『機動戦士ガンダム 水星の魔女』15話ではグエルが登場。そのセリフや行動にグッと来た!【感想&考察】
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- てけおん
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4月23日に放送&配信されたアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第15話(Season2 第3話)“父と子と”の感想や考察をお届けします。
【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』15話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことを強くオススメします。
グエルが物語に登場!
まずは、Season2になってようやくグエルが物語に姿を見せました。これには筆者だけではなく、喜んだ視聴者の方も多かったことでしょう。Twitterトレンドにもグエルに関するものが多く並んでいました。
15話のサブタイトルとなっていた“父と子と”。グエルはSeason1のラストで父・ヴィムを不幸な成り行きから手にかけることになってしまったわけですが……。その父に育てられたゆえか、精神が弱り切っていたものの、セドの言葉からジェターク社が窮地にあることを聞き、「教えてくれ、家族のことなんだ」と、会社そのもののことではなく、家族のこと――もちろんラウダのことでしょうが、現時点で消えていないヴィムとのつながりという意味もあるような気もしました――をまず心配していました。
この時の“家族”というワード、12話で散り際のヴィムがグエルに向かって、恨みの言葉ではなく「心配していたんだぞ」と言葉をかけたシーンを思い出して、グッときてしまいました。劇中ではいろいろとイヤな面も描かれたりしたヴィムですが、そうした面もあった父だったからこそ、グエルも真っ先に家族のことを思う性格に育ったのかもしれませんね。
さらには、自分に殺意を向けてきたシーシアを見捨てずに救おうとしたあたりも、グエルの“らしさ”が出ていた部分なんじゃないかと思います。シーシアに「何がしたいんだよ、お前」と聞かれたグエルは「わからない。何がしたいんだ、俺は?」と返事をしていました。打算とかなにか考えがあってのことではない。それでもグエルはシーシアに手を差し伸べた、ということはグエルは“そういうことができるヤツ”なんでしょうね。
そして15話の中でグエルが今後なんのために動くのか、というものも見えてきました。次回以降、グエルがどんな活躍を見せてくれるのかとても楽しみです。そして、もしもラウダに会ったら正直に話しちゃうのかなあ……もしそうだとしたら……と、そのシーンが本当に来るかどうかもわからない今の時点から、ちょっと怖くもあります。
シャディクの狙いが明らかになるとともに“戦争シェアリング”というワードが登場
もうひとつ別の父子の関係――シャディクとサリウスのエピソードでは、シャディクの狙いが明かされました。それは、“戦争シェアリング”の破壊です。
ここでまた新たな単語が飛び出してきました。シャディクの言葉を借りるなら、“戦争シェアリング”とは、宇宙開発事業の莫大な費用が裏で支えているもの。またサリウスの言葉からは、その利権構造は不可侵なほど強固かつ現状の体制の根幹に大きくかかわっていると思われます。
視聴者目線だと、ベネリットグループはモビルスーツ産業の大手という印象であり、それは間違いないのですが、同時に“宇宙産業における一大グループ”でもあります。当然、御三家やデリングたちもその枠組みと深くかかわりがあるのでしょう。
その他わかっていることとしては、戦争シェアリングによって地球は代理戦争(何と何の、かは明確にされませんでしたが)の場になっていることや、企業間で利権の奪い合いが起きていること、そしてその利益が先細りであること――などが伺えました。
15話ではシャディクがアーシアンとスペーシアンのハーフであることも明かされますが、サリウスに対して笑顔を浮かべ「恨みで腹はふくれませんよ(恨みが動機ではない)」と語りました。しかし、その後真顔になったシャディクは「力がなければ変わらない。だったらその力を奪い取る」とサリウスに宣言します。
とても性急に見えてしまいますがこれ……9話“あと一歩、キミに踏み出せたなら”でのことなど、ミオリネとの関係が今と別のものであったのなら、また少し違っていたりもしたんでしょうか?
それはさておき、“戦争シェアリング”という概念がこの世界の勢力図に大きくかかわっている言葉であることがぼんやりとわかりました。これに関してフェン・ジュン属する宇宙議会連合はどのようなスタンスを取っているのか、というのも気になるところです。
その他気になったこと
●ソフィが死んだこと、そしてナジたちを危険にさらしたことへの怒りをニカにぶつけるノレア。「不幸をばらまくだけじゃアーシアンの声なんて誰も聞いてくれない」と言うニカに逆上し、容赦なく蹴りを加えていきます。そしてノレアは、そのエゴのせいで多くのアーシアンが死んでいるという言葉を投げかけます。平和な日本で暮らしている筆者には、どちらが間違っているなんてとてもじゃないけど言えないな、というのが本音です。心情としてはニカのことを応援したくはありますが……。
メイジーがいつもとあまり変わらない様子(イリーシャは怯えているようにも見えましたが……)だったのも不気味というか、これくらいの暴力はそんなに怯えることでもないってことなのでしょうか? 制止したサビーナに対してノレアが言った「離せ裏切り者!」という言葉も気にかかりました。なぜ裏切り者なのでしょう?
