『どうする家康』17話感想。圧倒的な信玄の狡猾さと風格! 家康たちはかつてない窮地に

びえ
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 毎週日曜20時からNHKで放送の大河ドラマ『どうする家康』。第17回“三方ヶ原合戦”のレビューをお届けします。

頼みの綱は織田の援軍だけ。絶望的な状況でどうする、家康!?

 第17回“三方ヶ原合戦”では、押し寄せる武田軍の猛攻をなんとか凌ぎきろうと苦心する家康の姿が描かれます。

 武田の大軍によって次々と徳川の拠点が落とされ、頼みの綱は織田信長だけ。信長と会う約束を取り付けた家康は、武田軍を破るための策を提案します。

 自分から作戦を提案するまでに成長した家康の姿と、同じ考えだと同意する信長に、一心同体だとまで言われる場面はなかなか熱いものがありました。

 「乱世では弱さは害悪」と宣言した家康が、自分の弱い心の象徴として木彫りのうさぎを瀬名に託すシーンは、家康の覚悟と瀬名への思いや信頼がうかがえて、切ないような温かいような不思議な気持ちに。

 優しさだけではどうにもならない時代の悲しさと、それでも覚悟をもって生きようとする彼らの姿に胸が痛みます。

地の利を活かす! 家康たちの作戦と勇気は吉と出るか凶と出るか…

 大軍が次々と徳川方の拠点を落とし、その報告だけを聞いている家康たちには、武田信玄本人がどこにいるのかを掴むことができません。

 当然、次は自分たちの本拠地に攻め込んでくるものと思い、籠城の覚悟をし、さらに反撃の作戦も立てるのですが、予想に反して武田軍は彼らを素通り。

 まっすぐに西へ向かおうとする武田軍に、動揺する家康たち。完全に手のひらの上で踊らされてしまっているのですが、相手が戦上手の信玄だと考えると納得の展開でした。

 このまま武田軍を追いかけずに通してしまえば腰抜けと思われ、かと言って打って出ればそれは無謀というもの。そんな難しい状況に、家康はどうするのか。

 再び大きな決断を迫られた家康の脳裏に、以前のトラウマや信玄の言葉がフラッシュバックします。

 地の利で信玄より優ると考えた家康は、通り過ぎていく武田軍を追撃することに。狭い場所では大軍も上手く身動きがとれないだろうという判断ですが、これが吉と出るか凶と出るか。

 意気揚々と向かった先で、堂々と待ち構えている武田軍の姿。さっきまで流れていた音楽が消え、静かに双方の顔が映されるシーンが非常に印象的でした。

 家康たちにとどめを刺すような、信玄の言葉はとてもカッコよく、敵ながら惚れ惚れとしてしまいます。強敵としてふさわしい風格です。

 絶望的な光景が広がる戦場の様子が映し出され、家康が着ていたのと同じ金色の鎧をまとった死体が……というところで今回のお話は終わりに。さて、家康は本当に死んでしまったのか!? 次回がとても楽しみです。

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