あのオペライベントが息を飲むほど美しく!! 超快適になったピクセルリマスター『FF6』レビュー
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『FF』シリーズ黎明期『I』~『VI』までをリマスタリングしてよみがえらせた『ファイナルファンタジー ピクセルリマスター』シリーズがPS4/Switchで発売されました。RPGの一時代を築いた珠玉の6作から、シリーズの中でもとくに人気の高い第6作、『ファイナルファンタジーVI(FF6)』のレビューをお届けします。
なお『ファイナルファンタジー ピクセルリマスター』は、すでにPC、アプリで発売されており、先日4/20満を持してPS4/Switchといった家庭用ゲーム機で発売中! 今回は、PS4版『FF6』を使ってのレビューとなります。
シリーズの第6作目が、現代の家庭用ゲーム機で生まれ変わる
本作は、1994年に発売されたオリジナルのSFC版『ファイナルファンタジーVI』をベースに、新たに開発されたリマスター版となります。『ファイナルファンタジー ピクセルリマスター』として1作目から6作目が一気にリマスターされており、それぞれ単体での販売のほか、6作がバンドルされたセットも発売中です。
『ファイナルファンタジー ピクセルリマスター』としてリマスターされた6作の中でも、個人的にとくに思い入れのあるのがこの『ファイナルファンタジーVI』です。
グラフィック的な進化はもちろん、ゲーム的にもとにかくさまざまな新システムが詰め込まれていて、やり込み的にも過去のシリーズとは桁違いのボリュームを持っていた作品でした。
遊んでも遊んでも新しい情報が入ってきて、「それやってなかった」、「それやり忘れた」みたいなことが多かったことで記憶に残っています。
思えば昔のゲームは、取り忘れると二度と入手できないなど、“取り返しのつかない要素”ってすごく多かったですよね。自分もそういうの気にするタイプなので、そのたびにやり直すかどうか迷っていたものです。
当時とりあえずクリアしたときは、取ってないアイテムが多い、シドは亡くなってる、シャドウは見捨ててる、モグの“水のハーモニー”は覚えてない、と散々な状態でした。
よし、次は完璧なプレイを! と誓いながらも、いろいろあって時間を隔てること約30年。今まさに、その時がやってきました!!
一見した印象は“綺麗になったドット絵”。違和感はまったくなし!
まず全体的な印象ですが、画面はかなり綺麗になっていて、意外に今遊んでもしっくりくるなと感じました。
さすがにドット絵はかなり大きく、ほぼアイコンでしかない感じですが、驚いたり、悲しんだりと表情豊かで、キャラクターの心情がわかりやすく、物語もすっと入ってくる感じでした。
ストーリーは今プレイしても面白い!
物語については、1回プレイしたのに大筋はかなり忘れていたので、意外と新鮮な気持ちで楽しめました。さすがに30年経ってると、細かい部分で記憶との食い違いが出てきます。シャドウが最初に出てきたときは、「あれ、こんなに早く出てきたっけ?」と混乱したりしました。
そんな記憶と違う部分が出てくるごとに「もしかしてリマスターで変更された?」と怪しんで調べてみたりしましたが、結局自分の記憶力の無さを再確認しただけでした。
機械文明と魔法文明がごっちゃになった世界観は、今や『FF』シリーズの共通認識のような感じにはなっていますが、この印象を確立させたのが『ファイナルファンタジーVI』だったと思います。
いきなりメカに乗って機械的な街を歩くオープニングは衝撃的でしたし、その後の展開も、とくに主人公を決めない群像劇となっており、その壮大さに夢中になってプレイしていたという記憶はしっかり残っています。
そんな物語をあらためてプレイして(記憶違いは多かったものの)、やはり面白いなと感じました。目の肥えた今プレイしても十分なクオリティとなっているので、初めてプレイするという人も、きっと楽しめると思いますね。
もちろん、当時何度も何度もプレイしてやり込んだ人も、30年経った今改めてプレイすると、もしかしたら新しい発見があるかもですね!
リマスター版ならではの便利機能がスゴイ
今回のリマスターでは、より快適に遊べる機能が満載されています。とくにブースト機能が優れモノで、“エンカウントON/OFF”や“獲得経験値0~4倍”“魔法修得値0~4倍”など、便利な機能でプレイをサポートしてくれます。
このおかげで、とにかく快適なプレイを実現しています。なかでも“エンカウントON/OFF”は、オプション画面を開かずとも、Rスティック押し込みで切り替え可能。
これで、新しいフィールドにきたらちょっと戦闘してモンスター図鑑を埋め、先に進むときはオフに……状況に応じて一発で切り替えできるので本当に快適! ゲームのテンポもえらく速くなるので、“敵が強くて”的な煩わしさも一切ありません。
PS5でプレイしていたので、〇ボタンと×ボタンを入れ替えられるのも嬉しいですね。
ちなみに経験値4倍はさすがにやりすぎだろうと思ったのですが、経験値通常のままで普通に進めていると、物語序盤のボスで普通に全滅したりします……。
当時は、ある程度経験値稼ぎをすることが前提のバランスでしたので、今とだいぶんプレイ感覚が違うなと感じました。
忙しい現代人には、経験値を4倍にして、必要なときだけエンカウントONという、超甘々な設定でちょうどいいくらいなのかもしれません。
結局一番便利なのはアレ
もう1つ、個人的に助かったのが、今では当たり前となったオートセーブ。
本作はセーブ箇所に制限があるのもレベルデザインの1つなので、正直合わないかなと思いましたが、オートセーブのおかげで救われたことしばしば。
昔のゲームでは当たり前ですが、一戦ごとにHP回復はしません。そのことを忘れ、回復を怠って全滅することが多々ありました。
全滅して、「どこでセーブしたっけ?」と冷や汗をかいていたのですが、オートセーブのおかげで直前に戻ることができるのです。これは有難い。
セーブといえばもう1つ。SFC版でやり直しプレイを躊躇った理由の1つに、セーブの少なさがありました。以前の街からやり直したいと思っても、そのときのデータが残ってないことが多かったんです。
今回は20箇所もセーブできるので安心です。とはいえ最近のゲームは自分でセーブする必要はほぼないので、ついついセーブすること自体忘れちゃいますが……。
サウンドの素晴らしさにあらためて感動
今回プレイして、サウンドの良さをあらためて実感しました。植松伸夫氏の完全監修のもとでアレンジされており、懐かしさもありつつ、サウンド面での古さは感じませんでした。さらに、SFC音源風のオリジナルサウンドも収録されていて、自由に切り替えもできます。原曲好きの人も満足できるはず。
また、オペラシーンでしっかり声が入ってるのも良かったですね。ゲームでオペラを再現という、当時としては画期的な表現だったのですが、今見ても最高のシーンだなと感じました。
快適さゆえに何度でも遊べる!
完璧なプレイをしたいという目的もあったので、攻略サイトを眺めつつ、じっくりプレイをしていたのですが、なんだかんだで取ってないアイテムもちらほら……。しかし本作はプレイが快適なので、周回もかなり楽になっています。さらに何度かプレイすることで、積年の宿題を片付けようかと思います。
忙しい現代人に向けたアレンジで格段に遊びやすくなり、この値段で遊べるのはかなりお得なゲームであると思います。図鑑なども多く、資料的価値も高いので、懐かしいだけでは終わらない内容となっています。かつて遊んだ人も、まだプレイしたことのない人も、この機会にぜひ90年代RPGの大傑作を楽しんでみてほしいですね。
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LOGO & IMAGE ILLUSTRATION:(C) 1994 YOSHITAKA AMANO
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