レビュー:ディストピア系SFサバイバル『Atomic Heart』は日本語吹替の実装でイカれた世界がより深く感じられる!
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※PS5/PS4版『Atomic Heart』は、CERO Z(18歳以上のみ対象)のソフトです。
※18歳未満の方は購入できません。
4月13日にPS5/PS4版が発売されたアクションアドベンチャーRPG『Atomic Heart(アトミックハート)』。本記事では、PS版をプレイしたレビューをお届けします。
本作は、テクノロジーが発達し人間とロボットが共存している架空のソ連を舞台にした一人称視点のアクションRPG。4月13日のPS版の発売を境に日本語吹替が実装され、豪華な声優陣が個性豊かな登場人物たちを演じています。
ハッピーな世界からイカれた地上へようこそ
人間とロボットが共存する、ハッピーでハイだけどクレイジーな雰囲気から始まる本作。これが1955年を舞台にしていると知ったら、なおさらどんな技術革新が起こったのか気になる世界観でしょう。
おまけに、楽園のような街も実は空中都市であったりと、冒頭から非常に高度なテクノロジーを見せつけてくれます。
そんな世界観を確認したあとから一転、地上ではロボットたちが暴走しており、主人公のP-3もドローンや無表情なアンドロイドたちに狙われて気を失う……という所でタイトルロゴが映し出されるなど、映画のような導入部分から本作の物語が本格的に幕を開けます。
こちらを発見するなり向かってくるアンドロイドたちは、醜悪なクリーチャーとはまた別の怖さ。人間と変わらない動きで、さらに何も効いてないかのように一直線に向かってくる姿勢が、恐怖を助長させるのかもしれません。
そういったアンドロイドやロボットたちが襲ってくる世界観も、ゲームとしての面白さの軸です。理想から現実に叩き落されるストーリー、ゾンビやクリーチャーとは違う恐怖、驚きを演出してくる点は非常に良いエッセンスでした。
超能力や銃器など選択肢の多いカスタマイズ
戦闘は近接武器と銃、そしてP-3の左手に装備されたチャー・ルズと呼ばれる人工知能を搭載したグローブによる支援の3点。
このグローブを介すことで、壁越しの敵や物質を透過表示できる”スキャン”という機能を使用できるほか、電気ショックやテレキネシスといった超能力じみたテクノロジーを使用できます。
武器は設計図を取得し、各所で集めた素材を消費して作成していくサバイバル系のゲーム性。弾は生成可能かつ要求素材数が少ないため、弾切れでカツカツということはほぼありません。常にありったけの弾をロボットにブチ込めるのでストレスがたまりにくいです。
また、チャー・ルズのアップグレードで基礎体力の向上や走力速度のアップ、電気ショックの範囲アップ、テレキネシスで敵を叩きつけられるようになるなど、アクション(パーク)の拡張要素も。
なによりも嬉しいのは武器の解体とパークのリセットが何度でも可能かつ、リセット時に武器制作とパーク獲得で消費した素材がすべて返却される点。
気兼ねなくいろいろな武器の試射やパークの使用感が試せるので、状況に応じたパークにいつでも切り替えが可能。自分のプレイスタイルを追求できるのが楽しい部分です。
武器はアタッチメントを装備することで性能を大きく変化させられるのもポイント。例えば近接武器の先端に付いた丸ノコを飛ばして敵を切り刻んだり、単発銃をバーストファイアに変更できたりと、奥深いカスタマイズ性も魅力と言えます。
日本語吹替による世界観の奥行き
日本語吹替でより鮮明になったのが、人間とアンドロイドの声の抑揚の差でしょうか。
終始、焦っているような気を張っている感じで喋る主人公P-3に対し、チャー・ルズやアンドロイドは淡々と会話してくれるのがいい対比になっていると感じました。
周囲が危険な状況でも説明口調で話してくれるアンドロイドたち。その無機質な感情に比例して上がっていく恐怖の感情は、日本語吹替でよりクリアになったなと思います。
そういう意味では、アンドロイドばかりの戦場で出会う普通の人間との会話が、なんとも温かく感じるほどの没入感もあります。あと、忙しい戦闘中での会話をしっかり聞ける余裕が出てきた点も日本語吹替の良さと感じました。
独特な世界観をさらに奥深いものに引き込んでくれる日本語吹替版。リリース当初から気になっていた方は、ぜひこの機会に、ディストピア系SFサバイバルの『Atomic Heart』に触れてみてください。
プレイすればするほど、このゲームのストーリーにのめり込むこと町が地ありません。イカれた世界観が加速していくのは必見です!
■通常版
■リミテッドエディション
© 2023 Atomic Heart, the game developed by Mundfish and published by 4Divinity under license of Slimao Limited dba Mundfish. Atomic Heart and Mundfish are registered trademarks of Slimao Limited dba Mundfish. © 2022-2023 4Divinity Pte. Ltd. All Rights Reserved. 4Divinity is a company of GCL. All other trademarks and logos belong to their respective owners.
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