『Horizon Forbidden West』DLC“焦熱の海辺”レビュー。本編クリア後のご褒美的要素が多く、探索はより快適に!

hororo
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 発売中のPS5用ソフト『Horizon Forbidden West』の拡張コンテンツ“焦熱の海辺”が、4月19日よりPS Storeで発売開始されました。

 『Horizon』シリーズはオランダのGuerrilla Gamesが手がける人気オープンワールド・アクションRPG。大規模な自動機械との戦争によって地球文明が崩壊し1000年が経過した未来の地球が舞台となっています。人類の文明レベルは狩猟民族ほどまで後退してしまっており、かつての文明によって生み出された機械の獣たちが覇権を握るようになりました。

 本シリーズの主人公は、そんな中で生まれ育った女性・アーロイ。彼女はかつての文明の遺産に触れながら、世界の真実を解き明かし、隠された脅威と対峙していきます。最新作の『Horizon Forbidden West』では、テラフォーミングシステム“ガイア”の行方を追って、かつてのロサンゼルスやラスベガスのあるアメリカ西部に冒険の舞台を移しました。

 今回レビューする“焦熱の海辺”では、『Horizon Forbidden West』において、地球の大きな脅威となっていた組織、ファー・ゼニスとの決着をつけたあとの物語が描かれます。その性質上、“焦熱の海辺”のプレイには、『Horizon Forbidden West』本編クリア後のセーブデータが必要となっているのでご注意ください。

新機械獣はカエル型!? 見た目にそぐわぬやっかいな攻撃を多数搭載!

 まずはシリーズの目玉でもある、新たな機械獣を紹介しましょう。今回追加されたのは、カエル型の機械“バイルガット”です。これまで恐竜やクマ、マンモスなどを目玉に出してきておいて、ここでカエル……? と思うかもしれませんが、なかなか侮れない相手です。

 大きな特徴として、背中に付いたエッグランチャーから卵型のポッドを射出し、地面に植え付けることがあげられます。効果としてもまさに卵そのもので、アーロイが近づくと中から小型の機械“スティングスポーン”が出現し、攻撃してきます。

 スティングスポーン単体の攻撃力や耐久力は特別強いわけではありません。しかし、大物との戦闘中などに群がられると非常にやっかい! 戦闘中のみ生まれるのであればまだしも、つねに卵を射出しながら歩いていたり、そもそもフィールドに産み付けられているものがあったりするので、全部つぶしてから戦闘に入る、というのも難しいのです。

 またバイルガットは、カエルらしく長い舌を使った攻撃も行ってきます。中距離から突然攻撃が飛んでくることにびっくりしますが、この攻撃にはアーロイの持っている道具を盗むという効果も! 最初に攻撃を食らったときには面食らいました。まさか『Horizon』でスティール攻撃されるとは……。

 あとは要所要所で使ってくる酸の攻撃に苦しめられました。とくに前方に酸を吹きながら前進してくる攻撃は、単純に距離を取るだけでは逃げ切れないため、素早く回り込んだり遮へい物を利用したりと、とっさの判断が求められます。

 純粋な強力さでいえばサンダージョーやスロータースパインのほうが上ですが、こちらの動きを制限するような攻撃が多く、うまいこと立ち回らせてもらえない戦いづらさを覚えました。

 もう1体の特徴的な新機械獣は、サンウイング亜種のウォーターウイングです。サンウイングは本編のストーリーを進めることでオーバーライド可能になる翼竜型の機械獣。背中に乗って飛ぶことができる、重要な騎乗用の機械獣でした。

 ウォーターウイングもサンウイング同様にストーリーを進めることでオーバーライド&騎乗可能になるのですが、最大の特徴はなんといっても水中にも潜れること! 

 これまで水中の移動は地上に比べるとどうしても遅くなってしまい、あまり積極的に水中の物資を拾いに行こうとは思えませんでした。しかしウォーターウイングがいれば水中移動も快適! 探索がグッとラクになります。ただし水中戦闘はできないため、スナップモウなどに襲われたらさっさと離脱しましょう。

新たな装備とスキルで、戦闘の幅も大幅に拡大!

