『機動戦士ガンダム 水星の魔女』16話はスレッタとミオリネの会話が見どころ。そしてグエルは…【感想&考察】

てけおん
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 4月30日に放送&配信されたアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第16話(Season2 第4話)“罪過の輪”の感想や考察をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』16話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことを強くオススメします。

プロスペラの話術がすごかった……

 15話“父と子と”では徹底的に出番がなかったプロスペラですが、16話ではアバンからラストまでガッツリと出ていました。

 このエピソードで……というか以前からそうですが、プロスペラは本当に人を言いくるめるのがうまいなと感じました。「確かに私のやっていることはよくないかもしれないけれど、あなただって……」というプロスペラの話の持って行き方によって、ベルメリアにしてもミオリネにしても会話の主導権を握られっぱなしでしたね。

 ベルメリアはともかく、ミオリネなんてデリングがしたことを引き合いに出して総裁になれ……と言っているわけで。はたから見ているからこうして理屈を付けてツッコんでいられますが、プロスペラの“人を呑む力”は相当なものなんでしょうね。デリングが意識不明になっている今、プロスペラに舌戦で太刀打ちできる人はそうそういないような気もします。

 “prologue”の時のエルノラからすると、まさに人が変わったようというか……ヴァナディースへの襲撃で夫・ナディムをはじめ数々の大切なモノを失ってしまったわけで。こうなっても不思議ではないなと。

 そして、16話ではエリクトがなぜ死んでしまったのかも語られました。正直、デリングへの復讐のためにエリクトを利用し、GUND技術の研究を進めていった結果……というセンがあっても不思議じゃないとは思っていましたが、それはさすがに邪推だったなと。

プロスペラの目的達成にはパーメットスコア8が必要

 14話や16話のアバンで「世界を書き換えたいの。エリィが幸せになるために」と言ったプロスペラ。プロスペラの目的が達するには、パーメットスコア8が必要。スコア8では“クワイエット・ゼロ”でデータストームの領域を広げることができ、自由に生きられると話していました。

強化人士5号が見たモノは?

 ペイル・テクノロジーズのCEOたちに命じられた強化人士5号。エアリアルの奪取に赴くわけですが、エアリアルとのリンクに失敗し、12人のエリクト――と表現していいのでしょうか?――の姿こそ見たものの、「あなたはダメ」と拒絶されてしまいました。

 5話“氷の瞳に映るのは”で強化人士4号がパーメットスコア2を発動した時には、今回の5号のように体内のパーメットを反応させてダメージを与えられることはありませんでした。

 2つほど推測してみました。

 1つめの予想は、5話の時点ではパーメットスコアが高くなかったため、今回のような反応ができなかった。もしも16話時点のパーメットスコアに達したエアリアルであれば、4号がリンクした時に、同じようにパーメットを反応させていたかもしれません。実際、6話“鬱陶しい歌”での戦闘終盤、4号はエアリアルのシェルユニットがひと際赤く輝いた後に放出されたパーメットの波のようなモノを受けて苦しんでいましたし。

 2つめは「あなたはダメ」という言葉にあるように、人やタイミングによって対応を変えているのでは? というもの。4号と5号は姿こそ同じですが、外見とは別に何か基準があるのかも……しれませんね。

 また、OPの満天笑顔なエリクトと、14話や16話の本編に登場したエリクトは、別人のように表情が違いました。今回、5号は12人のエリクトを目撃したわけですが、エリクトとエリクトの姿をしたそれ以外の意識が存在している、ということでしょうか? もしくは、パーメットスコアがさらに上がっていけば、OPのエリクトのような表情になったりするんでしょうかね?

 また12人だったことも気になります。やはりあれはエアリアル本体と11個のガンビットに対応している、ということなのでしょうか? このあたり、プロスペラ(もしくはエリクト?)が劇中で語ってくれる日が来るとは思いますが……。

グエルがアスティカシアに戻ってきた!!

 ちょっと驚いたのですが、グエルがもうアスティカシアに戻ってきましたね! てっきり、宇宙に上がるまでオルコットとしばらく行動を共にしたりするのかな……と思っていたので、このスピード感は意外でした。

 ラウダを心配するペトラに向かって「あとは俺が引き継ぐ」というグエル。めちゃくちゃカッコイイ……。グエルが画面に映るだけでワクワクしてしまいます。

スレッタは青いトマト……だけど

 温室でのスレッタとミオリネの会話。2人がこうして直接会話するのはクエタでの事件以降初めてだと思われますが……。クエタではスレッタへの恐れが前面に出ていたミオリネですが、今回は、スレッタにひどいことを言ってしまった後悔や、話が伝わらないことへのもどかしさや悔しさ、プロスペラへの怒りといったもの出ていたように感じました。

 また、ミオリネの表情を赤いトマトに、そしてスレッタの表情を青いトマトに重ねる演出も印象的でした。ただ単に成長の度合いが違うことを示しているようにも思えますし、養分(親の愛や教育などさまざまなモノ)を十分に注がれたか注がれなかったかを表しているようにも見えました。

 でも……スレッタの表情が重ねられていた青いトマトも半分は赤くなっていたんですよね。そして14話のラストで「進めばふたつ……お母さんの言う通り」と言いながらもスレッタは涙を流していました。さらに見方を変えれば、青いトマトは染まりきっていない、変化する余地を残していると受け取ることもできます。

 スレッタは、母に授けられた言葉の呪縛から――定められたフィクションから――飛び出し、飛び立つことはできるんでしょうか?

