ピクセルリマスター『FF3』レビュー。FC時代に味わった情熱をコンシューマで再燃させてくれる!
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- スズタク
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スクウェア・エニックスが発売する『ファイナルファンタジーIII(FF3)』ピクセルリマスター。そのNintendo Switch/PlayStation 4版のレビューを掲載します。
本作は、“ファイナルファンタジー ピクセルリマスター”シリーズの『FF3』になります。オリジナル版をベースに、生まれ変わった2Dグラフィックやより快適に遊べる機能などを楽しめます。
すでにスマホ版やPC版が発売されている本作ですが、このたび満を持してコンシューマ版が登場。ここでは、PS4版をエンディングまでプレイしたライターによるレビューをお届けします。
コントローラーを握ってテレビにかじりつく懐かしさを思い出させてくれる
『FF3』といえば、33年前の1990年に発売されたタイトル。自分はその頃オムツを履いていた時期だと思うのでリアルタイムでは触っていませんが、大きくなってからFC版を遊び、その後リメイクされたDS版もがっつりプレイしました。
それから15年以上たち、あらためて最新機種で遊ぶ『FF3』。エンディングまでプレイしてみて言えることは、「やっぱりおもしろい!」のひと言に尽きます。当初はクリアまでやり込む予定ではなかったのですが、気づけば画面上にはスタッフロールが……(笑)。
本作はオリジナル版『FF3』をベースにしているのでDS版の要素は含まれていませんが、FC版のゲーム性を現代で味わうには最適な作りとなっています。
エンカウントのオン/オフ、獲得経験値やギルの増減といったブースト機能もあり、ラクに進めたり低レベルクリアを目指せたりと遊びの幅が広がっているのも特徴。また、BGMをアレンジとオリジナルで選べる、フォントタイプをクラシック(ピクセルフォント)に切り替えられるなどの要素も往年のファンにはうれしい点です。
そして、なによりも“コントローラーを握って夢中になって遊ぶ楽しさ”を思い出させてくれるのが、本作の魅力ですね。親から「宿題やりなさい!」「もうゴハンの時間!」などとどやされながらも、テレビにかじりついて1秒でも長く遊んでいた時間。家庭用ゲームで誰もが通ったであろうあの情熱を、令和で再びコンシューマで味わわせてくれます。
なお、自分はPS4版をPS5でプレイしました。30年以上前のFCとはハード性能が天と地ほども差がありますが、おもしろいことにコントローラーを持って遊ぶ姿自体は昔も今も変わっていません。本作を通じて、数十年前のFC時代にすでに家庭用ゲームの遊び方の基礎が完成していたことを痛感しました。
ちなみに、『FF3』は“「そこに隠し通路あるぞ」 新聞を読みながら教えてくれた親父は、昔 光の戦士だった。”という公募キャッチコピーも有名。このキャッチコピーのとおりゲーム内の街やダンジョンには隠し通路があり、自力で発見するのは骨が折れましたが、その隠し通路も本作では見つけやすくなっています。
マップを開くと各ロケーションの残りの宝箱と隠しアイテムの数も確認できるので、取り逃がしが気になるタイプの光の戦士もご安心を!
据え置き機でじっくり考えながら遊びたいジョブチェンジシステム
『FF3』で導入され、以降のシリーズ作にも大きな影響を与えたジョブチェンジ。戦士やシーフなどのクラス自体は初代『FF』からありましたが、好きなタイミングでキャラクターのジョブを変更できるシステムは『FF3』が初でした。
見た目も性能もガラッと変わるジョブチェンジは本作の目玉で、自由度の高いパーティー編成とバトルをもたらしてくれます。また、ストーリー上では魔法が役に立つ場面や特定のジョブが有効なダンジョンなどがあり、ジョブチェンジを活用した遊びが散りばめられています。
やればやるほどハマるのがジョブチェンジシステムですが、奥深さゆえに一度考えだすと時間がかかるのが悩みなところ。できれば据え置き機でゆっくりじっくり考えながら遊びたい部分であり、そういう意味でも今回のコンシューマ版はピッタリだと思います。
もちろん、スマホ版やSwitchの携帯モードで遊んでもなんら問題ないのですが、あれこれ編成を考えている間に充電切れになっちゃったりすると悲しいですよね(笑)。ジョブには熟練度というやり込みも絡んでいるので、よく骨太なゲームで表現される“腰を据えてプレイする”という言葉が向いている要素です。
なお、オリジナル版ではジョブチェンジ時にCPというポイントが必要でしたが、本作では不要に。ジョブチェンジしたいときに好きなだけ切り替えられます!
RPGとしてのおもしろさもさることながら、家庭用ゲームならではの懐かしい体験も思い出させてくれる本作。コンシューマ版が発売された今こそ、もう一度コントローラーを握りしめ、光の戦士として旅立ってみてはいかがでしょうか。
スズタク:RPGとアクションをこよなく愛するライター。近年、シミュレーションRPGのおもしろさに気づき始める。
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