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『なつもん!』インタビュー。藤木直人さんの夏の思い出は? ルービックキューブへの熱い思いも!

Ak
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 スパイク・チュンソフトから7月28日発売予定のNintendo Switch用ほのぼの夏休みアドベンチャー『なつもん! 20世紀の夏休み』のスペシャルインタビューをお届けします。

 『なつもん!』は、10歳の少年を主人公に海の見える緑豊かな田舎町で特別な夏休み生活を楽しめる、ほのぼの夏休みアドベンチャー。3Dのオープンワールドで描かれる田舎町で、プレイヤーは1カ月の夏休みを自由に過ごすことができます。

 トイボックス/ミレニアムキッチンが開発し、夏休みや子ども時代のノスタルジーをテーマとするゲームを数多く手がけてきたミレニアムキッチンの綾部和さんが、原作・脚本・ゲームデザインを担当します。

 本編では、10歳の主人公が大人になって当時を回想する ナレーションを俳優の藤木直人さんが担当。今回、藤木さんにインタビューを敢行し、夏休みの思い出や現在夢中になっていることなどについて語っていただきました。

【藤木直人さん】

 数多くのドラマ、映画、舞台に出演する人気俳優。俳優活動と並行して音楽活動も行い、ライブ本数は250本以上。

中学生時代にハマったのは『信長の野望』

――藤木さんはこれまでにゲームに関わるお仕事をされたことはありますか?

 ないですね。今回が初めてです。

――実際収録に臨まれていかがでしたか? 収録はスムーズに終えられたと伺いましたが。

 まったく勝手がわからないまま収録に臨んだので、そこは大変でした。今回はナレーションということなので、キャラクターを演じるのとはまた違う演技が必要になるのかなと。

――ナレーションならではの大変さはありましたか?

 ドラマや映画の台本では最初から最後までストーリーに沿った台詞がありますが、ナレーションの場合はイベントごとに、しかも何パターンも台詞があるんですよね。そういったパターン違いの台詞を収録していくのは、今まで経験したことのない感覚でした。

――収録時はストーリーの時系列も前後したのでしょうか?

 そうですね。順番通りではなかったです。

――それだと全体像が把握できなくて大変そうですね。

 そうなんですよ。ナレーションはあくまで、物語を抜粋した一部分みたいな感覚です。それ以外の場面のイメージを膨らませながら演技していました。

――ちなみに、普段ゲームはプレイされますか?

 最近はそこまでやっていませんね。

――では、子どもの頃は?

 ちょうど僕が小学生の時にファミコンが発売されたのですが、親が「これからの時代はゲーム機じゃなくてパソコンだ」と言ってパソコンのMSXを買ってくれました。それでも、結局ゲームやるんですけど(笑)。それでMSXでは『ハイパーオリンピック』(KONAMI)や野球ゲームなどをプレイしていました。あとはファミコンも、友だちの家に遊びに行ってプレイしていましたね。

 その後中学生になってからは、パソコンのPC-88を買ってもらって『信長の野望』(コーエーテクモゲームス)を遊びました。PCゲームが多かったですね、子どものころは。

――『信長の野望』を選ぶというのは、なかなか渋いですね。歴史好きなのですか?

 父親が司馬遼太郎のファンで、『龍馬が行く』などを読んでいたので歴史には親しみがありました。初期の『信長の野望』はゲームバランスに少々難があって、ひたすらずっと訓練ばっかりしていたら無敵になるみたいな(笑)。それが全国版になってグラフィックが全然別物になってびっくりしました。『三国志』も中学生になった時に読んでいたので、ゲームの『三國志』(コーエーテクモゲームス)にもハマりました。

 あとはやっぱり『ドラゴンクエスト』(スクウェア・エニックス)ですね。友だちにファミコンごと借りて、夜中親が寝てからテレビにつけてやっていました(笑)。

 当時の『ドラクエ』って、自由な場所ではセーブできないじゃないですか。だから隠れて遊んでいるから、2階の寝室から親が起きてくるととりあえず隠さなきゃいけない。隠した拍子にカセットが当たってバグって止まっちゃって、1日進めていたのがパーになったこともありました(笑)。