その他気になったこと

●宇宙議会連合がじわじわと動き出していることがフェン・ジュンのセリフから伺えました。また、フェン・ジュンは、シン・セー開発公社の動きやどことつながっているかを怪しんでいるようでしたね。調査結果はミオリネの元にくると思われますが……?

●ベネリットグループの総裁選が行われる展開になってきました。これもドラマに大きく寄与しそうな部分ですよね。と、ここにきてペイル・テクノロジーズのCEOたちの動きが活発になってきたように思います。今回5号は、彼女たちにエアリアルを奪うように言われたのですが……なぜこのタイミングで? 総裁選と何かかわりがあるのでしょうか?

●14話でサリウスが誘拐される場面を見た5号ですが、その方法はペイル・テクノロジーズのCEOたちには共有されていないように思いました。とすると、彼は強力な札を持っていると言えそうですが……この手札をいつどのように切るのかも気になるポイントですね。

●プロスペラは、エアリアルには“クワイエット・ゼロ”について話していないんでしょうね。話していても全貌は明かしていないというか……そんな感じがします。小説『ゆりかごの星』を見るに、目的のひとつが復讐であることは明かしているようですが。

●セセリアの端末の画面には――学園の生徒たちが使う掲示板でしょうか? そのようなものが映されていました。意訳ですが、そこには学園はもうおしまいとか、アーシアンに対する悪感情を読み取ることができました。そんな中で「もしもグエルさんがここにいてくれたら……」というコメントが。スレッタと出会って以降、負けが続き寮まで追い出されてしまったグエルですが、いまだに人望があることがうかがえました。

 またセセリアの「花婿が誰になるのかくらい……」というセリフで、破壊されたディランザの前にたたずむフェルシーの姿が映されましたが、次回以降何かフェルシーに絡んだエピソードが入ってくるのでしょうか?

●何でプロスペラはあのタイミングで地球寮に? 彼女に限っては、何の目的もなく動くような人物ではないと思っています。また、もしもミオリネやスレッタと話すことが目的であるなら、あのまま見送ったりしないでしょうし、なんなら温室まで付いていったと思います。そうであるなら、地球寮のメンバーと会話することこそが目的ではないかと思うのですが……? この辺もそのうち明らかになるかもしれませんね。

●サビーナがニカに「仲間にならないか」とスカウトしていました。それに対してニカは「被害者のふりをしていられない」「目的は正しくても、手段は間違えたくない」と。サビーナもまた、ニカとはアプローチが異なっているものの、同じく“地球と宇宙の架け橋になる”という夢を持っているようでした。

 そんな彼女がニカの治療を行った場所には、青いバラ(?)と思われる花がいけられていました。花言葉には詳しくないので調べてみると、“夢かなう”、“奇跡”、“神の祝福”といったものが並んでいました。またかつては“不可能”、“存在しない”という花言葉だったそうです。さてこの部屋にいけられた花には、どういった意味が込められていたのでしょうか?

次回17話は……?

 次回は、第17話“大切なもの”が5月7日に放送予定です。サブタイトルを読み上げたのはグエルでした。

 アスティカシアに戻ってきたグエル。父との間に遺された様々なもののために宇宙へと帰ってきたグエルですが、来週はまた彼にスポットが当たったりするのでしょうか? また、ヴィムの最期についてはラウダに話すのでしょうか? もう本当、毎週気になってしょうがないです!!

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』Season2

【スタッフ】※敬称略
企画・制作:サンライズ
監督:小林寛
シリーズ構成・脚本:大河内一楼
原作:矢立肇/富野由悠季
キャラクターデザイン原案:モグモ
メインキャラクターデザイン:田頭真理恵
キャラクターデザイン:戸井田珠里/高谷浩利
メカニカルデザイン:JNTHED/海老川兼武/稲田航/形部一平/寺岡賢司/柳瀬敬之
チーフメカアニメーター:久壽米木信弥/鈴木勘太/前田清明
副監督:安藤良/綿田慎也
テクニカルディレクター:宮原洋平
設定考証:白土晴一
SF考証:高島雄哉
メカニカルコーディネーター:関西リョウジ
設定協力:HISADAKE
プロップデザイン:絵を描くPETER/えすてぃお
美術デザイン:岡田有章/森岡賢一/金平和茂/玉盛順一朗/上津康義
コンセプトアート:林絢?
美術監督:佐藤歩
色彩設計:菊地和子
音響監督:明田川仁
撮影監督:小寺翔太
3DCGディレクター:宮風慎一
モニターグラフィックス:関香織
編集:重村建吾
音楽:大間々昂
製作:バンダイナムコフィルムワークス/創通/MBS

【出演声優】※敬称略
スレッタ・マーキュリー:市ノ瀬加那
ミオリネ・レンブラン:Lynn
グエル・ジェターク:阿座上洋平
エラン・ケレス:花江夏樹
シャディク・ゼネリ:古川 慎
ニカ・ナナウラ:宮本侑芽
チュアチュリー・パンランチ:富田美憂
デリング・レンブラン:内田直哉

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