻撃ができない時間をどうやり過ごすかが重要になります。

 さらに、主人公は“電磁パルス”という強力なスキルも使用可能。電磁パルスを使うと敵が一定時間空中に浮き、その間に攻撃すると空中コンボが発生します。狭い場所で戦うことも多く、最初はなんて難しいFPSなんだ……と誤解していたのですが、慣れてくると相手の攻撃をビュンビュン回避しながら反撃できるので、むしろ爽快です! 攻撃も回避も操作の反応がよく、常に何かしらの行動をしながら動き回れるので、クールダウン中もストレスがたまることはありません。

  • ▲敵を空中に持ち上げて落ちてくるところをザクザク! ほかにも電磁パルスは、壊せる壁などのギミックに使用できます。

 また、敵を倒してスキルポイントを獲得し、新たなスキルをゲットするというシステムも用意。スキルは走るスピードが上がるといった戦いを有利にするものですが、取らなくても問題なく立ち回れます。全体的に“動かしていて楽しい”ことが徹底されていて好感触!

頭を使った謎解きにジャンプアクション! 探索も抜かりなし

 動かして楽しいのは戦闘だけではありません。本作は冒頭でSF的にPCをハッキングしたかと思えば、ファンタジー的な浮遊大陸に飛ばされて遺跡のような場所で謎を解いたりと、展開が目まぐるしく変わるのも見どころ。パズルや探索などの要素もしっかり用意されています。

  • ▲床を回転させて正しく並べ替えると道が開けるパズル。床と壁の模様をよく見ると……?

 反対側の崖にロープを伸ばして“グラップル”で振り子のように渡ったり、細い橋から橋へジャンプするなどのアクション的なギミックも。もし失敗して崖の下に落っこちても、すぐに直前からリスタートできるので安心です。かく言う自分も、奈落の底に落ちまくりで……ごめんシア!

  • ▲柱にロープを引っかけて振り子のように動き、タイミングよくAボタンでジャンプ! 着地地点に補正が効いているのか、見た目よりも簡単に渡れます。

 さらに、細い足場から別の足場へ助走をつけてジャンプするというアクションゲームのような場面も存在。遺跡が崩れるなかをダッシュで駆け抜けたり、よく探すと収集アイテムが落ちていたりと、短い間隔で新たなギミックが飛び出すので、飽きずに楽しめます。

  • ▲ダッシュしてから大ジャンプして遠くの足場に着地。勢いが足りなくて届かない感じでも、うまく補正がかかってよじ登れたりも。こういうちょっとした気遣いがありがたい。

FPS+ソウルライクな雰囲気のボスバトルに興奮!

 ゲームを進めていくと、途中で何やら怪しいかがり火が……って、どこかで見たことがあるというか“アレ”ですね。今やソウルライクというジャンルにもなってしまいましたが、こういうかがり火的なものが出てくるとクスッときます。いやいや、何言ってるんだ。これFPSでしょ!

  • ▲すごい不安になるかがり火。ここでセーブしたら敵が復活しそう。

 いや、まあ見た目だけそれっぽいパロディかもしれませんし、流石にFPSだしね。まあ、一応かがり火を灯してみるか……。

 おっと、フォントがまんま……かなり露骨な感じで笑っちゃいましたが、じつはかがり火は、ただのパロディじゃありません。この直後に出てくるボス戦で、ゲームの雰囲気が変わることを示していたのです。

 見てください! このダークファンタジー感!! えっ、どういうこと? 急にソウルライクな世界観になっちゃったよ!? と驚かされる自分。そうなんです。このゲーム。FPSなのですが、じつはボス戦はソウルライクなんですよ。ボスが重厚な動きで手痛い一撃を放ち、雑魚モンスターがワラワラと迫る! 重い一撃を回避してから反撃で斬りつけて……。

 2Dアクションなどでソウルライクなインディゲームはありますが、FPSでこういったボス戦になるのは少し新鮮かもしれません。もちろん等身大の敵だけではなく、巨大なボスとのバトルもあります! 

 かなり激しく動き回るのですが操作が軽快なので、違和感なく近接攻撃が楽しめるのもポイント。3Dアクションのように立ちまわったり、FPSらしく逃げながら銃を撃ったり、好きなものを詰め合わせている感じなのに破綻してないボスバトルも、本作の魅力と言えるでしょう。

 現在遊べるアーリーアクセス版は、今後発売される予定の『Bright Memory: Infinite』の試作ステージをプレイできるわけですが、非常に期待が持てる作りになっていました。もはや個人でここまでのレベルのゲームを作れる時代になったんですね……。今回、日本語対応されたので、気になった人はぜひ遊んでみてください!

 最後に『Bright Memory: Infinite』の最新画像を公開! 開発は順調に進んでいるようで、今後の続報が気になるところです。

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※画面は開発中のものです。

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