 大人になってからもPlayStationは遊んでいましたが、子どもの手前ゲームばかりやってられなかったり、時間がないのもあって最近ではゲーム機に触れていませんでした。ただ最近はスマホで気軽にゲームができるので、10年くらい前に『パズル&ドラゴンズ』(ガンホー・オンライン・エンターテイメント)にハマりましたね。

 あと3年前くらいに、『ポケモンGO』(ナイアンティック/ポケモン)にもハマりました。4年前にうちの長男に中学入試の合格祝いのプレゼントとしてNintendo Switchを贈ったんですが、そのとき同時に買ったソフトの中に当時の『ポケモン』があったんですよ。

 それをずっと子どもがやっていて、そしたら『ポケモンGO』じゃないとゲットできないポケモンがいるから、僕のスマホに『ポケモンGO』を入れてくれと言ってきまして(笑)。

――そんなきっかけでハマったんですね(笑)。

 それから、子どもに説明できるくらいに勉強しようと思って。『ポケモンGO』ってどんなことするゲームだろうと、ネットでいろいろ調べていたら……いつの間にか僕のほうが夢中になっていて(笑)。

 色違いやバトル用の個体値がいいやつを探すって言って、朝まだ暗い時間から公園まで2時間くらい歩いていましたね。今では卒業しましたが、当時は本格的にハマっていました。

『ぼくのなつやすみ2』を遊んだ感想は?

――『なつもん!』は“ほのぼの夏休みアドベンチャー”という珍しいジャンルのゲームですが、最初お話を伺ったときの第一印象はいかがでしたか?

 第一印象では全く想像がつきませんでした(笑)。説明を受けてもわからなかったので、まずは『なつもん!』を手がけた綾部和さんの過去作である『ぼくのなつやすみ2』(SIE)をプレイしてみました。

――実際『ぼくのなつやすみ2』をプレイしてみた感想は?

 めちゃくちゃおもしろかったです! いろいろなタイプのゲームがあるんだなと感じましたね。それこそ初期のRPGとか『信長の野望』とかを知っている人間からすると、こんなに自由度が高いゲームがあるのかと。

 「これをしなきゃいけない」みたいなものを押し付けられることなく、虫を捕まえてもいいし、魚釣りをしてもいいし、しかもフィールド内を自由に移動して泳げもするしと……逆にやれることが多すぎて何をしたらいいのかわからなくて、ネットで情報を調べました。

 そうしたら、何か王冠というものがあるらしいぞと。1回なにか海底でキラッとしたからあれがそうなんだろうなと思ったけど、これ潜って探すの無理だな? なにか鍛えるといっぱい潜れるようになるって書いてあるんだけど……みたいな手探り状態です(笑)。『なつもん!』の発売日の7月28日までは、やり込みたいと思っています。

――今回の収録で、とくに印象に残っていることはありますか?

 今回『なつもん!』では主人公の子ども時代を女性声優さんが演じているので、その子が成長して子ども時代を思い出すナレーションを自分が演じるのが、ちゃんとつながるのか不安でした。

 子どもだったころの思い出というのは誰しもが一番共感できる部分だと思います。よかったことは人それぞれあるでしょうけど、やっぱり過去を思い返すことは誰しもにありますし。

 僕は今親の立場で、子どもも難しい年頃になりましたけど……。そういう、主人公がただ大人になっただけじゃなくて、親になった立場からの少年時代の貴重さっていうか、もう戻れない時代みたいなものを感じているのかもしれないですね。

ルービックキューブを極めはじめたきっかけは?

――『なつもん!』には“夏を極めたもの”という意味があるそうですが、藤木さんは仕事以外で何か極めてみたことはありますか?

