感想:RPGと声優好きが観た映画『ダンジョンズ&ドラゴンズ』。死体まで豪華な吹き替えキャスト目当てに観たら…クリティカルヒット!(ネタバレあり)

やすちか
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 映画『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』の感想記事を、RPGと声優さんが大好きな筆者がお届けします。

控えめすぎるプロモーションからの、セクシーパラディンで話題の映画『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』とは?

 “意外と面白いと評判です。騙されたと思って仲間や家族みんなで観てみてください”という腰の低い公式が目を引く、テーブルトークRPG(ボードゲーム)が原作の映画です。剣と魔法とドラゴンなどの超王道ファンタジー作品で、大人から子供まで家族皆で楽しめるエンタメ映画なのに公式さんが控えめな為、鑑賞した人が「もっと自信もって宣伝して!」と応援する事態に(笑)。

 その後SNS等で評判が広がり、観た人の心を鷲掴みにするキャラ・聖騎士のゼンクのあまりにセクシーすぎる佇まいに“セクシーパラディン”がTwitterのトレンドに上がりました。そしてその言葉に惹かれて鑑賞された方が、こぞって「本当にセクシーパラディンだった…」とため息をつく様子が…。恐ろしい男、ゼンク。

 様々な種族やモンスターの住む世界で、吟遊詩人のエドガンと、女戦士のホルガが“よみがえりの石板”を求めて旅をするストーリーです。

 旅の途中で仲間になるのは魔法使い、ドルイド、聖騎士とRPG好きなら馴染みのある職業ばかり。筆者はファンタジー系のRPGが大好きで、映画では『ロードオブザリング』シリーズがマイベストファンタジー映画なのですが、本作はそれに匹敵する王道ファンタジーでした。

 登場モンスターもレッドドラゴン、ミミック等これまたお馴染みの安定感。レッドドラゴンのビジュアルとモーションは意表をついていてこちらもSNSで可愛いと話題に。

 さらにコメディ要素もふんだんに取り入れた、笑って泣ける良質なエンタメ作品です。ストーリーもテンポ良く進み、最初から最後まで飽きることなく観ることができました。

 まだご覧になっていない方は、終映も近いので、是非お近くの上映劇場を探して鑑賞をおススメします。原作のボードゲームは知らなくても十分楽しめます!

【注意】ここから先は、映画『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことを強くオススメします。

死体まで豪華! 吹き替えキャスト

 筆者は本作を、推しの声優・森川智之さんが死体役で出演されるという事で鑑賞を決めました。死体役とは…? と首をかしげましたが、出るなら見る。それがファンというもの。更には他にご出演の皆さんも著名な声優さんばかりで、これは観るしかない! と、ボドゲ好きな夫と、私の影響でダメ絶対音感が育ちつつある息子たちと4人で鑑賞。子供も楽しめるので、今回は吹き替えで正解でした。予告編を観てテンションを上げ、いざ映画館へ!

 冒頭の監獄のシーンで、エドガン(CV:武内駿輔)の口のうまさ、ホルガ(CV:甲斐田裕子)姐さんの腕っぷしの強さが表現されて、ふたりの関係が甘いものではなとわかります。この、めちゃめちゃ強い女戦士のホルガが甲斐田さんなのがまた良い。ゲームだと『オクトパストラベラー』のハンイット、『バイオハザード』シリーズのクレア、『トゥームレイダー』シリーズのララ・クロフトなど、戦闘力高め女子を演じられる事が多い方なので、ホルガにぴったりです!

 偉大な魔法使いの血筋だけど、自信がなくしょぼい魔法しか使えないサイモン(CV:木村昴)、2次元から飛び出して来たような美少女だけどアウルベアや様々な生物に変身できるドルイドのドリック(CV:南沙良)。ヴィランでは、愛嬌があって憎めない詐欺師のフォージ(CV:森田順平)、病みメイク&スキンヘッドで黒いドレスの魔法使いソフィーナ(CV:沢城みゆき)と、仲間も敵も魅力的なキャラクターだらけなのです!