 レベル上限が上がったことで、新しいスキルも習得可能になりました。各分野に2つのアクティブスキルと1つの勇技が追加されています。とくに勇技は一定範囲の敵を瞬時に凶暴化させるものや、複数の地雷を設置するもの、敵のパーツを破壊するとほかの敵に電撃が連鎖するものなど強力なものが多い印象を受けます。ただ、発生条件にクセがあるものも多く、玄人向けの調整になっていると感じました。


 新エリアの集落で手に入る武器や防具は、レジェンダリレアリティの高性能なものばかり! しかし購入にはブリムシャインと呼ばれる新たな素材が必要なため、新エリアに着いてすぐには買うことはできません。

 ブリムシャインは本編のグリーンシャインと同じ扱いで、道から外れた場所にひっそりと埋まっています。ストーリー進行中でも探索するといくつか見つかったので、フォーカスでしっかりと探していればそこそこ手に入るでしょう。ただし、1つの武具の交換だけでもけっこうな量が必要なので、序盤はどれを購入するかよく考えた方がいいかも……? 

 そして、なんとファー・ゼニス由来の武器も手に入ります。その名も“スペクターガントレット”! 単純に協力な弾を連続発射できる優れものですが、マークした部分を自動追尾するという機能も兼ね備えているため、狙った部分の部位破壊にも向いています。

 弾の作成で使う素材もレアなものは使わないため、弾切れを心配せずに撃ちまくれるのも優秀で普通に強い! まさにここまでプレイした人へのご褒美的な武器と言えるでしょう。

 装備とは関係ありませんが、新要素としてモーターボートのような高速船が追加されています。ストーリーで乗ることになったあとは自由に使用可能になるのですが、正直サンウイングやウォーターウイングがいる状態では、使う機会は少ないかもしれません。ただ、移動自体は非常に快適ですし、海上を疾走するのは独特の気持ちよさがあったので、個人的に多用していました。

冒険の舞台はハリウッドへ! 群島と化した地形に住まうクエンの民に協力し、逃亡者を追い詰める

 最後に、ストーリーについて軽く紹介しておきます。“焦熱の海辺”は、本編のフィールドからさらに南へと下った群島地帯。現代ではハリウッドと呼ばれている地域が舞台となります。この地には本編にも登場していた、海洋事故で分断されたクエン族の片割れが流れ着いており、ギリギリの生活を送っていることが判明します。

 ゲーム中の相棒となるセイカも、この一団の戦士。戦闘の腕前はかなりのもので、アーロイもイチ目おくほどです。ちなみにアーロイはファー・ゼニスの生き残りを追ってこの地に来ており、メインストーリーではセイカとともに消えたクエンの偵察隊の行方を追いつつ、物語の真相に迫っていくことになります。

 メインクエストの数自体はそこまで多くはありませんが、いくつかのサブクエストがありますし、フィールドも本編と比べれば小さいものの、群島という立地を生かした起伏のある形状や水没したビルの数々、豊富な水中エリア、そして溶岩地帯など、探索を含めれば値段相応のボリュームは味わえるでしょう。

 ローンチトレーラーにも映っているため言ってしまいますが、ストーリーでは世界を滅ぼした古の鉄の悪魔こと“ホルス”との戦闘も! これまでは稼働停止して地表と一体化したホルスがフィールドの一部として描かれていたのみでしたが、とうとう正面から戦うことになります。これはシリーズを遊んできたファンほど燃える展開といっても過言ではないでしょう! 個人的な感想にはなりますが、これだけでもこの拡張コンテンツを遊ぶ価値があると感じました。

 また本編もそうですが、『Horizon』シリーズは、フォトモードを生かしてリアルかつ独特な風景を撮影するのも楽しみ方のひとつ。そういう意味でいえば、“焦熱の海辺”のエリアは、本編とは一味違う風景を撮れるスポットが多く、私のようなフォトモード愛好家にとってはたまらない拡張コンテンツとなっています。というか、砂浜に残る足跡とか、相変わらず細かい描写のクオリティがスゴイ……!


 今回“焦熱の海辺”をプレイして、改めて『Horizon』シリーズの物語の密度の高さやアクションのおもしろさ、世界観の表現方法のすごさなどをさまざまと感じました。『Horizon Forbidden West』をプレイした人はもちろんですが、これまでシリーズをプレイしたことがない人にも、ぜひこの機会に本シリーズに触れてみてほしいですね!

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