 やっぱりルービックキューブですかね。本当にルービックキューブを極めている人からしたらふざけんなっていうコメントが来ると思いますけど(笑)。

――ルービックキューブにハマったきっかけは?

 ちょうどファミコンが出てきたくらいの時期に一番最初にルービックキューブが世界中で流行りまして。僕も欲しかったんですが、当時はちゃんとしたルービックキューブは高くて手に入らなかったんですね。駄菓子屋さんで売っているようなバッタモンのやつで……(笑)。

 当時は1面はそろえられるけど、6面なんて到底そろえられませんでしたね。たまたま2~3面くらいまではラッキーでそろえたことはありましたが。

 それが大人になって……15年くらい前かな? ファンの方からルービックキューブをプレゼントしてもらって、懐かしいなと思っていたら、そこに6面のそろえ方っていうマニュアルがついてきているんですよ!

 それを覚えてそろえられるんだったら、俺もう絶対覚えるよって(笑)。ちょうどライブのツアー中だったので、ライブが終わった後の打ち上げの席で一生懸命覚えて、その日1日でそろえられるようになりました。

――それはすごいですね!

 ただそれは、そろえるだけなんですよ。3分とか5分とかかかっていました。というより、早くそろえるっていう概念がまずなかった! そろえられればすごいみたいな。

 それでテレビなどで、何回かルービックキューブをやってくれませんかって言われまして。嵐のメンバーにやり方を教えたりもしました。

 そうしたら、その当時やっていたドラマの現場のカメラマンさんが「藤木さんそういえばこの間、テレビでルービックキューブやっていましたね。いやー、でも藤木さんのやり方はツクダ式ですよね?」と言ってきたんです。

 「そんなのあるの!?」ってビックリして。それでそのカメラマンさんは「今の主流はLBL法です。僕なら13秒でそろえられます」って(笑)。

 それから僕もLBL方式を勉強したのですが……本来のLBL法ではパターンによる手順を全部覚えなきゃいけなくてちょっと難しいから、まずはもうちょっと簡易化した簡易LBLっていうのから覚えてくださいと言われました。

 サイトはここを見てくださいみたいなことも全部指定されて、それで一所懸命覚えて簡易LBLでそろえられるようにはなりました。それでも、頑張っても1分は切れませんでしたね。

――十分速いようにも思いますが……!

 そこまでいって、じゃあ今度は本格的なLBL法を覚えてくださいと言われて。7ステップの最初の1ステップっていうのは、自分のそろえたい色のクロスをそろえるところから。

 そこから先は2ステップを一気に行くっていう手順を覚えなきゃいけない。だからクロスをそろえた角の2つずつをそろえるっていうのをまず覚えるんだけど、それが42パターンある。パターンに分けて組み方が変わってくるわけです。

 それぞれの手順を覚えて……ってこれ、ルービックキューブの話ばっかり続いていますけど大丈夫ですか?(笑)

――ここまできたら最後まで聞きたいです!

 わかりました(笑)。そしたらもう次は上の一面の色を一気にそろえます。その色の配色のパターンが57パターンなんですよ。さらに1つのパターンも手で言うと15手とかあるようなやつだから、それを全部覚えるっていうのは、結構大変で!

 最後は1番上の段の側面をそろえるのを21パターン覚えてくださいって言われて、でもそれ覚えただけではやっぱり30秒切れないんですよね。

 そこからさらにテクニックが必要で、裏の空スロットルを使うとか、側面の色だけ2面だけでパターンを判断するとか……そういうことを覚えて、今は30秒切れるようになりました!

――素晴らしいです!

藤木さんの幼少期の思い出は?

――『なつもん!』の主人公はサーカス団の団長の息子ですが、大人になってからサーカスを見たことはありますか?