 話題の“セクシーパラディン”こと聖騎士のゼンク(CV:中村悠一)。真面目で堅物、冗談が通じない彼がセクシーパラディンとして観客に名高いという事実、面白すぎます。それもこれも演じられているレゲ=ジャン・ペイジさんの放つ色気のなせる業だと思います。彼の登場シーンは、子猫を助ける為に何故か上着を脱ぐモーションで1セクシー、そっと肩に触れて道をあけてもらう所作で2セクシー、そして柔らかそうなシャツの、とんでもなく開いた胸元でセクシー全開でした。聖騎士様そんな胸元防御力低くて大丈夫!? おばちゃん心配! 

 常に優しい微笑みをたたえているゼンク。エドガンに「大嫌い」って言われてもふんわり微笑む笑顔がセクシー、尚且つ首をかしげる角度もセクシーと、セクシーばかりが取りあげられるゼンクですが、彼の人気はなんといってもその人柄。まさに聖人君子、困っている人がいれば敵であれ助け、約束を果たす。パラディンにふさわしい人格者。どこまでも真っすぐで“真面目過ぎて面白い”キャラなのです。「クソッタレ」という言葉に「クソを垂れているのか…?」と返す素直さ、嫌いじゃない。

 “セクシーパラディン”のトレンドを受け、レゲ=ジャン・ペイジさんご本人が日本語で「セクシーパラディン」とTweetした事もファンには驚きでした。

 花をバックに横たわる(倒れてる)ゼンク…。さすが真っすぐな男。寝相も良さそうだ。

 主要キャラではありませんが、死体役はなんと5名いらっしゃって、信じられない豪華さ。死体の皆さんの登場シーンは作中屈指の面白さでした。

こだわりの美術に目が眩む! 製作費お高いんでしょう? 応援しなくちゃ!

 町から町への移動シーンの壮大さ、ヒューマン以外のキャラクター造形(鳥人間やドラゴンボーンも衣装で、なんとCGのキャラの方が少ない!)、過去の戦争シーンを観ていて思いました。この映画、めちゃんこ製作費かかってる…!!

 少ない登場シーンのキャラの造形や衣装、全てにもこだわりを感じ、製作者の熱意を感じる美術や映像の数々。なのに何故公式さんは控えめなの…? これは応援したくなります。

お気に入りのシーンいろいろ

 最後に筆者お気に入りのシーンをいくつかご紹介します。

①ドリック逃走シーン
 潜入したのがバレて、様々な動物に変身しながらドリックが逃走するシーンです。ハラハラとワクワクが同居した前半で一番好きなシーンです。

②脳みそ君との出会い
 アンダーダークに潜り、“知性の高い者に反応して襲ってくる”モンスターに出会った一行。緊張が走る中…5人もいるのに誰にも反応しないんかーい! せめてチームのブレインであるエドガンには反応して欲しかった(笑)

③死体への質問
 死体イエス…なるほどのネーミング。死体ヴェン…好きな本聞かれたら迷っちゃいますよね、わかる~!

④ジャーナサン登場シーン全部
 皆が待ってるジャーナサン。続編があったらまた会いたいジャーナサン。

 他にもホルガの戦闘シーン、レッドドラゴン戦、ハイサンゲームなど、まだまだ好きなシーンは沢山あります。

 きっかけは吹き替えキャストさんでしたが、こんな素敵な作品に出会えたので、お宝を見つけた気分です! 鑑賞後は雑草清掃の現場に居合わせると「刈りたての草のにおいだ!」と子供たちとサイモンを思い出してニコニコしています。公開期間中に字幕でも観たいなぁ!!

 とにかく、映画好きにもゲーム好きにも、声優好きには吹き替え版もおすすめの、映画『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』ぜひ劇場でご覧になって下さい。

 ちなみにフィギュアの出来も素敵なので、気になる方はこちらもぜひ!

  • ▲セクシーパラディンをはじめ、フィギュアの出来もすごいです!

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