さらにこのシーン、ニカに対してこれだけ強く当たるのであれば、なぜ14話のラストでスレッタを殺さなかったのか? も気になるところです。ノーマルスーツで宇宙空間に出ていたスレッタであれば、簡単に殺せたはず。13話ラストの時点では、ニカごとスレッタも殺さんばかりの勢いでしたが……。殺してはいけない事情がどこかでできた、ということでしょうか?
●OPが少し変化して、人型の光だったものがエリクトの姿になりました。めっちゃいい笑顔でしたね。14話で死ぬ前のソフィが見たその表情はもっと感情の見えないものでしたので、だいぶギャップがありました。
●今回スレッタや5号、プロスペラはまったく登場しませんでしたね。15話のサブタイトルが“父と子と”という時点でそういうことなんでしょうが……。“父と子と”ということで、エリクトとナディムのことが脳裏を少しよぎりました。
●シーシアがグエルに憎しみをぶつけてきたタイミングが気になりました。グエルが囚われの身になってからある程度時間が経っていますし、セドがジェターク社のことを知っていたのもなんでだろう? という気がします。ナジが教えたとも考えられなくはないですが、オルコットとの会話シーンを見ていると理由が薄いような気も。このタイミングでグエルに生きていられると困る誰かがいたりする……というのは考えすぎでしょうか?
ちょっとこの辺、見逃しているのかもしれませんし、もう少し15話を見ていたいと思います。
●オルコットの義手もGUND技術によるものなのでしょうか? ウルやソーンの出どころと同じものとも考えられますが、地球にもヴァナディースまたはオックス・アースの元関係者にして、今でもGUND技術に携わっている存在がいるような気がします。
●まだまだ全貌の見えないクワイエット・ゼロについて。15話時点の情報なども加味した現時点のまとめです。
・ノートレットの草案は、ラジャンによると「植物の多種多様な生存戦略を人類にも適応できないものか?」というもの。「夢想的で根拠のない、しかしノートレットらしいもの」だそうです。ラジャンは「ささやかなもの」だとも話していました。
・デリングの進めている現在のプロジェクトが目指すものは“戦いのない世界”。14話でプロスペラは、“データストームを利用して、パーメットリンクを介したあらゆるシステムを制御する新機軸のネットワーク構想”と説明。エアリアルはクワイエット・ゼロを起動するためのトリガー。
・デリングのプロジェクトには、現状のエアリアルとスレッタが到達しているほどのパーメットスコアは必要ないが、プロスペラのプロジェクトには必要となる。
・プロスペラが目指すクワイエット・ゼロは、“エリィが幸せになるために世界を書き換える”というもの。その直前には……
「(エリィは)データストームのその先で私たちを待っている」
「あの子(エリィ)は新しい身体を手に入れた。よろこんで……エリィこそが私たちの目指す、GUNDの未来よ」
と発言していることから、たぶんプロスペラが世界を書き換えた暁には、みんなが“データストームのその先”に行ってしまうことになる気がします。
●デリングが軍人だったころの戦争について――“PROLOGUE”よりも前の時代のこと――がラジャンの口から少し語られましたね。「戦場は無秩序でした。人々は意志を放棄し、兵器に決定権をゆだねる。パーツとして消費される兵士。私も多くの同志を失いました」と。それゆえにデリングは人間性の回帰を求めていたそうです。そのことは“PROLOGUE”での彼の宣言からも伺い知ることができますね。
●ラジャンの話を聞いたミオリネはどうするのでしょうか? ラジャンからは「あなたはあなただ。お父上ではありません。ご自身のお心で……」と言われていましたが……。その手に持った紅茶のごとく、心は揺れていたことでしょう。両親が関わっていたことや、父であるデリングへの態度も軟化しているように見えることを考えても、ミオリネはクワイエット・ゼロに深く関わっていくことになりそうですが……?
次回16話はどうなる?
グエルやシャディクの今後、そしてクワイエット・ゼロなどいろいろと気になることが盛りだくさんですが、次回16話はどうなるのでしょうか? タイトルを読み上げたのがプロスペラでしたので、16話ではガッツリと彼女が出てきそうな気がして仕方ありません!
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— 機動戦士ガンダム 水星の魔女 (@G_Witch_M) April 23, 2023
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』
第16話「罪過の輪」
4月30日 日曜午後5時
MBS/TBS系全国28局ネットにて放送!
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次回の放送もお楽しみに!#水星の魔女 #G_Witch pic.twitter.com/WBx5noNGUn
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