 僕が子どもの頃は、木下大サーカスがありましたね。ちょっと不思議な世界観で、球体の中でバイクがひたすら回っていたのが印象的でした。

 大人になってからは、シルクドソレイユを見に行って「すごいエンターテインメントだ」と感じました。あれが常設というのは、アメリカすげえなと(笑)。日本は演劇もですが、会場に見に行って楽しむという文化がそんなに根付いていないと感じています。まだまだ、熱狂的なファンの方に支えられているという印象です。

――『なつもん!』は夏休みのゲームですが、夏休みの遊びで好きだったものはありますか?

 昆虫採集は好きでしたね。父方の田舎が岡山のさらに山奥のほうで、本当に自然豊かなところでした。カブトムシはマムシがいるのでそう簡単には採れなかったので、庭の木とかでセミを採っていましたね。ミンミンゼミとか、アブラゼミとか。ヒグラシは結構高いところにいるから採りにくかったです。

 あとはトンボ……オニヤンマもいました。オニヤンマは30分に1回ぐらい、縄張りを飛んでくるんですよね。結構まっすぐ飛ぶから、祖母の家の前の道が縄張りの通り道になっていて、そこで双子の兄貴と一緒に待っていました。

 そう簡単に捕まえられなかったので、1回捕まえた時は本当にうれしくて! 子どもだからなおさら、オニヤンマが大きく感じていました。あとから図鑑で調べた時に、10何センチみたいなのが書いてあって「そんなわけねえ! あのオニヤンマ、30センチくらいあったから!」と思いましたね。

――主人公の少年はサーカスの少年ということで各所を転々としていますが、藤木さんも子どものころに転校が多かったということで境遇が重なる部分もありますか?

 まあでも、僕の場合は何年か暮らして思い出を作ってからの転校だったので、そこまで転々としていたわけではないです。ただ小学校の時は一番転校が多くて、2年ごとに転校していました。

――そうなると、友だちと離れ離れになってしまって寂しいのでは?

 どちらかというと社交的なほうではなかったので、そこまでではないですね(笑)。双子の兄がすごく社交的で、放課後は兄の友だちに混ぜてもらって遊ぶみたいな感じでした。

 新しい土地で、新しい教室に入っていくのがすごい嫌で、みんなが注目されているところに行って挨拶するのが苦手でした。じゃあ今なんでこの仕事しているんだって話ですけど……反動でしょうか?(笑)

――子どもの頃に住んでいた場所の思い出はありますか?

 昔神戸に住んでた時は、目の前がすぐ海でした。でも大人になってからその場所に行ったら、一帯が全部街になっていまして……埋め立てられていたんですね。それで一切、子どものころの記憶を思い出せなかったのが、ちょっと切なかったです。

 あとは、小学3~4年生の時に住んでいた横浜の社宅も覚えています。社宅の前の道路で、みんなでドッチボールや追いかけっこをしていました。でも大人になってから兄といっしょにその場所に行ってみたとき、道路の狭さに驚きました。車が行き交えないくらい狭かったんですよ。

 「こんなちっちゃいところが、僕らのテリトリーだったんだ」と。その驚きは、転校を繰り返して記憶が途切れていたからこそのものだったと思います。

――最後に『なつもん!』の推しポイントを教えてもらってもいいですか?

 『なつもん!』は、オープンワールドを自由に動き回れるのが楽しいし気持ちいいです。

 僕にとっては懐かしい子どもの頃の夏の思い出ですが、今の若い子たちにとってはすごく新鮮でレトロな、こんな夏休みもあったんだっていう体験もできると思います。

 虫捕りだけじゃなくて、魚釣りもできる。虫も魚も、自然よりもはるかに種類豊富にたくさんいます。ぜひここで、楽しい夏休みを体験してみてください。

©2023 TOYBOX Inc./Millennium Kitchen Co., Ltd.

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なつもん! 20世紀の夏休み

  • メーカー: スパイク・チュンソフト
  • 開発: トイボックス/ミレニアムキッチン
  • 対応機種: Switch
  • ジャンル: ADV
  • 発売日: 2023年7月28日
  • 希望小売価格: 5,980円

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